【図解】生成AIの仕組みとは?種類・学習方法・リスクも紹介
リリース以降、2ヶ月で1億ユーザーを突破したChatGPTの登場・普及をきっかけにますます注目が集まっている生成AI。
本記事では、生成AIに関心のある方向けに、生成AIの仕組み、種類、データの学習方法、注意点までをまとめてご紹介します。
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目次
そもそも生成AIとは?
生成AIとは、「ジェネレーティブAI(Generative AI)」とも呼ばれ、文章・画像・音声など新たなコンテンツを生成するAIのことを指します。
近年の急速な技術進歩により、簡単な利用方法で、人間が作成したものと同等、あるいはそれ以上の質のコンテンツを自動で生成できるようになったことから、既存のビジネスや業務のあり方を変えていく存在として、大きな注目を集めています。
既に人間の作業をサポートするツールとしての活用が進んでおり、例えば、テキスト生成AIで長文のレポートを要約する、画像生成AIで広告用の独自の画像を作成する等の活用が可能です。
【図解】生成AIの仕組みとは?
生成AIがユーザーの質問や指示に基づき、文章や画像などのアウトプットを生成するまでの仕組みを図に表すと上の通りです。
ユーザーが生成AIに質問すると、生成AIは、学習済みの大量のデータの中から関連度の高い最適な答えとなる箇所を抽出し、それをもとに回答を出力します。その際、ディープラーニングという機械学習の手法を用いて、自らデータを学習し、人間が教えていないアウトプットを新たに生み出すこともできます。
これにより、生成AIは、人間が思いもつかないようなクリエイティブな文章や画像を生成することができます。
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生成AIの4つの種類|文章・画像・音声・動画
生成AIの種類として、文章・画像・動画・音声生成の4種類が挙げられます。
- ①文章生成AI:対話しているような形式で文章を生成
- ②画像生成AI:指示や参考画像を基にオリジナルの画像を生成
- ③音声生成AI:指示や参考音声を基にオリジナルの音声・楽曲を生成
- ④動画生成AI:指示や参考画像を基にオリジナルの動画を生成
それぞれの種類についての詳細は以下の記事でわかりやすく紹介しています。
生成AIがデータを学習する3つの方法
生成AIがデータを学習する代表的な方法として以下の3つが挙げられます。
- ①プロンプトエンジニアリング:非エンジニアでも実装可能
- ②RAG(Retrieval-Augmented Generation):膨大なデータからの検索に強み
- ③ファインチューニング:自社の目的・用途に特化した生成AIを構築
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
①プロンプトエンジニアリング:非エンジニアでも実装可能
1つ目の方法は、プロンプトエンジニアリングによるデータの学習です。
そもそもプロンプトエンジニアリングとは、生成AIに入力する質問や指示の内容を工夫することで、適切な回答を引き出すことを指します。
生成AIに入力する質問や指示に、自社データをテキストで入力したり、CSV、PDFファイル、URLなどを添付することで、自社データを学習した回答を得ることができます。
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メリット
- 非エンジニアでも実行可能:プロンプトエンジニアリングには、エンジニアリングの専門知識やスキルが必要ないため、非エンジニアの方でも比較的簡単に、自社データを学習させることができます。
- コストが低い:生成AIへの入力内容を変更するだけなため、追加での料金などはかかりません。
デメリット
- プロンプトエンニアリングスキルが必要:自社データを活用し生成AIから適切な回答を得るためには、質問や指示の設計や記述のフォーマットなどのスキルが必要となります。
- 学習データ量の制限:プロンプトエンジニアリングでは入力できるデータ量に限りがあるため、膨大な顧客とのやりとりや社内データなどを学習させることには向いていません。
②RAG(Retrieval-Augmented Generation):膨大なデータからの検索に強み
2つ目の方法は、RAG(Retrieval-Augmented Generation)によるデータ学習です。
RAGとは、生成AIが質問に回答する際に、生成AIのデータベースに加え、膨大な自社のデータベースから情報を検索し、回答させるように自社データを組み込む手法のことを指します。
メリット
- 膨大なデータ量の学習が可能:RAGではプロンプトエンジニアリングと異なり、膨大な量のデータを学習させることができます。そのため、自社データをフル活用した業務効率化やサービス創出が可能となります。
- 最新データに基づく回答:RAGでは生成AIと自社のデータベースが接続されており、常に最新のデータを活用した回答を得ることが可能です
デメリット
- 導入ハードルが高い:RAGには設計と実装に高度なエンジニアリング知識やスキルを有する人材による開発体制が必要となります。
- 回答時間が長い:RAGでは回答の際に、膨大な自社データを検索させることになるため、回答までに長い時間を要する傾向があります。
③ファインチューニング:自社の目的・用途に特化した生成AIを構築
3つ目の方法はファインチューニングによるデータ学習です。
ファインチューニングによる学習では、生成AIの提供するモデルに、自社データを学習させることで、モデル自体を自社専用のものにアップデートします。
これにより、自社の業界や事業領域、特定のタスクに対して精度高く活用可能な自社専用の生成AIを構築することが可能です。
メリット
- 業界やタスクに特化可能:モデル自体をアップデートするため、自社の業界、事業領域や特定のタスクに特化した精度の高い回答を得られるようになります。
- ユーザーが利用しやすい:モデル自体が自社のニーズにカスタマイズされたものになっているため、AIの知識の乏しい社員でも簡単に自社独自の生成AIを利用できるようになります。
デメリット
- 導入ハードルが高い:ファインチューニングには設計と実装に高度なエンジニアリング知識やスキルを有する人材による開発体制が必要となります。
- コストが高い:モデルの学習には膨大なデータを学習させる必要があり、その過程で生成AIのAPIに対して従量課金での支払いをすることとなります。また、学習に用いるデータセットを収集・整理するコストもかかることとなります。
生成AIに自社データを学習させる方法の選び方
生成AIに自社データを活用させる方法を紹介してきましたが、自社にマッチする学習方法を選ぶ際には、以下の図をご参照ください。
図のように、自社の活用目的や内容によって、最適な自社データの学習方法は異なります。
社内のノウハウや顧客データの抽出など膨大なデータから検索・抽出するタイプの活用をする場合は、RAGが適しています。
一方で、AIモデル自体を自社の業界や特定の業務に特化したものに再構築したい場合はファインチューニングが適しています。
また、その両方の場合はRAGとファインチューンングを組み合わせた学習を行うことが適しています。
このように適切な方法を選んで学習をさせることが、生成AI活用の成果を大きく左右することになります。
生成AIに自社データを学習させる3つのメリット
生成AIに自社データを学習させるメリットとして以下の3つが挙げられます。
- ①特定の業界に専門特化した回答の出力
- ②自社の業態/業務にマッチした高精度な回答の出力
- ③誤った回答が生成されるリスクの軽減
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
①特定の業界に専門特化した回答の出力
生成AIにどのデータを学習させるかは、ユーザーが自由に選ぶことができます。特定の業界の専門用語などをまとめて学習させれば、その業界に特化した専門家のような回答を出力する生成AIを作ることができます。
②自社の業態/業務にマッチした高精度な回答の出力
生成AIに自社の顧客情報や取引履歴、ノウハウなど自社独自のデータを学習させることで、自社の業態や業務にマッチした高精度な回答を得ることができるようになります。
これにより、顧客ごとにパーソナライズされたサービスの提供や社内業務の効率化などを実現することができます。
③誤った回答が生成されるリスクの軽減
生成AIの利用方法によっては、誤った回答が出力されるハルシネーションという現象が起こる可能性があります。生成AIに正確なデータを学習させることでこのようなリスクを軽減することができます。
生成AIに自社データを学習させる3つのデメリット・リスク
生成AIに自社データを学習させるデメリットやリスクとして以下の3つが挙げられます。
- ①読み込まれた自社データが漏洩するリスク
- ②処理するデータ量が増加し返答が遅くなるリスク
- ③実装や人員確保に時間的・金銭的コストがかかるリスク
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
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①読み込まれた自社データが漏洩するリスク
生成AIに読み込まれたデータは、生成AIが学習し進化するために、基本的にはクラウド上で保管されます。そのため、会社内部の機密情報や顧客の個人情報などを入力してしまうと、生成AIサービス提供者や他のユーザーに機密情報が漏洩してしまうリスクが存在します。
②処理するデータ量が増加し返答が遅くなるリスク
生成AIにデータを学習させると、処理するデータ量が増加し、自然処理に必要となる時間が長くなります。これにより、回答スピードが低下するリスクが存在します。
そのため、回答スピードの低下リスクを考慮し、学習させるデータを必要な範囲に絞る等の対策が重要となります。
③実装や人員確保に時間的・金銭的コストがかかるリスク
生成AIにデータを学習させるにあたっては、学習データの収集や整理、モデルのトレーニングなど各作業に時間がかかる可能性があります。
また、大量のデータを使用する場合などには、高度なスキルを有するエンジニアの存在が必要となり、人件費等の金銭的コストがかかる可能性があります。
生成AIにデータを学習させる際の6つの注意点
生成AIに自社データを学習させる際の注意点として、以下の6つが挙げられます。
- ①データ範囲の適切な設定
- ②最適なプラン選定
- ③リスクを最小化するデータマネジメント
- ④従業員向けの利用ルール・マニュアルの策定
- ⑤従業員の生成AI活用リテラシーの向上
- ⑥最新動向を踏まえた生成AI活用方法の定期的な見直し
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
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①データ範囲の適切な設定
生成AIにあまりにも多くのデータを学習させると、情報処理に時間がかかって回答スピードが遅くなったり、情報漏洩の危険性が高まったりするなどのリスクが生じます。
そのため、生成AIに学習させる必要があるデータと必要がないデータを区別し、適切な範囲に絞ることが重要です。
②最適なプラン選定
生成AIサービスの中には、無料プラン、有料プラン、企業向けプランなど複数のプランが用意されているものもあり、プランごとにセキュリティの強さや使える機能が異なります。
そのため、例えば、個人情報や機密情報を学習させる場合にはセキュリティが強化された有料の企業向けプランを利用するなど、自社の目的や学習させるデータの性質に応じて適切なプラン選定を行うことが重要です。
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③リスクを最小化するデータマネジメント
生成AIは、学習したデータに基づいて動作するため、データマネジメントの質が生成AIの出力品質に直結します。
データの正確性、偏りのなさ、機密性の保持は、リスクを最小化する上で極めて重要です。
適切なデータマネジメントの実施により、データの質を確保し、情報漏洩や不正確な情報生成のリスクを低減します。
④従業員向けの利用ルール・マニュアルの策定
生成AIの効果的な利用とリスクの最小化のためには、企業が従業員向けの明確な利用ルールやマニュアルを策定することが重要です。
具体的には、社内でのAIの使用目的、使用範囲、倫理ガイドライン、データ取り扱いのルール・マニュアルを策定する必要があります。
⑤従業員の生成AI活用リテラシーの向上
生成AIのポテンシャルを最大限に活用し、同時にリスクを管理するためには、従業員のAIに関する理解とスキル、すなわちAIリテラシーを向上させることが不可欠です。
研修プログラムや実践的なトレーニングを通じて、従業員が生成AIの基本的な知識、適切な使用方法、関連するリスクを理解してもらい、効率的かつ責任ある方法で使用できる環境を構築することが求められます。
⑥最新動向を踏まえた生成AI活用方法の定期的な見直し
生成AIの技術・サービスは日々進化しており、新たな活用方法や利用プロセスが登場し、それに応じて新たなリスクが生じる可能性が高いです。
したがって、国内外の生成AIに関する最新の動向を常に把握し、企業の生成AI活用方法を定期的に見直し、更新することが必要となります。
企業が生成AI活用を成功させるための5つのポイント
企業が生成AI活用を成功させるために抑えるべきポイントは以下の5つです。
- ①業務内容の棚卸しと活用インパクトの試算
- ②投資対効果の高い課題/目的と活用方法の選定
- ③アジャイルアプローチでの開発・導入
- ④システムとルールの両面からのリスク管理
- ⑤研修等での社員のAI活用リテラシーの向上
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
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①業務内容の棚卸しと活用インパクトの試算
生成AI活用の成否を分ける最大のポイントは、生成AIを活用する意義の大きな業務に対して活用することに尽きます。
活用の方針や戦略がないまま活用を進めるのではなく、自社の業務内容・フローをしっかりと棚卸しした上で、どの程度業務効率やアウトプット向上に繋がるかを試算することが重要となります。
②投資対効果の高い課題/目的と活用方法の選定
生成AIは全ての業務に対して万能という訳ではなく、膨大なデータに基づいたコンテンツ制作は得意だが、複雑な問いに対して正確な答えを出すのは苦手といった、明確な得意不得意が存在します。
そのため、自社の業務の現状や生成AIの特徴を踏まえた上で、どのような課題/目的に対して、どのようなアプローチ/範囲/ツールで活用を進めるかを、検討・選定するステップがプロジェクトの投資対効果を左右する、極めて重要なプロセスとなります。
③アジャイルアプローチでの開発・導入
生成AIは、一度開発・導入して終わりという進め方ではなく、何度もモデル・学習データ・利用方法等を細かくカスタマイズしなおすことで、より理想とする活用を実現することができます。
具体的には、初期仮説に基づいた簡易的なプロトタイプを構築し実際に利用してみる、というサイクルを、1サイクル数週間の期間で何度も繰り返し、ブラッシュアップしていくという、アジャイル開発のアプローチを取ることが適しています。
④システムとルールの両面からのリスク管理
企業が生成AIの活用に踏み切れない最大の理由として、機密情報漏洩や著作権侵害などのリスクへの懸念が挙げられます。
確かに、社員に特段ルールを設けず、一般に公開されている生成AIを活用させた場合、様々な問題が発生する可能性は存在します。
一方で、入力するデータが学習されないようなシステム構築や使用範囲・機密情報の取扱等の運用ルールの策定により、リスクをマネジメントし最小化することが可能です。
⑤研修等での社員のAI活用リテラシーの向上
生成AIの特徴として、AIとの対話によってアウトプットを引き出すことが求められるため、使い手のリテラシーによって成果が大きく左右されることが挙げられます。
そのため、生成AIのポテンシャルを最大限に活用するためには、従業員のAIに対する理解とスキル、すなわちAIリテラシーを向上させることが不可欠です。
研修プログラムや実践的なトレーニングを通じて、従業員が生成AIの基本的な知識、適切な使用方法、関連するリスクを理解してもらい、効率的かつ責任ある方法で使用できる環境の構築が必要となります。
企業が生成AIを活用するための4つのステップ
企業が生成AI活用を進めるための流れとして、以下の4つのステップがあげられます。
<Step1:活用方針の検討>
- 最新の市場動向のキャッチアップ
- 自社の活用可能性の整理
- 生成AIの活用目的・ゴールの設定
<Step2:利用環境構築>
- セキュリティ・データ管理体制の強化
- ガイドライン・マニュアルの策定
- 社員向けのAIリテラシー研修
- 社内業務での試験運用
<Step3:試験開発・運用(PoC)>
- PoCを行うユースケースの検討
- 要件定義・プロトタイプ開発
- 運用と評価
<Step4:本開発>
- 本開発を行うユースケースの検討
- 要件定義・本開発
- 運用と評価
- 活用方針・内容の継続的なカイゼン
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
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Step1:活用方針の検討
1つ目のステップは、自社として生成AIをどのように活用していくかの大方針の検討です。
生成AIは社内業務効率化や顧客体験の向上、新規事業創出など様々な目的で活用が可能だからこそ、自社の課題にマッチした目的とユースケースで活用することが、投資対効果を大きく左右します。
最新の技術や競合の動向をキャッチアップした上で、自社の活用可能性の幅出し・整理を行います。その上で、生成AIをどのような領域で、どの程度ダイナミックに活用していくかの目的やゴールを初期的に設定しましょう。
Step2:利用環境構築
2つ目のステップは、生成AIを安全かつ効率的に活用できる、社内のシステムやルールなどの利用環境の構築です。
企業が生成AI活用に踏み切れない理由として、機密情報漏洩などのセキュリティリスクの懸念が挙げられますが、適切なシステム設計・データ管理やガイドラインの策定などを行うことで、それらのリスクに対処しながら、業務効率化に繋げることが可能です。
社員に対し、生成AIをリサーチや文書作成などの日常的な業務に安心して活用できる環境を提供することで、自社のどのような業務と生成AIの相性が良いのかという現場からの示唆を得ることができ、プロトタイプ・本開発の企画への重要なインプットとなります。
Step3:試験開発・運用(PoC)
3つ目のステップは、自社にマッチするユースケースの検証に向けた、プロトタイプの開発と運用です。
顧客対応支援や社内のナレッジ検索、新機能・サービスの実装などの生成AIの幅広いユースケースの中から、自社の経営課題解決にマッチするいくつかのユースケースに絞り込み、プロトタイプを開発し、実際の業務で運用します。
PoCを実施することで、コストを抑えながら生成AI活用のインパクトを検証しつつ、見えてきた改善点から本開発の精度を高めることが可能です。
Step4:本開発と運用
4つ目のステップは、本格的な生成AIを活用したシステムの開発と運用、継続的なカイゼンです。
自社独自のデータ基盤の構築・連携や活用シーンに特化したアウトプット精度の改善などを実施し、自社の目的達成に特化した生成AIシステムを開発します。
PoCの結果を踏まえ、本開発を行うユースケースや活用範囲を決定することで、生成AI活用の費用対効果を最大化することが可能です。
また、開発しっぱなしで終わるのではなく、本開発したシステムを運用し上がった成果や改善点、技術進化などを踏まえて、活用方法や内容を継続的にカイゼンしていくことが重要です。
このプロセスを通じ、生成AI活用のポテンシャルを最大限に発揮することで、業務生産性や顧客への提供価値の観点から、大きな競争優位性を構築することに繋がります。
大手日本企業の生成AIの活用事例30選
大手日本企業の生成AIの活用事例として、以下の30選が挙げられます。
<製造業>
- ①パナソニックコネクト:AIアシスタントを導入し1日5000回の利用
- ②パナソニック:電気シェーバーのモーター設計に生成AIを活用
- ③オムロン:生成AIを活用した言語指示で動くロボットの開発へ
- ④旭鉄鋼:製造現場の組織的なカイゼンに生成AIを活用
<小売>
- ⑤セブンイレブン:生成AIを活用し商品企画の期間を10分の1に
- ⑥パルコ:広告の動画・ナレーション・音楽を全て生成AIで作成
<メーカー>
- ⑦日本コカ・コーラ:生成AIを活用した消費者参加型の広告を展開
- ⑧アサヒビール:生成AIを活用し従業員の社内情報検索を効率化
- ⑨サントリー:生成AIからのアドバイスを活用しユニークなCMを企画
- ⑩住友化学:研究開発の効率化に向けた社内向け生成AIサービスを構築へ
- ⑪キンチョール:若者向けCMの企画とコンテンツ制作に生成AIを活用
<IT>
- ⑫LINE:エンジニアが生成AIを活用し1日2時間の業務効率化
- ⑬メルカリ:AIアシスタントが売れやすい商品名や説明文を提案
- ⑭ビズリーチ:生成AIを活用した職務経歴書の作成でスカウト率40%UP
<教育>
- ⑮ベネッセ:生成AIが自由研究のテーマ選びをサポート
- ⑯学研:生成AIを活用した個別アドバイスを提供
<建築>
- ⑰大林組:生成AIがスケッチを基に建物の複数のデザイン案を提案
- ⑱西松建設:生成AIを活用し高精度な建設コストの予測へ
- ⑲鹿島建設:業務に関する質問や情報検索が行える独自のAIを導入
- ⑳竹中工務店:生成AIを活用した建設業ナレッジの検索システムを構築
- ㉑mign:リノベーションのイメージ画像を生成するAIツールを提供
<銀行>
- ㉒三菱UFJ銀行:生成AIの導入で月22万時間の労働時間の削減へ
- ㉓SMBCグループ:独自の対話AI開発で従業員の生産性向上へ
- ㉔みずほグループ:生成AIを活用しシステム開発の品質向上へ
- ㉕宮崎銀行:融資業務の効率化に生成AIを活用
- ㉖七十七銀行:商品の販売状況の分析・可視化に生成AIを活用
- ㉗横浜銀行:独自の生成AIを開発し文書作成業務の効率化へ
<その他>
- ㉘au:人気CM「三太郎」シリーズを生成AIを活用しリメイクし話題に
- ㉙ベルシステム:AIと人間の協働によりコールセンター業務を効率化
- ㉚トランスコスモス:生成AIを活用しエスカレーションを6割削減
それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。
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製造業
①パナソニックコネクト:AIアシスタントを導入し1日5000回の利用
パナソニック コネクトでは、社内データベースを連携させたAIアシスタントによる業務効率化のプロジェクトを進めています。
この取り組みにより、自社業務や現場の個別課題に対応した回答生成が可能となり、社外秘情報にも対応する自社特化AIの運用開始も予定しています。
導入後3カ月で、想定の5倍以上の約26万回の利用があり、日々約5000回もの質問がAIに投げかけられているとのことです。
②パナソニック:電気シェーバーのモーター設計に生成AIを活用
パナソニック ホールディングスは、電動シェーバー「LAMDASH」シリーズに、AIがゼロベースで設計した新構造のモーターの採用を検討しています。
この生成AIが設計したモーターは、熟練技術者による最適設計と比較して、出力が15%高いことが特徴です。
同社はAI設計の有効性を確認したとして、今後は電動工具や車載用のモーター、さらにシーリングファンなどにも適用する方針とのことです。
③オムロン:生成AIを活用した言語指示で動くロボットの開発へ
オムロンサイニックエックス(OSX)は、ロボットアームが自然言語の指示に応じて動作する技術の開発に取り組んでいます。
この技術は、食材の切り方など、特定の作業動作を学習したAIモデルが生成することで実現されます。
このプロジェクトは、人間の思考プロセスを模倣することで、ロボットがより自然な方法でタスクを実行できるようにすることを目指しています。
④旭鉄鋼:製造現場の組織的なカイゼンに生成AIを活用
旭鉄工では、生成AIを活用することで、改善活動を属人的に管理するのではなく、共有されたノウハウ活用により、改善方法をシステム化しています。
ChatGPTを活用することで、 カイゼンに向けた過去事例や注意点をまとめた「横展アイテムリスト」というノウハウ集から、目的や状況に合った情報を簡単に引き出すことができるようになりました。
このシステムを本格導入することにより、社内の知見が現場の隅々までに共有され、より生産性高くカイゼン活動を行うことが可能になります。
小売
⑤セブンイレブン:生成AIを活用し商品企画の期間を10分の1に
セブンイレブン・ジャパンは、商品企画の時間を大幅に削減するために生成AIの活用を始めました。
この取り組みにより、店舗の販売データやSNS上での消費者の反応を分析し、新商品に関する文章や画像を迅速に作成することが可能になります。
生成AIの導入により、商品企画にかかる時間が最大で90%削減され、市場のトレンドや顧客のニーズに迅速に応える、新たな商品を提供できる見込みとのことです。
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⑥パルコ:広告の動画・ナレーション・音楽を全て生成AIで作成
パルコは、最先端の画像生成AIを駆使したファッション広告として、「HAPPY HOLIDAYSキャンペーン」広告を制作・公開しました。
この広告では、実際のモデル撮影は行わず人物から背景にいたるまで、プロンプトから構成され、グラフィック・ムービーの他、ナレーション・音楽も全て生成AIにて作成しています。
人間のモデルではなく生成AIが作成したモデルを起用することで、モード感のある新しいファッション広告を実現しています。
メーカー
⑦日本コカ・コーラ:生成AIを活用した消費者参加型の広告を展開
日本コカ・コーラは、広告制作に使用した画像生成AIツール「Create Real Magic」を一般公開しました。
このツールでは、ユーザーがアカウントを作成後、テーマやシーン、スタイルを選ぶことで、クリスマスカードを生成することが可能です。
利用者が生成した画像は、コカ・コーラの屋外広告やSNSで紹介され、消費者参加型の新たな広告の事例として注目を集めています。
⑧アサヒビール:生成AIを活用し従業員の社内情報検索を効率化
アサヒビールは、研究開発部門を中心に生成AIを活用した社内情報検索システムの開発に取り組んでいます。
このシステムは、ビール醸造技術や商品開発に関連する技術情報の要約と検索を効率化することを目的としています。
開発者は、このシステムにより、従業員が必要な情報に素早くアクセスできるようになり、研究開発のスピードと効率が向上することを期待しています。
⑨サントリー:生成AIからのアドバイスを活用しユニークなCMを企画
サントリー食品インターナショナルは、生成AIを企画に活用したwebCM、「GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶」を公開しました。
キャストとして誰を起用するかや、実際にどのような企画のCMにするかも、生成AIからのアドバイスを参考に決定されているとのことです。
キャストがバレエダンサーとなり高速回転したり、周りでボウリングのピンが踊る中、ダブルピースで「やさしい麦茶」を飲んだりと予想外な展開で、人間には難しい奇想天外な内容が話題を呼んでいます。
⑩住友化学:研究開発の効率化に向けた社内向け生成AIサービスを構築へ
住友化学は、約6,500名の従業員を対象に、生成AIを活用した「ChatSCC」の運用を開始しました。
事前検証で約200の業務パターンをテストし、最大で50%以上の効率化を確認。この成果は、技術アイデアの創出や研究・製造データの分析など、幅広い領域での活用が期待されます。
今後は、同社の保有する独自データを学習させた、より効果的に利用できる特化型モデルの構築を予定しています。
⑪キンチョール:若者向けCMの企画とコンテンツ制作に生成AIを活用
大日本除虫菊は、生成AIを活用したロングセラー商品「キンチョール」の新CM「ヤング向け映像」篇を公開し話題となりました。
このCMでは、画像生成AIを活用し、未来都市と「キンチョール」を融合させたポップで革新的な映像を制作。
またコンテンツ制作のみならず、若者向けのユニークなCMの企画案のブレストにも対話型の生成AIが活用されています。
IT
⑫LINE:エンジニアが生成AIを活用し1日2時間の業務効率化
LINEヤフーは、生成AIを全面的にソフトウェア開発に導入し、エンジニアの作業時間を1日当たり約2時間削減しています。
具体的には、米マイクロソフトの子会社であるギットハブの「GitHub Copilot」を利用し、エンジニアが実装したい機能や動作に必要なコードを自動生成し、開発時間を短縮しています。
これにより、約7000人のエンジニアが新サービスの考案など高付加価値の業務に集中できるようになり、企業の競争力向上への寄与が期待されます。
※文章作成やリサーチなど日々の業務効率化に使える、おすすめ生成AIツールや5大活用方法、ポイントをまとめた資料をダウンロード頂けます。
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⑬メルカリ:AIアシスタントが売れやすい商品名や説明文を提案
メルカリは、生成AIを活用して出品者のサポートを強化する「メルカリAIアシスト」機能の提供を開始しました。
本機能では、出品済みの商品情報を分析し、売れ行きを良くするための商品名や説明文を自動生成して提案します。
本取り組みは、フリマアプリ内で商品が購入者の目に留まりやすくすることを目的としており、取引の活性化に寄与することが期待されます。
⑭ビズリーチ:生成AIを活用した職務経歴書の作成でスカウト率40%UP
ビズリーチは、転職活動をサポートするための新機能「職務経歴書の自動作成」を発表しました。
ユーザーは生成AIを活用し、職種やポジションなどの簡単な入力だけで、最短30秒でプロフェッショナルな職務経歴書を作成できるようになります。
この新機能は、転職希望者が自己のスキルや経験を効果的にアピールできるように設計されており、転職活動のハードルを大きく下げることを目指しています。
また、効果検証の結果、本機能を活用して職務経歴書を作成したユーザーは、スカウトの受信率が40%向上したという成果も上がっているとのことです。
教育
⑮ベネッセ:生成AIが自由研究のテーマ選びをサポート
ベネッセは、小学生とその親をターゲットに「自由研究おたすけAI」をリリースしました。
このサービスは、生成AI「ChatGPT」の技術を利用し、自由研究のテーマ選定を支援し、子供たちの疑問に対してアドバイスを提供します。
子供たちは、自由研究にかけられる時間や興味のあるジャンルを入力することで、ラボリーから具体的なテーマやアイデアを受け取ることができます。
ベネッセのこの取り組みは、デジタルリテラシー教育においても保護者から好意的な反応を得ており、子供たちの学習をサポートする新しい形として注目されています。
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⑯学研:生成AIを活用した個別アドバイスを提供
学研ホールディングスは、オリジナル学習システム「GDLS」でChatGPTを活用し、個別に最適な学習アドバイスを提供するベータ版を開始しました。
このシステムは、生徒の学習履歴や理解度の変化に基づいて各生徒に対して適切な学習アドバイスを提供し、学習効果を最大化します。
学研オリジナル学習システム(GDLS)は、生徒が毎日ログインする習慣を促し、学習への意欲を高めます。さらに、学研メソッドはこれまでもAIを活用し、正答率に合わせた問題出題などを行っており、GDLSはその発展形となっています。
建築
⑰大林組:生成AIがスケッチを基に建物の複数のデザイン案を提案
大林組は、初期段階の設計業務の効率化が可能な生成AIを活用したツールを開発しました。
このツールを用いると、建物の大まかな形状を描いたスケッチや、コンピュータで作成した3Dモデルを基にして、建物の外観デザインを複数の提案を受けることが可能です。
その結果、迅速なデザイン生成を可能にし、設計者が手作業で行っていた時間のかかるプロセスを省略。
これにより、設計者は、顧客の要望をすぐに形にし、顧客との意見のすり合わせをスムーズに行え、最終的なデザインへの合意を迅速に進めることができます。
⑱西松建設:生成AIを活用し高精度な建設コストの予測へ
西松建設は、建設業界特有の大幅な物価変動に対応するため、建設コストの予測に生成AIを活用したツールを導入しています。
本ツールでは、建設コストへの影響要因となるニュースや統計を基に物価変動の精度高い予測を提供し、建設費用の見積もりにおけるリスクを軽減します。
この取り組みにより、価格上昇が見込まれる際には早期の発注を行うなど、購買戦略に大きな効果をもたらすことが期待されています。
⑲鹿島建設:業務に関する質問や情報検索が行える独自のAIを導入
鹿島建設は、自社および国内外のグループ会社従業員約2万人を対象に、独自開発した対話型AI「Kajima ChatAI」の運用を開始しました。
このAIの導入により、従業員は社内固有の業務に対する質問や情報検索を迅速に行え、業務効率と生産性が向上することが期待されます。
このAIは、情報が外部に漏洩しない安全な環境で動作しており、さらに、利用時の従業員認証や利用履歴の記録など、独自のセキュリティ機能を付加し、より安全に利用できるようになっています。
⑳竹中工務店:生成AIを活用した建設業ナレッジの検索システムを構築
竹中工務店は、生成AIを活用し、建設業に建設業に特化したナレッジ検索システム「デジタル棟梁」を構築しました。
「デジタル棟梁」は、社内文書を検索し、抽出した情報を基に回答を生成することで、建設業の専門知識を活かした独自のナレッジベースを形成します。
このシステムにより、社内の専門知識を基に高精度な回答を生成し、従業員の知識共有と問題解決が効率的に行えるようになります。
㉑mign:リノベーションのイメージ画像を生成するAIツールを提供
株式会社mignは、リノベーションプランニングを支援する画像生成AIソリューションをリリースしました。
このソリューションでは、リノベーション前の部屋の画像をアップロードし、変更したい雰囲気や色を記述するだけで、AIがリノベーション後のイメージ画像を即座に生成します。
従来の設計プロセスでは、クライアントのインタビューを基にイメージ画像を作成し、フィードバックを受けて修正を重ねる必要がありました.
一方、本ソリューションを活用することで、プランナーや設計者の作業負担と時間を大幅に削減し、クライアントに迅速にビジュアルで提案できます。
銀行
㉒三菱UFJ銀行:生成AIの導入で月22万時間の労働時間の削減へ
三菱UFJ銀行が生成AI「ChatGPT」の導入により、業務プロセスを革新し、月22万時間分の労働時間が削減可能との試算を発表しました。
生成AIの導入により、社内文書のドラフト作成や稟議書の作成が効率化され、顧客との対話やサービス提供の質の向上に時間を割くことができるようになります。
さらに、ウェルスマネジメント業務においてもAIの活用が検討されており、顧客の詳細なニーズに基づいたパーソナライズされた提案が可能になると検討しているとのことです。
※生成AI/ChatGPTを導入する前に必ず押さえておきたい、主要なリスクと具体的な対策をまとめた資料をダウンロード頂けます。
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㉓SMBCグループ:独自の対話AI開発で従業員の生産性向上へ
三井住友フィナンシャルグループは、「SMBC-GPT」という、ChatGPT活用し開発した、AIアシスタントツールの実証実験を開始しました。
本ツールは、SMBCグループ専用環境上で動作し、文章の作成、要約、翻訳、ソースコード生成など多岐にわたる業務を支援し、従業員の生産性向上を図ります。
また、AIアシスタントツールの回答内容の正確性を従業員が判断し、外部AIの利用禁止などの規制も順次見直していく予定です。
㉔みずほグループ:生成AIを活用しシステム開発の品質向上へ
みずほフィナンシャルグループは、生成AIを活用したシステム開発と保守の実証実験を開始しました。
この取り組みにより、システム開発段階での設計書レビューを支援し、設計書の記載間違いや漏れを自動検出することで、開発品質の向上を目指しています。
特に、勘定系システム「MINORI」の一部商品に関するアプリケーションとインフラ基盤の設計手法が対象です。
米Microsoftの「Azure OpenAI Service」を利用し、富士通がカスタマイズした生成AIで、システム設計書の精度を高め、迅速な復旧力の向上を狙います。
㉕宮崎銀行:融資業務の効率化に生成AIを活用
宮崎銀行は融資関連書類の作成の効率化に向け、生成AIを業務に本格導入しています。
生成AIは行員の業務を支援し、個人差があった業務を均一化することで、対面営業時間を増やし、より質の高い顧客サービスにつなげます。
また、行内のデータを一元化し、生成AIを用いて業種ごとの稟議書のパターンや財務データ、交渉・取引の履歴を稟議書などの作成に活用するとのことです。
㉖七十七銀行:商品の販売状況の分析・可視化に生成AIを活用
七十七銀行は生成AIを活用して、商品販売状況をチャネル別に分析・可視化するプロジェクトを開始しました。
プログラミングコードの自動生成や表・グラフの可視化、分析結果のレビュー文書生成などが主な活用領域です。
すでに、PDFやHTMLなどの非構造化データをアップロードすると、AIが記載内容を認識・抽出し、大規模言語モデル(LLM)がこれらを構造化して指定したフォーマットに自動で転記するシステムを構築済みとのことです。
㉗横浜銀行:独自の生成AIを開発し文書作成業務の効率化へ
横浜銀行は、「行内ChatGPT」を利用して従業員の業務効率化を図っています。
このシステムは、文書作成業務の効率化を実現し、利用することで作業時間を大幅に削減します。
この「行内ChatGPT」は、横浜銀行の各種規程やマニュアルなど行内情報の照会に対応可能であり、高いセキュリティ基準のもとで管理されています。
この取り組みにより、従業員は高度な業務や新たな業務に集中することが可能となります。
その他
㉘au:人気CM「三太郎」シリーズを生成AIを活用しリメイクし話題に
KDDIは、2024年のお正月を祝して、人気の「三太郎シリーズ」CMを生成AIを使ってアニメーションにリメイクし話題となりました。
視聴者はCMを視聴するだけでなく、特設サイトで自分だけのオリジナル三太郎MVを生成AIを使って作成できるという、参加型の新しいCMの形を実現しました。
この取り組みは、通常のCM以上の視聴者のロイヤリティ向上や、先進的な企業イメージの訴求への貢献に繋がっていると考えられます。
※200事例の分析に基づく、企業の生成AI/ChatGPT活用でよくある失敗とベストプラクティスをまとめた資料をダウンロード頂けます。
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㉙ベルシステム:AIと人間の協働によりコールセンター業務を効率化
コールセンターのベルシステム24は、生成AIと人の力を融合させたハイブリッド型コールセンター運営サービスを提供しています。
このサービスでは、AIチャットボットが顧客からの問い合わせを受け、簡単な質問には即座にAIが回答し、難しい問い合わせには人間が対応するアプローチを取っています。
この新たなアプローチにより、顧客サービスの迅速化と効率化を図り、高品質な顧客対応を実現しています。
また、生成AIの導入により企業側の大幅なコスト削減にも貢献しています。
㉚トランスコスモス:生成AIを活用しエスカレーションを6割削減
トランスコスモスは、生成AIを活用してコールセンターの生産性と対応品質を向上させる取り組みを進めています。
顧客からの難しい質問に対して、オペレーターが直接生成AIに問い合わせ、過去の社内ドキュメントから最適な回答を得る方法を採用しています。
この取り組みにより、最初に電話を受けたオペレーターが、専門知識を有する別の担当者に質問を引き継ぐ「エスカレーション」の件数を6割削減する見込みとのことで、顧客の待ち時間の大幅な短縮が期待されています。
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