生成AIでクリエイティブを制作する方法|事例5選や注意点も紹介
リリース以降、2ヶ月で1億ユーザーを突破したChatGPTの登場・普及をきっかけにますます注目が集まっている生成AI。
生成AIをうまく活用すれば、広告などに利用できるクリエイティブを制作することができます。
本記事では、生成AIで広告のクリエイティブを制作する方法について、注意点やコツとともにわかりやすくご紹介します。
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目次
生成AIで広告のクリエイティブを制作する4つのメリット
生成AIでクリエイティブを制作するメリットとして、以下の4つが挙げられます。
- ①ユニークでキャッチーな広告の生成
- ②パーソナライズされた広告の生成
- ③広告制作時間の短縮・コスト削減
- ④大量の広告生成によるPDCAの高速化
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
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①ユニークでキャッチーな広告の生成
生成AIは、人間が思いつかないような斬新でユニークなクリエイティブを生成します。
適切なプロンプトで指示を出すことで、見る人をひきつけるキャッチーなクリエイティブを人間よりも上手く生成し、広告効果を高めることができます。
②パーソナライズされた広告の生成
生成AIが顧客の過去の購買データ等を分析することで、これに基づくパーソナライズされた広告を自動で生成することができます。
これにより、広告が個別の顧客に応じて最適化され、広告効果を高めることができます。
③広告制作時間の短縮・コスト削減
画像生成AIを用いることで、テキストで指示をするだけで、思い通りのクリエイティブを瞬時に制作することができます。
これにより、広告制作時間を大幅に短縮させ、人件費等のコストを削減することができます。
④大量の広告生成によるPDCAの高速化
生成AIに大量のクリエイティブ案を瞬時に生成させることで、クリエイティブ案作成⇒出稿⇒効果測定⇒クリエイティブ案改善というサイクルを高速で回すことができます。
このようにPDCAを高速化することで、より効果の高い広告を作り出すことができます。
生成AIで広告のクリエイティブを制作する4つのステップ
生成AIで広告のクリエイティブを制作するためには、以下の4つのステップが必要です。
- Step 1:構成とデザインの考案
- Step 2:プロンプトを入力し広告画像を生成
- Step 3:ダブルチェックと調整
- Step 4:出稿と効果測定
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
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Step 1:構成とデザインの考案
まずは、作成したい広告クリエイティブの構成とデザインを考案します。ChatGPTなどの対話型生成AIを活用して、クリエイティブの構成案やデザイン案を幅出ししてもらうことも可能です。
上の画像は、ChatGPTに化粧水を宣伝するテレビCMの構成を考えてもらった結果です。映像やナレーションとともに、オープニングからエンディングまでのCMの流れを具体的に考え出しています。
Step 2:プロンプトを入力し広告画像を生成
構成案やデザイン案をもとに、必要となる画像を生成します。画像生成AIにプロンプトを入力することで、自分たちが求める画像を生成していきます。
思い通りの画像が生成されない場合でも、プロンプトの修正・改善を繰り返すことで、理想の画像に近づけていくことが重要です。
Step 3:ダブルチェックと調整
生成された画像をそのまま広告のクリエイティブに用いるのではなく、本当に自社の商品やサービスの魅力をアピールする適切なものとなっているかを複数の人で確認する必要があります。
必要に応じて、Step 2に戻り、画像を生成しなおすなどして、広告クリエイティブとして利用できるように画像を最終化させます。
Step 4:出稿と効果測定
広告クリエイティブに使用する画像を生成したら、キャッチコピー等と組み合わせて、広告クリエイティブを完成させ、実際に出稿します。
出稿後の反応率やコンバージョン率を測定し、思うような効果が得られなかった場合には、別の画像を試すなどして、改善を繰り返していくことが重要です。
生成AIで広告のクリエイティブを制作する際の3つの注意点
生成AIで広告のクリエイティブを制作する際の注意点として以下の3つが挙げられます。
- ①個人情報や機密情報を入力しない
- ②画像生成AIツールが商用利用可能なものかを確認する
- ③著作権等の権利を侵害しないようにする
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
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①個人情報や機密情報を入力しない
プロンプトに入力した情報は、生成AIが学習するために、基本的にはクラウド上で保管されます。
そのため、会社内部の機密情報や顧客の個人情報などを入力してしまうと、サービス提供者や他のユーザーに機密情報が流出してしまうリスクが存在します。
したがって、生成AIに個人情報や機密情報を入力しないように注意する必要があります。
②画像生成AIツールが商用利用可能なものかを確認する
画像生成AIツールの中には、商用利用を禁止しているものや商用利用が認められるための条件を定めているものがあります。
そのため、画像生成AIツールを利用する前に、利用規約等を確認し、商用利用の可否やルールをチェックしておくことが重要です。
③著作権等の権利を侵害しないようにする
生成されたクリエイティブが、他者のコンテンツと類似するものであった場合、これをそのまま利用すると著作権侵害に該当する可能性があります。
そのため、生成されたクリエイティブが他者のコンテンツと類似していないかを確認しておくことが重要です。
生成AIで上手に広告のクリエイティブを制作する5つのコツ
生成AIで思い通りの広告クリエイティブを制作するためのコツとして以下の5つが挙げられます。
- ①できるだけ明確で具体的な質問/指示をする
- ②質問の背景や文脈を共有する
- ③回答の参考になる情報や回答例を記載する
- ④最初から完璧な回答が得られなくても、何度も修正を依頼する
- ⑤期待する回答が得られない場合、質問/指示の仕方を改善する
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
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①できるだけ明確で具体的な質問/指示をする
自分が期待する広告クリエイティブを得るためには、5W1Hを示したり、画像の構成を指定するなど、プロンプトをできるだけ明確かつ具体的に書くことが重要です。
プロンプトにあいまいな説明や表現を含めると、自分が意図しない画像が出力される可能性があるので、このような記載は避けましょう。
②質問の背景や文脈を共有する
単に質問だけをプロンプトに含めるのではなく、その質問や指示をした背景や文脈まで共有することで、回答の質を高めることができます。
また、ChatGPTに対して「デザイナーになったつもりで回答してください。」などと立場を指定することで、その立場に合わせた適切な回答がなされる可能性が高まります。
③回答の参考になる情報や回答例を記載する
プロンプトに、回答の参考になる情報や自分が期待する回答の例を含めることで、自分が求める回答が出力される確率を高めることができます。
例えば、アニメ調のクリエイティブを作成してほしい場合には、他のアニメ調の画像をChatGPTに読み込ませ「添付の画像と同じようなスタイルで作成してほしい」などと指示をすることで、自分が求める画像が得られる可能性が高まります。
④最初から完璧な回答が得られなくても、何度も修正を依頼する
質問や指示が複雑になるほど、最初のプロンプトからいきなり完璧な回答を得ることは難しくなります。一回の指示で自分の望む回答を得ようとするのではなく、シンプルな指示から得られた回答をもとに、地道にプロンプトを修正していくと、うまくいく可能性が高まります。
⑤期待する回答が得られない場合、質問/指示の仕方を改善する
丁寧なプロンプトを心掛けても、期待する回答が得られない場合も多々あります。その場合は、上で紹介した①~④を意識してプロンプトを改善する必要があります。
また、日本語ではなく英語で指示をする、一度画面を閉じて最初からやり直すなど、自分なりに工夫して改善を試みることが重要です。
生成AIで広告のクリエイティブを制作した事例5選
生成AIで広告のクリエイティブを制作した事例として、以下の5つが挙げられます。
- ①伊藤園:生成AIで作成したモデルをテレビCMに起用
- ②パルコ:広告の動画・ナレーション・音楽を全て生成AIで作成
- ③au:人気CM「三太郎」シリーズを生成AIを活用しリメイクし話題に
- ④LIFULL:生成AIで作成した1万通りのふわちゃんの画像を広告に起用
- ⑤日本コカ・コーラ:生成AIを活用した消費者参加型の広告を展開
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
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①伊藤園:生成AIで作成したモデルをテレビCMに起用
伊藤園は、リニューアル発売した「お〜いお茶 カテキン緑茶」のテレビCMに、画像生成AIで作成したモデルを起用しました。
本事例は、AIモデルをテレビCMに起用したことや、AIモデルが本物の人間と見分けのつかないクオリティに仕上がっていることから、SNSでも大きな話題となりました。
また、同社は広告モデルだけでなく、お〜いお茶の新たな商品パッケージデザインの作成にも生成AIを活用しています。
②パルコ:広告の動画・ナレーション・音楽を全て生成AIで作成
パルコは、最先端の画像生成AIを駆使したファッション広告として、「HAPPY HOLIDAYSキャンペーン」広告を制作・公開しました。
この広告では、実際のモデル撮影は行わず人物から背景にいたるまで、プロンプトから構成され、グラフィック・ムービーの他、ナレーション・音楽も全て生成AIにて作成しています。
人間のモデルではなく生成AIが作成したモデルを起用することで、モード感のある新しいファッション広告を実現しています。
③au:人気CM「三太郎」シリーズを生成AIを活用しリメイクし話題に
KDDIは、2024年のお正月を祝して、人気の「三太郎シリーズ」CMを生成AIを使ってアニメーションにリメイクし話題となりました。
視聴者はCMを視聴するだけでなく、特設サイトで自分だけのオリジナル三太郎MVを生成AIを使って作成できるという、参加型の新しいCMの形を実現しました。
この取り組みは、通常のCM以上の視聴者のロイヤリティ向上や、先進的な企業イメージの訴求への貢献に繋がっていると考えられます。
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④LIFULL:生成AIで作成した1万通りのふわちゃんの画像を広告に起用
LIFULLは、画像生成AIを活用し、1万通りのふわちゃんをモチーフとした画像を作成し、SNSでの広告キャンペーンに活用しました。
このSNS企画に参加すると、ランダムに1枚の画像と、多様な「しなきゃ、なんてない。」と言うテーマに関するメッセージが届きます。
同社は、この企画を通じて、人々が自分らしい生き方を見つけ、社会の多様性を受け入れるきっかけを提供したいと考えているとのことです。
⑤日本コカ・コーラ:生成AIを活用した消費者参加型の広告を展開
日本コカ・コーラは、広告制作に使用した画像生成AIツール「Create Real Magic」を一般公開しました。
このツールでは、ユーザーがアカウントを作成後、テーマやシーン、スタイルを選ぶことで、クリスマスカードを生成することが可能です。
利用者が生成した画像は、コカ・コーラの屋外広告やSNSで紹介され、消費者参加型の新たな広告の事例として注目を集めています。
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