デジタルツイン開発の4つのステップ|事例9選とメリットも紹介

近年、製造業や建築業といった業界を中心に、デジタルツインの開発、活用を始める企業が国内外で多くなっています。

 

デジタルツイン活用は、生産性向上やコストカットのみならず、資源の消費や廃棄も減らせるという観点からも注目を集めています。

 

一方で、自社ではデジタルツインの開発、活用にまだ本格的に着手していない、導入はしたものの活用しきれていないという方も多いのではないでしょうか?

 

そこで今回は、デジタルツイン開発のステップやメリット、各業界のデジタルツインを活用した代表的事例を分かりやすくご紹介します。

本記事は、以下のような方におすすめの記事となっています。

 

  • そもそもデジタルツインとは何か、活用するメリットは何かわからない
  • デジタルツイン開発に必要なステップ、リソースを把握したい
  • 各業界のデジタルツインを活用した事例を抑えておきたい

 

本記事を読めば、デジタルツイン活用のメリットから開発のステップまで一気にキャッチアップできる内容となっておりますので、ぜひ最後までご一読ください。


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目次

そもそもデジタルツインとは?

そもそもデジタルツインとは?

デジタルツインとは一言でいうと、リアル空間から収集したデータをもとに、バーチャル空間上に全く同じ環境をまるで双子のように再現する技術のことです。

 

建物や設備に搭載されたIoTなどから集約した様々なデータをもとに、リアル空間に存在する都市全体や建物、設備をバーチャル空間上に再現し、AIなどを用いた分析を行うことで、効率的かつ正確なシミュレーションを行うことができます。

 

デジタルツインは幅広い対象や用途で活用が進んでおり、都市や建物、製品などの計画/設計・製造・運用・アフターフォローといった各プロセスのシミュレーションに活用されています。

 

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企業がデジタルツインを活用する5大メリット

企業がデジタルツインを活用する5大メリット

デジタルツインを活用するメリットとして主に以下の5つが挙げられます。

 

  • ①品質の向上・リスクの削減
  • ②オペレーションの効率化・標準化
  • ③シミュレーションのリードタイムやコストの削減
  • ④アフターサービスの充実
  • ⑤技術の継承

 

それぞれのメリットについてわかりやすく解説していきます。

 

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①品質の向上・リスクの削減

デジタルツインは、生産管理の最適化や業務効率の向上に活用することができます。物理的な製品を仮想的に表現したもので、物理的なシステムと統合し、継続的なデジタル上での実験が可能です。

 

これにより、需要に応じた人員の再配置や、リードタイム短縮のためのプロセスの置き換えなど、さまざまな方法で最適化を図ることができます。
また、物理的な試験より先にデジタルな試験を行い、多くの関係者が視覚的に確認をすることができるため、製品の品質の向上やリスクの削減に寄与します。

②オペレーションの効率化・標準化

デジタルツインは、生産ラインの運用における重要なソリューションの1つです。常時あるいは一定の間隔でセンサー情報をデジタルツインに送ることで、トラブルの予測や故障の予防に役立てることができます。

 
また、現場の状況が変化した際にも、迅速なシミュレーションに基づく対応が可能となるため、最小限の時間・リソースで現場での対処を実施できます。加えて、定期メンテナンスの頻度を減らし、ダウンタイムのリスクを低減することも可能です。

③シミュレーションのリードタイムやコストの削減

デジタルツインの活用により、デジタル上で仮説検証を行うことで、これまで物理的な試作品や試作ライン、物理的な検証に費やしていた時間を最小限に抑え、さらにコストも抑えながらシミュレーションのスピードを向上させることができます。

④アフターサービスの充実

デジタルツインを活用することで出荷後の製品に関する情報収集、シミュレーションを行う事が可能です。この情報があれば、仮に製品に問題があったとしても、サプライヤーは適切なタイミングでアフターサービスを提供しやすく、お客様のニーズに迅速に対応することができます。これが顧客満足度の向上につながり、LTVの最大化が期待できます。

⑤技術の継承

デジタルツインを活用し、卓越した技術を持つ作業員が遠隔地から作業指示を行ったり、

各作業員の仕事の進め方のデータが可視化・集約されることで、今まで共有されていなかった価値あるノウハウを、デジタルツインを通じて他社員に継承していくことができます。

企業がデジタルツイン活用を進めるための4つのフェーズ

企業がデジタルツイン活用を進めるための4つのフェーズ

企業のデジタルツイン活用の進める流れとして、大きく以下の4つのフェーズが挙げられます。

 

  • Phase1:市場動向・知見のキャッチアップ
  • Phase2:戦略/企画の立案
  • Phase3:事業計画の策定
  • Phase4:開発・運用

 

それぞれのフェーズについて分かりやすく紹介していきます。

Phase1:市場動向・知見のキャッチアップ

1つ目のPhaseとして取り組むべきは、最先端の市場動向・知見のキャッチアップです。IBMやNVIDIAなどデジタルツインプラットフォーマーの動向・先行活用事例など、日々変化する市場動向やナレッジへのキャッチアップが必要です。このフェーズが、成果に繋がる骨太な戦略/企画策定の基盤となります。

Phase2:戦略/企画の立案

2つ目のPhaseはデジタルツイン活用の戦略/企画です。活用目的を踏まえ、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方、実現に向けた企画を立案しましょう。質の高い戦略/企画の立案が、成果につながるデジタルツイン活用の実現に向け最も重要なポイントとなります。

Phase3:事業計画の策定

3つ目のPhaseは事業計画の策定です。事業に期待する成果や開発・運用のアプローチやタイムライン、必要な投資額などを検討しましょう。デジタルツイン開発・運用といっても、プロジェクト毎に求められるケイパビリティは様々であるため、自社にマッチするツール・ベンダーの選定が非常に重要です。

Phase4:開発・運用

4つ目のPhaseが開発・運用です。デジタルツイン開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを有効活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完しつつ、迅速な意思決定を可能にするとともに、高いスケーラビリティを実現するデジタルツインの開発・運用を実施しましょう。

デジタルツインを導入するための4ステップ

デジタルツインを導入するための4ステップ

デジタルツインを導入するためのステップとして以下の4ステップが挙げられます。

 

  • ①データ収集
  • ②モデル作成
  • ③システム構築
  • ④シミュレーション・最適化

 

それぞれのステップについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①データ収集

1つ目のステップは、データ収集です。デジタルツインは収集データをもとにシミュレーションを行います。既存のデータの中から必要なデータを特定し、新たに必要なデータを収集する方法を検討し、その後、IoT機器などを通じてデータの収集を実施します。

 

精度の高い分析・シミュレーションを行うためには、様々なデータを収集し統合していくことが必要であり、いかにデータを集め整理するかが鍵となってきます。

②モデル作成

2つ目のステップは、モデル作成です。収集データをもとに、現実世界の環境をデジタル上で再現するための作業をする工程です。完全に現実世界を再現するためには、目に見える3Dモデルだけでなく、現実世界の気温や設備の状況など様々なデータを取り込み、複合的なモデルを作っていくことが必要になります。

③システム構築

3つ目のステップは、システム構築です。作成したモデルをデジタルツインのシステムとして運用できるようにする工程です。3Dモデルを扱う専門ツールはAutodesk やBlender、Unreal Engineなど様々ありますが、企業の現場担当者がこれらすべてに習熟することは難しいと想定されます。

 

そこで、NVIDIA Omniverseなどのデジタルツインプラットフォームを活用することで、3Dモデルをリアルタイムに共有・閲覧・編集することが可能となり、シームレスな運用とパフォーマンスの強化を実現できます。

④シミュレーション・最適化

4つ目のステップは、シミュレーション・最適化です。構築したシステムで製品設計や生産プロセスのシミュレーションを行い、実際の設計や業務プロセスの改善を図っていく工程です。

 

現実世界の状況やプロセスをモデル化し、様々なシナリオでシミュレーションを行うことで、業務課題に対する最適な解決策を導き出すことができます。

業界別のデジタルツイン活用方法と事例|製造・建設・小売・医療・都市開発

業界別のデジタルツイン活用方法と事例|製造・建設・小売・医療・都市開発

業界別のデジタルツインの活用方法として以下の5つが挙げられます。

 

  • ①製造業界:製造ラインの業務プロセス効率化に活用
  • ②建設業界:建設現場の施工状況のリアルタイム把握に活用
  • ③小売業界:物流拠点のオペレーション最適化に活用
  • ④医療業界:病院運営の効率化/投薬・手術のシミュレーションに活用
  • ⑤都市開発領域:災害リスクの評価・災害に強い街づくりに活用

 

それぞれについて代表的な事例とともにわかりやすく紹介していきます。

 

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①製造業界:製造ラインの業務プロセス効率化に活用

製造業界においては、製造ラインをデジタルツインで再現することによって、業務プロセスの効率化を実現できます。

 

例えば、製造ラインの稼働状況をデジタルツイン上でモニタリングすることで事前のメンテナンス対応や、故障時の迅速な対応が可能となります。また、製造ラインの人員の動きや在庫状況を把握することで、人員配置や在庫管理を最適化し、リードタイムの短縮やコスト削減を行うことができます。

 

製造業界でのデジタルツイン活用の代表事例として、BMW、テスラ、ダイキンがあります。

 

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BMW:バリューチェーンの各プロセスのデジタルツインを構築

BMW:バリューチェーンの各プロセスのデジタルツインを構築
(画像:BMW)

BMWはバリューチェーンの各プロセスのデジタルツインを構築し、効率化のためのシミュレーションを行っています。BMWの製造する多くの車両が顧客の要望を受けたカスタマイズ車両であることから、顧客の要望をいかに生産ラインに的確に反映するかが生産性に直結します。

 

そこで、BMWのエンジニアはNVIDIA Omniverseを活用した工場全体のデジタル・ツインを使って、各モデルの生産工程のどこをどのように改善すればよいかを迅速に把握することができます。

テスラ:車両を遠隔で自動アップデート

テスラ:車両を遠隔で自動アップデート
(画像:テスラ)

テスラの販売する車両にはデジタルツインを活用したシステムが標準搭載されており、車両が自動でアップデートされる仕組みを構築しています。各車両に搭載されたセンサーが車両の状態や走行状況、周辺環境などのデータを基に車両にとって最適な走行方法を分析し、自動でソフトウェアがアップデートされる仕組みとなっています。

 

この仕組みにより、車両診断を店舗で行う必要がなくなり、ユーザーは店舗に出向く手間、テスラは車両診断にかかるコストの大幅な削減に成功しています。

ダイキン:製造ラインのロス削減へ

ダイキン:製造ラインのロス削減へ
(画像:ダイキン)

空調製品を生産するダイキン工業は、堺製作所臨海工場(大阪府堺市)向けに、デジタルツイン機能を搭載した新しい生産管理システムを開発しました。デジタルツインでは、部品の流れや組み立て、塗装、プレスなどの工程状況を再現します。

 

この工場では、デジタルツインを活用することで、生産ラインの停止原因を事前に予測し、迅速に対応することができます。このシステムは、製造設備や組立作業、ワークフローなどの状態を監視し、仮想空間上に再現します。そして、過去に発生した事象を詳細に分析し、将来起こりうる事象をシミュレーションすることで、潜在的な問題を予測します。

 
デジタルツイン生産管理システムの導入の結果として、2021年度には2019年度比で30%以上のロス削減を見込んでいるとのことです。

②建設業界:建設現場の施工状況のリアルタイム把握に活用

製造業界においては、デジタルツインを建設現場の施工状況をリアルタイムで把握するために活用できます。デジタルツイン活用によって、気象情報や作業員の人数・配置情報、建設機械の稼働状況などのデータをリアルタイムに把握することで、作業の効率性や安全性の向上に役立てられています。

 

建設業界でのデジタルツイン活用の代表事例として、鹿島建設、大林組があります。

 

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鹿島建設:国内初、建築の全フェーズでデジタルツインを実現

鹿島建設:国内初、建築の全フェーズでデジタルツインを実現
(画像:鹿島建設)

2020年に鹿島建設はオービック御堂筋ビルの新築工事において、プロジェクトの全フェーズにおいてBIMによるデジタルツインを活用することで、プロジェクトの各フェーズにおける建物データの連携・共有を可能にしました。

 

企画・設計フェーズでは周辺環境へのビル風のシュミレーション、建物内のシュミレーションに、施工フェーズでは工事プロセスのデジタル化と進捗管理、MRの活用による、実際の施工状況の確認に、維持管理フェーズでは、ファシリティマネジメントのデータへの連携、日常の点検から得られた情報を収集し、その後の建築の企画・開発への活用になど、多岐にわたるユースケースでデジタルツインを活用しました。

 

デジタルツインを活用することで、建物自体の高品質化はもちろん、企画・設計から竣工後の管理・運営までの一連の建物にまつわる情報をデジタル化し、お客様に提供することが建物の更なる価値向上に繋がると考えているとのことです。

大林組:4D施工管理システムを開発

大林組:4D施工管理システムを開発
(画像:大林組) 

大林組は建築物の3Dモデルに建設現場周辺の地形やクレームの位置などの施工現場の状況を、デジタル上のモデルにリアルタイムに反映する「4D施工管理システム」を開発しました。

 

このシステムは、北海道で2023年3月の開業を控える「エスコンフィールドHOKKAIDO」の建設現場で実証が進められています。この実証では、クレーンに設置したセンサーからの位置や方角のデータを基に、クレーンの動作に関するデータをリアルタイムに収集し、デジタルツインに反映することで、施工の品質向上はもちろん、各業者の作業の出来高の算出にも活用されています。また、現場に設置された入退場システムから取得した作業員の入退場データを基に、各作業を担当する作業員の工数を測定し、作業の効率化に繋げる試みも行われています。

③小売業界:物流拠点のオペレーション最適化に活用

小売業界においては、デジタルツインで物流拠点の機械や作業員の稼働状況データを把握することで、オペレーションの最適化が可能となります。

 

小売業界でのデジタルツイン活用の代表事例としては、Amazon、PepsiCoがあります。

 

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Amazon:グローバル規模での倉庫の配送オペレーションを最適化

Narrowing the Sim2Real Gap with NVIDIA Isaac Sim
(動画:NVIDIA)

Amazonはグローバルで50万台以上の倉庫内の配送ロボットのオペレーションの最適化にNVIDIA Omniverseを活用しています。

 

AIを活用したデジタルツインを構築し、倉庫の設計と流れを最適化しています。

PepsiCo:流通センターの効率化とコスト削減

PepsiCo Simulates and Optimizes Distribution Centers with NVIDIA Omniverse and Metropolis
(動画:NVIDIA)

PepsiCoは、流通センターの効率化とエネルギー消費量の削減にNVIDIA Omniverseを活用しています。

 

AIを活用したデジタルツインを構築し、機械と作業員の作業を最適化することで、ダウンタイムとエネルギー消費量を減らすことに成功しています。

④医療業界:病院運営の効率化/投薬・手術のシミュレーションに活用

医療業界においては、病院・患者をデジタルツイン上で再現することで、病院運営の効率化/投薬・手術のシミュレーションを行うことができます。例えば患者のデジタルツインでは、投薬治療に対する反応性をシミュレーションしたり、手術で使う器具を仮想空間に再現し手術のシミュレーションをするという活用方法が考えられます。

 

医療業界でのデジタルツイン活用の代表事例として、富士通、コニカミノルタがあります。

富士通:病院・患者の状態を仮想空間上に再現

富士通:病院・患者の状態を仮想空間上に再現
(画像:富士通)

2022年に富士通は、医療分野での共同研究に向け東北大学と包括提携を発表しました。病院や患者の状態を仮想空間上に再現するデジタルツイン開発を目指しています。

 

富士通はトップシェアを持つ電子カルテのノウハウを活かし、診療情報や病院職員の勤務状況、医療機器の稼働情報などを統合し、病床の稼働状況の把握や将来の状況のシミュレーションを行うことで運営の最適化を図ります。

 

また、ウェアラブルデバイスを通して取得した患者の状態もデジタル上で再現し、投薬や手術に活用する予定です。

コニカミノルタ:内視鏡手術のシミュレーションにデジタルツインを活用

コニカミノルタ:内視鏡手術のシミュレーションにデジタルツインを活用
(画像:コニカミノルタ)

コニカミノルタは、2018年から内視鏡を用いた脊椎手術を仮想空間でシミュレーション可能なデジタルツインのアプリケーション「Plissimo XV」を提供しています。このアプリケーションに医療機関で撮影した画像を読み込ませることで、仮想空間でのシミュレーションが可能になります。

 

脊髄そのものの再現に加えて、手術で使う内視鏡視点の画像やドリルなどの器具も仮想空間に描画し、手術のシミュレーションが可能になります。

⑤都市開発領域:災害リスクの評価・災害に強い街づくりに活用

都市開発領域においては、都市の建物、道路、人・車などのあらゆるデータをデジタルツイン上で再現しようとする取り組みが進められています。特に、デジタルツイン上での災害のシミュレーションによって、災害リスクの評価や災害に強い街づくりに役立てられています。

 

都市開発領域でのデジタルツイン活用の代表事例として、シンガポール、国交省、トヨタがあります。

シンガポール:世界初 国全体をデジタルツイン化

シンガポール:世界初 国全体をデジタルツイン化
(画像:ダッソー・システムズ) 

シンガポール政府は、自然や建物、道路や人・車などのあらゆるデータを集約し、国全体のデジタルツイン化に世界で初めて成功しました。この空間は「バーチャルシンガポール」と呼ばれ、都市計画へのデジタルツインの活用事例として世界中から注目を集めています。

 

バーチャルシンガポールに活用されるデータは、政府機関やインターネット、IoTからのリアルタイムデータなど幅広いソースから集められています。

 

この取り組みの成果は、最適な都市計画の策定や自然災害のリスク評価・対策、国民への最適な交通ルートの提案など多岐にわたり、国全体のDX化の基盤となっています。

国交省:都市づくりのDXを推進

国交省:都市づくりのDXを推進
(画像:国土交通省) 

2020年度より国土交通省は、「ProjectPLATEAU」で都市づくりのDXを推進しています。日本全国の都市で3D都市モデルを構築し、オープンデータとして公開することで、誰もが自由に都市データにアクセスし、防災やまちづくり、AR/VRなどさまざまな用途に活用できるようになります。

 

都市の3Dモデルは、都市計画・開発の様々な場面で利用することができます。例えば、交通の流れやバス停の混み具合、駐車場の空き状況、建物や公共施設に必要なスペースの把握、交通システムから排出されるCO2の量、自然災害の評価など、都市空間が持つさまざまなデータ・機能・特徴を把握することができるのです。

 

2021年には全国都市の3D都市モデルの整備が完了し、そのモデルを様々な地方公共団体や民間企業が活用し、数多くの未来のまちづくりにむけた実証実験が行われています。

トヨタ:次世代の街・サービスづくりにデジタルツインを活用

トヨタ:次世代の街・サービスづくりにデジタルツインを活用
(画像:トヨタ自動車) 

トヨタ自動車は、自動運転などの様々な技術・サービスの実証実験を行うスマートシティである「Woven City」を静岡県裾野市の自社工場跡地に建設しています。

 

トヨタはこのスマートシティにおける都市やサービスの設計・運営のシミュレーションにデジタルツインを活用しています。街の様々な箇所に設置されたセンサーや自動車、住民の利用するデバイスなどから収集された膨大なデータを1つのデータプラットフォームに統合することで、モビリティや医療、教育など様々なサービスの構築・改善に繋げる計画とのことです。

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

株式会社メタバース総研(現・CREX)代表取締役社長。
慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却後、日本企業の海外展開/マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を創業・社長就任を経て、現職に。メタバースのビジネス活用に特化した国内最大級の読者数を誇るメディア「メタバース総研」の運営やメタバースに関するコンサルティング及び開発サービスの提供を行っている。著書に『はじめてのメタバースビジネス活用図鑑』(中央経済社)

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