ヘルスケアへのAR活用事例3選|3大メリットも紹介

AR ヘルスケア

関連技術の進歩やオンラインコミュニケーション需要の高まりなどを背景とし、今後急速に人々の生活や仕事に普及していくと考えられるAR。

現在、ゲームやエンタメ業界の活用に注目されがちですが、アステラス製薬など大手のヘルスケア業界の企業も相次いで参入を始めています。

 

そんななか、「ヘルスケア業界のビジネスにどのようにARを活用するのかイメージが沸かない」、「具体的にどのような活用事例があるのか知りたい」という方も多いのではないでしょうか?

 

そこで今回は、ARのヘルスケア業界への活用事例やメリットとともにわかりやすくご紹介します。

本記事は、以下のような方におすすめの記事となっています。

 

  • ARのヘルスケア領域への活用を検討している
  • 他社によるARのヘルスケア領域への活用事例を押さえておきたい
  • ARをヘルスケアに活用するメリットが知りたい

 

本記事を読めば、ヘルスケアへのAR活用を進める上で押さえておきたい知識を、一気にキャッチアップできる内容となっておりますので、ぜひ最後までご一読ください。


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そもそもARとは?

そもそもARとは? ポケモンGO
(画像:ポケモン)

ARとはAugumeted Realityの略称で、拡張現実とも呼ばれます。リアルの世界にデジタルの情報/コンテンツを視覚的に重ね合わせることで、リアルの世界を拡張する技術のことを指します。ARには、ゴーグルを装着せずに、スマートフォンやタブレットの画面にデジタルの情報/コンテンツを表示させるものも含みます。

 

ARを活用することで、「Pokemon Go」のように、リアルの街にポケモンが存在するかのようなゲームを楽しんだり、「GoogleMap」のARナビのように、リアルの街に道順を示す矢印などの情報が表示され、スムーズに目的地にたどり着くことができたりと、私たちの暮らしをより豊かに・便利にすることができます。

ヘルスケア領域にARを活用する3つのメリット

ヘルスケア領域にARを活用する3つのメリット

病院や医療業界の企業がARを活用する代表的なメリットとして、次の3つがあげられます。

 

  • ①消費者とのコミュニケーションの質の改善
  • ②研修への活用によるスキルの習得と向上
  • ③ヘルスケア関連製品開発への活用によるプロセスの効率化

 

それぞれについて、わかりやすく解説します。

 

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①消費者とのコミュニケーションの質の改善

消費者とのコミュニケーションの質の改善 Kapanu
(画像:Kapanu)

AR技術を利用して、デジタル上の人体モデルや患者本人の体にレントゲンやMRIなどの医療データを投影することによって患者とのコミュニケーションの質の向上を見込むことができます。特に、膝や腰といった構造が複雑な部位に関するコミュニケーションの際には特に有効です。

②研修への活用によるスキルの習得と向上

研修への活用によるスキルの習得と向上
(画像:YouTube ProjectDR demonstration video)

臨床医療のデータを研修に活用することにより、医師の教育を効率化し、医師全体の医療スキルの習得と向上が見込めます。2Dの画像や映像に加えて、検査のデータにAR技術を活用することにより、病理部位を色付きで示したり、実際の手術のシミュレーションで病変した臓器を再現したりと、よりリアルで学習効果の高い研修を行うことができます。

③ヘルスケア関連製品開発への活用によるプロセスの効率化

ARをヘルスケア機器製品開発に活用することにより、開発プロセスを効率化することができます。特に、製品の設計段階でのシミュレーションに活用したり、リモート環境での製品開発などに活用することが可能です。

ヘルスケア領域でのARの活用事例3選

ヘルスケア領域でのARの活用事例3選

ヘルスケア領域でのARの代表的な活用事例として、以下の3事例が挙げられます。

 

  • ①Feca:ARを活用して肉眼では見えない患部の状態を可視化
  • ②NECソリューションイノベータ:電子聴診器とスマートグラスで遠隔医療の質向上
  • ③Holoeyes MD:CT・MRIデータをARを活用して人体モデルに投影

 

それぞれの事例についてわかりやすく紹介します。

 

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①Feca:ARを活用して肉眼では見えない患部の状態を可視化

Feca:ARを活用して肉眼では見えない患部の状態を可視化
(画像:Feca)

Feca社は、ARを活用して脳血管手術中に脳の血管にわかりやすく色をつけてリアルタイム投影できる「GLOW800 拡張現実蛍光システム」を開発しました。

 

従来の脳血管手術では、血管の位置を確認しながら手術を行うために、通常の視野と白/黒の近赤外線ビデオを切り替えるために手術を中断する必要があります。そのため、手術の長時間化や手術部位のの深奥部の視認性が悪いという課題がありました。

 

GLOW800 ARは、脳血管手術の各工程を効率化し、手術中の作業効率向上だけでなく、手術記録の録画も従来より容易に行うことができるため、手術のレビューや教育目的にも活用できます。

②NECソリューションイノベータ:電子聴診器とスマートグラスで遠隔医療の質向上

NECソリューションイノベータ:電子聴診器とスマートグラスで遠隔医療の質向上
(画像:NECソリューションイノベータ)

NECソリューションイノベータは、電子聴診器とスマートグラスを用いた遠隔診療サービスを開発しています。このサービスは、患者宅に出向いた看護師を介して、遠隔にいる医師が指示したり心音を聞きながら診療することを可能にするサービスです。

 

医師は病院に居ながらにして、スマートグラスを装着した現場の看護師と視野や器具を共有して診察を行うことが可能です。医師がその場にいなければ医療行為が行えないという遠隔診療に関する法整備の問題がクリアされれば、過疎化が進む農村部や島嶼部への医療サービスの提供という社会課題の解決に向け大きく前進する可能性があるといえるでしょう。

 

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③Kapanu:口腔内を3Dスキャンし、義歯の完成イメージを患者と共有

Kapanu:口腔内を3Dスキャンし、義歯の完成イメージを患者と共有
(画像:Kapanu)

スイスのKapanu社は、歯科医療向けARソフトウェア「Kapanu Augmented Reality Engine」をリリースしています。

  

歯科医師は、タブレットやスマートフォンのアプリから治療前の患者の口腔内を3Dスキャンし、患者に装着予定の歯の3DモデルをARで表示させることができます。医師と患者のコミュニケーションが円滑になり、完成イメージを共有した上で治療を行えることで、患者側からの満足度向上、歯科医師側のクレームのリスク低減など双方へのメリットがあると考えられています。

ARのヘルスケア領域への活用で成果を上げるための5つのポイント

ARのヘルスケア領域への活用で成果を上げるための5つのポイント

ARのヘルスケア領域への活用を成功させるためのポイントとして以下の5つが挙げられます。

 

  • ①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
  • ②活用目的の明確化と骨太な戦略策定
  • ③ユーザーファーストなUX設計
  • ④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
  • ⑤強力な開発・運用体制の構築

 

それぞれについて分かりやすく紹介していきます。

①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ

1つ目のポイントは、最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップです。

デバイスの進化やユーザーの動き、各領域の先進事例をキャッチアップし、自社が取り組むべき活用方法や成果に繋がる活用のポイントを抑えた上で活用に着手しましょう。

 

AR活用には取り組むのに一定の予算や工数が必要となるため、自社にとって重要な最新動向や活用のノウハウを抑えておくことが、成功確度の高い戦略・企画立案の大前提となります。

②活用目的の明確化と骨太な戦略の立案

2つ目のポイントは、ARを活用する目的の明確化と骨太な戦略の策定です。

現在AR活用に取り組む企業には、AR活用の取り組みが単発で終わってしまっている企業が見受けられます。

 

その結果、活用のPDCAが回らない、AR活用が小粒な施策の1つに留まってしまうなど大きな収益機会の獲得に繋がらないという結果に終わってしまいます。

 

自社の経営課題を踏まえ、「活用によりどのような経営課題を解決したいのか?」「課題解決の打ち手としてなぜARではないといけないのか?」といった明確な活用目的を整理した上で、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方などの実現に向けた戦略を立案しましょう。

③ユーザーファーストな企画・UX設計

3つ目のポイントは、自社のターゲットにとってユーザーファーストなARの企画・UX設計です。

現在、多くの企業がARに参入を進めていますが、そのなかには、企業側の都合のみでサービス・体験が設計されたようなARが多く存在します。それらのARは、ユーザーに利用されず、企業の活用の目的を達成できない結果に終わってしまいます。

 

そのため、「ARならではの高い体験価値を届けられているか」や「ユーザーの利用にあたっての手間や負担が大きくないか」といった観点を踏まえたUX設計が重要です。

④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進

4つ目のポイントは、アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進です。

AR市場は今後大きな成長が予想されているものの、いまだ成長期にあり、様々な業界の企業が中長期的な収益最大化に向け、最適な活用を模索している段階にあります。

 

そのため、計画と実行のプロセスを短いスパンで回し、仮説立案・実行・検証・施策立案のサイクルを何度も繰り返すことが、プロジェクトを机上の空論で終わらせないために重要です。

⑤強力な開発・運用体制の構築

5つ目のポイントは、強力なAR開発・運用体制の構築です。

高いユーザー体験と事業性を両立するARの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。

 

AR開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完することも有効です。

AR活用を進めるための4ステップ

AR活用を進めるための4ステップ

AR活用を進める上では、大きく4つのフェーズと以下の35ステップを抑える必要があります。

 

<Phase1:業界動向・知見のキャッチアップ>

  • ARの基礎知識
    • ①ユーザー・企業ができること/メリット
    • ②注目を集める背景・歴史
    • ③XRデバイス・Web3等の関連テクノロジー
    • ④今後の普及・発展への展望
  • 市場/ユーザー動向
    • ⑤ビックテックなどの戦略・取り組み
    • ⑥主要ARプラットフォーム
    • ⑦各業界における大手企業の取り組み
    • ⑧国内外のユーザーの動向
  • AR活用手法・先行事例
    • ⑨AR活用手法の全体像
    • ⑩自社と類似する業界における国内外の事例
    • ⑪自社が検討する活用手法の国内外の事例

  

<Phase2:戦略/企画の立案>

  • 自社が取り得る活用の方向性の洗い出し
    • ⑫ターゲットとする経営課題と活用目的の明確化
    • ⑬目的達成に向けた活用手法候補の幅出し
  • 目的達成に向けた活用の方向性の評価
    • ⑭自社の目的に合わせた評価軸の設定
    • ⑮評価軸に沿った活用の方向性の評価
  • AR戦略の立案
    • ⑯自社の強み・アセットの活かし方を検討
    • ⑰中長期で目指す姿と企画のコンセプトの立案
    • ⑱ビジネスモデルの設計
  • 詳細な先行事例ベンチマーク
    • ⑲企画コンセプトに類似する国内外の事例ベンチマーク
    • ⑳企画の立案・具体化に向けた示唆出し
  • 企画の立案・具体化
    • ㉑コアターゲット像と提供価値
    • ㉒ユーザー体験/コンテンツ案
    • ㉓活用チャネル/プラットフォーム案

  

<Phase3:事業計画の策定>

  • 事業計画の策定
    • ㉔期待する成果/主要KGI・KPIの設定
    • ㉕開発・運用アプローチ(活用ツール・ベンダー等)の設計
    • ㉖必要なリソース(コスト・人員等)の算出
  • ロードマップ策定
    • ㉗開発・運用のタイムラインの設定
    • ㉘主要マイルストーンの設定
    • ㉙想定されるリスクと対処方法の検討

  

<Phase4:開発・運用>

  • 開発
    • ㉚不足するケイパビリティやリソースの補完
    • ㉛要件定義・システムの基本設計
    • ㉜開発の実行
  • 運用
    • ㉝ARへの集客/マーケティング
    • ㉞運用・保守の実施
    • ㉟効果測定と運用方法の見直し

 

それぞれのフェーズとステップの詳細については以下の記事をご覧ください。

 

※関連記事:ARを活用した事業を作る方法|全4フェーズと35ステップ

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却した後、日本企業の海外マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を設立して代表取締役社長に就任。メタバースのビジネス活用を支援するメタバース総研を設立して代表取締役社長に就任。

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