デジタルツインの物流への活用事例5選|活用方法や費用も紹介

デジタルツイン 物流

近年IoTやAIなどの関連技術の進化などを背景に、デジタルツインの活用が幅広い業界から注目を集めています。

 

そんな中、現実世界のシミュレーションというデジタルツインの機能を活かし、AmazonやPepsiCoなどの有名企業がデジタルツインを物流に活用しています。

 

そこで今回は、デジタルツインの物流への活用事例5選について、メリットや費用相場、成功のポイントなどとともにわかりやすくご紹介します。

 

本記事は、以下のような方におすすめの記事となっています。

 

  • 物流へのデジタルツインの活用を検討している
  • 物流にデジタルツインを活用するメリットを知りたい
  • 物流にデジタルツインを活用している企業の事例を押さえておきたい

 

本記事を読めば、物流におけるデジタルツインの活用の全体像を効率良くキャッチアップできると思いますので、ぜひ最後までご一読ください。


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目次

そもそもデジタルツインとは

そもそもデジタルツインとは

デジタルツインとは一言でいうと、リアル空間から収集したデータをもとに、バーチャル空間上に全く同じ環境をまるで双子のように再現する技術のことです。

建物や設備に搭載されたIoTなどから集約した様々なデータをもとに、リアル空間に存在する都市全体や建物、設備をバーチャル空間上に再現し、AIなどを用いた分析を行うことで、効率的かつ正確なシミュレーションを行うことができます。

デジタルツインは幅広い対象や用途で活用が進んでおり、都市や建物、製品などの計画/設計・製造・運用・アフターフォローといった各プロセスのシミュレーションに活用されています。

 

※参照:IBM-How does a digital twin work?

デジタルツインを物流に活用する3つのステップ

デジタルツインを物流に活用する3つのステップ

デジタルツインを物流に活用するステップとして大きく以下の3つが挙げられます。

  • ①物流ラインのデジタルツインの構築
  • ②物流・人流データの継続・取り込み
  • ③デジタルツインによる物流最適化に向けたシミュレーション

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①物流ラインのデジタルツインの構築

1つ目のステップは、物流ラインのデジタルツインの構築です。倉庫内の物流最適化であれば、倉庫内の設備や物流機械・人員のモデル、都市全体の物流の最適化であれば、道路や物流施設などのモデルをバーチャル上に構築します。

②物流・人流データの計測・取り込み

2つ目のステップは、物流・人流データの取り込みです。構築した物流ラインのデジタルツインに、実際に測定された物流・人流データを取り込みます。

③デジタルツインによる物流最適化に向けたシミュレーション

3つ目のステップは、デジタルツインによる物流最適化に向けたシミュレーションです。物流ラインのデジタルツインモデルに、物流・人流データを取り込んだ後、効率最大化に向けどのような物流設備の配置やオペレーションを行うべきかをシミュレーションします。

デジタルツインの物流への活用事例5選

デジタルツインの物流への活用事例5選

デジタルツインの物流への活用事例として以下の5つが挙げられます。

 

  • ①DHL:倉庫でのピッキング作業の効率化
  • ②Amazon:グローバル規模での倉庫の配送オペレーションを最適化
  • ③PepsiCo:流通センターの効率化とコスト削減
  • ④シンガポール:世界初 国全体をデジタルツイン化
  • ⑤国交省:デジタルツイン構築により都市づくりのDXを推進

 

それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。

 

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①DHL:倉庫でのピッキング作業の効率化

DHL:倉庫でのピッキング作業の効率化
(画像:DHL)

ドイツの大手物流企業のDHL社はグーグルのスマートグラス「Glass Enterprise Edition 2」を倉庫での配送業務に導入しています。従業員はピッキング作業の現場でグラス型デバイスを着用することで、適宜必要な情報を確認することができます。荷物を持ったまま視線を移動させる必要がないため、作業の精度と効率の向上に繋がります。

 

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②Amazon:グローバル規模での倉庫の配送オペレーションを最適化

Narrowing the Sim2Real Gap with NVIDIA Isaac Sim
(動画:Amazon)

Amazonは全世界の倉庫内にある50万台以上の配送ロボットのオペレーションの最適化にNVIDIA Omniverseを活用しています。AIを活用したデジタルツインを構築し、倉庫の設計と流れを最適化しています。これにより、配送オペレーションの効率化や、シミュレーションのリードタイム・コストの削減が可能です。

③PepsiCo:流通センターの効率化とコスト削減

PepsiCo Simulates and Optimizes Distribution Centers with NVIDIA Omniverse and Metropolis
(動画:PepsiCo)

PepsiCoは、流通センターの効率化とエネルギー消費量の削減にNVIDIA Omniverseを活用しています。

AIを活用したデジタルツインを構築し、機械と作業員の作業を最適化することで、ダウンタイムとエネルギー消費量を減らすことに成功しています。

④シンガポール:世界初 国全体をデジタルツイン化

シンガポール:世界初 国全体をデジタルツイン化
(画像:シンガポール)

シンガポール政府は、自然や建物、道路や人・車などのあらゆるデータを集約し、国全体のデジタルツイン化に世界で初めて成功しました。この空間は「バーチャルシンガポール」と呼ばれ、都市計画へのデジタルツインの活用事例として世界中から注目を集めています。

 

バーチャルシンガポールに活用されるデータは、政府機関やインターネット、IoTからのリアルタイムデータなど幅広いソースから集められています。

 

この取り組みの成果は、最適な都市計画の策定や自然災害のリスク評価・対策、国民への最適な交通ルートの提案など多岐にわたり、国全体のDX化の基盤となっています。

⑤国交省:デジタルツイン構築により都市づくりのDXを推進

国交省:デジタルツイン構築により都市づくりのDXを推進
(画像:国土交通省)

2020年度より国土交通省は、「ProjectPLATEAU」で都市づくりのDXを推進しています。日本全国の都市で3D都市モデルを構築し、オープンデータとして公開することで、誰もが自由に都市データにアクセスし、防災やまちづくり、AR/VRなどさまざまな用途に活用できるようになります。

 

都市の3Dモデルは、都市計画・開発の様々な場面で利用することができます。例えば、交通の流れやバス停の混み具合、駐車場の空き状況、建物や公共施設に必要なスペースの把握、交通システムから排出されるCO2の量、自然災害の評価など、都市空間が持つさまざまなデータ・機能・特徴を把握することができるのです。

 

2021年には全国都市の3D都市モデルの整備が完了し、そのモデルを様々な地方公共団体や民間企業が活用し、数多くの未来のまちづくりにむけた実証実験が行われています。

物流ヘのデジタルツイン活用で成果を上げるための5つのポイント

物流ヘのデジタルツイン活用で成果を上げるための5つのポイント

物流へのデジタルツイン活用で成果を上げるためのポイントとして以下の5つが挙げられます。

 

  • ①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
  • ②活用目的の明確化と骨太な戦略策定
  • ③目的から逆算したシンプルなモデル設計
  • ④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
  • ⑤強力な開発・運用体制の構築

 

それぞれについて分かりやすく紹介していきます。

①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ

1つ目のポイントは、最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップです。

各領域における先進的なデジタルツイン活用事例をキャッチアップし、自社が取り組むべき活用方法や成果に繋がる活用のポイントを抑えた上で活用に着手しましょう。

 

デジタルツイン活用には取り組むのに一定の予算や工数が必要となるため、自社にとって重要な最新動向や活用のノウハウを抑えておくことが、成功確度の高い戦略・企画立案の大前提となります。

②活用目的の明確化と骨太な戦略の立案

2つ目のポイントは、デジタルツインを活用する目的の明確化と骨太な戦略の策定です。

現在デジタルツイン活用に取り組む企業には、デジタルツイン活用によって解決したい課題・目的を明確にしないまま取り組みが進んでしまっている企業が見受けられます。

その結果、活用のPDCAが回らないなど大きな効果に繋がらないという結果に終わってしまいます。

 

自社の経営課題を踏まえ、「活用によりどのような経営課題を解決したいのか?」「課題解決の打ち手としてなぜデジタルツインではないといけないのか?」といった明確な活用目的を整理した上で、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方などの実現に向けた戦略を立案しましょう。

③目的から逆算したシンプルなモデル設計

3つ目のポイントは、目的から逆算したシンプルなモデル設計を行うことです。

デジタルツイン利用の目的から逆算されたミニマムのモデル設計が行えないと、現実世界を忠実に再現するために必要な莫大なデータが必要となり、そのデータの収集にかかるリソース不足によって企画倒れとなってしまう懸念があります。また、過剰なデータ分析や複雑なモデル構築により、シミュレーションに非常に時間がかかる可能性もあります。

 

そのため、まずは目的を明確にし、必要なデータの種類と粒度を定義してシンプルなモデルを構築することが重要です。それがクリアできた上でより高度化されたモデルに移行していきましょう。

④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進

4つ目のポイントは、アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進です。

デジタルツインは今後大きな成長が予想されているものの、いまだ成長期にあり、様々な業界の企業が最適な活用を模索している段階にあります。

  

そのため、計画と実行のプロセスを短いスパンで回し、仮説立案・実行・検証・施策立案のサイクルを何度も繰り返すことが、プロジェクトを机上の空論で終わらせないために重要です。

⑤強力な開発・運用体制の構築

5つ目のポイントは、強力なデジタルツイン開発・運用体制の構築です。

迅速な意思決定を可能にするとともに、高いスケーラビリティを実現するデジタルツインの開発・運用を実施しましょう。

 

デジタルツインの開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完することも有効です。

デジタルツインの活用にかかる費用相場

デジタルツインの活用にかかる費用相場

デジタルツインの活用は業界やユースケースなどによって、開発の内容や開発工程が異なるため、費用が大きく変わってきます。今回は一般的な費用感として、目的別に以下2つの費用相場を紹介します。

 

  • ①設計・運用の最適化のための工場・施設全体の3D再現:500万円~3,000万円
  • ②特定の設備・機器のモニタリング・故障予測:1,000万円~4,000万円

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

①工場・施設全体の3D再現による設計・運用の最適化:500万円~3,000万円

工場・施設の設計・運用の最適化を目的とする、工場・施設全体を3D再現するのにかかる費用は500万円~3,000万円程度です。3D再現する工場・施設の大きさや、どこまで精緻に再現するかによって、費用は大きく変わってきます。

 

また、保守運用費や利用するプラットフォームのライセンス費が別途ランニングコストとしてかかる場合も多いです。

②特定の設備・機器のモニタリング・故障予測:1,000万円~4,000万円

特定の設備・機器のモニタリング・故障予測にかかる費用は、1,000万円~4,000万円程度です。単純に設備・機器の稼働状況を可視化・モニタリングするだけなのか、もしくはAI等を利用して故障予測も行うのかによって、費用は大きく変わってきます。

 

また、保守運用費や利用するプラットフォームのライセンス費が別途ランニングコストとして年間数百万円かかる場合も多いです。

おススメのデジタルツイン活用支援会社3選

おススメのデジタルツイン活用支援会社3選

おススメのデジタルツイン活用支援会社3選は以下の通りです。

 

  • ①Symmetry:デジタルツインを誰もが簡単に構築可能なプラットフォームを開発・提供
  • メタバース総研:デジタルツインの戦略から開発まで一気通貫で支援
  • ③NVIDIA:世界最大級の導入実績を持つデジタルツインプラットフォーム「NVIDIA Omniverse」を開発・提供

 

それぞれの会社についてわかりやすく紹介していきます。

①Symmetry:デジタルツインを誰もが簡単に構築可能なプラットフォームを開発・提供

①Symmetry:デジタルツインを誰もが簡単に構築可能なプラットフォームを開発・提供
(画像:Symmetry)

Symmetryは、現実世界で起きている事象をデジタルデータに変換し、デジタルツイン上に再現するサービスを提供しています。IoTによるリアルタイムデータや人工衛星データをもとに現実で起こっている事象をそのまま反映し、デジタルツイン上で、現実世界のシミュレーションを行うことを可能とします。

 

例えば、都市計画の際の災害のシミュレーションに役立てたり、建築会社がデジタルツイン上で建築のシミュレーションを行い安全性を確認したり、小売り分野においてオペレーションの改善と店舗の少人化経営を図ったりするなど、様々な業界の企業に対し、デジタルツインのメリットを最大限に活用したソリューションを提供しています。

 

無料プランから気軽に利用を始めることができるため、デジタルツインを初めて導入しようと考えている企業におススメです。

②メタバース総研:国内最大級の知見に基づき企画から開発まで支援

メタバース総研:国内最大級の知見に基づき企画から開発まで支援

メタバース総研は、企業向けのメタバース/デジタルツインのコンサルティング・開発を行っている会社です。

 

同社は、多数のメタバース活用支援と国内最大級のビジネス向けメタバースメディアの運営により培った、豊富な経験と知見を武器とする、高品質のコンサルティングから制作/開発までの一気通貫での支援を強みとしています。

 

さらに、各領域に強みを持つ、38名のクリエイター/エンジニアや12社のパートナー企業による強力な支援体制を有しており、各企業の目的や要望に合わせた、オーダーメイドでの制作/開発が可能な点も特徴です。

 

そのため、現状構想段階にあり事業・企画の立案から支援してほしい企業や、テンプレ的な設計ではなく自社ならではのメタバース/デジタルツインを制作/開発したい企業におススメです。

 

※メタバース総研は豊富な経験とナレッジに基づき、各社様に合わせた先進事例や具体的な活用アイデアなどの最新ナレッジをご提供させていただいております。 メタバース/デジタルツイン活用でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。 

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③NVIDIA:世界最大級の導入実績を持つデジタルツインプラットフォーム「NVIDIA Omniverse」を開発・提供

NVIDIA:世界最大級の導入実績を持つデジタルツインプラットフォーム「NVIDIA Omniverse」を開発・提供
(画像:NVIDIA)

NVIDIA Omniverseとは、大手半導体メーカーNVIDIA社が企業に対し提供する、業務効率化向けのメタバース・デジタルツイン構築プラットフォームです。同ツールを活用することで、企業の企画・設計・製造・配送・アフターフォローという幅広いバリューチェーンの効率化を進めることができます。

 

同ツールの提供する機能は大きく2つで、1つ目は3Dデザインのコラボレーション空間の利用、2つ目は製品や製造ラインなどのデジタルツインの構築・シミュレーションです。

 

2020年のリリース以来、BMWやAmazonなどの大手企業700社、15万人以上のユーザーに利用されており、業務効率化向けデジタルツインプラットフォームとしては最有力といえます。

 

大手企業による技術力のしっかりしたサポートを受けたいという企業におススメです。

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却した後、日本企業の海外マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を設立して代表取締役社長に就任。メタバースのビジネス活用を支援するメタバース総研を設立して代表取締役社長に就任。

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