商用利用可能な画像生成AIツール5選|注意点や使い方も紹介

2022年末に登場したChatGPTをきっかけに、近年ますます注目を集める生成AI。

特に、画像生成AIは、テキストを入力するだけで、どんな画像も簡単に作成できる魔法のような技術として大きな注目を集めています。

 

画像生成AIは、基本的に商用利用も可能であり、新規事業の創出や既存業務の効率化など様々なメリットを期待することができます。

 

そこで本記事では、商用利用可能な画像生成AIツール5選について、著作権等の注意点や使い方などとともにわかりやすくご紹介します。


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目次

画像生成AIの商用利用で著作権を侵害しないための2つの注意点

画像生成AIの商用利用で著作権を侵害しないための2つの注意点

画像生成AIの商用利用で著作権侵害が生じ得る場面として、以下の2つが想定されます。

 

  • ①生成AIの開発・学習の段階での他社の著作物の利用
  • ②生成AIで他社の著作物を模倣したコンテンツの公開・販売

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①生成AIの開発・学習の段階での他社の著作物の利用

1つ目のパターンは、生成AIの開発・学習の段階での他社の著作物の利用です。

 

内閣府によると、一般的にAI開発のような情報解析等において、著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用においては 、原則として著作権者の許諾なく利用することが可能とされています。

 

一方で、情報解析用に販売されているデータベースの著作物を、AI学習目的で複製する場合など、必要と認められる限度を超える場合や著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、著作権社の許諾が必要となります。

②生成AIで他社の著作物を模倣したコンテンツの公開・販売

2つ目のパターンは、生成AIで他社の著作物を模倣した画像・コンテンツの公開・販売です。

 

生成AIによって生成された画像・コンテンツの公開や販売をする際には、基本的には通常の著作権侵害の検討が適用されます。

 

生成された画像・コンテンツに、既存の画像・コンテンツとの類似性や依拠性が認められれば、著作権者は著作権侵害として損害賠償請求・差止請求が可能であるほか、刑事罰の対象となりえます。

商用利用可能な画像生成AIツール5選

デザイン業務に利用できる生成AIツール5選

商用利用可能な画像生成AIツールとして、以下の5つが挙げられます。

 

  • ①Midjourney:Discord上で利用できるハイクオリティな画像生成AI
  • ②Stable Diffusion:オープンソースとして無料で公開されている画像生成AI
  • ③DALL・E2:OpenAIが提供するクリエイティブな画像生成AI
  • ④Adobe Firefly:100を超える言語に対応したアドビの画像生成AI
  • ⑤Bing Image Creator:自動でプロンプトも作成してくれるユーザーフレンドリーな画像生成AI

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①Midjourney:Discord上で利用できるハイクオリティな画像生成AI

Midjourney:Discord上で利用できるハイクオリティな画像生成AI
(画像:Midjourney)

Midjourneyは、日本でも多くのユーザーに利用されている最も有名なハイクオリティ画像生成AIで、1600万人以上のユーザーを擁しています。チャットアプリであるDiscord上で利用でき、単語や文章などのテキストを入力するだけで簡単に画像を作成することが可能です。

 

日々バージョンが更新され、よりクオリティの高い画像を生成できるようになっており、アニメやマンガのイラスト作成やプレゼン資料の作成など様々な場面で活用することができます。

 

料金プランは、10ドルから120ドルまで複数用意されており、使う頻度や目的によって自由に選択することができます。そのため、気軽に画像生成で遊んでみたい方にとっても、本格的に仕事で使いたい方にとってもおすすめです。

②Stable Diffusion:オープンソースとして無料で公開されている画像生成AI

Stable Diffusion:オープンソースとして無料で公開されている画像生成AI
(画像:Stability AI)

Stable Diffusionは、イギリスのAIベンチャーStability AIが開発・提供している画像生成AIです。

 

Stable Diffusionの重要な特徴として、オープンソースとして無料で公開されている点が挙げられます。これは、「誰もが自由にAI技術を活用できるようになるべきである」というStability AIの考えに基づくものです。その結果、多くのユーザーから支持を集め、ユーザー数は1000万人に上ると推定されています。

 

2023年には、日本法人Stability AI Japan株式会社が設立され、日本向けのサービス提供も本格的に始動しています。

 

無料で使えるため、AIツール初心者やライトユーザーにおすすめのツールです。

③DALL・E2:OpenAIが提供するクリエイティブな画像生成AI

DALL・E2:OpenAIが提供するクリエイティブな画像生成AI
(画像:OpenAI)

DALL・E2(ダリ ツー)はChatGPTをリリースしたOpenAIが提供する画像生成AIツールです。

 

DALL・E2の特徴として、現実にはあり得ない奇想天外でクリエイティブな画像を生成できる点が挙げられます。例えば、「An astronaut riding a horse in photorealistic style.」(馬に乗っている宇宙飛行士の写実感のある画像)という一見想像しがたい画像も、上のように忠実に生成することができます。

 

回数制限はありますが、無料で利用することも可能なので、気軽に画像生成を試してみたい方にもおすすめです。

 

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④Adobe Firefly:100を超える言語に対応したアドビの画像生成AI

Adobe Firefly:100を超える言語に対応したアドビの画像生成AI
(画像:アドビ)

Adobe Fireflyは、アドビが開発し、100を超える言語に対応しているAI画像生成ツールです。

 

シンプルなテキスト入力で美しい画像やカラーパレットなど最高品質の作品を制作することができます。また、生成した画像の特定のオブジェクトを削除したり、新しいオブジェクトを追加することもできます。

 

毎月生成できる画像の枚数に応じて、無料プランとプレミアムプランがありますが、プレミアムプランでも月680円と比較的低額で利用できる点も魅力の一つです。

⑤Bing Image Creator:自動でプロンプトも作成してくれるユーザーフレンドリーな画像生成AI

Bing Image Creator:自動でプロンプトも作成してくれるユーザーフレンドリーな画像生成AI
(画像:Microsoft)

Bing Image Creatorは、Microsoftが提供する画像生成AIツールです。Microsoftのアカウントを持っていれば、無料で気軽に試すことができます。

 

Microsoftアカウントでログインし、テキストでプロンプトを入力するだけで、簡単に好みの画像を作成することができます。また、自動でプロンプトを作成してくれる機能も搭載されているので、AIサービスの利用に慣れていない初心者にも優しい設計となっています。

 

Bing Image Creatorは、対話型生成AIであるBing AIのチャット上でも利用することができ、どのような画像を生成してほしいかをチャットで指示すれば、すぐに画像が生成されます。

 

その手軽さと使いやすさから、Microsoftアカウントユーザーを中心に、今後大きく普及していくと考えられます。

画像生成AIツールを選ぶ際に注意すべき3つのポイント

画像生成AIツールを選ぶ際に注意すべき3つのポイント

画像生成AIツールを選ぶ際のポイントとして以下の3つが挙げられます。

 

  • ①目的と機能がマッチしているか
  • ②日本語に対応しているか
  • ③料金と利用価値が見合うか

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①目的と機能がマッチしているか

同じ画像生成AIツールでも、ツールによって想定している利用目的や搭載されている機能、プロ向け/初心者向けなどのレベル感は様々です。

 

そのため、日々のどのようなシーンでどのように利用するかを具体的にイメージした上で、各ツールの提供する機能がマッチしているか確認するようにしましょう。

②日本語に対応しているか

AIツールの多くは海外企業が提供していることが多く、日本語非対応のツールも数多く存在するため、利用前に公式サイト等で確認するようにしましょう。

 

また、日本語対応と記載されていても、日本語で利用する場合と英語で利用する場合の、入力・出力の精度が大きく異なるツールも存在するため、無料プラン等で日本語で試してみるのがおススメです。

③料金と利用価値が見合うか

AIツールの多くは、無料プランと有料プランが用意されていることが多く、本格的な利用をするためには有料プランへの加入が前提となっている場合もあります。

 

そのため、日々のどのようなシーンでどのように利用するかを具体的にイメージした上で、価格に見合う利用価値がありそうか、他のサービスの無料/有料プランでは代用できないのか?などの検討をした上で、自分にとってコストパフォーマンスの高いツールを選ぶようにしましょう。

画像生成AIを商用利用する3つの方法

画像生成AIを商用利用する3つの方法

画像生成AIを商用利用する方法として、主に以下の3つが挙げられます。

 

  • ①広告・プロモーションにおけるコンテンツ作成
  • ②アニメ・ゲーム等におけるコンテンツ作成
  • ③建築や製造現場等での設計デザインの作成

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①広告・プロモーションにおけるコンテンツ作成

広告・プロモーションにおけるコンテンツ作成 お~いお茶
(画像:伊藤園)

画像生成AIを活用することで、広告やプロモーションにおけるコンテンツ作成を効率化しコストを削減できます。

 

特に、広告のA/Bテストや消費者へのパーソナライズなどを目的とし、多数のコンテンツが必要な場合、画像生成AIの高速かつ効率的な生成能力は、費用対効果の高い選択肢となります。

②アニメ・ゲーム等におけるコンテンツ作成

アニメ・ゲーム等におけるコンテンツ作成 レベルファイブ
(画像:レベルファイブ)

画像生成AIを活用することで、アニメやゲームのイラスト作成業務を大幅に効率化することができます。

 

画像生成AIは、人間では思いつかないようなクリエイティブな画像を大量に生成できるので、従来よりも魅力的なプロダクトを低コスト・工数で実現することが可能となります。

③建築や製造現場等での設計デザインの作成

建築や製造現場等での設計デザインの作成 大林組
(画像:大林組)

建築や製造業界において、建築物や製品の設計デザインを画像生成AIで作成することができます。

 

製品の設計・デザインのプロセスが効率化されるとともに、人間ではなかなか思いつかなかったクリエイティブな設計・デザインが可能となります。

画像生成AIツールを使いこなすための5つのコツ

画像生成AIツールを使いこなすための5つのコツ

画像生成AIツールを使いこなすためのコツとして以下の5つが挙げられます。

 

  • ①できるだけ明確で具体的な質問/指示をする
  • ②質問の背景や文脈を共有する
  • ③作成してほしい画像の参考になる情報や例を記載する
  • ④最初から完璧な画像が得られなくても、何度も修正を依頼する
  • ⑤期待する画像が作成されない場合、質問/指示の仕方を改善する

 

画像生成AI作成ツールは非常に賢いですが、全知全能の存在というわけではありません。

そのため、人間に質問/指示をするときと同様に、丁寧なコミュニケーションを心がけることで、期待する画像のアウトプットを得ることができます。

画像生成AIの商用利用事例5選

画像生成AIの商用利用事例5選

画像生成AIの商用利用事例として、主に以下の5つが挙げられます。

 

  • ①パルコ:広告の動画・ナレーション・音楽を全て生成AIで作成
  • ②日本コカ・コーラ:AIを活用した消費者参加型の広告を展開
  • ③キンチョール:若者向けCMの企画とコンテンツ制作に生成AIを活用
  • ④大林組:生成AIがスケッチを基に建物の複数のデザイン案を提案
  • ⑤mign:リノベーションのイメージ画像を生成するAIツールを提供

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①パルコ:広告の動画・ナレーション・音楽を全て生成AIで作成

パルコ:広告の動画・ナレーション・音楽を全て生成AIで作成
(画像:パルコ)

パルコは、最先端の画像生成AIを駆使したファッション広告として、「HAPPY HOLIDAYSキャンペーン」広告を制作・公開しました。

この広告では、実際のモデル撮影は行わず人物から背景にいたるまで、プロンプトから構成され、グラフィック・ムービーの他、ナレーション・音楽も全て生成AIにて作成しています。

 

人間のモデルではなく生成AIが作成したモデルを起用することで、モード感のある新しいファッション広告を実現しています。

②日本コカ・コーラ:AIを活用した消費者参加型の広告を展開

日本コカ・コーラ:AIを活用した消費者参加型の広告を展開
(画像:日本コカ・コーラ)

日本コカ・コーラは、広告制作に使用した画像生成AIツール「Create Real Magic」を一般公開しました。

 

このツールでは、ユーザーがアカウントを作成後、テーマやシーン、スタイルを選ぶことで、クリスマスカードを生成することが可能です。

 

利用者が生成した画像は、コカ・コーラの屋外広告やSNSで紹介され、消費者参加型の新たな広告の事例として注目を集めています。

③キンチョール:若者向けCMの企画とコンテンツ制作に生成AIを活用

キンチョール:若者向けCMの企画とコンテンツ制作に生成AIを活用
(画像:大日本除虫菊)

大日本除虫菊は、生成AIを活用したロングセラー商品「キンチョール」の新CM「ヤング向け映像」篇を公開し話題となりました。

 

このCMでは、画像生成AIを活用し、未来都市と「キンチョール」を融合させたポップで革新的な映像を制作。

  

またコンテンツ制作のみならず、若者向けのユニークなCMの企画案のブレストにも対話型の生成AIが活用されています。

④大林組:生成AIがスケッチを基に建物の複数のデザイン案を提案

大林組:生成AIがスケッチを基に建物の複数のデザイン案を提案
(画像:大林組)

大林組は、初期段階の設計業務の効率化が可能な生成AIを活用したツールを開発しました。

 

このツールを用いると、建物の大まかな形状を描いたスケッチや、コンピュータで作成した3Dモデルを基にして、建物の外観デザインを複数の提案を受けることが可能です。

 

その結果、迅速なデザイン生成を可能にし、設計者が手作業で行っていた時間のかかるプロセスを省略。

 

これにより、設計者は、顧客の要望をすぐに形にし、顧客との意見のすり合わせをスムーズに行え、最終的なデザインへの合意を迅速に進めることができます。

⑤mign:リノベーションのイメージ画像を生成するAIツールを提供

mign:リノベーションのイメージ画像を生成するAIツールを提供
(画像:mign)

株式会社mignは、リノベーションプランニングを支援する画像生成AIソリューションをリリースしました。

  

このソリューションでは、リノベーション前の部屋の画像をアップロードし、変更したい雰囲気や色を記述するだけで、AIがリノベーション後のイメージ画像を即座に生成します。

  

従来の設計プロセスでは、クライアントのインタビューを基にイメージ画像を作成し、フィードバックを受けて修正を重ねる必要がありました.

 

一方、本ソリューションを活用することで、プランナーや設計者の作業負担と時間を大幅に削減し、クライアントに迅速にビジュアルで提案できます。

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