ARの食品業界への活用事例9選|3大メリットも紹介
関連技術の進歩やMetaやAppleのデバイス発売などに伴い、多くの企業がARの活用を進めています。
最近では、ARと食品業界との相性の良さから、ARを食品業界に活用する企業が増えています。
そこで今回は、食品業界へのARの活用事例9選を、活用のメリット、成功のポイントなどとともにわかりやすくご紹介します。
本記事は、以下のような方におすすめの記事となっています。
- 食品業界へのAR活用を検討している
- 他社による食品業界へのARの活用事例を押さえておきたい
- ARを食品業界に活用するメリットが知りたい
本記事を読めば、食品業界へのAR活用を進める上で押さえておきたい知識を、一気にキャッチアップできる内容となっておりますので、ぜひ最後までご一読ください。
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目次
そもそもARとは?
ARとはAugumeted Realityの略称で、拡張現実とも呼ばれます。リアルの世界にデジタルの情報/コンテンツを視覚的に重ね合わせることで、リアルの世界を拡張する技術のことを指します。ARには、ゴーグルを装着せずに、スマートフォンやタブレットの画面にデジタルの情報/コンテンツを表示させるものも含みます。
ARを活用することで、「Pokemon Go」のように、リアルの街にポケモンが存在するかのようなゲームを楽しんだり、「GoogleMap」のARナビのように、リアルの街に道順を示す矢印などの情報が表示され、スムーズに目的地にたどり着くことができたりと、私たちの暮らしをより豊かに・便利にすることができます。
ARを食品業界に活用する3つのメリット
ARを食品業界のビジネスに活用するメリットとして主に以下の5つが挙げられます。
- ①ARならではの体験により訴求力が向上する
- ②ブランドへのロイヤリティを強化しやすい
- ③SNS等でのバズマーケティングに繋がりやすい
それぞれのメリットについてわかりやすく紹介していきます。
①ARならではの体験による訴求力向上
1つ目のメリットは、ARならではの体験による訴求力向上ができるという点です。
マーケティングにARを活用することで、オンラインでの商材の訴求力を向上することができます。訴求力向上に繋がるポイントは大きく2点あります。
1点目は、3Dモデルを活用した訴求力の向上です。顧客が商材や店舗、施設を目の前にしているような体験を提供でき、従来オンラインで商材の魅力が伝わりづらく、オンラインプロモーションに苦戦していた商材の訴求力を向上することができます。
2点目は、ARならではの体験を通じた、新たな購買体験による訴求力の向上です。オンラインでありながら、友人と一緒に買い物が出来る環境を構築したり、リアルでは簡単に提供できない非現実的な体験型のプロモーション施策を低コストで実施したりすることができます。
②ブランドへのロイヤリティを強化しやすい
2つ目のメリットは、ブランドへのロイヤリティを強化しやすいという点です。ARを活用することで新たなブランド体験を提供できるためです。広告・マーケティング活動をWebやSNSで行う場合とAR上で行う場合の最も大きな違いは、ブランドがユーザーに対し3次元の空間上でインタラクションを交えた体験を設計できることです。
そのため、従来は各ブランドがリアルで開催していたイベントや、リアルでは実現の難しいゲーミフィケーションを交えた体験設計などを通じて、ブランドの世界観を体験してもらう取り組みが可能です。
③SNS等でのバズマーケティングに繋がりやすい
3つ目のメリットはSNS等でのバズマーケティングに繋がりやすいという点です。ARは他の画像や動画をベースとした一般的なWeb広告と比べ、珍しさがあることや、アニメーションやゲーミフィケーションを取り入れることで、コンテンツとしての魅力があることなどからSNS等でシェアされやすい傾向があります、
そのため、広告宣伝費以上の広告効果が得られたり、SNS上でのトレンドになれば、ユーザーに対し強力なインパクトを残すことができます。
ARの食品への活用事例9選
ARの食品への活用事例として代表的なものに、以下の9事例が挙げられます。
- ①コカ・コーラ:ARを活用したプレゼントキャンペーンを実施
- ②Nestle:専門家が遠隔で工場での作業を指示
- ③ジャックダニエル:歴史や製造方法を学べるAR絵本
- ④アサヒビール:乃木坂46の限定トークがARで楽しめる
- ⑤ゲータレード:ARフィルターでSNSで約2億ページビューを獲得
- ⑥KFC:ARを活用して価格の安さを視覚的にアピール
- ⑦ドミノピザ:AR上で世界中のチーズをめぐる旅を体験
- ⑧スターバックス:店内でのAR体験でロイヤリティ向上
- ⑨レ・ペティット・シェフ:ARでレストランのエンタメ性を向上させYouTube600万再生を達成
それぞれについて、わかりやすく解説します。
①コカ・コーラ:ARを活用したプレゼントキャンペーンを実施
コカ・コーラ社は、プレゼントキャンペーンとARを組み合わせたプロモーションを行いました。
キャンペーン期間中に、コカ・コーラのラベルに記載されているQRコードを読み取ると、スマホのカメラ画像に女優の綾瀬はるかさんが登場し、おみくじの結果を教えてくれるというもので、おみくじの結果に合わせて綾瀬はるかさんオリジナルカードやLINEポイントを獲得することができました。
②Nestle:専門家が遠隔で工場での作業を指示
創業150年、世界最大手の食品・飲料メーカーであるNestle(ネスレ)は、工場での作業にAR技術を用いた遠隔コミュニケーションを導入しています。
Nestleは全世界に工場を持つため、各種専門人材と各工場は遠隔のやりとりをします。作業者がスマートグラスを着用することで、専門家から直接リアルタイムで指示を受け取ることが可能です。
③ジャックダニエル:歴史や製造方法を学べるAR絵本
ウイスキーメーカーであるジャックダニエルは、自社の歴史やウイスキーの製法を学べるARアプリをリリースしました。
アプリにてウイスキーボトルを読み取ると、ボトル上に飛び出す絵本のような立体的なコンテンツが表示され、楽しみながらジャックダニエルの歴史やウイスキーの製法を学ぶことができます。
このARアプリの提供は、短期的な売上だけでなく、中長期的なブランドへのロイヤリティ向上に向けた効果がある取り組みと言えます。
④アサヒビール:乃木坂46の限定トークがARで楽しめる
アサヒビールは、缶の記載されたコードを読み取ると、乃木坂46の限定トークがARで楽しめるというプロモーションを行いました。
読み取った缶の下図によって登場するメンバーの数が変化し、全部で20種類以上あるトークがランダムに出現するというゲーミフィケーションも取り入れられており、より多くのビールを買いたくなる仕掛けが施されています。
⑤ゲータレード:ARフィルターでSNSで約2億ページビューを獲得
飲料メーカーのゲータレード社は、米国一の視聴率を誇るアメリカンフットボールの全米一決定戦であるスーパーボウルに合わせてスナップチャットのARフィルターを作成しました。
ユーザーは、スナップチャットでゲータレードのARフィルターを使用すると、優勝した際の伝統的なパフォーマンスであるゲータレードシャワーを画面上で体験できます。この広告手法はテレビ放映していないにもかかわらず、試合前後の48時間で約2億ページビューを記録し、大成功を収めました。
⑥KFC:ARを活用してフォロワー数の伸びを4倍に
ケンタッキー・フライド・チキンでは、Instagramのオリジナルエフェクトを提供しています。ユーザーは、インカメラではカーネルサンダースに返信できるエフェクトを、アウトカメラではカーネルサンダースを投影するエフェクトを使って遊ぶことができます。
ストーリーズ広告でARエフェクト機能に直接アクセスできるようにした目的は、KFC自体の認知度拡大に加えてKFCのARエフェクトコンテンツの認知度向上だったそうです。結果として、通常時の平均フォロワー増加数よりも、4倍の増加数を記録するなど、成果に繋がった取り組みとなりました。
⑦ドミノピザ:AR上で世界中のチーズをめぐる旅を体験
ドミノピザ社は、AR上で世界のチーズをめぐる旅を体験してもらいながら、チーズピザの購買に繋げるというプロモーションを行いました。
チラシや特設サイトからARカメラ起動ページにアクセスすると、目の前に地球儀が登場し、世界中のチーズの名産地が表示されます。ユーザーは各産地のチーズの特徴や楽しみ方を確認することができました。
⑧スターバックス:店内でのAR体験でロイヤリティ向上
スターバックスでは、毎年2月の桜を待ち望む時期に、アプリのARフィルター機能を使ってお花見気分をユーザーに味わってもらう企画を行っています。
ユーザーは、店舗で自分のスマートフォンからスターバックスアプリを開き、ARカメラを起動することで桜の木や花びらが画面上に舞う体験をすることができます。担当者によると、毎年継続して企画を行うことで、ARの特性を理解し、年々企画がブラッシュアップできているとのことです。
⑨レ・ペティット・シェフ:ARでレストランのエンタメ性を向上させYouTube600万再生を達成
レストランのレ・ペティット・シェフは、ARによって店舗での顧客体験のエンタメ性を大きく高めることに成功しました。
顧客は、料理をオーダーしている待ち時間にスマートフォンのアプリを通じて小人のデジタルキャラクターが料理している様子を楽しむことができます。また、このアプリを映したYouTube動画は世界中で話題となったことで、公開から数か月で600万再生を記録しました。
料理の待ち時間と、来店していない時間という従来の食品店が価値提供できていなかった時間に顧客に価値を届けることができるようになった画期的な取り組みということができます。
AR活用を成功に導く5つのポイント
企業がAR活用で成果を上げるためのポイントとして以下の5つが挙げられます。
- ①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
- ②活用目的の明確化と骨太な戦略策定
- ③ユーザーファーストなUX設計
- ④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
- ⑤強力な開発・運用体制の構築
それぞれについて分かりやすく紹介していきます。
①最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップ
1つ目のポイントは、最先端の市場動向・ノウハウのキャッチアップです。
デバイスの進化やユーザーの動き、各領域の先進事例をキャッチアップし、自社が取り組むべき活用方法や成果に繋がる活用のポイントを抑えた上で活用に着手しましょう。
AR活用には取り組むのに一定の予算や工数が必要となるため、自社にとって重要な最新動向や活用のノウハウを抑えておくことが、成功確度の高い戦略・企画立案の大前提となります。
②活用目的の明確化と骨太な戦略の立案
2つ目のポイントは、ARを活用する目的の明確化と骨太な戦略の策定です。
現在AR活用に取り組む企業には、AR活用の取り組みが単発で終わってしまっている企業が見受けられます。
その結果、活用のPDCAが回らない、AR活用が小粒な施策の1つに留まってしまうなど大きな収益機会の獲得に繋がらないという結果に終わってしまいます。
自社の経営課題を踏まえ、「活用によりどのような経営課題を解決したいのか?」「課題解決の打ち手としてなぜARではないといけないのか?」といった明確な活用目的を整理した上で、中長期で目指す事業の姿や自社の強みの活用の仕方などの実現に向けた戦略を立案しましょう。
③ユーザーファーストな企画・UX設計
3つ目のポイントは、自社のターゲットにとってユーザーファーストなARの企画・UX設計です。
現在、多くの企業がARに参入を進めていますが、そのなかには、企業側の都合のみでサービス・体験が設計されたようなARが多く存在します。それらのARは、ユーザーに利用されず、企業の活用の目的を達成できない結果に終わってしまいます。
そのため、「ARならではの高い体験価値を届けられているか」や「ユーザーの利用にあたっての手間や負担が大きくないか」といった観点を踏まえたUX設計が重要です。
④アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進
4つ目のポイントは、アジャイルアプローチによるプロジェクトの推進です。
AR市場は今後大きな成長が予想されているものの、いまだ成長期にあり、様々な業界の企業が中長期的な収益最大化に向け、最適な活用を模索している段階にあります。
そのため、計画と実行のプロセスを短いスパンで回し、仮説立案・実行・検証・施策立案のサイクルを何度も繰り返すことが、プロジェクトを机上の空論で終わらせないために重要です。
⑤強力な開発・運用体制の構築
5つ目のポイントは、強力なAR開発・運用体制の構築です。
高いユーザー体験と事業性を両立するARの開発とマーケティングを含めた運用を実施しましょう。
AR開発・運用には幅広い領域の知見や技術スタックが求められるため、外部のベンダーなどを活用し、不足するケイパビリティやリソースを補完することも有効です。
ARの活用を進めるための4つのステップ
AR活用を進める上では、大きく4つのフェーズと以下の35ステップを抑える必要があります。
<Phase1:業界動向・知見のキャッチアップ>
- ARの基礎知識
- ①ユーザー・企業ができること/メリット
- ②注目を集める背景・歴史
- ③XRデバイス・Web3等の関連テクノロジー
- ④今後の普及・発展への展望
- 市場/ユーザー動向
- ⑤ビックテックなどの戦略・取り組み
- ⑥主要ARプラットフォーム
- ⑦各業界における大手企業の取り組み
- ⑧国内外のユーザーの動向
- AR活用手法・先行事例
- ⑨AR活用手法の全体像
- ⑩自社と類似する業界における国内外の事例
- ⑪自社が検討する活用手法の国内外の事例
<Phase2:戦略/企画の立案>
- 自社が取り得る活用の方向性の洗い出し
- ⑫ターゲットとする経営課題と活用目的の明確化
- ⑬目的達成に向けた活用手法候補の幅出し
- 目的達成に向けた活用の方向性の評価
- ⑭自社の目的に合わせた評価軸の設定
- ⑮評価軸に沿った活用の方向性の評価
- AR戦略の立案
- ⑯自社の強み・アセットの活かし方を検討
- ⑰中長期で目指す姿と企画のコンセプトの立案
- ⑱ビジネスモデルの設計
- 詳細な先行事例ベンチマーク
- ⑲企画コンセプトに類似する国内外の事例ベンチマーク
- ⑳企画の立案・具体化に向けた示唆出し
- 企画の立案・具体化
- ㉑コアターゲット像と提供価値
- ㉒ユーザー体験/コンテンツ案
- ㉓活用チャネル/プラットフォーム案
<Phase3:事業計画の策定>
- 事業計画の策定
- ㉔期待する成果/主要KGI・KPIの設定
- ㉕開発・運用アプローチ(活用ツール・ベンダー等)の設計
- ㉖必要なリソース(コスト・人員等)の算出
- ロードマップ策定
- ㉗開発・運用のタイムラインの設定
- ㉘主要マイルストーンの設定
- ㉙想定されるリスクと対処方法の検討
<Phase4:開発・運用>
- 開発
- ㉚不足するケイパビリティやリソースの補完
- ㉛要件定義・システムの基本設計
- ㉜開発の実行
- 運用
- ㉝ARへの集客/マーケティング
- ㉞運用・保守の実施
- ㉟効果測定と運用方法の見直し
それぞれのフェーズとステップの詳細については以下の記事をご覧ください。
※関連記事:ARを活用した事業を作る方法|全4フェーズと35ステップ
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