ARの保険への活用事例3選|3大メリットや5ポイントも解説
本記事では、AR×保険に関心のある方向けに、ARの基本から保険業界での活用事例までわかりやすく解説します。
こんな方におススメ
- ARを保険での業務で活用したい
- ARを保険での業務で活用するメリットが知りたい
- 具体的な活用事例を知りたい
本記事を読めば、ARの基本やメリットから、保険業界での具体的な活用事例まで、一気にキャッチアップすることができます。AR×保険に関心のある方はぜひご一読ください。
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目次
そもそもARとは?
ARとはAugumeted Realityの略称で、拡張現実とも呼ばれます。リアルの世界にデジタルの情報/コンテンツを視覚的に重ね合わせることで、リアルの世界を拡張する技術のことを指します。ARには、ゴーグルを装着せずに、スマートフォンやタブレットの画面にデジタルの情報/コンテンツを表示させるものも含みます。
ARを活用することで、「Pokemon Go」のように、リアルの街にポケモンが存在するかのようなゲームを楽しんだり、「GoogleMap」のARナビのように、リアルの街に道順を示す矢印などの情報が表示され、スムーズに目的地にたどり着くことができたりと、私たちの暮らしをより豊かに・便利にすることができます。
ARを保険業界に活用する3つのメリット
ARの保険業界への活用のメリットとして、以下の3つが挙げられます。
- ①既存の保険サービスの新たな営業チャネルとしての活用
- ②既存の保険サービスへのAR上でのデータの活用
- ③AR上の活動に対する新たな保険の提供
それぞれのメリットをわかりやすく説明していきます。
➀既存の保険サービスの新たな営業チャネルとしての活用
1つ目の方向性は、ARの既存の保険サービスの新たな営業チャネルとしての活用です。AR上で仮想店舗を設置し、現実の店頭で行っている営業活動を強化したり、ARならではの体験を通じたプロモーションへの活用が想定されます。
企業サイドにとってのメリットとして、従来保険会社との接点が少なかった若年層を顧客の獲得できる点や各企業が取り組みを進める、支店での窓口業務のバリューアップに繋がる点が挙げられます。
この営業チャネルとしての活用は、3つの方向性のうち、最も早期に立ち上がってくると考えられる活用の方向性です。既に、東京海上日動や損保ジャパンが、AR上に仮想店舗を開設し、社員がアバターを介した顧客との対話を行う取り組みを進めています。
②既存の保険サービスへのAR上でのデータの活用
2つ目の方向性は、既存の金融サービスへのAR上でのデータの活用です。ARを活用することによって得られるデータや、都市全体をAR上に再現した各種シュミレーションなどから得られるデータを、既存の金融サービスのリスク評価や需要予測、マーケティングに活用することが想定されます。
既に、東京海上日動などが都市全体をAR上に再現したシミュレーションを、地震や洪水などの災害対策に役立てる取り組みを始めています。
③AR上の活動に対する新たな金融ソリューションの提供
3つ目の方向性は、AR上の活動に対する新たな金融ソリューションの提供です。
将来的に、食事や睡眠など限られた活動以外の様々な人間の活動がAR上でも行われると考えられており、現実世界に存在する金融ソリューションのARVerが多数登場することが予想されます。
代表的な例としては、AR上でのデジタルアセットに関する保険やAR上での経済活動にまつわる決済機能の提供などが挙げられます。
ARの保険への活用事例3選
ARと保険を活用した活用事例として、下記の3事例を挙げることができます。
- ①東京海上日動:災害体験ができるARアプリを開発
- ②あいおいニッセイ同和損保:ARを活用して自動車保険の商品PR
- ③三井住友海上:ARを活用して緊急時に避難所まで誘導
それぞれについて、わかりやすく紹介します。
①東京海上日動:災害体験ができるARアプリを開発
東京海上日動は、スマートフォンやタブレット端末を使って、河川の氾濫による洪水や土砂災害の危険性を疑似体験できる「災害体験AR」を開発しました。同アプリは、洪水や土砂災害の危険性をより多くの人に理解してもらい、社会全体の防災意識を高めることを目的として開発されました。また、今後は自治体や企業との連携による小学生や住民への防災教育、スマートシティなどでの活用を予定しています。
さらに、日系企業の多いタイでの浸水深の可視化も可能で、今後はニーズに応じてグローバルに展開も検討中とのことです。
②あいおいニッセイ同和損保:ARを活用して自動車保険の商品PR
あいおいニッセイ同和損保は、ARを活用してユーザーに対して自社サービスをPRしています。
ユーザーは、専用アプリからカメラを起動し、パンフレット等のブランドマスコットを撮影することによって、同社のサービス「TOUGH」のコンセプトや実際のサービス内容について、マスコットによるAR解説動画を楽しむことができます。
顧客との接点の中でも特にサービスへの入り口を強化することによって、顧客への認知を広げ、サービス拡大を目指しています。
③三井住友海上火災保険:AR上にビジネス拠点開設
2022年3月に、三井住友海上火災保険は、AR/XRが浸透した未来を目指し、「Metaverse Project」の立ち上げを発表しました。XR上の拠点「GDH(Global Digital Hub)Meta」を開設し、新規事業の設計・開発を行うとしています。本プロジェクトは、中長期的な社会変革を見据え、外部の知見を取り入れた社内外のクロスセクタープロジェクトを展開する三井住友海上の第一弾となります。
同社は立ち上げの理由として、XR上で発生する新たな損失を補償する商品やサービスの提供を通じて、AR/XRが普及し、人々が安心して楽しめる環境を構築するためとしています。
同社は、テクノロジーを活用した新規事業推進で最先端のノウハウを持つPwCコンサルティング合同会社と共同で、サービス提供者、プラットフォーム提供者、ユーザーなどが被るリスクを特定し、損失を補償する商品・サービスを開発します。また、メタバース業界団体への参画や他業界の企業・専門家との協議を行い、新しい価値観を持つ未来のお客様との対話の場として、実空間とAR/XRを横断した新しい保険の開発を目指します。
また、GDHの開設だけでなく、今年の8月13日から28日までの16日間開催される「バーチャルマーケット2022」に出展し、新しい時代の到来に向けて保険のイメージを一新するブースを企画しています。
保険へのAR活用を成功に導く5つのポイント
保険業界へのAR活用を成功に導くポイントとして以下の5つが挙げられます。
- ①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
- ②活用目的の明確化と骨太な戦略策定
- ③ユーザーファーストなUX設計
- ④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
- ⑤強力な開発・運用体制の構築
それぞれについて分かりやすく紹介していきます。
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①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
1つ目のポイントは、最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップです。
デバイスの進化やユーザーの動き、各領域の先進事例をキャッチアップし、自社が取り組むべき活用方法や成果に繋がる活用のポイントを抑えた上で活用に着手しましょう。
AR活用には取り組むのに一定の予算や工数が必要となるため、自社にとって重要な最新動向や活用のノウハウを抑えておくことが、成功確度の高い戦略・企画立案の大前提となります。
②活用目的の明確化と骨太な戦略の立案
2つ目のポイントは、ARを活用する目的の明確化と骨太な戦略の策定です。
現在AR活用に取り組む企業には、AR活用の取り組みが単発で終わってしまっている企業が見受けられます。
その結果、活用のPDCAが回らない、AR活用が小粒な施策の1つに留まってしまうなど大きな収益機会の獲得に繋がらないという結果に終わってしまいます。
自社の経営課題を踏まえ、「活用によりどのような経営課題を解決したいのか?」「課題解決の打ち手としてなぜARではないといけないのか?」といった明確な活用目的を整理した上で、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方などの実現に向けた戦略を立案しましょう。
③ユーザーファーストな企画・UX設計
3つ目のポイントは、自社のターゲットにとってユーザーファーストなARの企画・UX設計です。
現在、多くの企業がARに参入を進めていますが、そのなかには、企業側の都合のみでサービス・体験が設計されたようなARが多く存在します。それらのARは、ユーザーに利用されず、企業の活用の目的を達成できない結果に終わってしまいます。
そのため、「ARならではの高い体験価値を届けられているか」や「ユーザーの利用にあたっての手間や負担が大きくないか」といった観点を踏まえたUX設計が重要です。
④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
4つ目のポイントは、アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進です。
AR市場は今後大きな成長が予想されているものの、いまだ成長期にあり、様々な業界の企業が中長期的な収益最大化に向け、最適な活用を模索している段階にあります。
そのため、計画と実行のプロセスを短いスパンで回し、仮説立案・実行・検証・施策立案のサイクルを何度も繰り返すことが、プロジェクトを机上の空論で終わらせないために重要です。
⑤強力な開発・運用体制の構築
5つ目のポイントは、強力なAR開発・運用体制の構築です。
高いユーザー体験と事業性を両立するARの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。
AR開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完することも有効です。
保険にARを活用するための4つのステップ
保険がARの活用を進めるステップとして、大きく以下の4つのフェーズが挙げられます。
- Step1:市場動向・知見のキャッチアップ
- Step2:戦略/企画の立案
- Step3:事業計画の策定
- Step4:開発・運用
それぞれのフェーズについて分かりやすく紹介していきます。
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Step1:市場動向・知見のキャッチアップ
1つ目のStepとして取り組むべきは、最先端の市場動向・知見のキャッチアップです。MetaやApple、Microsoftなどのビックテックやユーザーの動向・先行活用事例など、日々変化する市場動向やナレッジへのキャッチアップが必要です。
このフェーズが、成果に繋がる骨太な戦略/企画策定の基盤となります。
Step2:戦略/企画の立案
2つ目のStepはAR活用の戦略/企画です。活用目的を踏まえ、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方、実現に向けた企画を立案しましょう。
ユーザーバリューと自社の事業性の両方を満たす、質の高い戦略/企画の立案が、成果につながるAR活用の実現に向け最も重要なポイントとなります。
Step3:事業計画の策定
3つ目のStepは事業計画の策定です。事業に期待する成果や開発・運用のアプローチやタイムライン、必要な投資額などを検討しましょう。
AR開発・運用といっても、プロジェクト毎に求められるケイパビリティは様々であるため、自社にマッチするツール・ベンダーの選定が非常に重要です。
Step4:開発・運用
4つ目のStepが開発・運用です。AR開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを有効活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完しつつ、ユーザーに届けたい体験を実現するARの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。
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