AR(拡張現実)とは?VR/MRとの違いや活用事例40選を解説
本記事では、ARに関心のある方向けに、ARの基本から実際のビジネスでの活用事例までわかりやすくご紹介します。
こんな方におススメ
- ARについて基本から学びたい
- ARをビジネスで活用するメリットが知りたい
- 具体的なARの活用事例を知りたい
本記事を読めば、ARの基本、メリット、実際のビジネスでの具体的な活用事例まで、一気にキャッチアップすることができますのでぜひ最後までご一読ください。
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目次
ARとは?
ARとはAugumeted Realityの略称で、拡張現実とも呼ばれます。リアルの世界にデジタルの情報/コンテンツを視覚的に重ね合わせることで、リアルの世界を拡張する技術のことを指します。ARには、ゴーグルを装着せずに、スマートフォンやタブレットの画面にデジタルの情報/コンテンツを表示させるものも含みます。
ARを活用することで、「Pokemon Go」のように、リアルの街にポケモンが存在するかのようなゲームを楽しんだり、「GoogleMap」のARナビのように、リアルの街に道順を示す矢印などの情報が表示され、スムーズに目的地にたどり着くことができたりと、私たちの暮らしをより豊かに・便利にすることができます。
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VR・AR・MRの違いとは
VRとARの違い
VRはARと同時に紹介されることが多いのですが、両者は異なる概念です。
VRはデジタル上のバーチャルの世界がベースで、現実世界に目を向けることはなく、まるでバーチャルの世界に入り込んでいるような感覚を提供する技術です。VRの活用により、ゲームなどで没入感のある体験を楽しむことができます。
一方で、ARはあくまでリアルの世界がベースで、視覚・音声等の情報を追加する技術です。ARの活用により、リアルの世界の体験を豊かにしたり、効率化したりするため比較的実用的な技術です。
VRとMRの違い
VRとMRは同時に紹介されることが多いものの、大きく異なる概念です。
VRはデジタル上のバーチャルの世界がベースで、現実世界に目を向けることはなく、まるでバーチャルの世界に入り込んでいるような感覚を提供する技術です。
一方で、MRはあくまでリアルの世界がベースで、視覚・音声等の情報を追加したり、ユーザーのハンドジェスチャーによりデジタルのオブジェクトを操作できる技術です。
そのため、MRはVRに比べ、医師の手術の支援や工場での作業支援などより業務寄りの活用がなされる傾向にあります。
ARとMRの違い
ARとMRは同時に紹介されることが多く、両者は似ているのですが、厳密には異なる概念です。ARでは操作することができずあくまで情報が追加されるだけです。
一方で、MRではデバイスによりユーザーの手の動きがトラックされ、リアルの世界の上に重ねられたデジタルのオブジェクトを直観的に操作したり、情報を書き変えたりすることができます。
ARでできること10選
<個人がARでできること5選>
個人がARでできることとして以下の5つが挙げられます。
- ①現実世界とゲームの世界が融合しているかのような新たなゲーム体験
- ②3Dコンテンツを表示させた魔法のようなスポーツ体験を楽しむ
- ③実際の部屋でバリエーション豊かな家具や家電のシュミレーションをする
- ④アパレルアイテム・コスメのバーチャル試着をする
- ⑤視覚的にわかりやすいAR道案内サービスを利用する
それぞれについて分かりやすく紹介していきます。
①現実世界とゲームの世界が融合しているかのような新たなゲーム体験
ARと位置情報を組み合わせたARゲームでは、まるで現実世界とゲームの世界が融合しているような新たなゲーム体験を楽しむことができます。
ARゲームの代表例としてポケモンGOが挙げられます。ポケモンGOとは株式会社ポケモンが提供するスマートフォン向け位置情報ゲームアプリです。現実世界でポケモンを探して捕まえることができます。また、ポケモンを見つけて捕まえるだけでなく、捕まえたポケモンを育てたり、ポケモンのタマゴを孵化したり、他のトレーナーとポケモンを交換したり、など様々な楽しみ方ができます
②3Dコンテンツを表示させた魔法のようなスポーツ体験を楽しむ
ARを活用することで、全身を使いまるでゲームの世界に入り込んだかのような新たなスポーツ体験を楽しむことができます。
ARスポーツの代表例として、HADOが挙げられます。HADOは頭にヘッドマウントディスプレイ、腕にアームセンサーを装着して対戦するARスポーツです。自らの手でエナジーボールやシールドを発動させ、フィールドを自由に移動し、仲間と連携しながら最大3対3で対戦を楽しむことができます。HADOは専用施設で遊ぶことができ、既に世界39カ国109店舗に展開されています。
③実際の部屋でバリエーション豊かな家具や家電のシュミレーションをする
ARを活用することで、購入を検討している家具や家電を自分の部屋に配置するシミュレーションを行い、サイズやデザインを詳細に検討することができます。
既にIKEAやニトリなど大手の家具企業がARを活用したシミュレーションサービスをリリースしています。
④家に居ながらにしてアパレルアイテム・コスメのバーチャル試着をする
ARを活用することで自宅に居ながらアパレルアイテムやコスメをバーチャルに試し、サイズや質感を詳細に検討することができます。
消費者にとっては、ECなどで商品を購入する際にイメージと違ったと返品しないといけない自体を防ぐことができ、一方企業にとってもECでの購買促進や返品対応のためのコスト削減ができるといったように双方にメリットが存在します。
⑤視覚的にわかりやすいAR道案内サービスを利用する
ARマップサービスを利用することで、目的地への道順をより視覚的に理解することができます。
既にマップサービス大手のグーグルマップはiPhoneのAR機能を活用することで利用可能な「LiveView」機能をリリースしており、通常のグーグルマップよりも直観的に目的地にたどり着くことが可能になりました。
<企業がARでできること5選>
企業がARでできることとして以下の5つが挙げられます。
- ⑥3Dモデルを投影することによるマーケティング・プロモーションへの活用
- ⑦設計・デザインでの業務効率化
- ⑧建設業界での業務効率化
- ⑨物流業界での業務効率化
- ⑩製造業界での業務効率化
それぞれについて分かりやすく紹介していきます。
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⑥マーケティング・プロモーションへの活用
ARをマーケティングやプロモーションに活用することで、ARならではのユニークな体験を通じて商品やサービスの魅力を訴求することができます。
事例としてドミノピザ社による、AR上で世界のチーズをめぐる旅を体験してもらいながら、チーズピザの購買に繋げるというプロモーションが挙げられます。
チラシや特設サイトからARカメラ起動ページにアクセスすると、目の前に地球儀が登場し、世界中のチーズの名産地が表示されます。ユーザーは各産地のチーズの特徴や楽しみ方を確認することができました。
⑦設計・デザインでの業務効率化
ARを設計・デザインに活用することで、机の上など好きな位置に3Dの設計イメージを表示させ、それを用いながら議論やイメージのすり合わせを行うことができます。
この活用により、社内や顧客と早い段階から完成イメージをすり合わせることで、顧客の要望通りの設計やデザインを行うことが可能になります。
⑧建設業界での業務効率化
ARを建設業界の設計イメージのすり合わせに活用することで、建設現場や会議室など好きな位置に3Dの設計イメージを表示させ、それを用いながら議論やイメージのすり合わせを行うことができます。
この活用により、社内や顧客と早い段階から完成イメージをすり合わせることで、顧客の満足度向上や施工ミスの防止などに繋がります。
⑨物流業界での業務効率化
ARを物流業界のピッキングなどの業務に活用することで、現場の作業員が適宜必要な情報を確認することができます。両手で荷物を持ったまま視線を移動させる必要がないため、作業の精度と効率の向上に繋がります。
⑩製造業界での業務効率化
ARを製造業の作業現場に活用することで、現場の作業員が適宜必要な情報を確認することができます。製造業界の現場では立体的な作業が求められるため、設計図や作業指示を紙やタブレットなどの2Dの媒体で理解するのが難しいという課題が存在します。
そこでARを活用することで、作業の効率化や施工ミスの防止に繋げることができます。
【業界別】ARのビジネスへの活用事例40選
業界別のARのビジネスへの活用事例40選は以下の通りです。
<家具業界>
- ①IKEA:自宅の部屋にIKEAの家具を自由にレイアウト
- ②ニトリ:家具や設置場所を測定しサイズ違いの不安を解消
<不動産業界>
- ③東急住宅リース:内見にARを活用
- ④不動産SHOPナカジツ:これから建つ家をARで確認
- ⑤大京穴吹不動産:ARで入居後の暮らしを体験
- ⑥LIFULL HOME’S:物件をARカメラでかざすだけで賃貸情報を表示
- ⑦home AR:ARで出現させた住宅の外観や内観を確認
<食品業界>
- ⑧ジャックダニエル:歴史や製造方法を学べるAR絵本
- ⑨ドミノピザ:AR上で世界中のチーズをめぐる旅を体験
- ⑩コカ・コーラ:ARを活用したプレゼントキャンペーンを実施
- ⑪アサヒビール:乃木坂46の限定トークがARで楽しめる
<アパレル業界>
- ⑫NIKE:計測された足のサイズから靴をレコメンド
- ⑬Warbyparker:ARでいつでもどこでもメガネを試着
<化粧品業界>
- ⑭資生堂:ARメイクで複数のアイシャドウを試せる
- ⑮ZOZOCOSME:ARメイクで自分の顔で化粧品を試せる
- ⑯花王:ヘアカラー剤の色選びサポートにARを活用
<音楽業界>
- ⑰マドンナ:ARを使って自分の分身と共演するライブを開催
- ⑱いきものがかり:ARを活用してソニーストアからライブ鑑賞が可能
- ⑲GLAY:ライブと並行してARを活用した聖地巡礼イベントを開催
- ⑳AR Artist KENTO:ARを活用した演出のライブを全世界に配信
- ㉑ソニーミュージック:最先端のXRライブプロジェクトを実施
- ㉒にじさんじ:バーチャルライバーと生バンドによるARライブイベントを開催
- ㉓ KAGI NIGHT:ARアーティストと生バンドのセッション
<教育業界>
- ㉔Gugenka:ARで心肺蘇生の非対面での訓練を実現
- ㉕東京海上日動:ARで洪水・土砂災害を疑似体験
- ㉖関西学院高等部:ARマップで戦争遺跡を学習
<製造業界>
- ㉗Nestle:専門家が遠隔で工場での作業を指示
- ㉘NEXCO中日本:高速道路の点検作業を安全かつ効率的に
- ㉙AGCO Fendt:瞬時にエラーを修正し品質管理を強化
- ㉚DHL:倉庫でのピッキング作業を効率化
<医療業界>
- ㉛Feca:ARを活用して肉眼では見えない患部の状態を可視化
- ㉜NECソリューションイノベータ:電子聴診器とスマートグラスで遠隔医療の質向上
- ㉝Kapanu:口腔内を3Dスキャンし、義歯の完成イメージを患者と共有
<防災業界>
- ㉞東京海上日動:災害体験ができるARアプリを開発
- ㉟ウェザーニューズ:雨・雪・浸水被害を疑似体験できるARアプリを開発
- ㊱DMMアイデアクラウド:現実空間に火災を出現させ消火体験ができるサービスを提供
<博物館>
- ㊲東京国立博物館:ARに対応したガイドアプリ「トーハクなび」をリリース
- ㊳金沢暮らしの博物館:ARアプリで展示物の解説や伝統芸能の再現
- ㊴スミソニアン博物館:ARで古代生物を現実世界に蘇らせる仕掛けを導入
<業界横断>
- ㊵Snapchat:世界最大のARSNS上で広告を配信
それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。
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<家具業界>
①IKEA:自宅の部屋にIKEAの家具を自由にレイアウト
IKEAは自宅の部屋にIKEAの家具をレイアウトしコーディネートできるアプリ「IKEA Studio」を発表しました。IKEA Studioは、LiDARを搭載したiPhone 12 Proおよび12 Pro Max向けのアプリケーションで、部屋の形状を測定し、窓やドアを認識し、必要に応じて家具やオブジェクトを配置し、床に転がっているおもちゃなどのオブジェクトを消したり、白く塗ったりすることも可能です。
また、壁紙の色を変えたり、様々なIKEAの家具を置いたりして、実際にどのように見えるかを確認することができます。また、オブジェクトを重ねることができるのも特徴です。例えば、ARで表示されるイスの上に、ランプや植木鉢のオブジェを置くことができるのです。IKEA Studioはβ版のみのリリースとなっており、スペインとスウェーデン、韓国のみで利用可能となっています。
②ニトリ:家具や設置場所を測定しサイズ違いの不安を解消
ニトリは公式アプリ上で、家具やそれらの設置場所のサイズをスマホのAR機能を使って計測できるサービスを提供しています。顧客はこのサービスを活用することで、家具や家電を選ぶ際に重要なサイズの計測が簡単にできるようになり、サイズ違いの心配をすることなく家具をECで購入できるようになりました。
顧客は公式アプリを起動した状態でスマホカメラで家具や設置場所を撮影すると、大きさなどが記載された画像が生成され、その画像は編集・保存ができメモとしても活用できます。
<不動産業界>
③東急住宅リース:内見にARを活用
東急住宅リースは、同社が管理する賃貸マンションにおいて、ARを活用した内見サービス「AR内見」の実証実験を開始しました。同社では、内見客に本サービスを利用してもらい、成約が増えれば本格的な導入に踏み切る考えです。
x garden社のメガネ型デバイス「AR glasses」を使い、家具などのバーチャル映像を内見する部屋に重ね合わせることで、家具のレイアウトや入居後の生活スタイルがイメージしやすくなります。
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④不動産SHOPナカジツ:これから建つ家をARで確認
愛知県岡崎市で戸建住宅を販売する株式会社不動産SHOPショップナカジツは、お客様が検討している住宅が建設後にどのようになるかをイメージしやすいように、ASATEC株式会社の「build+」サービスを採用しました。
販売前の未開発の土地に、現在の分譲地の様子をイメージした画像を重ねることで、着工前のお客様に新しい住まいのイメージをより鮮明にお伝えすることができます。広さや間取りのイメージを着工前にお客様にシェアすることが可能なため、購買意欲の促進が期待されています。
⑤大京穴吹不動産:ARで入居後の暮らしを体験
大京穴吹不動産は、AR技術を利用して、実際の室内にバーチャルの家具が出現する「ARホームステージングサービス」を提供しています。
ユーザーは、内見時に、スマートフォンの画面を通して家具や小物を実際の部屋に配置することができます。自由に歩き回りながら、あらゆる角度から部屋の確認が可能となり、家具が実際に部屋にあるかのように感じることができます。
このサービスにより、ユーザーは、内見の段階から入居後の暮らしをイメージすることが可能となり、入居後の顧客満足度の向上につながると考えられます。
⑥LIFULL HOME’S:物件をARカメラでかざすだけで賃貸情報を表示
LIFULL HOME’Sは、街中にある物件をスマホアプリのARカメラでかざすだけで空き室や売り物件を手軽に探せるサービスを提供しています。全国約100万件の物件を対象としており、iOSにもアンドロイドにも対応しています。
ユーザーは、実際に住みたい街を訪れて、気になる物件をARカメラでかざすことにより、部屋の空き状況、家賃、間取りなどの情報を取得することができます。散歩中に目にとまった気になる物件にカメラをかざして物件情報を取得するなど、今までにない新たな物件探しのやり方を体験することができます。
このようなサービスの導入により、ユーザーが気軽に物件情報にアクセスできるようになり、企業への問い合わせの増加につながると考えられます。
⑦home AR:ARで出現させた住宅の外観や内観を確認
ニュージーランド発の会社であるhomeARは、主に不動産販売業者向けに、不動産用ARアプリを提供しています。ユーザーが、建設前の土地にタブレットやスマートフォンをかざすと、画面上に住宅が表示され、歩きながら建物の外観や内観を観察することができます。
ARの活用により、図面の上だけでなく3Dの建物を建設前から確認することができるため、不動産販売業者は、ユーザーの要望によりマッチした住宅を建設・販売することが可能となります。
<食品業界>
⑧ジャックダニエル:歴史や製造方法を学べるAR絵本
ウイスキーメーカーであるジャックダニエルは、自社の歴史やウイスキーの製法を学べるARアプリをリリースしました。
アプリにてウイスキーボトルを読み取ると、ボトル上に飛び出す絵本のような立体的なコンテンツが表示され、楽しみながらジャックダニエルの歴史やウイスキーの製法を学ぶことができます。
このARアプリの提供は、短期的な売上だけでなく、中長期的なブランドへのロイヤリティ向上に向けた効果がある取り組みと言えます。
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⑨ドミノピザ:AR上で世界中のチーズをめぐる旅を体験
ドミノピザ社は、AR上で世界のチーズをめぐる旅を体験してもらいながら、チーズピザの購買に繋げるというプロモーションを行いました。
チラシや特設サイトからARカメラ起動ページにアクセスすると、目の前に地球儀が登場し、世界中のチーズの名産地が表示されます。ユーザーは各産地のチーズの特徴や楽しみ方を確認することができました。
⑩コカ・コーラ:ARを活用したプレゼントキャンペーンを実施
コカ・コーラ社は、プレゼントキャンペーンとARを組み合わせたプロモーションを行いました。
キャンペーン期間中に、コカ・コーラのラベルに記載されているQRコードを読み取ると、スマホのカメラ画像に女優の綾瀬はるかさんが登場し、おみくじの結果を教えてくれるというもので、おみくじの結果に合わせて綾瀬はるかさんオリジナルカードやLINEポイントを獲得することができました。
⑪アサヒビール:乃木坂46の限定トークがARで楽しめる
アサヒビールは、缶の記載されたコードを読み取ると、乃木坂46の限定トークがARで楽しめるというプロモーションを行いました。
読み取った缶の下図によって登場するメンバーの数が変化し、全部で20種類以上あるトークがランダムに出現するというゲーミフィケーションも取り入れられており、より多くのビールを買いたくなる仕掛けが施されています。
<アパレル業界>
⑫NIKE:計測された足のサイズから靴をレコメンド
Nikeは公式アプリ上で足のサイズを測ることのできる機能である「Nike Fit」を提供しています。Nike Fitは最新のAR技術を使って、わずか数秒で両足の13カ所からデータを収集し、足のサイズや幅などの計測を行うことができます。
計測結果をもとに、ユーザーに最適なシューズがレコメンドされ、サイズ違いで返品しなければならなくなる事態を防ぐことができます。また、このデータはアプリに保存されるので、ナイキの実店舗に行ったときや、オンラインで次のキックを注文するときにも、QRコードを使ってすぐに店員にサイズを伝えることができます。
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⑬Warbyparker:ARでいつでもどこでもメガネを試着
アメリカのメガネブランドであるWarbyparkerは、いつでもどこでもARを活用して眼鏡を試着できるサービスを提供しています。
こちらのサービスでは、iPhoneのFace ID等に活用されるカメラ機能を用いて、自分の顔にメガネをかけるとどうなるかをリアルにシミュレーションすることができます。
<化粧品業界>
⑭資生堂:ARメイクで複数のアイシャドウを試せる
資生堂は、自社の総合美容サイト「ワタシプラス」内でARを活用したメイクのシミュレーション機能を導入しました。
様々なブランドのアイシャドウを組み合わせてシミュレーションすることができ、手持ちの商品との相性なども、店舗を訪れずに手軽に確認できます。
⑮ZOZOCOSME:ARメイクで自分の顔で化粧品を試せる
ZOZOTOWNはZOZOTOWN上のコスメ専門モール「ZOZOCOSME」でバーチャルにメイクアップアイテムを試せる新機能「ARメイク」を提供しています。
ZOZOTOWNの「ARメイク」機能は、商品詳細ページからワンタップで起動し、簡単な操作で顔にメイクを施すシミュレーションを行うことができます。
「ARメイク」機能では、メイクの濃淡を調整したり、メイクのオンオフを切り替えることができ、実際にコスメアイテムを使用した際の色や質感を容易に想像することができます。また、「ARメイク」画面下部の「カートに入れる」ボタンから直接商品の購入に進むことができます。
⑯花王:ヘアカラー剤の色選びサポートにARを活用
花王は、ヘアカラー材の色選びのサポートにARを活用する取り組みを進めています。
この取り組みにより、従来のリアルな毛束見本を用いたサポートと比較し、いつでもどこでもイメージを確認できたり、毛束見本に使われるプラスチックが削減できたりするなどの成果を上げました。
<音楽業界>
⑰マドンナ:ARを使って自分の分身と共演するライブを開催
マドンナは、2019年のビルボード・ミュージック・アワードの授賞式でのパフォーマンスにおいて、ARを活用して自身の分身と共演する演出を行いました。
パフォーマンスでは、本人がエージェント、ミュージシャン、インストラクター、花嫁の衣装を着た自身のAR映像と共にパフォーマンスを行い、まるでマドンナ本人が5人いるかのような演出を施しました。4人の分身は突然現れ、泡のように消えるなどARでしかできない演出でパフォーマンスを盛り上げました。
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⑱いきものがかり:ARを活用してソニーストアからライブ鑑賞が可能
いきものがかりは、2020年にリアルで開催したライブを撮影してAR動画として全国のソニーストアで鑑賞できるキャンペーンを行いました。
観客は、ソニーストアに設置されたXperiaの向きを変えることで様々な視点からライブを視聴できる点が特徴です。これは「Volumetric Capture」と呼ばれる技術で、実世界の空間を丸ごと撮影し、視点を動かしてあらゆる角度から視聴できるようにするAR技術です。
AR技術を活用することで、楽曲の世界観やライブそのものを、場所を選ばずによりリアルに臨場感を持って楽しむことができるという新しい体験を提供し、ユーザーの満足度向上や新規ファンの獲得につながったとのことです。
⑲GLAY:ライブと並行してARを活用した聖地巡礼イベントを開催
GLAYは、自身の野外ライブと並行して、音声AR技術を利用した聖地巡礼イベント「グレナビ」を開催して、ファンと自身の音楽観やバックボーンを共有しました。
ファンは、メンバーの地元である函館をめぐり、GLAYゆかりの地を訪れるとアプリから通知が届き、GLAYの楽曲をBGMにメンバーによる裏話やその地に関するコメントを楽しむことができました。
コンテンツが用意された19か所のGLAYゆかりの地では、イベント開催期間中に人流が112%増加し、コラボした函館市の地域振興にも繋がりました。
⑳AR Artist KENTO:ARを活用した演出のライブを全世界に配信
マイケルジャクソンにも認められたダンサーであるKENTOは、ARを活用した演出を使ったライブ配信を行いました。
パフォーマンス中は、最先端のリアルタイムモーションキャプチャーにより認識されたKENTOの身体動作に連動する形で、その場その場でARエフェクトが加えられました。これにより、KENTOの今回のコンセプトである「目に見える音楽」を存分に届けることができました。
㉑ソニーミュージック:最先端のXRライブプロジェクトを実施
株式会社ソニー・ミュージックレーベルズは新たな仮想空間プロジェクト「ReVers3:x(リバースクロス)」の始動を発表しています。「ReVers3:x」では独自に制作した仮想空間を舞台に様々なアーティストのライブを楽しむことができるショートライブプロジェクトです。
「ReVers3:x」の第1弾として、ラッパーのKEIJUのライブが配信されました。仮想空間上に作られた東京のストリートに設置されたステージ上にはデジタルアーティストによるアートも配置され、音楽のみならず、空間としても楽しめるコンテンツとなっています。
㉒にじさんじ:バーチャルライバーと生バンドによるARライブイベントを開催
ARバーチャルライバーグループのにじさんじは、2021年にバーチャルライバーと生バンドのコラボによるARライブを開催しました。
このライブは、リアル会場でのライブビューイングとネット配信の二つの形式で行われ、観客はライバーと生バンドの演奏に加えて、ARによる豪華な演出を合わせて楽しむことができました。
ARの活用によって、ネット配信が中心だったライバーの活動の場がリアルイベントまで広がり、バーチャルライバーの新たな活動のチャネルとして注目される事例となりました。
㉓KAGI NIGHT:ARアーティストと生バンドのセッション
ARアーティストによるライブイベントである「KAGI NIGHT2022」は、リアルとバーチャルの会場の両方で開催され、実際のライブ会場でARアーティストと生バンドのセッションを行いました。
観客はリアル会場とオンライン会場のどちらからでも、ARアーティストと生バンドによる演奏を楽しむことができます。また、リアル会場の特典として、ARパフォーマンスがいつでも見られるQRコードがついたオリジナルカードがプレゼントされました。
オンラインで手軽に鑑賞する、リアル会場で他の観客とともに盛り上がるなど、観客の好みに応じて様々な楽しみ方を提供できた取り組みとなりました。
<教育業界>
㉔Gugenka:ARで心肺蘇生の非対面での訓練を実現
株式会社Gugenkaが開発した「心肺蘇生ARアプリ」は、スマートフォンの画面上に現れた心停止者のアバターに対して、ARを通じて心肺蘇生の手順を実践できるため、流れを確認しながら心臓マッサージやAED操作などの方法を習得することが可能です。
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㉕東京海上日動:ARで洪水・土砂災害を疑似体験
東京海上日動と東京海上ディーアールは、河川の氾濫による洪水や土砂災害の危険性を疑似体験できる「災害体験AR」を共同開発しました。災害体験ARは、スマートフォンやタブレット端末を用いて、河川の氾濫による洪水や土砂災害の危険性を疑似体験することができるサービスです。
このサービスはより多くの人に洪水や土砂災害の危険性を知ってもらい、社会全体の防災意識を高めることを目的とし、開発・提供されています。
㉖関西学院高等部:ARマップで戦争遺跡を学習
関西学院高等部の生徒たちが、キャンパス内の戦争遺跡をスタンプラリー形式で学ぶことのできる「KG PEACE MAP」を作成しました。このマップを作成したのは、当時高校2年生だった11人の生徒たち。授業で平和について考え、身近な場所が戦争で被害を受けたことに気づき、ARマップの作成を計画したそうです。
<製造業界>
㉗Nestle:専門家が遠隔で工場での作業を指示
創業150年、世界最大手の食品・飲料メーカーであるNestle(ネスレ)は、工場での作業にAR技術を用いた遠隔コミュニケーションを導入しています。
Nestleは全世界に工場を持つため、各種専門人材と各工場は遠隔のやりとりをします。作業者がスマートグラスを着用することで、専門家から直接リアルタイムで指示を受け取ることが可能です。
㉘NEXCO中日本:高速道路の点検作業を安全かつ効率的に
高速道路の建設、維持管理を行っているNEXCO中日本は、高速道路の点検作業にスマートグラスを活用しています。
1人で作業を行う必要のある場所でも、スマートグラスを通じてリアルタイムで状況をシェアし、音声でコミュニケーションを取ることで、より安全に作業することが可能となりました。また、業務経験の少ない作業者も、スマートグラスを活用したOJTで、本来なら行くことのできない難しい現場での作業を実践できています。
㉙AGCO Fendt:瞬時にエラーを修正し品質管理を強化
ドイツの農業機械メーカーであるAGCO Fendt社は、工場での作業にスマートグラスを用いた品質管理を導入しています。
生産ラインでエラーが発生した際、スマートグラスを通じてすぐにエラーが発見され、修正手段が適用されます。従来の紙やタブレットなどの媒体を見ながらマンパワーで行っていた検査に比べ、エラーチェックの正確性を高め、チェックにかかる時間を大幅に削減することが可能です。
㉚DHL:倉庫でのピッキング作業を効率化
ドイツの大手物流企業のDHL社はグーグルのスマートグラス「Glass Enterprise Edition 2」を倉庫での配送業務に導入しています。
従業員はピッキング作業の現場でグラス型デバイスを着用することで、適宜必要な情報を確認することができます。荷物を持ったまま視線を移動させる必要がないため、作業の精度と効率の向上に繋がります。
<医療業界>
㉛Feca:ARを活用して肉眼では見えない患部の状態を可視化
Feca社は、ARを活用して脳血管手術中に脳の血管にわかりやすく色をつけてリアルタイム投影できる「GLOW800 拡張現実蛍光システム」を開発しました。
従来の脳血管手術では、血管の位置を確認しながら手術を行うために、通常の視野と白/黒の近赤外線ビデオを切り替えるために手術を中断する必要があります。そのため、手術の長時間化や手術部位の深奥部の視認性が悪いという課題がありました。
GLOW800 ARは、脳血管手術の各工程を効率化し、手術中の作業効率向上だけでなく、手術記録の録画も従来より容易に行うことができるため、手術のレビューや教育目的にも活用できます。
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㉜NECソリューションイノベータ:電子聴診器とスマートグラスで遠隔医療の質向上
NECソリューションイノベータは、電子聴診器とスマートグラスを用いた遠隔診療サービスを開発しています。このサービスは、患者宅に出向いた看護師を介して、遠隔にいる医師が指示したり心音を聞きながら診療することを可能にするサービスです。
医師は病院に居ながらにして、スマートグラスを装着した現場の看護師と視野や器具を共有して診察を行うことが可能です。医師がその場にいなければ医療行為が行えないという遠隔診療に関する法整備の問題がクリアされれば、過疎化が進む農村部や島嶼部への医療サービスの提供という社会課題の解決に向け大きく前進する可能性があるといえるでしょう。
㉝Kapanu:口腔内を3Dスキャンし、義歯の完成イメージを患者と共有
スイスのKapanu社は、歯科医療向けARソフトウェア「Kapanu Augmented Reality Engine」をリリースしています。
歯科医師は、タブレットやスマートフォンのアプリから治療前の患者の口腔内を3Dスキャンし、患者に装着予定の歯の3DモデルをARで表示させることができます。医師と患者のコミュニケーションが円滑になり、完成イメージを共有した上で治療を行えることで、患者側からの満足度向上、歯科医師側のクレームのリスク低減など双方へのメリットがあると考えられています。
<防災業界>
㉞東京海上日動:災害体験ができるARアプリを開発
東京海上日動は、スマートフォンやタブレット端末を使って、河川の氾濫による洪水や土砂災害の危険性を疑似体験できる「災害体験AR」を共同開発しました
本アプリは、洪水や土砂災害の危険性をより多くの人に知ってもらい、社会全体の防災意識を高めることを目的として開発されました。
また、今後は自治体や企業との連携による小学生や住民への防災教育、スマートシティなどでの活用を予定しています。
加えて、日系企業の多いタイでの浸水深の可視化も可能で、今後ニーズに応じてグローバルに展開も検討中とのことです。
㉟ウェザーニューズ:雨・雪・浸水被害を疑似体験できるARアプリを開発
ウェザーニューズは、雨や雪などの天気や浸水などの災害をスマートフォンで疑似的に体験できるアプリ「ARお天気シミュレーター」をリリースしています。AR技術を活用し、雨や雪の降る様子や浸水状況を目の前に再現することで、大雨・大雪・浸水被害をリアルに体験することができます。
これにより、ユーザーは、スマートフォンで手軽に楽しみながら天気に関する理解を深めることができます。また、目の前で災害の状況をシミュレーションすることで、防災意識を高めることにも役立つと考えられます。
㊱DMMアイデアクラウド:現実空間に火災を出現させ消火体験ができるサービスを提供
AR事業を手掛けるアイデアクラウドは、ARを利用した消火体験アプリ「防災AR消火体験」をリリースしています。
防災AR消火体験は、AR技術によって現実の空間に火災を出現させ、ユーザーは、仮想の消火器を使った消火体験をすることができます。燃え広がる火を制限時間以内に消火することがミッションとなり、成功・失敗が表示されるなど、ゲーム感覚で消火訓練を楽しむことができます。
安全かつコストをかけずに、スマホで手軽に楽しみながら、リアルな消火訓練を疑似体験することができ、効果的な防災訓練に役立っています。
<博物館>
㊲東京国立博物館:ARに対応したガイドアプリ「トーハクなび」をリリース
東京国立博物館は、ARに対応した館内ガイドアプリ「トーハクなび」をリリースしました。館内に設置されたARマーカーに端末のカメラをかざすと、バーチャルの人物が現れて伝統演劇を披露したり、展示品の解説動画が流れたりします。
トーハクなびにはスタンプラリー機能も備わっており、デジタルスタンプを集めた来館者に対して記念品を与えるという取り組みも行われています。
ARアプリという若者も楽しめるコンテンツにより、若年層の来館者を増やす狙いがあると考えられます。
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㊳金沢暮らしの博物館:ARアプリで展示物の解説や伝統芸能の再現
金沢市の民族文化を伝える展示館として金沢市民寄贈の資料約2万点を保存する金沢暮らしの博物館は、ARを導入した新たな取り組みを開始しています。
指定された場所でARアプリを搭載したタブレット端末をかざすと、柱時計が時報を鳴らしたり、かまどの使い方が動画で説明されたり、伝統芸能「加賀毛針」に携わる職人の手仕事の様子が表示されたりするなど、様々な仕掛けを楽しむことができます。
展示物の特徴や魅力を、ARによる動画や3Dのエフェクトによってうまく引き出した取り組みと言えます。
㊴スミソニアン博物館:ARで古代生物を現実世界に蘇らせる仕掛けを導入
ナイトミュージアムの撮影現場になったことでも有名なスミソニアン博物館は、恐竜のはく製や王侯貴族らが所有していた宝石類などを多数所蔵しています。
スミソニアン博物館のBone Hallという展示施設では恐竜など古代生物の骨格標本や化石が多数展示されています。同博物館はこの展示施設にARを導入しました。専用アプリの入ったタブレットをかざすと、骨格がARで肉付けされ、生きていた時の姿が再現される仕掛けが施されています。来館者は、3Dアニメによって古代生物が現実世界によみがえったかのように自由に動き回る姿を見ることができます。
現実には存在しないものも再現できるというARの特徴をうまく活用した取り組みと言えます。
<業界横断>
㊵Snapchat:世界最大のARSNS上で広告を配信
Snapchat上でのAR広告は様々な業界の大手企業により活用されています。
Snapchatとは、ARを活用した画像・動画投稿が楽しめるSNSで、10~20代の若者を中心に人気を集めており、米国を中心に3億人を超えるアクティブユーザーを抱えています。
Snapchatの広告を活用する企業の例として、DiorやGUCCI、PRADAなどが挙げられます。
Snapchatを活用したプロモーションは、他のSNSでの広告と比べ、立体的なコンテンツで訴求できる点やゲーミフィケーションを取り入れられる点などが特徴であり、注目を集めています。
ARのビジネス活用を成功に導く5つのポイント
ARのビジネス活用を成功に導くポイントとして以下の5つが挙げられます。
- ①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
- ②活用目的の明確化と骨太な戦略策定
- ③ユーザーファーストなUX設計
- ④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
- ⑤強力な開発・運用体制の構築
それぞれについて分かりやすく紹介していきます。
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①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
1つ目のポイントは、最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップです。
デバイスの進化やユーザーの動き、各領域の先進事例をキャッチアップし、自社が取り組むべき活用方法や成果に繋がる活用のポイントを抑えた上で活用に着手しましょう。
AR活用には取り組むのに一定の予算や工数が必要となるため、自社にとって重要な最新動向や活用のノウハウを抑えておくことが、成功確度の高い戦略・企画立案の大前提となります。
②活用目的の明確化と骨太な戦略の立案
2つ目のポイントは、ARを活用する目的の明確化と骨太な戦略の策定です。
現在AR活用に取り組む企業には、AR活用の取り組みが単発で終わってしまっている企業が見受けられます。
その結果、活用のPDCAが回らない、AR活用が小粒な施策の1つに留まってしまうなど大きな収益機会の獲得に繋がらないという結果に終わってしまいます。
自社の経営課題を踏まえ、「活用によりどのような経営課題を解決したいのか?」「課題解決の打ち手としてなぜARではないといけないのか?」といった明確な活用目的を整理した上で、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方などの実現に向けた戦略を立案しましょう。
③ユーザーファーストな企画・UX設計
3つ目のポイントは、自社のターゲットにとってユーザーファーストなARの企画・UX設計です。
現在、多くの企業がARに参入を進めていますが、そのなかには、企業側の都合のみでサービス・体験が設計されたようなARが多く存在します。それらのARは、ユーザーに利用されず、企業の活用の目的を達成できない結果に終わってしまいます。
そのため、「ARならではの高い体験価値を届けられているか」や「ユーザーの利用にあたっての手間や負担が大きくないか」といった観点を踏まえたUX設計が重要です。
④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
4つ目のポイントは、アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進です。
AR市場は今後大きな成長が予想されているものの、いまだ成長期にあり、様々な業界の企業が中長期的な収益最大化に向け、最適な活用を模索している段階にあります。
そのため、計画と実行のプロセスを短いスパンで回し、仮説立案・実行・検証・施策立案のサイクルを何度も繰り返すことが、プロジェクトを机上の空論で終わらせないために重要です。
⑤強力な開発・運用体制の構築
5つ目のポイントは、強力なAR開発・運用体制の構築です。
高いユーザー体験と事業性を両立するARの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。
AR開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完することも有効です。
企業がARを活用するための4つのステップ
企業がARの活用を進めるステップとして、大きく以下の4つのフェーズが挙げられます。
- Step1:市場動向・知見のキャッチアップ
- Step2:戦略/企画の立案
- Step3:事業計画の策定
- Step4:開発・運用
それぞれのフェーズについて分かりやすく紹介していきます。
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Step1:市場動向・知見のキャッチアップ
1つ目のStepとして取り組むべきは、最先端の市場動向・知見のキャッチアップです。MetaやApple、Microsoftなどのビックテックやユーザーの動向・先行活用事例など、日々変化する市場動向やナレッジへのキャッチアップが必要です。
このフェーズが、成果に繋がる骨太な戦略/企画策定の基盤となります。
Step2:戦略/企画の立案
2つ目のStepはAR活用の戦略/企画です。活用目的を踏まえ、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方、実現に向けた企画を立案しましょう。
ユーザーバリューと自社の事業性の両方を満たす、質の高い戦略/企画の立案が、成果につながるAR活用の実現に向け最も重要なポイントとなります。
Step3:事業計画の策定
3つ目のStepは事業計画の策定です。事業に期待する成果や開発・運用のアプローチやタイムライン、必要な投資額などを検討しましょう。
AR開発・運用といっても、プロジェクト毎に求められるケイパビリティは様々であるため、自社にマッチするツール・ベンダーの選定が非常に重要です。
Step4:開発・運用
4つ目のStepが開発・運用です。AR開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを有効活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完しつつ、ユーザーに届けたい体験を実現するARの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。
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