AIのコールセンターへの導入・活用事例5選|メリットも紹介

2022年末に登場したChatGPTなど、AIはますます性能が向上しており、幅広い業界の企業が業務効率化やサービスの付加価値向上などに向けた活用を進めています。

近年では、多くの企業の間で、AIを活用してコールセンターでの顧客対応を自動化する試みがなされています。

 

そこで本記事では、コールセンターへのAI導入を検討されている方向けに、導入のメリットや実際の導入・活用事例、活用を成功させるポイントをまとめてご紹介します。


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そもそもAI(人工知能)とは?

そもそもAI(人工知能)とは

AIとは、「Artificial Intelligence(人工知能)」の略称で、コンピューターがまるで人間のように学習・判断・予測などの知的作業を行うことを可能にする技術のことを指します。

  

例えば、画像を認識し異常を検知する、過去のデータから未来を予測する、依頼を元に文章や画像を作成するなどの様々な活用が可能です。

 

近年、ビッグデータの蓄積や分析技術の進歩などにより、2020年以降その性能が飛躍的に向上し、幅広い業界・用途での活用が急激に進んでいます。

 

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AIをコールセンターに導入する2つのメリット

AIをコールセンターに導入する2つのメリット

AIをコールセンターに導入する代表的なメリットとして以下の2つが挙げられます。

 

  • ①顧客対応の最適化・自動化による業務効率化・コスト削減
  • ②顧客対応の最適化・自動化による顧客満足度向上

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①顧客対応の最適化・自動化による業務効率化・コスト削減

AIを活用したチャットボットを導入することで、一部の顧客対応業務を自動化することができ、業務効率化やコスト削減を実現することができます。

 

特に従来コールセンターやお客様対応窓口などが行っていた、定型的な顧客対応はAIによる自動化が容易です。それらの業務担当を従業員からAIに置き換えることで、コストを削減したり、より重要な業務に注力してもらったりと、企業の競争力強化に繋げることができます。

②顧客対応の最適化・自動化による顧客満足度向上

AIと社内データを活用し、顧客対応向けの独自のチャットボットなどを構築することで、顧客からの問い合わせ等に対して、24時間365日自動対応し、パーソナライズされた回答やサポートを行うことができます。

 

AIと人間が適切な分担を行うことで、従来よりスムーズできめ細やかな顧客が提供可能となり、顧客/ユーザーの満足度が向上します。

【2024年最新】AIのコールセンターへの導入・活用事例5選

【2024年最新】AIのコールセンターへの導入・活用事例5選

AIのコールセンターへの導入・活用事例として、主に以下の5つが挙げられます。

 

  • ①ヤマト運輸:AIオペレータによる集荷依頼対応の自動化
  • ②ソネット:AI音声認識システムの導入で業務時間が電話1件につき90秒短縮
  • ③ベネッセ:AIを活用した次世代のコンタクトセンターの実現へ
  • ④ベルシステム:AIと人間の協働によりコールセンター業務を効率化
  • ⑤トランスコスモス:AIを活用しエスカレーションを6割削減

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①ヤマト運輸:AIオペレータによる集荷依頼対応の自動化

ヤマト運輸:AIオペレータによる集荷依頼対応の自動化
(画像:ヤマト運輸)

ヤマト運輸は、顧客からの集荷依頼の電話にAIの自動音声オペレータが対応する「AIオペレータ」を導入しています。

 

顧客がヤマト運輸のサービスセンターに電話し、音声ガイダンスに従いボタンを押すと、AIオペレータの受付が開始されます。オペレータに、集荷先の住所や希望する配達時間を伝えると、AIが音声を認識します。

 

これにより、顧客からの電話対応にかかる人員コストの大幅な削減、業務効率化に成功しました。

②ソネット:AI音声認識システムの導入で業務時間が電話1件につき90秒短縮

ソネット:AI音声認識システムの導入で業務時間が電話1件につき90秒短縮
(画像:ソネット)

ソネットは、全国8拠点1400席のコールセンターにAI音声認識システムを導入しました。

 

顧客との会話の音声をAIがテキストデータとして自動で記録。問い合わせ対応後の後処理時間が電話1件につき90秒短縮されました。これにより人件費の削減を実現しています。

 

また、会話内容が可視化されることで、オペレーターの応対品質やパフォーマンスのばらつきを抑え、顧客対応の質向上や均一化にも繋がっています。

③ベネッセ:AIを活用した次世代のコンタクトセンターの実現へ

ベネッセ:AIを活用した次世代のコンタクトセンターの実現へ
(画像:TMJ)

ベネッセホールディングスがAI活用を前提とした次世代型コンタクトセンターを実現するプロジェクトを発表しました。

 

まずは、オペレーターの回答支援や応対履歴の要約などで生産性の向上を図り、その後チャットボットの精度向上や、自動応答による「つながらない、待たせる」の解消といった領域へと対象を拡大予定とのことです。

 

結果として、待ち時間短縮などの顧客の問い合わせ体験の向上と業務プロセスの効率化を目指しています。

④ベルシステム:AIと人間の協働によりコールセンター業務を効率化

ベルシステム:AIと人間の協働によりコールセンター業務を効率化
(画像:ベルシステム)

コールセンターのベルシステム24は、AIと人の力を融合させたハイブリッド型コールセンター運営サービスを提供しています。

 

このサービスでは、AIチャットボットが顧客からの問い合わせを受け、簡単な質問には即座にAIが回答し、難しい問い合わせには人間が対応するアプローチを取っています。

 

この新たなアプローチにより、顧客サービスの迅速化と効率化を図り、高品質な顧客対応を実現しています。

 

また、AIの導入により企業側の大幅なコスト削減にも貢献しています。

⑤トランスコスモス:AIを活用しエスカレーションを6割削減

トランスコスモス:AIを活用しエスカレーションを6割削減
(画像:トランスコスモス)

トランスコスモスは、AIを活用してコールセンターの生産性と対応品質を向上させる取り組みを進めています。

 

顧客からの難しい質問に対して、オペレーターが直接AIに問い合わせ、過去の社内ドキュメントから最適な回答を得る方法を採用しています。

 

この取り組みにより、最初に電話を受けたオペレーターが、専門知識を有する別の担当者に質問を引き継ぐ「エスカレーション」の件数を6割削減する見込みとのことで、顧客の待ち時間の大幅な短縮が期待されています。

企業がAI活用を成功させるための5つのポイント

企業がAI活用を成功させるための5つのポイント

企業がAI活用を成功させるためのポイントとして以下の5つが挙げられます。

 

  • ①中長期でのAI活用戦略の策定
  • ②投資対効果の高い活用目的・方法の選定
  • ③アジャイルアプローチでの開発・導入
  • ④システムとルールの両面からのリスク管理
  • ⑤研修等での社員のAI活用リテラシー向上

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①中長期でのAI活用戦略の策定

AIの性能進化が加速しているこれからの時代、足元の取り組みはもちろん、3年・5年スパンでAIをどこまでダイナミックに活用できるかが、企業の競争優位性に直結します。

 

また、AI活用のレベルは、比較的簡単な各社員のAIツール利用による生産性向上から、AI活用による業務プロセス革新、顧客向けサービスの進化、新サービス/商品の創出まで様々です。

 

そのため、中長期で目指すAI活用の姿を見据え、その実現に向け逆算したロードマップや、まず足元進めるべき活用を設計することが重要です。

②投資対効果の高い活用目的・方法の選定

AIは人間と同様、全ての業務に対して万能という訳ではなく、膨大なデータに基づいた分析や対応、コンテンツ制作は得意だが、複雑な問いに対して正確な答えを出すのは苦手といった、得意不得意が明確に存在します。

 

そのため、自社の業務の現状やAIの特徴を踏まえた上で、どのような課題/目的に対して、どのようなアプローチ/範囲/ツールで活用を進めるかを、検討・選定するステップがプロジェクトの投資対効果を左右する、極めて重要なプロセスとなります。

③アジャイルアプローチでの開発・導入

AIは、一度開発・導入して終わりという進め方ではなく、何度もモデル・学習データ・利用方法等を細かくカスタマイズしなおすことで、より理想とする活用を実現することができます。

 

具体的には、初期仮説に基づいた簡易的なプロトタイプを構築し実際に利用してみる、というサイクルを、1サイクル数週間~数ヶ月の期間で何度も繰り返し、ブラッシュアップしていくという、アジャイル開発のアプローチを取ることが適しています。

④システムとルールの両面からのリスク管理

企業がAI活用に踏み切れない最大の理由として、機密情報漏洩などのリスクへの懸念が挙げられます。

 

確かに、社員に特段ルールを設けず、一般に公開されているAIツールを使用させるなどの場合、様々な問題が発生する可能性は存在します。

 

一方で、セキュリティ対策を行ったシステム構築や、社員向けのAIの使用ルールやガイドラインの策定により、リスクをマネジメントし最小化することが可能です。

⑤研修等での社員のAI活用リテラシー向上

AI(特に生成AI)を活用するにあたっては、同じAIを利用していても、使い手のリテラシーによって成果が大きく左右されるという点に注意が必要です。

 

そのため、AIのポテンシャルを最大限に活用するためには、従業員のAIに対する理解とスキル、すなわちAI活用リテラシーを向上させることが不可欠です。

 

そこで、研修プログラムや実践的なトレーニングを通じて、従業員がAIの基本的な知識、適切な使用方法、関連するリスクを理解してもらい、効率的かつ責任ある方法で使用できる環境の構築が重要となります。

企業がAIを活用するための4つのステップ

企業がAIを導入するための4つのステップ

企業がAI導入を進めるための流れとして、以下の4つのステップがあげられます。

 

<STEP1:活用業務の選定>

  • 最新の市場動向のリサーチ
  • 自社での活用対象業務の幅出し・選定
  • AI活用の目的・目標の設定

 

<STEP2:活用範囲と業務プロセスの決定>

  • 対象業務の棚卸し・効率化余地の検討
  • AIを活用する業務範囲の決定
  • AIと人間の役割分担の設計

 

<STEP3:試験開発・運用(PoC)>

  • 要件定義・プロトタイプ開発
  • 試験運用
  • フィードバック収集・評価

 

<STEP4:本開発・運用>

  • PoCを踏まえた本開発
  • 運用・評価
  • 活用方針・方法の継続的なカイゼン

 

各ステップについてわかりやすく紹介していきます。

 

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STEP1:活用業務の選定

AIは、定型的な社内業務の効率化から新規事業創出まで幅広い業務に活用可能だからこそ、

AI活用の投資対効果が高い業務を適切に選定することが最も重要となります。

  

最新の技術や競合の活用動向をキャッチアップした上で、自社の活用可能性の幅出し・整理を行います。その上で、AIをどのような業務・目的・成果目標で導入するかを設定しましょう。

STEP2:活用範囲と業務プロセスの決定

大きなポテンシャルを持つAI活用ですが、人間と同様、どのようなシチュエーション・任せ方でも万能というわけではありません

 

そのため、活用業務の現状・課題と、AI・人間の得意/不得意を踏まえた上で、どの範囲の業務をどのように人間と協業しながら任せるかを決定することが重要になります。

 

STEP3:試験開発・運用(PoC)

いきなり大規模な導入を進めるのではなく、比較的小規模な試験開発・運用(PoC)により、その有効性を確かめることで、AI活用全体の投資対効果を大きく高めることが可能です。

 

検証したい仮説を事前に明確にした上で、実際にプロトタイプでの試験運用を行い、活用業務や方法の改善ポイントを洗い出しましょう。

STEP4:本開発・運用

PoCで得られた改善ポイントに基づき、自社の経営課題・業務の現状にベストマッチするAI活用の内容やシステムの要件を再度設計し、本開発を行います。

 

また、本開発後も継続的に成果や活用状況を評価し、継続的なカイゼンを行うことで、自社でのAI活用のインパクトを最大化することができます。

監修者

西本 匠

ボストンコンサルティンググループにて製造/IT業界等の数多くのリーディングカンパニーへのAI活用戦略策定/実行支援に従事 AIを活用した新規事業創出から社内活用推進に向けた戦略策定/導入支援まで豊富な実績・知見を有する 慶應義塾大学経済学部卒業

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