生成AIの種類一覧|それぞれの人気サービス10選と選び方も紹介

リリース以降、2ヶ月で1億ユーザーを突破したChatGPTの登場・普及をきっかけにますます注目が集まっている生成AI。

 

生成AIには、文章生成AIや画像生成AIなどいくつかの種類があり、それぞれに特化した人気サービスが数多く登場しています。

 

本記事では、生成AIの種類とそれぞれの人気サービスについて、活用事例とともにわかりやすくご紹介します。


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目次

そもそも生成AIとは?

そもそも生成AIとは

生成AIとは、「ジェネレーティブAI(Generative AI)」とも呼ばれ、文章・画像・音声など新たなコンテンツを生成するAIのことを指します。

  

近年の急速な技術進歩により、簡単な利用方法で、人間が作成したものと同等、あるいはそれ以上の質のコンテンツを自動で生成できるようになったことから、既存のビジネスや業務のあり方を変えていく存在として、大きな注目を集めています。

  

既に人間の作業をサポートするツールとしての活用が進んでおり、例えば、テキスト生成AIで長文のレポートを要約する、画像生成AIで広告用の独自の画像を作成する等の活用が可能です。

生成AIの種類一覧

生成AIの種類一覧

生成AIには、以下の通り、文章生成AI、画像生成AI、音声生成AI、動画生成AIの4つの種類があります。

 

  • ①文章生成AI:対話しているような形式で文章を生成
  • ②画像生成AI:指示や参考画像を基にオリジナルの画像を生成
  • ③音声生成AI:指示や参考音声を基にオリジナルの音声・楽曲を生成
  • ④動画生成AI:指示や参考画像を基にオリジナルの動画を生成

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①文章生成AI:対話しているような形式で文章を生成

文章生成AI:対話しているような形式で文章を生成 ChatGPT
(画像:文章生成AIに質問をした例)

文章生成AIは、ユーザーがテキストボックスに質問や依頼を入力すると、その内容を理解し、回答を文章形式で生成してくれるAIのことです。

 

この回答は、文章生成AIが事前に学習した大規模言語モデル(LLM)に基づき、特定の単語の並びの次に登場する確率の高い単語は何か?という統計学的なアプローチで生成されています。

 

まるで人間と対話するかのように手軽に利用可能なため、世界中で急速に普及しており、代表的なサービスであるChatGPTは、リリースから5日間で100万人、2ヶ月で1億人と世界最速でユーザーを獲得したサービスとなりました。

 

最近では、テキストだけでなく、画像やExcelデータなどを入力して分析させることも可能となり、活用の幅が大きく広がっています。

②画像生成AI:指示や参考画像を基にオリジナルの画像を生成

画像生成AI:指示や参考画像を基にオリジナルの画像を生成 Midjourney
(画像:Courtesy Jason M. Allen)

画像生成AIとは、ユーザーがテキストでの指示や参考画像の添付などを行うと、その内容に基づき新しい画像を生成してくれるAIのことです。

 

画像生成AIは、かなり高品質な画像をリアルタイムで生成することができるため、広告・ゲーム・映画などの幅広い業界で活用が進んでいます。 

 

その品質の高さから、アメリカ・コロラド州で開催されたアートコンテストで、画像生成AI「Midjourney」を用いて作成された絵が、1位を獲得したというニュースが世界的に話題となりました。

③音声生成AI:指示や参考音声を基にオリジナルの音声・楽曲を生成

音声生成AIとは、ユーザーが入力したテキストデータを人間が読み上げる音声を作成したり、楽曲のイメージを入力すると新しい曲を作成したりしてくれるAIのことです。

 

AIによるテキストの読み上げ技術は以前から存在していましたが、特定のアーティストや自分の声色をほぼ完全に再現できる生成AIが登場したことで、大きな注目を集めています。

 

その再現度の高さから、有名アーティストの声色で別のアーティストの曲を歌っている音楽がSNS上で拡散されたり、銀行の声紋認証を突破してしまったという事例も存在しています。

④動画生成AI:指示や参考画像を基にオリジナルの動画を生成

Sora:物理法則も正確に再現した専門家も驚愕の動画生成AI
(画像:OpenAI)

動画生成AIとは、ユーザーが入力した指示や添付した画像・動画から、新しい動画を作成してくれるAIのことです。

 

動画生成は画像生成の延長線上と考えられますが、動画はコンテンツが現実世界の物理法則に沿って立体的に動く必要があります。

 

そのため、その精度はAIが画像から対象物の物理的な構造を把握する能力に大きく左右され、今後より発展が期待される領域となっています。

 

一方で、人間が話す様子などは既に完成度の高い再現が可能で、特定の政治家が暴言を吐く様子の動画が作成されるなど、ディープフェイクと呼ばれる大きな社会問題となっています。

【種類別】人気の生成AIサービス10選

【種類別】人気の生成AIサービス10選

種類別の人気生成AIサービス10選は以下の通りです。

 

  • ①ChatGPT:OpenAIが開発し、世界中で最も使われているAIツール
  • ②Copilot:Microsoft×OpenAIが実装するAIアシスタント
  • ③Gemini:マルチモーダル機能を備え「GPTを超える」と言われているGoogleの対話型AI
  • ④Stable Diffusion:オープンソースとして無料で公開されている画像生成AI
  • ⑤Midjourney:Discord上で利用できるハイクオリティな画像生成AI
  • ⑥DALL・E2:OpenAIが提供するクリエイティブな画像生成AI
  • ⑦VALL-E:感情の起伏や抑揚も再現するMicrosoftの音声合成AI
  • ⑧Voicevox:アニメキャラクターが音声を読み上げる日本発の音声合成ソフトウェア
  • ⑨Sora:物理法則も正確に再現した専門家も驚愕の動画生成AI
  • ⑩Lumiere:Googleが開発した自由な編集が可能な動画生成AI

 

それぞれのサービスについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①ChatGPT:OpenAIが開発し、世界中で最も使われているAIツール

ChatGPT:OpenAIが開発し、世界中で最も使われているAIツール

ChatGPTとは、人間と会話しているような形式でやりとりができるAIツールのことです。

ユーザーの指示に基づき、質問への回答や文章の要約/翻訳、メールや企画書の文書作成などの幅広い知的作業を自動で行うことが可能です。

 

ChatGPTのGPTとは「Generative Pre-traind Transfomer」の略で、本に換算すると約25万冊分以上の、圧倒的に大規模な言語データを事前に学習させることで、従来人間にしかできなかった知的な作業を高精度で実施することが可能となっています。

 

ChatGPTは、アメリカのスタートアップ企業のOpenAI社により、2022年11月にリリースされました。その後、リリースから5日間で100万人、2ヶ月で1億人と世界最速でユーザーを獲得したサービスとなり、大きな注目を集めています。

 

使い方次第で仕事の生産性や効率を大幅に上げることができるので、すべてのビジネスパーソンが使いこなせるようになるべきツールと言えます。

 

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②Copilot:Microsoft×OpenAIが実装するAIアシスタント

Copilot:Microsoft×OpenAIが実装するAIアシスタント
(画像:Microsoft)

Copilot は、MicrosoftがブラウザやWindow OS向けに提供しているAIチャットアシスタントです。Microsoftの提携先であるOpenAIのAIモデル「GPT-4」や「DALL-E 3」を搭載し、文章生成や対話を行うことができます。

 

Copilotは、「副操縦士」のことであり、AIがまるで副操縦士のように人間のタスクをサポートするという意味がこめられています。

 

さらに、Microsoft 365と組み合わせた「Copilot for Microsoft 365」では、普段利用するWordやPowerPoint、ExcelとCopilotが連携し、Copilotの助けを得ながら文書やプレゼン資料を作成することができます。

 

WordやExcelなどMicrosoftのアプリケーションを利用する多くのビジネスパーソンにとって、Copilotは仕事の生産性や効率を高める強力なツールとなります。

③Gemini:マルチモーダル機能を備え「GPTを超える」と言われているGoogleの対話型AI

Gemini:マルチモーダル機能を備え「GPTを超える」と言われているGoogleの対話型AI
(画像:Google)

Geminiとは、Googleが2023年12月に発表した対話型AIです。文章だけでなく、画像や動画、音声も理解できる”マルチモーダル機能”を備えている点が特徴で、複雑な数学の問題やプログラミング言語の理解など、難しいタスクもこなすことができると発表されています。

 

Geminiは性能に応じて3つのモデル「Gemini Ultra」、「Gemini Pro」、「Gemini Nano」に分かれています。最も性能の高いGemini Ultraは、数学、物理学、歴史、法律、医学、倫理など、あらゆる科目の知識・問題解決能力テストで人間の専門家を上回るパフォーマンスを発揮したと発表されています。

 

Googleは、GeminiがGPT-4を上回る性能を持つと強調しており、ChatGPTの有力な対抗馬として注目されています。

 

専門的で高度な内容を扱う研究職・専門職の方にとって、強力な味方になると考えられます。

④Stable Diffusion:オープンソースとして無料で公開されている画像生成AI

Stable Diffusion:オープンソースとして無料で公開されている画像生成AI
(画像:Stability AI)

Stable Diffusionは、イギリスのAIベンチャーStability AIが開発・提供している画像生成AIです。

 

Stable Diffusionの重要な特徴として、オープンソースとして無料で公開されている点が挙げられます。これは、「誰もが自由にAI技術を活用できるようになるべきである」というStability AIの考えに基づくものです。その結果、多くのユーザーから支持を集め、一気に知名度が高まりました。

 

2023年には、日本法人Stability AI Japan株式会社が設立され、日本向けのサービス提供も本格的に始動しています。

 

無料で使えるため、AIツール初心者やライトユーザーにおすすめのツールです。

⑤Midjourney:Discord上で利用できるハイクオリティな画像生成AI

Midjourney:Discord上で利用できるハイクオリティな画像生成AI
(画像:Midjourney)

Midjourneyは、日本でも多くのユーザーに利用されている最も有名なハイクオリティ画像生成AIです。チャットアプリであるDiscord上で利用でき、単語や文章などのテキストを入力するだけで簡単に画像を作成することが可能です。

 

日々バージョンが更新され、よりクオリティの高い画像を生成できるようになっており、アニメやマンガのイラスト作成やプレゼン資料の作成など様々な場面で活用することができます。

 

料金プランは、10ドルから120ドルまで複数用意されており、使う頻度や目的によって自由に選択することができます。そのため、気軽に画像生成で遊んでみたい方にとっても、本格的に仕事で使いたい方にとってもおすすめです。

⑥DALL・E2:OpenAIが提供するクリエイティブな画像生成AI

DALL・E2:OpenAIが提供するクリエイティブな画像生成AI
(画像:OpenAI)

DALL・E2(ダリ ツー)はChatGPTをリリースしたOpenAIが提供する画像生成AIツールです。

 

DALL・E2の特徴として、現実にはあり得ない奇想天外でクリエイティブな画像を生成できる点が挙げられます。例えば、「An astronaut riding a horse in photorealistic style.」(馬に乗っている宇宙飛行士の写実感のある画像)という一見想像しがたい画像も、上のように忠実に生成することができます。

 

回数制限はありますが、無料で利用することも可能なので、気軽に画像生成を試してみたい方にもおすすめです。

 

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⑦VALL-E:感情の起伏や抑揚も再現するMicrosoftの音声合成AI

VALL-E:感情の起伏や抑揚も再現するMicrosoftの音声合成AI
(画像:Microsoft)

VALL-Eは、Microsoftがリリースした音声合成AIです。たった3秒間の音声から様々な人の声を再現することができます。

 

単にテキストを読み上げるだけでなく、抑揚やトーンも調整したより人間に近い自然な音声を生成できる点が特徴です。

 

メインの言語は英語ですが、最新版であるVALL-E-Xを用いれば、日本語の音声を英語に変換して再現することが可能となります。

 

カスタマーセンターでの顧客対応や動画コンテンツの制作、学習教材など様々な場面で利用することができます。

⑧Voicevox:アニメキャラクターが音声を読み上げる日本発の音声合成ソフトウェア

Voicevox:アニメキャラクターが音声を読み上げる日本発の音声合成ソフトウェア
(画像:ヒホ(ヒロシバ))

Voicevoxはテキスト読み上げ、歌声合成AIソフトウェアです。ヒホ(ヒロシバ)というエンジニアが開発したツールで、商用・非商用を問わず無料で使うことができます

 

特徴としては、AIのディープラーニングによりイントネーションの調節も可能である点、アニメ調のキャラクターにテキストを音読させることができる点、オープンソースで構築されており様々なアプリやツールとの連携が可能である点などが挙げられます。

 

また、日本人の開発者が開発した日本語ベースのサービスであるため、日本人でも気軽に始められます。

 

無料で利用できる点やアニメ好きが多い日本人の好みにマッチしている点から、個人利用目的でのユーザーが多くなっています。

⑨Sora:物理法則も正確に再現した専門家も驚愕の動画生成AI

Sora:物理法則も正確に再現した専門家も驚愕の動画生成AI
(画像:OpenAI)

Soraは、OpenAIが2024年2月に発表した動画生成AIです。Soraによる動画が公開されるやいなや、現実と見まがうほどのクオリティの高さに世界中から驚きと興奮の声が上がりました。

 

特に、水の流れや窓に反射する景色など、物理法則を正しく反映した映像はAIの専門家をも驚かせています。

 

Soraは、まだ一般の方が利用することはできませんが、近い将来、映画・アニメ制作やプロモーション動画作成、ゲーム開発などあらゆる場面で利用されることが考えられます。

 

既存のサービスや産業構造を一気に塗り替えると考えられるため、今後の動向に大きな注目が集まっています。

⑩Lumiere:Googleが開発した自由な編集が可能な動画生成AI

Lumiere:Googleが開発した自由な編集が可能な動画生成AI
(画像:Google)

Lumiereは、Googleの研究部門Google Researchが提供する動画生成AIです。まだ一般公開されていませんが、テキストや画像から1024×1024ピクセルの5秒間の動画を生成することができます。

 

画像の一部だけを動かしたり、動画の一部を修正することもでき、映像制作のクオリティや効率を格段に向上させることが期待できます。

 

Googleは、「Lumiereの目的は、初心者ユーザーでも創造性のあるビジュアルコンテンツを生成できるようにすることである」と発表しており、将来、一般の方にもLumiereを公開すると考えられます。

生成AIサービスを選ぶ際の3つのポイント

生成AIサービスを選ぶ際の3つのポイント

生成AIサービスを選ぶ際のポイントとして以下の3つが挙げられます。

 

  • ①目的と機能がマッチしているか
  • ②日本語に対応しているか
  • ③料金と利用価値が見合うか

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①目的と機能がマッチしているか

同じジャンルの生成AIサービスでも、サービスによって想定している利用目的や搭載されている機能、プロ向け/初心者向けなどのレベル感は様々です。

 

そのため、日々のどのようなシーンでどのように利用するかを具体的にイメージした上で、各サービスの提供する機能がマッチしているか確認するようにしましょう。

②日本語に対応しているか

生成AIサービスの多くは、海外企業が提供している場合があり、日本語非対応のツールも数多く存在するため、利用前に公式サイト等で確認するようにしましょう。

 

また、日本語対応と記載されていても、日本語で利用する場合と英語で利用する場合の、入力・出力の精度が大きく異なるサービスも存在するため、無料プラン等で日本語で試してみるのがおススメです。

③料金と利用価値が見合うか

生成AIサービスの多くは、無料プランと有料プランが用意されていることが多く、本格的な利用をするためには有料プランへの加入が前提となっている場合もあります。

 

そのため、日々のどのようなシーンでどのように利用するかを具体的にイメージした上で、価格に見合う利用価値がありそうか、ChatGPT等の無料/有料プランでは代用できないのか?などの検討をした上で、自分にとってコストパフォーマンスの高いサービスを選ぶようにしましょう。

生成AIサービスを使いこなす5つのコツ

AI文章作成ツールを使いこなすための5つのコツ

生成AIサービスを使いこなすためのコツとして以下の5つが挙げられます。

 

  • ①できるだけ明確で具体的な質問/指示をする
  • ②質問の背景や文脈を共有する
  • ③回答の参考になる情報や回答例を記載する
  • ④最初から完璧な回答が得られなくても、何度も修正を依頼する
  • ⑤期待する回答が得られない場合、質問/指示の仕方を改善する

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①できるだけ明確で具体的な質問/指示をする

自分が期待する回答を得るためには、5W1Hを示したり、文字数や文章構成を指定するなど、プロンプトをできるだけ明確かつ具体的に書くことが重要です。

 

プロンプトにあいまいな説明や表現を含めると、自分が意図しない回答が出力される可能性があるので、このような記載は避けましょう。

②質問の背景や文脈を共有する

単に質問だけをプロンプトに含めるのではなく、その質問をした背景や文脈まで共有することで、回答の質を高めることができます。

 

また、ChatGPTに対して「戦略コンサルタントになったつもりで回答してください。」「あなたは大学教授です。」などと立場を指定することで、その立場に合わせた適切な回答がなされる可能性が高まります

③回答の参考になる情報や回答例を記載する

プロンプトに、回答の参考になる情報や自分が期待する回答の例を含めることで、自分が求める回答が出力される確率を高めることができます。

 

例えば、ある会社について説明してほしい場合には、回答に含めてほしい内容の例(CEOの名前、設立年、所在地、代表的なサービスなど)をプロンプトに含めることで、自分が求める情報が得られる可能性が高まります。

④最初から完璧な回答が得られなくても、何度も修正を依頼する

質問や指示が複雑になるほど、最初のプロンプトからいきなり完璧な回答を得ることは難しくなります。一回の指示で自分の望む回答を得ようとするのではなく、シンプルな指示から得られた回答をもとに、地道にプロンプトを修正していくと、うまくいく可能性が高まります。

⑤期待する回答が得られない場合、質問/指示の仕方を改善する

丁寧なプロンプトを心掛けても、期待する回答が得られない場合も多々あります。その場合は、上で紹介した①~④を意識してプロンプトを改善する必要があります。

 

また、日本語ではなく英語で指示をする、一度画面を閉じて最初からやり直すなど、自分なりに工夫して改善を試みることが重要です。

日本企業による生成AI活用の成功事例10選

日本企業による生成AI活用の成功事例10選

日本企業による生成AI活用の成功事例として、以下の10事例が挙げられます。

 

  • ①セブンイレブン:生成AIを活用し商品企画の期間を10分の1に
  • ②マンダム:画像生成AIが週40個のパッケージデザインを考案
  • ③サントリー:生成AIからのアドバイスを活用しユニークなCMを企画
  • ④マイナビ:求人広告のたたき台をAIが作成し、制作時間を3割削減
  • ⑤名古屋鉄道:生成AIで1000時間分の業務削減に成功、遺失物データ処理への活用にも着手
  • ⑥LINE:エンジニアが生成AIを活用し1日2時間の業務効率化
  • ⑦ビズリーチ:生成AIを活用した職務経歴書の作成でスカウト率40%UP
  • ⑧パナソニックコネクト:AIアシスタントを導入し1日5000回の利用
  • ⑨パナソニック:電気シェーバーのモーター設計に生成AIを活用
  • ⑩旭鉄鋼:製造現場の組織的なカイゼンに生成AIを活用

 

それぞれの事例について、具体的な成果とともにわかりやすく紹介していきます。

 

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①セブンイレブン:生成AIを活用し商品企画の期間を10分の1に

セブンイレブン:生成AIを活用し商品企画の期間を10分の1に
(画像:日本経済新聞)

セブンイレブン・ジャパンは、商品企画の時間を大幅に削減するために生成AIの活用を始めました。

 

この取り組みにより、店舗の販売データやSNS上での消費者の反応を分析し、新商品に関する文章や画像を迅速に作成することが可能になります。

 

生成AIの導入により、商品企画にかかる時間が最大で90%削減され、市場のトレンドや顧客のニーズに迅速に応える、新たな商品を提供できる見込みとのことです。

②マンダム:画像生成AIが週40個のパッケージデザインを考案

マンダム:画像生成AIが週40個のパッケージデザインを考案
(画像:マンダム)

化粧品大手のマンダムは、生成AIに自社商品のパッケージデザインを考案させるという取り組みを実施しています。

 

画像生成AIにより1週間で40個のデザイン案を作成し、それをもとに社員が最終的なデザインを完成させます。これにより、通常の2分の1のスケジュールでパッケージデザイン開発を行うことに成功しています。

 

画像生成AIの活用により、短期間で大量のアイデアの創出が可能となり、より効果的なデザインを考案することができるようになります。

③サントリー:生成AIからのアドバイスを活用しユニークなCMを企画

サントリー:生成AIからのアドバイスを活用しユニークなCMを企画
(画像:サントリー)

サントリー食品インターナショナルは、生成AIを企画に活用したwebCM、「GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶」を公開しました。

 

キャストとして誰を起用するかや、実際にどのような企画のCMにするかも、生成AIからのアドバイスを参考に決定されているとのことです。

 

キャストがバレエダンサーとなり高速回転したり、周りでボウリングのピンが踊る中、ダブルピースで「やさしい麦茶」を飲んだりと予想外な展開で、人間には難しい奇想天外な内容が話題を呼んでいます。

 

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④マイナビ:求人広告のたたき台をAIが作成し、制作時間を3割削減

マイナビ:求人広告のたたき台をAIが作成し、制作時間を3割削減
(画像:マイナビ)

マイナビは、求人広告の制作に生成AIを活用しています。職種、報酬、福利厚生などの情報やアピールしたい内容を指定して、生成AIに指示を出すことで、生成AIが求人広告のたたき台を自動で生成します。

 

たたき台は5パターン作成されるので、広告主の意向や目的に合わせて、好きなパターンを選択することができます。

 

これにより、広告制作にかかる時間を3割も短縮するなど、大幅な業務効率化を実現しています。

⑤名古屋鉄道:生成AIで1000時間分の業務削減に成功、遺失物データ処理への活用にも着手

名古屋鉄道:生成AIで1000時間分の業務削減に成功、遺失物データ処理への活用にも着手
(画像:名古屋鉄道)

名古屋鉄道は、ChatGPTを一部社員の生産性向上に利用し、すでに累計約1000時間分の業務削減効果を得られています。

 

今回新たにChatGPTを活用して、駅や電車での遺失物のデータを自動で文字化する取り組みを開始しています。

 

この取組みでは、駅員のタブレット端末にChatGPTの画像認識技術を搭載しました。例えば、駅員が傘の忘れ物をタブレットで撮影すると、ChatGPTが傘であると認識し、データベースに自動で入力します。

 

名古屋鉄道では、年間約15万件の遺失物が発生し、1件当たり数分かけて情報を手作業で入力していました。ChatGPTの自動入力により、年間15万件の遺失物処理を効率化でき、大幅な業務時間の短縮に繋がると期待されています。

⑥LINE:エンジニアが生成AIを活用し1日2時間の業務効率化

LINE:エンジニアが生成AIを活用し1日2時間の業務効率化
(画像:github)

LINEヤフーは、生成AIを全面的にソフトウェア開発に導入し、エンジニアの作業時間を1日当たり約2時間削減しています。

 

具体的には、米マイクロソフトの子会社であるギットハブの「GitHub Copilot」を利用し、エンジニアが実装したい機能や動作に必要なコードを自動生成し、開発時間を短縮しています。

 

これにより、約7000人のエンジニアが新サービスの考案など高付加価値の業務に集中できるようになり、企業の競争力向上への寄与が期待されます。

 

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⑦ビズリーチ:生成AIを活用した職務経歴書の作成でスカウト率40%UP

ビズリーチ:生成AIを活用した職務経歴書の作成でスカウト率40%UP
(画像:ビズリーチ)

ビズリーチは、転職活動をサポートするための新機能「職務経歴書の自動作成」を発表しました。

 

ユーザーは生成AIを活用し、職種やポジションなどの簡単な入力だけで、最短30秒でプロフェッショナルな職務経歴書を作成できるようになります。

 

この新機能は、転職希望者が自己のスキルや経験を効果的にアピールできるように設計されており、転職活動のハードルを大きく下げることを目指しています。

また、効果検証の結果、本機能を活用して職務経歴書を作成したユーザーは、スカウトの受信率が40%向上したという成果も上がっているとのことです。

⑧パナソニックコネクト:AIアシスタントを導入し1日5000回の利用

パナソニックコネクト:AIアシスタントを導入し1日5000回の利用
(画像:パナソニックコネクト)

パナソニック コネクトでは、社内データベースを連携させたAIアシスタントによる業務効率化のプロジェクトを進めています。

 

この取り組みにより、自社業務や現場の個別課題に対応した回答生成が可能となり、社外秘情報にも対応する自社特化AIの運用開始も予定しています。

 

導入後3カ月で、想定の5倍以上の約26万回の利用があり、日々約5000回もの質問がAIに投げかけられているとのことです。

⑨パナソニック:電気シェーバーのモーター設計に生成AIを活用

パナソニック:電気シェーバーのモーター設計に生成AIを活用
(画像:パナソニック)

パナソニック ホールディングスは、電動シェーバー「LAMDASH」シリーズに、AIがゼロベースで設計した新構造のモーターの採用を検討しています。

 

 この生成AIが設計したモーターは、熟練技術者による最適設計と比較して、出力が15%高いことが特徴です。

 

同社はAI設計の有効性を確認したとして、今後は電動工具や車載用のモーター、さらにシーリングファンなどにも適用する方針とのことです。

⑩旭鉄鋼:製造現場の組織的なカイゼンに生成AIを活用

旭鉄鋼:製造現場の組織的なカイゼンに生成AIを活用
(画像:Smart Technologies)

旭鉄工では、生成AIを活用することで、改善活動を属人的に管理するのではなく、共有されたノウハウ活用により、改善方法をシステム化しています。 

 

ChatGPTを活用することで、 カイゼンに向けた過去事例や注意点をまとめた「横展アイテムリスト」というノウハウ集から、目的や状況に合った情報を簡単に引き出すことができるようになりました。

 

このシステムを本格導入することにより、社内の知見が現場の隅々までに共有され、より生産性高くカイゼン活動を行うことが可能になります。

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