介護福祉へのAI導入事例9選|精神ケア/体調管理~事故防止まで
近年、ChatGPTなどの生成AIの登場・普及が世界的に話題となっているように、AIは人々の暮らしや仕事をより便利に・効率的にするツールとして大きな注目を集めています。
近年では、介護福祉の分野でも、AIロボットによる高齢者のケアや体調のモニタリングなどにおいてAIが活用されています。
本記事では、介護福祉分野でAIの活用を検討している方に向けて、介護福祉におけるAI導入事例を、メリットや活用のポイントとともにわかりやすくご紹介します。
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目次
- 介護福祉においてAIを導入する3つのメリット
- 介護福祉におけるAI導入事例9選
- ①アイオロスロボット:夜間巡視やUV除菌を自動で行う人型ロボット
- ②Palro:人間のような会話が可能なコミュニケーションロボット
- ③KDDI:高齢者の介護を行うロボット「MICSUS」の導入試験を実施
- ④愛媛県伊予市・西条市:AIケアプランによる高齢者自立支援の取り組みを実施
- ⑤塩屋さくら苑:1クリックで送迎計画を自動作成できるツールを導入
- ⑥AI Viewlife:ケアマネージャーの代わりに高齢者を24時間見守るロボット
- ⑦インフィック:センシング×AIで高齢者を見守るツールを導入
- ⑧ユニバーサルスペース:住宅改修理由書を生成AIが自動で作成するアプリを開発
- ⑨マクニカ:転倒や徘徊を検知し、リアルタイムでアラートする自立型カメラを開発
- 介護福祉におけるAI活用を成功させるための5つのポイント
- 介護福祉へのAI導入を進めるための4つのステップ
介護福祉においてAIを導入する3つのメリット

介護福祉においてAIを導入するメリットとして、以下の3つが挙げられます。
- ①AIロボットとの会話による精神的ケア
- ②24時間のモニタリングによる事故や病気の防止
- ③文書作成等の定型業務の自動化・効率化
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
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①AIロボットとの会話による精神的ケア

AIを搭載したロボットは、人間のように自然な会話をすることができます。このようなロボットがいつでも高齢者の話し相手になることで、高齢者を元気付け、メンタルの安定や孤独の解消に繋がります。
②24時間のモニタリングによる事故や病気の防止
AIを搭載したカメラやセンサーを高齢者の居室に設置することで、高齢者の状態を24時間自動でモニタリングできるようになります。
転倒や徘徊など、重大な事故につながる異常な事態を検知し、リアルタイムでケアマネージャーに伝えることで、迅速な対応が可能となります。
③文書作成等の定型業務の自動化・効率化
AIは、定型的な文章を自動で生成することができます。この機能を利用すれば、介護記録や介護保険の申請書類などの事務的な文書の作成を一部自動化することが可能となります。
これにより、ケアマネージャーの業務効率化、負担軽減を実現します。
介護福祉におけるAI導入事例9選

介護福祉におけるAI導入事例として、以下の9つが挙げられます。
- ①アイオロスロボット:夜間巡視やUV除菌を自動で行う人型ロボット
- ②Palro:人間のような会話が可能なコミュニケーションロボット
- ③KDDI:高齢者の介護を行うロボット「MICSUS」の導入試験を実施
- ④愛媛県伊予市・西条市:AIケアプランによる高齢者自立支援の取り組みを実施
- ⑤塩屋さくら苑:1クリックで送迎計画を自動作成できるツールを導入
- ⑥AI Viewlife:ケアマネージャーの代わりに高齢者を24時間見守るロボット
- ⑦インフィック:センシング×AIで高齢者を見守るツールを導入
- ⑧ユニバーサルスペース:住宅改修理由書を生成AIが自動で作成するアプリを開発
- ⑨マクニカ:転倒や徘徊を検知し、リアルタイムでアラートする自立型カメラを開発
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
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①アイオロスロボット:夜間巡視やUV除菌を自動で行う人型ロボット

アイオロスロボットは、AIを搭載した人型ロボットです。AIを搭載し、まるで人間のように動いたり、人やモノを認識したりすることができます。
様々なビジネス活用方法が想定されていますが、その中でも介護現場での活用が注目されています。自ら施設内を歩き回って人が良く触る場所に局所的にUV除菌をしたり、各居室を回って夜間巡視をしたりすることができます。
ドアの開け閉めやエレベーターの操作なども自分で行うことができるなど、人間のように動き回ることが可能です。ケアマネージャーの業務負担を大幅に削減します。
②Palro:人間のような会話が可能なコミュニケーションロボット

Parlo(パルロ)は、富士ソフトが開発した、介護施設や家庭でのコミュニケーションに特化したAIロボットです。
雑談やレクリエーション、受付でのお出迎えや見守りなど、様々な場面で活用され、高齢者に元気を与えます。
相手の顔や会話内容を記憶するため、話せば話すほど相手への理解を深めていきます。まるで人間のように自然に会話をすることが可能であり、多くの高齢者施設において人気の的になっています。
③KDDI:高齢者の介護を行うロボット「MICSUS」の導入試験を実施

KDDIは、シャープなどと協力し、対話型AIを搭載したロボットによる介護サービスの実証実験を開始しました。介護業界の人手不足問題を解消するために開始された取り組みです。
実験では、高齢者の居室にロボットを配置。高齢者の健康状態の把握から雑談まで、様々な方法で高齢者を支援します。ロボットとの対話内容は記録され、専用のサイトで公開されるので、高齢者の家族は自由に閲覧することができます。
これにより、ケアマネージャーの業務負担軽減や高齢者と家族のコミュニケーションの促進などを目指しています。
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④愛媛県伊予市・西条市:AIケアプランによる高齢者自立支援の取り組みを実施

愛媛県の伊予市と西条市は、高齢者の自立支援のために、AIケアプラン作成支援システムを導入する実証実験を行いました。
実証実験には、株式会社シーディーアイが提供するAIケアプランシステム「SOIN(そわん)」が使われました。このツールは、支援を必要とする高齢者の健康状態をもとにAIが適切なケアプランを提案したり、高齢者の今後の状態をAIが予測したりすることができる介護支援システムです。
本実証実験では、ケアマネージャーがSOINから提案されたAIケアプランを参考にケアマネジメントを実施。8割のケアマネージャーが、SOINのケアプランが適切であると実感するなど、今後の本格活用に期待が持てる成果が得られました。
⑤塩屋さくら苑:1クリックで送迎計画を自動作成できるツールを導入

神戸にある高齢者福祉施設の塩屋さくら苑は、高齢者の送迎計画をAIが自動で作成するツール「DRIVEBOSS」を導入しました。
塩屋さくら苑は、1日約30名の利用者を6台の車両で送迎しています。従来は、担当者がホワイトボードで送迎計画を作成していましたが、決まった担当者しか作成することができず、業務が属人化していました。
DRIVEBOSSは、事故リスクを最小化しつつ、最短の時間で送迎ができるような計画を一瞬で作成します。これにより、1クリックで簡単に送迎計画を作成することが可能となり、業務を大幅に効率化することに成功しました。
⑥AI Viewlife:ケアマネージャーの代わりに高齢者を24時間見守るロボット

AI Viewlifeは、AIを搭載した自立支援型見守りロボットです。夜間の高齢者の見守りや体調把握、転倒の検知や原因分析等を行い、介護事業者の負担軽減を実現します。
高齢者の居室に、AIセンサーやカメラを設置。高齢者の様子を24時間監視して、異常があればすぐにケアマネージャーの携帯電話に通知します。また、通話機能もあるため、ケアマネージャーは、逐一居室を訪問しなくても遠隔で高齢者と会話をすることが可能です。
これにより、ケアマネージャーが自ら見回りをしたり、居室を訪問しなければならなくなる回数が減少し、業務負担を軽減することができます。
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⑦インフィック:センシング×AIで高齢者を見守るツールを導入

介護支援を手掛けるインフィックは、センシング技術とAIを活用した介護業務支援システム「LASHIC+」(ラシクプラス)を導入しました。
温度や人感をセンシングできるセンサーと、そこからの情報を解析できるAIにより、施設入居者の行動を把握。異常な行動を検出したら、ケアマネージャーにすぐに通知します。
取得するデータは、温度や人感にとどまるため、カメラで撮影する方法と異なり、高齢者のプライバシーに配慮した形での監視が可能となります。
⑧ユニバーサルスペース:住宅改修理由書を生成AIが自動で作成するアプリを開発

介護リフォーム事業を手掛けるユニバーサルスペースは、在宅介護のための住宅改修に必要となる申請書類を生成AIが自動で作成するアプリを開発しています。
要介護者が、住宅において手すりやスロープを設置するために必要な費用は介護保険の対象となります。しかし、保険を受けるためには、ケアマネージャーが理由書を提出しなければならず、これが負担となっていました。
ユニバーサルスペースのアプリを使えば、キーワードを入力するだけで、生成AIが自動で理由書を生成。10分ほどで申請書類を作成することができ、業務負担が軽減されます。
⑨マクニカ:転倒や徘徊を検知し、リアルタイムでアラートする自立型カメラを開発

マクニカは、転倒や徘徊などの重大な事故を検知し、即時にケアマネージャーに通知する自立型AIカメラ「VCare」を提供しています。
病院や介護施設などに設置することで、すぐに利用可能となります。24時間のモニタリングにより、異常な行動をリアルタイムで検知し、事故の防止や入院の回避を実現します。
また、個人特定防止のためのフィルター機能を備えているため、利用者のプライバシーに配慮した形での利用が可能となっています。
介護福祉におけるAI活用を成功させるための5つのポイント

介護福祉分野におけるAI活用を成功させるためのポイントとして以下の5つが挙げられます。
- ①中長期でのAI活用戦略の策定
- ②投資対効果の高い活用目的・方法の選定
- ③アジャイルアプローチでの開発・導入
- ④システムとルールの両面からのリスク管理
- ⑤研修等での社員のAI活用リテラシー向上
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
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①中長期でのAI活用戦略の策定
AIの性能進化が加速しているこれからの時代、足元の取り組みはもちろん、3年・5年スパンでAIをどこまでダイナミックに活用できるかが、企業の競争優位性に直結します。
また、AI活用のレベルは、比較的簡単な各社員のAIツール利用による生産性向上から、AI活用による業務プロセス革新、顧客向けサービスの進化、新サービス/商品の創出まで様々です。
そのため、中長期で目指すAI活用の姿を見据え、その実現に向け逆算したロードマップや、まず足元進めるべき活用を設計することが重要です。
②投資対効果の高い活用目的・方法の選定
AIは人間と同様、全ての業務に対して万能という訳ではなく、膨大なデータに基づいた分析や対応、コンテンツ制作は得意だが、複雑な問いに対して正確な答えを出すのは苦手といった、得意不得意が明確に存在します。
そのため、自社の業務の現状やAIの特徴を踏まえた上で、どのような課題/目的に対して、どのようなアプローチ/範囲/ツールで活用を進めるかを、検討・選定するステップがプロジェクトの投資対効果を左右する、極めて重要なプロセスとなります。
③アジャイルアプローチでの開発・導入
AIは、一度開発・導入して終わりという進め方ではなく、何度もモデル・学習データ・利用方法等を細かくカスタマイズしなおすことで、より理想とする活用を実現することができます。
具体的には、初期仮説に基づいた簡易的なプロトタイプを構築し実際に利用してみる、というサイクルを、1サイクル数週間~数ヶ月の期間で何度も繰り返し、ブラッシュアップしていくという、アジャイル開発のアプローチを取ることが適しています。
④システムとルールの両面からのリスク管理
AI活用に踏み切れない最大の理由として、機密情報漏洩などのリスクへの懸念が挙げられます。
確かに、社員に特段ルールを設けず、一般に公開されているAIツールを使用させるなどの場合、様々な問題が発生する可能性は存在します。
一方で、セキュリティ対策を行ったシステム構築や、社員向けのAIの使用ルールやガイドラインの策定により、リスクをマネジメントし最小化することが可能です。
⑤研修等での社員のAI活用リテラシー向上
AI(特に生成AI)を活用するにあたっては、同じAIを利用していても、使い手のリテラシーによって成果が大きく左右されるという点に注意が必要です。
そのため、AIのポテンシャルを最大限に活用するためには、従業員のAIに対する理解とスキル、すなわちAI活用リテラシーを向上させることが不可欠です。
そこで、研修プログラムや実践的なトレーニングを通じて、従業員がAIの基本的な知識、適切な使用方法、関連するリスクを理解してもらい、効率的かつ責任ある方法で使用できる環境の構築が重要となります。
介護福祉へのAI導入を進めるための4つのステップ

介護福祉の分野でAI導入を進めるための流れとして、以下の4つのステップがあげられます。
<STEP1:活用業務の選定>
- 最新の市場動向のリサーチ
- 自社での活用対象業務の幅出し・選定
- AI活用の目的・目標の設定
<STEP2:活用範囲と業務プロセスの決定>
- 対象業務の棚卸し・効率化余地の検討
- AIを活用する業務範囲の決定
- AIと人間の役割分担の設計
<STEP3:試験開発・運用(PoC)>
- 要件定義・プロトタイプ開発
- 試験運用
- フィードバック収集・評価
<STEP4:本開発・運用>
- PoCを踏まえた本開発
- 運用・評価
- 活用方針・方法の継続的なカイゼン
各ステップについてわかりやすく紹介していきます。
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STEP1:活用業務の選定
AIは、定型的な社内業務の効率化から新規事業創出まで幅広い業務に活用可能だからこそ、AI活用の投資対効果が高い業務を適切に選定することが最も重要となります。
最新の技術や競合の活用動向をキャッチアップした上で、自社の活用可能性の幅出し・整理を行います。その上で、AIをどのような業務・目的・成果目標で導入するかを設定しましょう。
STEP2:活用範囲と業務プロセスの決定
大きなポテンシャルを持つAI活用ですが、人間と同様、どのようなシチュエーション・任せ方でも万能というわけではありません。
そのため、活用業務の現状・課題と、AI・人間の得意/不得意を踏まえた上で、どの範囲の業務をどのように人間と協業しながら任せるかを決定することが重要になります。
STEP3:試験開発・運用(PoC)
いきなり大規模な導入を進めるのではなく、比較的小規模な試験開発・運用(PoC)により、その有効性を確かめることで、AI活用全体の投資対効果を大きく高めることが可能です。
検証したい仮説を事前に明確にした上で、実際にプロトタイプでの試験運用を行い、活用業務や方法の改善ポイントを洗い出しましょう。
STEP4:本開発・運用
PoCで得られた改善ポイントに基づき、自社の経営課題・業務の現状にベストマッチするAI活用の内容やシステムの要件を再度設計し、本開発を行います。
また、本開発後も継続的に成果や活用状況を評価し、継続的なカイゼンを行うことで、自社でのAI活用のインパクトを最大化することができます。
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