【総まとめ】Apple Vision Proを徹底解剖|機能から用途まで

Vision Pro まとめ

2023年6月に、遂にAppleから初のXRデバイスである「Apple Vision Pro」が発表され、「魔法のような新たな体験を実現する、同社の長年のプロダクトデザインの集大成」として、世界中から大きな注目を集めています。

 

そこで今回は、Apple Vision Proの機能から用途まで徹底解剖してわかりやすくご紹介します。

 

本記事は、以下のような方におすすめの記事となっています。

 

  • Vision Proの概要やできることなどを抑えておきたい
  • Vision Proの注目機能やスペックなどを詳しく知りたい
  • Vision Proによってどのようなビジネスチャンスがもたらされるか気になる

 

本記事を読めば、Apple Vision Proに関して抑えておきたい一通りの最新情報を、まとめて一気にキャッチアップできる内容となっておりますので、ぜひ最後までご一読ください。

目次

そもそもApple Vision Proとは?

Apple Vision Pro
(画像:Apple)

Apple Vision Proは、2023年6月に発表された、Apple初のゴーグル型XRヘッドセットデバイスです。Appleは、このデバイスをPC、スマートフォンにとって変わる「空間コンピューティング」デバイスとして発表しています。

 

apple vision pro
(画像:Apple)

発表会では、Apple Vision Proを装着して、映画やゲームなどのエンタメ体験だけでなく、デスクワークや製品の設計・シミュレーションなどでの利用が紹介され、日常生活からビジネスユースまで幅広い用途で利用されるデバイスとして開発されていることが伺えます。

 

Apple Vision Pro
(画像:Apple)

Apple Vision Proは、Appleが「MacbookやiPhone、Apple Watchなど、長年開発してきた数々のプロダクトデザインの集大成」と発表しています。

 

そのため、Meta Questなどの既存のXRデバイスと比べ、圧倒的な性能の高さと使いやすさを実現するのではと、世界中から大きな注目を集めています。

 

本デバイスの価格は日本円で約50万円で、2024年初頭にアメリカで発売された後、2024年中にその他の国と地域でも販売される予定です。

 

※関連記事:AppleのVision Proでできること5選から戦略まで徹底解説

Apple Vision Proの注目すべき5つの新機能

Apple Vision Proの注目すべき5つの新機能

Apple Vision Proの注目すべき新機能として以下の5つが挙げられます。

 

  • ①圧倒的没入体験を実現する高精細ディスプレイと立体音響
  • ②快適な利用を実現する製品設計と操作方法
  • ③タイムスリップしたような体験を実現する3Dカメラ
  • ④様々な状況に対応可能なダイアルによる没入感の調節
  • ⑤周囲の人へのユーザーの表情のリアルタイム表示

 

それぞれの機能について分かりやすく紹介していきます。

①圧倒的没入体験を実現する高精細ディスプレイと立体音響

apple vision pro display
(画像:Apple)

Apple Vision Proは、片目だけで4KTVを超える画素数を誇る高精細ディスプレイを搭載しており、またユーザーの周囲の空間を含め、個人や状況に最適化された立体音響機能を有しているなど、圧倒的な没入体験を実現するXRデバイスとして最高峰のスペックを誇っています。

②快適な利用を実現する製品設計と操作方法

Apple Vision Pro
(画像:Apple)

Apple Vision Proは、先行体験した記者によると、類似のスペックを持つデバイスであるMeta Quest Proに比べ、約40%の軽量化に成功し、約450グラムであると推定されています。

 

apple vision pro 操作
(画像:Apple)

また、Apple Vision Proは、指のジェスチャーや目線、Siriでの音声入力による、直感的な操作が可能です。Questなどの類似デバイスが、コントローラーを両手に持って操作しないといけないのに比べ、操作の負担はかなり軽減されそうです。

③タイムスリップしたような体験を実現する3Dカメラ

apple vision pro 3Dcamera
(画像:Apple)

Apple Vision Proには、史上初となる3Dカメラが搭載されています。この3Dカメラによって、目の前で起きたシーンをそのまま切り取るように撮影することが可能です。

 

ユーザーはVision Proを利用することで、撮影した3D動画・写真はユーザーを包み込むように広がり、まるで撮影した時・場所にタイムスリップしたかのような全く新しい体験をすることができるとのことです。

④様々な状況に対応可能なダイアルによる没入感の調節

apple vision pro digitalcrown
(画像:Apple)

Apple Vision Proには、バーチャル空間への没入度を調節できる「Digital Crown」というダイヤルが搭載されています。

 

例えば、バーチャル空間でコンテンツを利用しながらも、人に話しかけられたら、瞬時に没入感を調節し相手と会話するなど、従来はXRデバイスを利用することが難しかった環境でも、不自由なく利用することが可能です。

⑤周囲の人へのユーザーの表情のリアルタイム表示

Apple Vision Pro
(画像:Apple)

Apple Vision Proには、ユーザーの表情がデバイスの前面にリアルタイムで表示される、「EyeSight」という機能が搭載されています。
 

また、Apple Vision Proは、指のジェスチャーや目線、Siriでの音声入力による、直感的な操作が可能です。Questなどの類似デバイスが、コントローラーを両手に持って操作しないといけないのに比べ、操作の負担はかなり軽減されそうです。

Apple Vision Proには、史上初となる3Dカメラが搭載されています。この3Dカメラによって、目の前で起きたシーンをそのまま切り取るように撮影することが可能です。

 

ユーザーはVision Proを利用することで、撮影した3D動画・写真はユーザーを包み込むように広がり、まるで撮影した時・場所にタイムスリップしたかのような全く新しい体験をすることができるとのことです。

Vision Proのレビューまとめ:期待を裏切らない「魔法のような新しい体験」が可能

Apple Vision Pro
(画像:Apple)

XR/メタバース業界に限らず、幅広い業界の製品で、発売前の宣伝より実物の体験の質が低かったというのは、よくある話です。

一方で、Apple Vision Proは、「Appleが長年培ってきた技術の集大成」や「魔法のような新しい体験」などと、かなりの期待感を高める宣伝をしていながらも、実際に体験した方々のレビューによると、その期待を裏切らない体験を、実際に提供してくれる製品のようです。

 

様々な魅力や特徴のある Vision Proですが、その中でも特に体験者の方々のレビューが多かったポイントとして以下の5つが挙げられます。

 

Vision Proのレビューまとめ:期待を裏切らない「魔法のような新しい体験」が可能
  • ①装着感:良い。30分程度の体験では大きな負担を感じず
  • ②操作感:他社のデバイスを圧倒する使いやすさ
  • ③没入感:まるで映画の世界に入り込んだような感覚に
  • ④3D画像・動画:タイムスリップしたかのような体験を実現
  • ⑤リアルとバーチャルの融合:境界が分からないほどシームレス

 

それぞれのポイントに関する、体験者のレビューを詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。

 

※関連記事:Apple Vision Proを体験した日本人7名のレビューまとめ

Apple Vision Proのスペック:Appleのプロダクトデザイン力の集大成

Apple Vision Proのスペックは以下の通りです。

 

  • ①価格:3,499ドル(日本円で約50万円)
  • ②発売日:米国では2024年前半、その他の地域では順次発売予定
  • ③デザイン:Appleの長年のプロダクトデザインの集大成
  • ④重さ:約0.45キロ弱と軽量化に成功
  • ⑤バッテリー:持続時間は2時間も、充電しながらなら一日中使用可能
  • ⑥ディスプレイ:4K TV並の高画質で、細かな文字も読みやすい
  • ⑦オーディオ:最適化された立体音響でまるで周りから聞こえる感覚に
  • ⑧カメラ:タイムスリップしたかのような体験のできる3D動画/写真
  • ⑨操作方法:指や目線、ボイスチャットによって直感的な操作が可能
  • ⑩センサー:高性能センサーにより正確かつ遅延のない体験を実現
  • ⑪性能:特別に開発されたR1チップにより、VR酔いの解消へ
  • ⑫OS:新たに開発された3Dのインターフェイスを実現するOS

 

それぞれの項目について、要点に絞ってわかりやすく紹介していきます。

①価格:3,499ドル(日本円で約50万円)

Apple Vision Pro
(画像:Apple)

Apple Vision Proの価格は3,499ドル、日本円で約50万円です。

デバイスとしてはかなり高額となっていることや、Apple Vision 「Pro」というネーミングからも、主に企業や開発者、ガジェット愛好家に向けたデバイスであると考えられます。

 

また、一部報道では、Appleは数年以内に、より低価格帯の一般向けモデルを販売予定とのことです。

②発売日:米国では2024年前半、その他の地域では順次発売予定

Apple Vision Pro
(画像:Apple)

Apple Vision Proは2024年前半に米国で販売開始され、その後2024年後半にその他の国でも販売される予定です。

 

Bloombergのガーマン記者によると、販売エリアの候補としては、イギリス、カナダ、その後、日本、韓国、中国、香港、オーストラリアと、フランス、ドイツでの発売が検討されているとのことです。

③デザイン:Appleの長年のプロダクトデザインの集大成

Apple Vision Pro
(画像:Apple)

Apple Vision Proは、Appleが「MacbookやiPhone、Apple Watchなど、長年開発してきた数々のプロダクトデザインの集大成」と発表しています。

熱効率の良い設計や、軽量かつフィット感の良い素材、ユーザーに合わせたパーツの組み替えが可能なデザインなど、性能の高さ・持ち運びやすさ・装着のしやすさの全てを高い次元で実現する、Appleの自信作となっています。

④重さ:約0.45キロ弱と軽量化に成功

Apple Vision Pro
(画像:Apple)

Apple Vision Proの正式な重量は発表されていません。一方で、既にVision Proを体験した The Vergeの編集長であるNilay Patel 氏は、重さが約450グラム弱であると推定しています。

 

これは、類似のスペックを持つデバイスであるMeta Quest Proが約720グラムであることを踏まえると、かなりの軽量化に成功していると言えます。

 

その理由として、Vision Proは類似デバイスと違い、バッテリーを本体に内蔵するのではなく、コードで繋ぎポケット等に収納するアプローチを取っていることなどが挙げられます。

⑤バッテリー:持続時間は2時間も、充電しながらなら一日中使用可能

Apple Vision Pro
(画像:Apple)

Apple Vision Proのバッテリー持続時間は2時間、またUSB-Cアダプターで主電源と接続しながら使用する場合は、一日中使用可能と発表されています。

 

バッテリー持続時間が2時間と聞くと、少し短い印象を受けますが、Vision Proは主に屋内で利用することを想定されているため、充電しながら使用すれば問題にはならないかもしれません。

⑥ディスプレイ:4K TV並の高画質で、細かな文字も読みやすい

Apple Vision Pro
(画像:Apple)

Apple Vision Proのディスプレイは、片目分だけで4K TV以上のピクセル数を誇るほど圧倒的な高画質となっており、Webブラウザ上の細かい文字を問題なく読むことが可能とのことです。

 

この高画質は、マイクロOLEDという技術により実現しており、従来のOLEDに比べ、小型かつ画素密度が高く、かつコントラストと応答速度が大幅に優れているという特徴があります。

⑦オーディオ:最適化された立体音響でまるで周りから聞こえる感覚に

Apple Vision Pro
(画像:Apple)

Apple Vision Proのオーディオは、従来のXRデバイスより遥かに優れた立体音響を実現し、まるで周りの特定の位置から音が聞こえているような体験を提供するとのことです。

 

この体験は、ユーザーの耳の形状や周辺の家具などの物体の特徴や素材を分析し、立体音響を最適化するという最先端技術によって実現されています。

⑧カメラ:タイムスリップしたかのような体験のできる3D動画/写真

apple vision pro 3Dcamera
(画像:Apple)

Apple Vision Proには、史上初となる3Dカメラが搭載されています。この3Dカメラによって、目の前で起きたシーンをそのまま切り取るように撮影することが可能です。

 

ユーザーはVision Proを利用することで、撮影した3D動画・写真はユーザーを包み込むように広がり、まるで撮影した時・場所にタイムスリップしたかのような全く新しい体験をすることができるとのことです。

 

また、iPhone 15 Proとの連携も発表されており、外出先で撮影した空間動画・写真を撮影することができます。

⑨操作方法:指や目線、ボイスチャットによって直感的な操作が可能

apple vision pro 操作
(画像:Apple)

Apple Vision Proは、指のジェスチャーや目線、Siriでの音声入力による、直感的な操作が可能です。Questなどの類似デバイスが、コントローラーを両手に持って操作しないといけないのに比べ、操作の負担はかなり軽減されそうです。

 

Apple Vision Pro
(画像:Apple)

また、Vision ProのアプリのUIがiPhoneやMacBookで用いられるお馴染みのUIであるため、iPhoneやMacbookユーザーの方は、利用開始直後から比較的スムーズに利用できることも、魅力の1つです。

⑩センサー:高性能センサーにより正確かつ遅延のない体験を実現

apple vision pro sensor
(画像:Apple)

Apple Vision Proには、12のカメラと5つのセンサー、6つのマイクが搭載されています。

 

これらからの膨大な入力データを、Vision Pro向けに開発された高性能チップにより処理することで、正確かつ遅延のない、頭の位置や視線や手での操作の認識や、3Dコンテンツ表示を可能としています。 

⑪性能:特別に開発されたR1チップにより、VR酔いの解消へ

apple vision pro tip
(画像:Apple)

Apple Vision Proは、その魅力的な体験を実現するための膨大かつ高速なデータ処理を、2種類のチップにより実現し、従来のデバイスの課題であったVR酔いを解消しているとのことです。

 

1つ目が、M2チップで、膨大なデータ処理を高速かつ低音かつ静かに行うことが可能です。

 

2つ目が、R1チップで、デバイスの各所に設置されたカメラやセンサーからのデータ入力を、遅延なく処理することが可能です。これより、デバイスの操作からコンテンツ表示までにかかる時間は12ミリ秒以下と、まばたきの8分の1ほどの短さで、VR酔いが起こらないのではと大いに期待されています。

⑫OS:新たに開発された3Dのインターフェイスを実現するOS

Vision OS
(画像:Apple)

Vision OSは、Vision Proのために開発された、3Dのユーザーインターフェースを実現する新たなOSです。

 

ユーザーは、まるで実在するかのように、現実空間上で3Dのデジタルコンテンツの大きさや距離を正確に把握したり、操作を指や視線、声により直感的に行うなど、まるでSFの世界のような新たな体験が可能となります。

Apple Vision Proの普及が期待される7つの理由

Apple Vision Proの普及が期待される7つの理由

Apple Vision Proは約50万円という高額ながら、今後普及が期待されています。その理由として以下の7つが挙げられます。

 

  • ①従来のXRデバイスを圧倒する没入体験
  • ②リアルとバーチャルのシームレスな融合
  • ③エコシステム戦略によるアプリの充実
  • ④Vision ProでもiOSアプリが利用可能
  • ⑤本体重量の軽量化
  • ⑥手や目線の動きによる直感的な操作
  • ⑦Appleの誇る洗練されたUI/UX

 

それぞれの理由について分かりやすく紹介していきます。

①従来のXRデバイスを圧倒する没入体験

apple vision pro display
(画像:Apple)

Apple Vision Proは、片目だけで4KTVを超える画素数を誇る高精細ディスプレイを搭載しており、またユーザーの周囲の空間を含め、個人や状況に最適化された立体音響機能を有しているなど、圧倒的な没入体験を実現するXRデバイスとして最高峰のスペックを誇っています。

②リアルとバーチャルのシームレスな融合

apple vision pro
(画像:Apple)

従来のメタバース/XRデバイスは、ゲームを行う際など、特定のシーンでのみ装着する位置付けでした。一方で、Apple Vision Proは、発表時の紹介動画でリビングや職場などでの利用シーンが多用されるなど、日常生活に溶け込む存在として位置付けられています。

  

Vision Proはリアルとバーチャルのシームレスな融合を実現すべく、バーチャル空間への没入度を調節できる「Digital Crown」というダイヤルや、ユーザーの表情がデバイスの前面にリアルタイムで表示される、「EyeSight」という機能が搭載されています。

③エコシステム戦略によるアプリの充実

エコシステム戦略によるアプリの充実

Appleは、Vision Proの発売により、メタバース/XR市場でも、スマホ市場で構築したような、強力なプラットフォーム/エコシステムを構築しようとしています。

Appleの戦略は、端的に言うと”市場の初期段階に、多くの開発者を惹きつける自社プラットフォームを提供し、豊富なサービス/コンテンツを開発してもらうことで、その後多くのユーザーを獲得する”というものです。

この戦略により、 今後Vision Proに対応する、豊富なXRアプリケーションやコンテンツが開発されていくことが想定されます。

 

このエコシステム戦略については、後ほど詳細に解説します。

④Vision ProでもiOSアプリが利用可能

Apple Vision Pro
(画像:Apple)

Apple Vision Proでは、iPhone/iPad向けにリリースされている全てのアプリケーションが利用可能となる予定です。

 

そのため、Apple Vision Proは従来のデバイスと異なり、購入した直後から様々なカテゴリのサービス/コンテンツが利用可能となります。

⑤本体重量の軽量化

Apple Vision Pro
(画像:Apple)

Apple Vision Proの正式な重量は発表されていません。一方で、既にVision Proを体験した The Vergeの編集長であるNilay Patel 氏は、重さが約450グラム弱であると推定しています。

 

これは、類似のスペックを持つデバイスであるMeta Quest Proが約720グラムであることを踏まえると、かなりの軽量化に成功していると言えます。

⑥手や目線の動きによる直感的な操作

apple vision pro 操作
(画像:Apple)

Apple Vision Proは、指のジェスチャーや目線、Siriでの音声入力による、直感的な操作が可能です。Questなどの類似デバイスが、コントローラーを両手に持って操作しないといけないのに比べ、操作の負担はかなり軽減されそうです。

⑦Appleの誇る洗練されたUI/UX

Apple Vision Pro
(画像:Apple) 

Appleの最大の武器の1つとして、iPhoneやMacbookに説明書が付属していないなど、初めて利用したユーザーでも直感的に操作できる、洗練されたUI/UX設計が挙げられますが、Vision ProのUI/UX設計はその集大成となっています。

 

また、Vision ProのUIがiPhoneやMacBookで用いられるお馴染みのUIであるため、iPhoneやMacbookユーザーの方が、利用開始直後から比較的スムーズに利用できることも、特徴の1つです。

Vision Pro から読み解くAppleのメタバース戦略とは

apple ecosystem

Vision Proのメインターゲットはメタバース/XRサービスやコンテンツの開発者であることから、Appleのメタバース/XR市場における戦略は、”開発者・サービス・ユーザーのエコシステムを構築することで、プラットフォーマーとして覇権を握る”というものであることが明確になりました。

 

この戦略は、端的に言うと”市場の黎明期に、多くの開発者を惹きつける自社プラットフォームを提供し、豊富なサービス/コンテンツを開発してもらうことで、その後多くのユーザーを獲得する”というものです。

 

この戦略は、Appleがスマホ市場が台頭した際にも取った戦略と同じものであり、彼らの最も得意とする戦い方です。

Appleが構築を目指すメタバース/XR市場でのエコシステムを分かりやすく解説します。

(前提)メタバース/XR市場でのエコシステムを構成する5つの要素

前提として、メタバース/XR市場でのエコシステムを構成する要素は以下の5つです。

 

  • ①ハードウェア:Vision ProなどのXRデバイス
  • ②ソフトウェア:Vision OSなどのXRデバイス向けOSや開発ツール
  • ③開発者:XRデバイス向けのサービス/コンテンツを開発する企業やエンジニア
  • ④サービス/コンテンツ:XRデバイスで利用できるアプリケーションやコンテンツ
  • ⑤ユーザー:XRデバイスを通じてサービスやコンテンツを利用する一般ユーザー

今後のメタバース/XR市場でのエコシステムの発展の仕組み

Step1:多くの開発者を惹きつける魅力的なハード・ソフトウェアを提供

Appleは開発者がサービス/コンテンツを提供しやすいハードウェア・ソフトウェアのプラットフォームを提供することで、多くの開発者を惹きつけようとしています。また、Appleが提供するプラットフォームなら、今後多くのユーザーを集めるだろうという期待感もそれに貢献するでしょう。

Step2:多数の開発者が豊富なサービス/コンテンツをリリース

Appleのプラットフォームに魅力を感じた多くの開発者は、Appleのプラットフォーム上で豊富なサービス/コンテンツを開発し、リリースします。

Step3:多くのユーザーがAppleのプラットフォームを利用

ユーザーがどのXRデバイスを購入するかを検討する際に、どれだけ魅力的なサービスやコンテンツを利用できるのかは非常に重要であり、結果として多くの人々がAppleの販売するXRデバイスを購入する流れが生まれると考えられます。

Step4:多くのユーザーを求め、より多数の開発者がサービス/コンテンツをリリース

Step3で多くのユーザーを集めたAppleのプラットフォームは、開発者にとってより魅力的な選択肢となり、より多くの開発社がサービス/コンテンツをリリースするようになります。

このように、自社のプラットフォーム上で開発者・サービス/コンテンツ・ユーザーのポジティブスパイラルを生み出し、先行者ならではの競争優位性を築き上げることで、メタバース/XR市場の覇権を握ろうとしているのです。

企業がApple Vision Proをビジネスに活用する3大メリット

企業がApple Vision Proをビジネスに活用する3大メリット

企業がApple Vision Proをビジネスに活用するメリットとして以下の3つが挙げられます。

 

  • ①社内業務の効率化
  • ②既存事業の収益拡大
  • ③新規事業の創出

それぞれのメリットについて分かりやすく紹介していきます。

①社内業務の効率化

Apple Vision Pro
(画像:Apple)

1つ目のメリットは、社内業務の効率化です。Apple Vision Proを活用することで、リモートでの会議・コラボレーションを円滑化したり、様々なシチュエーションを想定した実践的な研修を行ったり、工場などの現場の作業員の作業を視覚・音声情報でサポートしたりするなど、様々な社内業務を効率化することができます。

 

Apple Vision Proは、コントローラー不要のハンドジェスチャー等での操作が可能類似スペックのデバイスに対して軽量などの特徴を持つため、より業務への活用と相性が良いデバイスとして注目を集めています。

②既存事業の収益拡大

Apple Vision Pro
(画像:Apple) 

2つ目のメリットは、既存事業の収益拡大です。

 

PCやスマホ向けに提供していたサービス/コンテンツを提供する企業が、それらをVision Proでも利用可能とすることで、既存事業を生かした新たな収益機会を獲得することができます。

 

例えば、エンタメ業界では、ウォルトディズニー社がVision Pro向けのコンテンツを提供することを発表しています。

 

具体的には、定額制の動画配信サービスDisney+をVision Proの発売当日から利用可能になる予定とのことです。

③新規事業の創出

Apple Vision Pro
(画像:Apple) 

3つ目のメリットは、新規事業の創出です。

 

Apple Vision Proは、 AppleのMacやiPhoneなどの長年のプロダクトデザインの集大成としてリリースされており、今後「スマホの次なるデバイス」として、多くの人々に日常的に利用されるようになるのではないかと言われています。

 

そのため、iPhoneの普及に伴い、あらゆる業界でスマホをベースとしたサービス/ビジネスが立ち上がったのと同様に、今後Apple Vision ProなどのXRデバイスをベースとしたサービス/ビジネスが立ち上がっていくことが予想されます。

企業がメタバース/XR活用を成功させるための5つのポイント

企業がメタバース活用で成果を上げるための5つのポイント

企業がメタバース/XR活用で成果を上げるためのポイントとして以下の5つが挙げられます。

  

  • ①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
  • ②活用目的の明確化と骨太な戦略策定
  • ③ユーザーファーストなUX設計
  • ④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
  • ⑤強力な開発・運用体制の構築

 

それぞれについて分かりやすく紹介していきます。

 

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①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ

1つ目のポイントは、最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップです。

デバイスの進化やユーザーの動き、各領域の先進事例をキャッチアップし、自社が取り組むべき活用方法や成果に繋がる活用のポイントを抑えた上で活用に着手しましょう。

 

メタバース/XR活用には取り組むのに一定の予算や工数が必要となるため、自社にとって重要な最新動向や活用のノウハウを抑えておくことが、成功確度の高い戦略・企画立案の大前提となります。

②活用目的の明確化と骨太な戦略の立案

2つ目のポイントは、メタバース/XRを活用する目的の明確化と骨太な戦略の策定です。

現在メタバース/XR活用に取り組む企業には、メタバース/XR活用の取り組みが単発で終わってしまっている企業が見受けられます。

 

その結果、活用のPDCAが回らない、メタバース/XR活用が小粒な施策の1つに留まってしまうなど大きな収益機会の獲得に繋がらないという結果に終わってしまいます。

 

自社の経営課題を踏まえ、「活用によりどのような経営課題を解決したいのか?」「課題解決の打ち手としてなぜメタバース/XRではないといけないのか?」といった明確な活用目的を整理した上で、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方などの実現に向けた戦略を立案しましょう。

③ユーザーファーストな企画・UX設計

3つ目のポイントは、自社のターゲットにとってユーザーファーストなメタバース/XRの企画・UX設計です。

現在、多くの企業がメタバース/XRに参入を進めていますが、そのなかには、企業側の都合のみでサービス・体験が設計されたようなメタバース/XRが多く存在します。それらのメタバース/XRは、ユーザーに利用されず、企業の活用の目的を達成できない結果に終わってしまいます。

 

そのため、「メタバース/XRならではの高い体験価値を届けられているか」や「ユーザーの利用にあたっての手間や負担が大きくないか」といった観点を踏まえたUX設計が重要です。

④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進

4つ目のポイントは、アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進です。

メタバース/XR市場は今後大きな成長が予想されているものの、いまだ成長期にあり、様々な業界の企業が中長期的な収益最大化に向け、最適な活用を模索している段階にあります。

 

そのため、計画と実行のプロセスを短いスパンで回し、仮説立案・実行・検証・施策立案のサイクルを何度も繰り返すことが、プロジェクトを机上の空論で終わらせないために重要です。

⑤強力な開発・運用体制の構築

5つ目のポイントは、強力なメタバース/XR開発・運用体制の構築です。

高いユーザー体験と事業性を両立するメタバース/XRの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。

 メタバース/XR開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完することも有効です。

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却した後、日本企業の海外マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を設立して代表取締役社長に就任。メタバースのビジネス活用を支援するメタバース総研を設立して代表取締役社長に就任。

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