【仕事用】AIの呪文「プロンプト」例文集17選|8つのコツも紹介
AIの呪文とは、AIに与える指示/命令文である「プロンプト」のことです。
本記事では、AIを仕事で活用したい方向けに、仕事で使えるAIの呪文(プロンプト)のテンプレート例文集をご紹介します。
またAI総研では、AI活用を検討する上で押さえておきたい、AI・ChatGPTの最新活用事例50選の狙いや取り組みをまとめたレポートを無料で配布しています。ご興味のある方は、以下リンクからダウンロードしてご活用ください。
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目次
AIの呪文「プロンプト」とは
AIの呪文と言われる「プロンプト」とは、AI、特に生成AIに与える指示/命令文のことです。
例えば、「以下の文章を要約して」「以下の目的を達成するコードを書いて」などがプロンプトです。
生成AIを使いこなし、期待する回答・出力を得るには、このプロンプトを上手に書く必要があり、プロンプトの質によって出力の精度は大きく左右されます。
そのため、目的や状況に応じたプロンプトを書く技術や方法は「プロンプトエンジニアリング」とも呼ばれ、効率的に働きたい現代人に必須のスキルとなっています。
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AIの呪文をうまく書く8つのコツ【ChatGPTでの実例有】
AIの呪文(プロンプト)をうまく書くコツとして以下の8つが挙げられます。
- コツ①最新モデルの生成AIを使用する
- コツ②指示/命令と補足情報を書き分ける
- コツ③できるだけ具体的に書く
- コツ④参考になる回答例を書く
- コツ⑤最初はシンプルに書き、その後修正していく
- コツ⑥あいまいな説明や表現を避ける
- コツ⑦何をしないべきかよりも何をすべきかを書く
- コツ⑧コード作成時は書き始めで適切な回答に誘導する
それぞれの詳細は、以下の記事で、ChatGPTを使った実例とともにわかりやすく紹介しています。
⇒AIのプロンプトをうまく書く8つのコツ【ChatGPTでの実例有】
仕事で使えるAIのテンプレート呪文集17選
仕事で使えるAIの呪文のテンプレートとして、利用目的別に以下をご紹介します。
<日々の業務効率化>
- ①メールの返信
- ②文章/ブログの執筆
- ③文章の要約
- ④特定のWebサイトの内容の要約
- ⑤添付したファイルの内容の要約
- ⑥文章の校正
- ⑦議事録の作成
<企画立案>
- ⑧企画案のブレスト・幅出し
- ⑨企画書の作成
- ⑩キャッチコピー・セールスコピーの作成
- ⑪リスクや問題点の洗い出し
<資料作成>
- ⑫骨子・構成の作成
- ⑬各構成の叩き台のブラッシュアップ
- ⑭画像・アイコンの作成
<その他>
- ⑮Excel関数の作成
- ⑯文章の翻訳
- ⑰契約書のドラフトの作成
それぞれの目的に応じた呪文のテンプレートを、ChatGPTを例にわかりやすく紹介していきます。
※ChatGPTや生成AIツールを活用する際に、コピペで使える定番のプロンプト21選や、上手に書くコツをまとめた資料をダウンロード頂けます。
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<日々の業務効率化>
①メールの返信
顧客からクレームのメールが来てどのように返信したらよいのかわからない場合など、メール返信に困ったときには、AIに返信メールの文案作成を依頼することがおすすめです。
【プロンプト例】
以下の「顧客からのメール」について、顧客に不快な思いをさせないような返信内容を書いてください。
###:顧客からのメール”””
平素よりお世話になっております。
さて、大変申し上げにくいのですが、弊社を担当くださっているXXさんについてご相談があり、メールいたしました。
実は、XXさんの不手際により、弊社の業務に支障が出ております。先日、商品「○○」の注文の個数変更をお願いしたのですが、ご対応いただけませんでした。
本人に再度連絡したのですが回答はなく、仕方なく別の担当の方にご対応いただきました。
以前も同様のことがあったのですが、謝罪の言葉もいただけません。
貴社とのお取引は今後も継続したく考えておりますので、再発防止の徹底をお願いいたします。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
“””
【実際の回答例】
※上記回答をそのままコピペして返信しても違和感ないほど、自然な文章が出力されています。
②文章/ブログの執筆
AIに記事やブログなどの文章を作成させることができます。文量や文体、含める内容、ターゲットとなる読者などを具体的に設定することで、自分の目的に合致した文章を生成することができ、一から自分で文章を作成するよりはるかに効率的になります。
【プロンプト例】
あなたは大手Webメディアのライターです。
以下の条件に基づき、XXについて解説するメディア記事の文章を作成してください。
###条件:”””
・400文字程度
・「です」「ます」調
・2~3行ごとに改行をする
・メリットとデメリットを併記
・XXX
“””
【実際の回答例】
※上記は、生成AIを解説するメディア記事の文章を作成させた結果です。正確で自然な日本語で書かれており、このままコピペしても問題ないくらい質の高い回答となっています。
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③文章の要約
文章の要約は自力で行うとかなりの時間がかかります。ChatGPTを使えば主要なポイントを押さえたわかりやすい要約を一瞬で作成することができ、業務時間を大幅に短縮することができます。
【プロンプト例】
あなたは有名な雑誌のライターです。
以下の文章を、以下の条件に基づき、要約してください。
###文章:”””
XXX
“””
###条件:”””
・200文字程度
・「です」「ます」調
“””
【実際の回答例】
※上記は、人工知能に関するWikipediaの文章の一部を200字程度で要約させた結果です。主要なポイントをおさえつつ、わかりやすくまとまった内容の要約を瞬時に作成することができます。
④特定のWebサイト・PDF資料の内容の要約
※WebPilotというプラグインを使用して活用ください。
【プロンプト例】
あなたは戦略コンサルタントです。以下の資料の内容を要約してください。
(WebサイトやPDF資料のURL)
【実際の回答例】
※上記は総務省のAIガイドラインのPDF資料を要約してもらった結果となっています。資料を一から読むよりも、はるかに効率的に全体像や要点を理解することができます。
⑤添付したファイルの内容の要約
※WebPilotというプラグインを使用して活用ください。
WordやPowerPointなどのファイルを添付することで、ファイルの内容を要約することができます。
【プロンプト例】
あなたは○○についてのリサーチ結果をまとめた資料の作成を任されています。添付の資料の内容を要約してください。
※ChatGPT上での資料の添付は、以下の画像のクリップのようなマークをクリックすることで行うことができます。
⑥文章の校正
【プロンプト例】
以下の文章から、誤字・脱字を見つけて、修正すべき箇所をすべて挙げてください。その上で、修正した後の文章案を作成してください。
###校正してほしい文章:”””
XXX
“””
【実際の質問と回答例】
※上記は、食事に誘ってもらったことへのお礼の文章を校正してもらった結果です。文法や漢字の誤りも正確に指摘し、正しい文章に修正されています。
⑦議事録の作成
AIに会議の内容メモを読み込ませれば、これをベースに議事録を作成することができます。長時間の会議の場合、メモの量も膨大になるので、自力で議事録にまとめるのにかなり時間がかかります。
AIにより議事録作成を自動化すれば、人間よりも早く正確に議事録を作成でき、業務効率化に繋がります。
【プロンプト例】
あなたは、会議の議事録の作成担当です。以下の「発言メモ」をもとに、会議の議事録を作成してください。
###発言メモ:”””
・XX:XXXXXXXXXXXXXXXX
・XX:XXXXXXXXXXXXXXXX
・XX:XXXXXXXXXXXXXXXX
“””
###条件:”””
・期日、決定事項の要旨、ToDoを冒頭に記載する
・箇条書き
“””
【実際の回答例】
※上記は、社員が生き生きと働けるようにオフィス環境を改善する策を話し合う会議の議事録を作成してもらった結果です。冒頭に期日や決定事項・ToDoが記載され、会議の内容もわかりやすくまとめられています。
<企画立案>
⑧企画案のブレスト・幅出し
AIは、膨大な学習データと無尽蔵の思考体力から、企画案のようなアイデアのブレスト・幅出しを得意としています。
【プロンプト例】
あなたは新規事業立案に強みを持つ戦略コンサルタントです。
XX業界でXXXを活用した新規事業のアイデアを10個企画してください。
###背景・目的:”””
・私は新規事業立案プロジェクトの責任者
・明日に自社がとり得る新規事業案をMECEにリストアップする必要がある
“””
###各アイデアに関する出力項目:”””
・アイデアの概要
・インパクト:どの程度売上・利益増加に貢献しそうかを10段階で評価しその理由も記載
・フィージビリティ:どの程度実現できる可能性が高いかを10段階で評価しその理由も記載
・必要なアセット:新規事業の成功に向けどのような事業基盤、強みを有している企業とマッチするか
“””
【実際の回答例】
※上記は小売業界での生成AIを活用した新規事業のアイデアを企画してもらった結果の一部です。上手にプロンプトを設定することで、かなり精度の高いアイデア出しに加え、評価や自社とのマッチ度合いなども瞬時に検討してくれます。
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⑨企画書の作成
AIを活用することで新しい施策やプロジェクトなどの企画書を作成することができます。
プロンプトを上手に設定することで、具体的でクオリティの高い企画書を瞬時に作成することができます。
【プロンプト例】
あなたはXX業界の大手企業に勤める新サービスの企画担当です。
XXを活用した新しいサービスの企画書を作成してください。
###制約条件:”””
・XXを対象とした、XXを実現するサービス
・ユーザーが繰り返し利用したくなるようなUI/UX設計が施されている
“””
###企画書に含める項目:”””
・企画の概要
・必要となるコストと人材
・他社と差別化できるポイント
“””
【実際の回答例】
※上記は、一般消費者を対象とし、AIを活用して家事をより便利にする新サービスの企画書を作成してもらった結果の一部です。上手にプロンプトを設定することで、かなり精度の高い企画の概要に加え、必要となるコストや人材、差別化ポイントなども具体的に検討してくれます。
⑩キャッチコピー・セールスコピーの作成
AIに、自社の商品やサービスを宣伝する魅力的なキャッチコピーやセールスコピーの案を作成してもらうことができます。
自分では思いつかない表現や売り文句を考えてくれるため、より良いコピーの作成が可能となります。
【プロンプト例】
あなたはプロのマーケターです。以下の条件に基づき、XXという商品・サービスのキャッチコピーを5個作成してください。
###条件:”””
・15文字以内
・XXのXXという特徴を強調
・消費者が思わずほしくなるような魅力的な内容
”””
【実際の回答例】
※上記は、消費者をひきつける化粧水製品のキャッチコピーを作成してもらった結果です。いずれも実際の広告にありそうな魅力的でキャッチーなコピーとなっています。
⑪リスクや問題点の洗い出し
新しいプロジェクトや施策の企画を作成するにあたっては、想定されるリスクや問題点を把握しておくことが重要です。これらの洗い出しにもAIを活用することができます。
【プロンプト例】
あなたは、XXという新規プロジェクトの企画立案を依頼された戦略コンサルタントです。
プロジェクトを実現する上で想定されるリスクを10個挙げてください。
【実際の回答例】
※上記は、AIとロボットを活用した工場の自動化という新規プロジェクトを企画するにあたって想定されるリスクを10個挙げてもらった結果です。コスト、規制、安全面、市場への影響など幅広い観点からあらゆるリスクを挙げています。
<資料作成>
⑫骨子・構成の作成
AIで、会社で使うあらゆる資料の骨子や構成を作成することができます。「資料の作成を任されたけど、何をどのような構成で書けばいいかわからない」場合でも、AIの力を借りることで、資料作成をスムーズに進められます。
【プロンプト例】
あなたはXX業界の大手企業に勤めるXXの担当者です。
以下の条件に基づき、XXに関する資料の骨子を作成してください。
###制約条件:”””
・XXを目的とする内容
・項目を箇条書きで記載
“””
【実際の回答例】
※上記は、自社が開発した新しいソフトウェアを外部向けに説明する資料の骨子を作成してもらった結果です。特徴やメリットなど、資料の目的に適した項目が箇条書きで記載されており、骨子としてそのまま流用できるほどのクオリティの高さです。
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⑬各構成の叩き台のブラッシュアップ
自分またはAIが作成した骨子・構成のうち、特定の項目を切り出してより詳しく洗練された内容にブラッシュアップしてもらうことも可能です。
【プロンプト例】
上記で作成した骨子・構成のうち、「XX」の項目についてブラッシュアップして作成してください。
【実際の回答例】
※上記は、「骨子・構成の作成」のところで作成した骨子・構成のうち「ユーザーにもたらすメリット」の部分に絞って、ブラッシュアップして作成してもらった結果です。指定した項目について、より詳しく洗練された内容の文章を作成することができます。
⑭画像・アイコンの作成
AIは、文章だけでなく、画像やアイコンを作成することができます。プレゼン資料やスライド向けに、伝えたいメッセージを表現したキャッチーな画像やアイコンを作成したい場合などに活用することができます。
【プロンプト例】
以下の条件に基づき、会社のXXの資料に掲載する画像を作成してください。
###条件:”””
・XXをイメージした画像であることが一目で分かる
・アニメ調
・縦:横=1:2
”””
【実際の回答例】
※上記は、自社が開発したロボットの説明資料に掲載するために、人とロボットが協力してよりよい社会を創り上げていく様子をイメージした画像を作成してもらった結果です。伝えたいイメージをしっかりと再現し、かつ、見る人をひきつけるような鮮やかな画像となっています。
<その他>
⑮Excel関数の作成
Excelでやりたいことがあるが、どのような関数を使えばわからない場合でも、AIに指示すればExcel関数を教えてもらうことができます。
Excelでどのような目的を達成したいのかを丁寧に説明することが重要です。
【プロンプト例】
以下の目的を達成するためのExcelの関数式を出力してください。
###目的:”””
XX列にXXを出力したい。
“””
###条件:”””
・XX以上の場合はXXと出力
・XX未満の場合はXXと出力
“””
【実際の回答例】
※上記は、生徒の点数表をもとに、生徒への評価を自動で出力するためのExcel関数を作成してもらった結果です。プロンプトを丁寧に入力することで、目的を達成するための関数式が瞬時に生成されます。
⑯文章の翻訳
AIはあらゆる言語に対応しており、翻訳作業を瞬時に行うことができます。
【プロンプトの例】
以下の英文を日本語に翻訳してください。
###英文:”””
XXX
”””
【実際の質問と回答例】
※上記は、OpenAIのホームページに掲載されていた一文を日本語に翻訳したものです。短時間で、元の英文を忠実に翻訳しています。
⑰契約書のドラフト作成
AIに、契約書のドラフトを作成させることができます。契約の目的や条件を具体的に書くことで、契約書のドラフトが自動生成され、契約書のドラフト業務を大幅に効率化することができます。
【プロンプト例】
以下の条件を満たすXX契約書を作成してください。
###条件:”””
##目的(第1条)
甲が乙に対し、XXXの業務を委託する
##報酬・支払条件(第2条)
・報酬:XXX円
・支払期限:XX年XX月XX日
・支払方法:乙が指定した口座に振り込む
##納期(第3条)
・納期:XX年XX月XX日
“””
【実際の回答例】
※上記は、甲が乙に対してソフトウェアの開発を委託する業務委託契約書を作成してもらった結果です。著作権や秘密保持などの一般的な規定も自動生成され、契約書のドラフト業務を大幅に効率化することができます。
企業が生成AI活用を成功させるための5つのポイント
企業が生成AI活用を成功させるために抑えるべきポイントは以下の5つです。
- ①業務内容の棚卸しと活用インパクトの試算
- ②投資対効果の高い課題/目的と活用方法の選定
- ③アジャイルアプローチでの開発・導入
- ④システムとルールの両面からのリスク管理
- ⑤研修等での社員のAI活用リテラシーの向上
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
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①業務内容の棚卸しと活用インパクトの試算
生成AI活用の成否を分ける最大のポイントは、生成AIを活用する意義の大きな業務に対して活用することに尽きます。
活用の方針や戦略がないまま活用を進めるのではなく、自社の業務内容・フローをしっかりと棚卸しした上で、どの程度業務効率やアウトプット向上に繋がるかを試算することが重要となります。
②投資対効果の高い課題/目的と活用方法の選定
生成AIは全ての業務に対して万能という訳ではなく、膨大なデータに基づいたコンテンツ制作は得意だが、複雑な問いに対して正確な答えを出すのは苦手といった、明確な得意不得意が存在します。
そのため、自社の業務の現状や生成AIの特徴を踏まえた上で、どのような課題/目的に対して、どのようなアプローチ/範囲/ツールで活用を進めるかを、検討・選定するステップがプロジェクトの投資対効果を左右する、極めて重要なプロセスとなります。
③アジャイルアプローチでの開発・導入
生成AIは、一度開発・導入して終わりという進め方ではなく、何度もモデル・学習データ・利用方法等を細かくカスタマイズしなおすことで、より理想とする活用を実現することができます。
具体的には、初期仮説に基づいた簡易的なプロトタイプを構築し実際に利用してみる、というサイクルを、1サイクル数週間の期間で何度も繰り返し、ブラッシュアップしていくという、アジャイル開発のアプローチを取ることが適しています。
④システムとルールの両面からのリスク管理
企業が生成AIの活用に踏み切れない最大の理由として、機密情報漏洩や著作権侵害などのリスクへの懸念が挙げられます。
確かに、社員に特段ルールを設けず、一般に公開されている生成AIを活用させた場合、様々な問題が発生する可能性は存在します。
一方で、入力するデータが学習されないようなシステム構築や使用範囲・機密情報の取扱等の運用ルールの策定により、リスクをマネジメントし最小化することが可能です。
⑤研修等での社員のAI活用リテラシーの向上
生成AIの特徴として、AIとの対話によってアウトプットを引き出すことが求められるため、使い手のリテラシーによって成果が大きく左右されることが挙げられます。
そのため、生成AIのポテンシャルを最大限に活用するためには、従業員のAIに対する理解とスキル、すなわちAIリテラシーを向上させることが不可欠です。
研修プログラムや実践的なトレーニングを通じて、従業員が生成AIの基本的な知識、適切な使用方法、関連するリスクを理解してもらい、効率的かつ責任ある方法で使用できる環境の構築が必要となります。
企業が生成AIを導入するための4つのステップ
企業が生成AI導入を進めるための流れとして、以下の4つのステップがあげられます。
<Step1:活用方針の検討>
- 最新の市場動向のキャッチアップ
- 自社の活用可能性の整理
- 生成AIの活用目的・ゴールの設定
<Step2:利用環境構築>
- セキュリティ・データ管理体制の強化
- ガイドライン・マニュアルの策定
- 社員向けのAIリテラシー研修
- 社内業務での試験運用
<Step3:試験開発・運用(PoC)>
- PoCを行うユースケースの検討
- 要件定義・プロトタイプ開発
- 運用と評価
<Step4:本開発>
- 本開発を行うユースケースの検討
- 要件定義・本開発
- 運用と評価
- 活用方針・内容の継続的なカイゼン
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
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Step1:活用方針の検討
1つ目のステップは、自社として生成AIをどのように活用していくかの大方針の検討です。
生成AIは社内業務効率化や顧客体験の向上、新規事業創出など様々な目的で活用が可能だからこそ、自社の課題にマッチした目的とユースケースで活用することが、投資対効果を大きく左右します。
最新の技術や競合の動向をキャッチアップした上で、自社の活用可能性の幅出し・整理を行います。その上で、生成AIをどのような領域で、どの程度ダイナミックに活用していくかの目的やゴールを初期的に設定しましょう。
Step2:利用環境構築
2つ目のステップは、生成AIを安全かつ効率的に活用できる、社内のシステムやルールなどの利用環境の構築です。
企業が生成AI活用に踏み切れない理由として、機密情報漏洩などのセキュリティリスクの懸念が挙げられますが、適切なシステム設計・データ管理やガイドラインの策定などを行うことで、それらのリスクに対処しながら、業務効率化に繋げることが可能です。
社員に対し、生成AIをリサーチや文書作成などの日常的な業務に安心して活用できる環境を提供することで、自社のどのような業務と生成AIの相性が良いのかという現場からの示唆を得ることができ、プロトタイプ・本開発の企画への重要なインプットとなります。
Step3:試験開発・運用(PoC)
3つ目のステップは、自社にマッチするユースケースの検証に向けた、プロトタイプの開発と運用です。
顧客対応支援や社内のナレッジ検索、新機能・サービスの実装などの生成AIの幅広いユースケースの中から、自社の経営課題解決にマッチするいくつかのユースケースに絞り込み、プロトタイプを開発し、実際の業務で運用します。
PoCを実施することで、コストを抑えながら生成AI活用のインパクトを検証しつつ、見えてきた改善点から本開発の精度を高めることが可能です。
Step4:本開発と運用
4つ目のステップは、本格的な生成AIを活用したシステムの開発と運用、継続的なカイゼンです。
自社独自のデータ基盤の構築・連携や活用シーンに特化したアウトプット精度の改善などを実施し、自社の目的達成に特化した生成AIシステムを開発します。
PoCの結果を踏まえ、本開発を行うユースケースや活用範囲を決定することで、生成AI活用の費用対効果を最大化することが可能です。
また、開発しっぱなしで終わるのではなく、本開発したシステムを運用し上がった成果や改善点、技術進化などを踏まえて、活用方法や内容を継続的にカイゼンしていくことが重要です。
このプロセスを通じ、生成AI活用のポテンシャルを最大限に発揮することで、業務生産性や顧客への提供価値の観点から、大きな競争優位性を構築することに繋がります。
大手日本企業の生成AIの活用事例30選
大手日本企業の生成AIの活用事例として、以下の30選が挙げられます。
<製造業>
- ①パナソニックコネクト:AIアシスタントを導入し1日5000回の利用
- ②パナソニック:電気シェーバーのモーター設計に生成AIを活用
- ③オムロン:生成AIを活用した言語指示で動くロボットの開発へ
- ④旭鉄鋼:製造現場の組織的なカイゼンに生成AIを活用
<小売>
- ⑤セブンイレブン:生成AIを活用し商品企画の期間を10分の1に
- ⑥パルコ:広告の動画・ナレーション・音楽を全て生成AIで作成
<メーカー>
- ⑦日本コカ・コーラ:生成AIを活用した消費者参加型の広告を展開
- ⑧アサヒビール:生成AIを活用し従業員の社内情報検索を効率化
- ⑨サントリー:生成AIからのアドバイスを活用しユニークなCMを企画
- ⑩住友化学:研究開発の効率化に向けた社内向け生成AIサービスを構築へ
- ⑪キンチョール:若者向けCMの企画とコンテンツ制作に生成AIを活用
<IT>
- ⑫LINE:エンジニアが生成AIを活用し1日2時間の業務効率化
- ⑬メルカリ:AIアシスタントが売れやすい商品名や説明文を提案
- ⑭ビズリーチ:生成AIを活用した職務経歴書の作成でスカウト率40%UP
<教育>
- ⑮ベネッセ:生成AIが自由研究のテーマ選びをサポート
- ⑯学研:生成AIを活用した個別アドバイスを提供
<建築>
- ⑰大林組:生成AIがスケッチを基に建物の複数のデザイン案を提案
- ⑱西松建設:生成AIを活用し高精度な建設コストの予測へ
- ⑲鹿島建設:業務に関する質問や情報検索が行える独自のAIを導入
- ⑳竹中工務店:生成AIを活用した建設業ナレッジの検索システムを構築
- ㉑mign:リノベーションのイメージ画像を生成するAIツールを提供
<銀行>
- ㉒三菱UFJ銀行:生成AIの導入で月22万時間の労働時間の削減へ
- ㉓SMBCグループ:独自の対話AI開発で従業員の生産性向上へ
- ㉔みずほグループ:生成AIを活用しシステム開発の品質向上へ
- ㉕宮崎銀行:融資業務の効率化に生成AIを活用
- ㉖七十七銀行:商品の販売状況の分析・可視化に生成AIを活用
- ㉗横浜銀行:独自の生成AIを開発し文書作成業務の効率化へ
<その他>
- ㉘au:人気CM「三太郎」シリーズを生成AIを活用しリメイクし話題に
- ㉙ベルシステム:AIと人間の協働によりコールセンター業務を効率化
- ㉚トランスコスモス:生成AIを活用しエスカレーションを6割削減
それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。
※国内外の最新生成AI/ChatGPT活用事例50選をまとめた資料をダウンロード頂けます。
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<製造業>
①パナソニックコネクト:AIアシスタントを導入し1日5000回の利用
パナソニック コネクトでは、社内データベースを連携させたAIアシスタントによる業務効率化のプロジェクトを進めています。
この取り組みにより、自社業務や現場の個別課題に対応した回答生成が可能となり、社外秘情報にも対応する自社特化AIの運用開始も予定しています。
導入後3カ月で、想定の5倍以上の約26万回の利用があり、日々約5000回もの質問がAIに投げかけられているとのことです。
②パナソニック:電気シェーバーのモーター設計に生成AIを活用
パナソニック ホールディングスは、電動シェーバー「LAMDASH」シリーズに、AIがゼロベースで設計した新構造のモーターの採用を検討しています。
この生成AIが設計したモーターは、熟練技術者による最適設計と比較して、出力が15%高いことが特徴です。
同社はAI設計の有効性を確認したとして、今後は電動工具や車載用のモーター、さらにシーリングファンなどにも適用する方針とのことです。
③オムロン:生成AIを活用した言語指示で動くロボットの開発へ
オムロンサイニックエックス(OSX)は、ロボットアームが自然言語の指示に応じて動作する技術の開発に取り組んでいます。
この技術は、食材の切り方など、特定の作業動作を学習したAIモデルが生成することで実現されます。
このプロジェクトは、人間の思考プロセスを模倣することで、ロボットがより自然な方法でタスクを実行できるようにすることを目指しています。
④旭鉄鋼:製造現場の組織的なカイゼンに生成AIを活用
旭鉄工では、生成AIを活用することで、改善活動を属人的に管理するのではなく、共有されたノウハウ活用により、改善方法をシステム化しています。
ChatGPTを活用することで、 カイゼンに向けた過去事例や注意点をまとめた「横展アイテムリスト」というノウハウ集から、目的や状況に合った情報を簡単に引き出すことができるようになりました。
このシステムを本格導入することにより、社内の知見が現場の隅々までに共有され、より生産性高くカイゼン活動を行うことが可能になります。
<小売>
⑤セブンイレブン:生成AIを活用し商品企画の期間を10分の1に
セブンイレブン・ジャパンは、商品企画の時間を大幅に削減するために生成AIの活用を始めました。
この取り組みにより、店舗の販売データやSNS上での消費者の反応を分析し、新商品に関する文章や画像を迅速に作成することが可能になります。
生成AIの導入により、商品企画にかかる時間が最大で90%削減され、市場のトレンドや顧客のニーズに迅速に応える、新たな商品を提供できる見込みとのことです。
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⑥パルコ:広告の動画・ナレーション・音楽を全て生成AIで作成
パルコは、最先端の画像生成AIを駆使したファッション広告として、「HAPPY HOLIDAYSキャンペーン」広告を制作・公開しました。
この広告では、実際のモデル撮影は行わず人物から背景にいたるまで、プロンプトから構成され、グラフィック・ムービーの他、ナレーション・音楽も全て生成AIにて作成しています。
人間のモデルではなく生成AIが作成したモデルを起用することで、モード感のある新しいファッション広告を実現しています。
<メーカー>
⑦日本コカ・コーラ:生成AIを活用した消費者参加型の広告を展開
日本コカ・コーラは、広告制作に使用した画像生成AIツール「Create Real Magic」を一般公開しました。
このツールでは、ユーザーがアカウントを作成後、テーマやシーン、スタイルを選ぶことで、クリスマスカードを生成することが可能です。
利用者が生成した画像は、コカ・コーラの屋外広告やSNSで紹介され、消費者参加型の新たな広告の事例として注目を集めています。
⑧アサヒビール:生成AIを活用し従業員の社内情報検索を効率化
アサヒビールは、研究開発部門を中心に生成AIを活用した社内情報検索システムの開発に取り組んでいます。
このシステムは、ビール醸造技術や商品開発に関連する技術情報の要約と検索を効率化することを目的としています。
開発者は、このシステムにより、従業員が必要な情報に素早くアクセスできるようになり、研究開発のスピードと効率が向上することを期待しています。
⑨サントリー:生成AIからのアドバイスを活用しユニークなCMを企画
サントリー食品インターナショナルは、生成AIを企画に活用したwebCM、「GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶」を公開しました。
キャストとして誰を起用するかや、実際にどのような企画のCMにするかも、生成AIからのアドバイスを参考に決定されているとのことです。
キャストがバレエダンサーとなり高速回転したり、周りでボウリングのピンが踊る中、ダブルピースで「やさしい麦茶」を飲んだりと予想外な展開で、人間には難しい奇想天外な内容が話題を呼んでいます。
⑩住友化学:研究開発の効率化に向けた社内向け生成AIサービスを構築へ
住友化学は、約6,500名の従業員を対象に、生成AIを活用した「ChatSCC」の運用を開始しました。
事前検証で約200の業務パターンをテストし、最大で50%以上の効率化を確認。この成果は、技術アイデアの創出や研究・製造データの分析など、幅広い領域での活用が期待されます。
今後は、同社の保有する独自データを学習させた、より効果的に利用できる特化型モデルの構築を予定しています。
⑪キンチョール:若者向けCMの企画とコンテンツ制作に生成AIを活用
大日本除虫菊は、生成AIを活用したロングセラー商品「キンチョール」の新CM「ヤング向け映像」篇を公開し話題となりました。
このCMでは、画像生成AIを活用し、未来都市と「キンチョール」を融合させたポップで革新的な映像を制作。
またコンテンツ制作のみならず、若者向けのユニークなCMの企画案のブレストにも対話型の生成AIが活用されています。
<IT>
⑫LINE:エンジニアが生成AIを活用し1日2時間の業務効率化
LINEヤフーは、生成AIを全面的にソフトウェア開発に導入し、エンジニアの作業時間を1日当たり約2時間削減しています。
具体的には、米マイクロソフトの子会社であるギットハブの「GitHub Copilot」を利用し、エンジニアが実装したい機能や動作に必要なコードを自動生成し、開発時間を短縮しています。
これにより、約7000人のエンジニアが新サービスの考案など高付加価値の業務に集中できるようになり、企業の競争力向上への寄与が期待されます。
⑬メルカリ:AIアシスタントが売れやすい商品名や説明文を提案
メルカリは、生成AIを活用して出品者のサポートを強化する「メルカリAIアシスト」機能の提供を開始しました。
本機能では、出品済みの商品情報を分析し、売れ行きを良くするための商品名や説明文を自動生成して提案します。
本取り組みは、フリマアプリ内で商品が購入者の目に留まりやすくすることを目的としており、取引の活性化に寄与することが期待されます。
⑭ビズリーチ:生成AIを活用した職務経歴書の作成でスカウト率40%UP
ビズリーチは、転職活動をサポートするための新機能「職務経歴書の自動作成」を発表しました。
ユーザーは生成AIを活用し、職種やポジションなどの簡単な入力だけで、最短30秒でプロフェッショナルな職務経歴書を作成できるようになります。
この新機能は、転職希望者が自己のスキルや経験を効果的にアピールできるように設計されており、転職活動のハードルを大きく下げることを目指しています。
また、効果検証の結果、本機能を活用して職務経歴書を作成したユーザーは、スカウトの受信率が40%向上したという成果も上がっているとのことです。
<教育>
⑮ベネッセ:生成AIが自由研究のテーマ選びをサポート
ベネッセは、小学生とその親をターゲットに「自由研究おたすけAI」をリリースしました。
このサービスは、生成AI「ChatGPT」の技術を利用し、自由研究のテーマ選定を支援し、子供たちの疑問に対してアドバイスを提供します。
子供たちは、自由研究にかけられる時間や興味のあるジャンルを入力することで、ラボリーから具体的なテーマやアイデアを受け取ることができます。
ベネッセのこの取り組みは、デジタルリテラシー教育においても保護者から好意的な反応を得ており、子供たちの学習をサポートする新しい形として注目されています。
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⑯学研:生成AIを活用した個別アドバイスを提供
学研ホールディングスは、オリジナル学習システム「GDLS」でChatGPTを活用し、個別に最適な学習アドバイスを提供するベータ版を開始しました。
このシステムは、生徒の学習履歴や理解度の変化に基づいて各生徒に対して適切な学習アドバイスを提供し、学習効果を最大化します。
学研オリジナル学習システム(GDLS)は、生徒が毎日ログインする習慣を促し、学習への意欲を高めます。さらに、学研メソッドはこれまでもAIを活用し、正答率に合わせた問題出題などを行っており、GDLSはその発展形となっています。
<建築>
⑰大林組:生成AIがスケッチを基に建物の複数のデザイン案を提案
大林組は、初期段階の設計業務の効率化が可能な生成AIを活用したツールを開発しました。
このツールを用いると、建物の大まかな形状を描いたスケッチや、コンピュータで作成した3Dモデルを基にして、建物の外観デザインを複数の提案を受けることが可能です。
その結果、迅速なデザイン生成を可能にし、設計者が手作業で行っていた時間のかかるプロセスを省略。
これにより、設計者は、顧客の要望をすぐに形にし、顧客との意見のすり合わせをスムーズに行え、最終的なデザインへの合意を迅速に進めることができます。
⑱西松建設:生成AIを活用し高精度な建設コストの予測へ
西松建設は、建設業界特有の大幅な物価変動に対応するため、建設コストの予測に生成AIを活用したツールを導入しています。
本ツールでは、建設コストへの影響要因となるニュースや統計を基に物価変動の精度高い予測を提供し、建設費用の見積もりにおけるリスクを軽減します。
この取り組みにより、価格上昇が見込まれる際には早期の発注を行うなど、購買戦略に大きな効果をもたらすことが期待されています。
⑲鹿島建設:業務に関する質問や情報検索が行える独自のAIを導入
鹿島建設は、自社および国内外のグループ会社従業員約2万人を対象に、独自開発した対話型AI「Kajima ChatAI」の運用を開始しました。
このAIの導入により、従業員は社内固有の業務に対する質問や情報検索を迅速に行え、業務効率と生産性が向上することが期待されます。
このAIは、情報が外部に漏洩しない安全な環境で動作しており、さらに、利用時の従業員認証や利用履歴の記録など、独自のセキュリティ機能を付加し、より安全に利用できるようになっています。
⑳竹中工務店:生成AIを活用した建設業ナレッジの検索システムを構築
竹中工務店は、生成AIを活用し、建設業に建設業に特化したナレッジ検索システム「デジタル棟梁」を構築しました。
「デジタル棟梁」は、社内文書を検索し、抽出した情報を基に回答を生成することで、建設業の専門知識を活かした独自のナレッジベースを形成します。
このシステムにより、社内の専門知識を基に高精度な回答を生成し、従業員の知識共有と問題解決が効率的に行えるようになります。
㉑mign:リノベーションのイメージ画像を生成するAIツールを提供
株式会社mignは、リノベーションプランニングを支援する画像生成AIソリューションをリリースしました。
このソリューションでは、リノベーション前の部屋の画像をアップロードし、変更したい雰囲気や色を記述するだけで、AIがリノベーション後のイメージ画像を即座に生成します。
従来の設計プロセスでは、クライアントのインタビューを基にイメージ画像を作成し、フィードバックを受けて修正を重ねる必要がありました.
一方、本ソリューションを活用することで、プランナーや設計者の作業負担と時間を大幅に削減し、クライアントに迅速にビジュアルで提案できます。
<銀行>
㉒三菱UFJ銀行:生成AIの導入で月22万時間の労働時間の削減へ
三菱UFJ銀行が生成AI「ChatGPT」の導入により、業務プロセスを革新し、月22万時間分の労働時間が削減可能との試算を発表しました。
生成AIの導入により、社内文書のドラフト作成や稟議書の作成が効率化され、顧客との対話やサービス提供の質の向上に時間を割くことができるようになります。
さらに、ウェルスマネジメント業務においてもAIの活用が検討されており、顧客の詳細なニーズに基づいたパーソナライズされた提案が可能になると検討しているとのことです。
※生成AI/ChatGPTを導入する前に必ず押さえておきたい、主要なリスクと具体的な対策をまとめた資料をダウンロード頂けます。
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㉓SMBCグループ:独自の対話AI開発で従業員の生産性向上へ
三井住友フィナンシャルグループは、「SMBC-GPT」という、ChatGPT活用し開発した、AIアシスタントツールの実証実験を開始しました。
本ツールは、SMBCグループ専用環境上で動作し、文章の作成、要約、翻訳、ソースコード生成など多岐にわたる業務を支援し、従業員の生産性向上を図ります。
また、AIアシスタントツールの回答内容の正確性を従業員が判断し、外部AIの利用禁止などの規制も順次見直していく予定です。
㉔みずほグループ:生成AIを活用しシステム開発の品質向上へ
みずほフィナンシャルグループは、生成AIを活用したシステム開発と保守の実証実験を開始しました。
この取り組みにより、システム開発段階での設計書レビューを支援し、設計書の記載間違いや漏れを自動検出することで、開発品質の向上を目指しています。
特に、勘定系システム「MINORI」の一部商品に関するアプリケーションとインフラ基盤の設計手法が対象です。
米Microsoftの「Azure OpenAI Service」を利用し、富士通がカスタマイズした生成AIで、システム設計書の精度を高め、迅速な復旧力の向上を狙います。
㉕宮崎銀行:融資業務の効率化に生成AIを活用
宮崎銀行は融資関連書類の作成の効率化に向け、生成AIを業務に本格導入しています。
生成AIは行員の業務を支援し、個人差があった業務を均一化することで、対面営業時間を増やし、より質の高い顧客サービスにつなげます。
また、行内のデータを一元化し、生成AIを用いて業種ごとの稟議書のパターンや財務データ、交渉・取引の履歴を稟議書などの作成に活用するとのことです。
㉖七十七銀行:商品の販売状況の分析・可視化に生成AIを活用
七十七銀行は生成AIを活用して、商品販売状況をチャネル別に分析・可視化するプロジェクトを開始しました。
プログラミングコードの自動生成や表・グラフの可視化、分析結果のレビュー文書生成などが主な活用領域です。
すでに、PDFやHTMLなどの非構造化データをアップロードすると、AIが記載内容を認識・抽出し、大規模言語モデル(LLM)がこれらを構造化して指定したフォーマットに自動で転記するシステムを構築済みとのことです。
㉗横浜銀行:独自の生成AIを開発し文書作成業務の効率化へ
横浜銀行は、「行内ChatGPT」を利用して従業員の業務効率化を図っています。
このシステムは、文書作成業務の効率化を実現し、利用することで作業時間を大幅に削減します。
この「行内ChatGPT」は、横浜銀行の各種規程やマニュアルなど行内情報の照会に対応可能であり、高いセキュリティ基準のもとで管理されています。
この取り組みにより、従業員は高度な業務や新たな業務に集中することが可能となります。
<その他>
㉘au:人気CM「三太郎」シリーズを生成AIを活用しリメイクし話題に
KDDIは、2024年のお正月を祝して、人気の「三太郎シリーズ」CMを生成AIを使ってアニメーションにリメイクし話題となりました。
視聴者はCMを視聴するだけでなく、特設サイトで自分だけのオリジナル三太郎MVを生成AIを使って作成できるという、参加型の新しいCMの形を実現しました。
この取り組みは、通常のCM以上の視聴者のロイヤリティ向上や、先進的な企業イメージの訴求への貢献に繋がっていると考えられます。
㉙ベルシステム:AIと人間の協働によりコールセンター業務を効率化
コールセンターのベルシステム24は、生成AIと人の力を融合させたハイブリッド型コールセンター運営サービスを提供しています。
このサービスでは、AIチャットボットが顧客からの問い合わせを受け、簡単な質問には即座にAIが回答し、難しい問い合わせには人間が対応するアプローチを取っています。
この新たなアプローチにより、顧客サービスの迅速化と効率化を図り、高品質な顧客対応を実現しています。
また、生成AIの導入により企業側の大幅なコスト削減にも貢献しています。
㉚トランスコスモス:生成AIを活用しエスカレーションを6割削減
トランスコスモスは、生成AIを活用してコールセンターの生産性と対応品質を向上させる取り組みを進めています。
顧客からの難しい質問に対して、オペレーターが直接生成AIに問い合わせ、過去の社内ドキュメントから最適な回答を得る方法を採用しています。
この取り組みにより、最初に電話を受けたオペレーターが、専門知識を有する別の担当者に質問を引き継ぐ「エスカレーション」の件数を6割削減する見込みとのことで、顧客の待ち時間の大幅な短縮が期待されています。
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