AR会議とは?3つのメリットや代表的なサービスも紹介

コロナウイルス感染拡大の影響を受け多くの企業がリモートワーク体制への移行を進めています。そんななか、リモートワーク環境でのコミュニケーションにARを活用しようという動きが始まっており、AR会議サービスが、注目を集めています。

 

一方で、「AR会議を行うメリットがわからない」「どのサービスを選べばいいか悩んでいる」という方も多いのではないでしょうか?

 

そこで今回は、AR会議のメリットやサービスの事例をわかりやすくご紹介します。

本記事は、以下のような方におススメの記事となっています。

 

  • AR会議サービスにはどのようなものがあるのか知りたい
  • AR会議を導入するメリットをおさえておきたい

 

本記事を読めば、代表的なAR会議サービスの概要からAR会議導入のメリットまで効率良くキャッチアップできると思いますので、ぜひ最後までご一読ください。


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そもそもARとは?

そもそもARとは? ポケモンGO
(画像:ポケモン)

ARとはAugumeted Realityの略称で、拡張現実とも呼ばれます。リアルの世界にデジタルの情報/コンテンツを視覚的に重ね合わせることで、リアルの世界を拡張する技術のことを指します。ARには、ゴーグルを装着せずに、スマートフォンやタブレットの画面にデジタルの情報/コンテンツを表示させるものも含みます。

 

ARを活用することで、「Pokemon Go」のように、リアルの街にポケモンが存在するかのようなゲームを楽しんだり、「GoogleMap」のARナビのように、リアルの街に道順を示す矢印などの情報が表示され、スムーズに目的地にたどり着くことができたりと、私たちの暮らしをより豊かに・便利にすることができます。

ARで会議を行う3つのメリット

ARで会議を行う3つのメリット

ARで会議を行うメリットとして以下の3つが挙げられます。

 

  • ①生産性の向上
  • ②コミュニケーションの円滑化
  • ③自然発生的なコミュニケ―ションの創出

 

それぞれのメリットについて分かりやすく紹介していきます。

 

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①生産性の向上

リモートワーク環境において、ディスカッションをしながら会議を進めるなど複数人での仕事に関して、ホワイトボートを用いてイメージを共有することができないなど、オフィスでの作業と比べて生産性が落ちてしまう場面が存在します。そこでARを活用することで、ホワイトボードなどをバーチャル上に再現し生産性を高めることができます。

②コミュニケーションの円滑化

SlackなどのチャットツールやZOOMなどのビデオ通話の活用により、以前よりはコミュニケーションが活発に行われるようになったものの、相手の細かい表情やボディーランゲージなどから相手の心理状況や伝えたいニュアンスを読み取ることは難しいのが現状です。

 

そこでARを導入し、ホログラブで人物の姿をリアルに映し出すことで、それらの課題を解決し、よりコミュニケーションを円滑化することができます。

③自然発生的なコミュニケ―ションの創出

自然発生的なコミュニケ―ションの創出 Webex
(画像:Webex)

リモートワーク環境下では、SlackなどのチャットツールやZOOMなどのビデオ通話の活用により、明確な目的がある際のコミュニケーションは行えるものの、オフィスでたまたま近くにいる同僚と雑談するといった自然発生的なコミュニケーションの機会が限られているのが現状です。

 

そのため、ARを導入することで、自然発生的なコミュニケーションの機会を創出し、社員同士での心理的な繋がりや新たな取り組みへのきっかけを提供することができます。

代表的なAR会議サービスWebex Hologramとは?

代表的なAR会議サービスWebex Hologramとは?
(画像:Webex)

概要

Webex Hologramとは、Ciscoが販売している、Microsoft HoloLensなどのARヘッドセットを使ったWeb会議ツールです。

 

ビデオ会議ツールのWebexとARヘッドセットを通じて連携し、オンライン会議においてデジタルコンテンツを空間に浮かべて共有したり、ホログラムで会議出席者の姿を映し出したりすることでリアルに近いコミュニケーションを実現することを可能とするものです。

Webex Hologramでできること3選

Webex Hologramでできること3選

Webex Hologramでできることとして、以下の3つが挙げられます。

 

  • ①3Dオブジェクトを空間に浮かべて共有
  • ②人物のホログラムのリアルタイムな表示
  • ③実物とデジタルコンテンツを組み合わせたプレゼンの実施

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①3Dオブジェクトを空間に浮かべて共有

3Dオブジェクトを空間に浮かべて共有 Webex
(画像:Webex)

Webex Hologramを用いることで、3Dオブジェクトを空間に浮かべて共有することができます。例えば、ホワイトボードを表示させて全員が文字を書けるようにしたり、立体的な模型を表示させてそれを見ながら議論したりすることが可能となります。

 

このような従来のオンライン会議では実現できなかったことが、ARを用いることでできるようになり、会議の生産性が大幅に向上すると考えられます。

②人物のホログラムのリアルタイムな表示

人物のホログラムのリアルタイムな表示 Webex
(画像:Webex)

Webex Hologramにより、離れた場所から出席する参加者の姿をホログラムによって表示することができます。これにより、離れていてもまるでその場にいるかのような臨場感を保ちながら会議をすることができます。

 

相手の表情やジェスチャーなどの細かい動きを確認することができないという従来のオンライン会議の弱点を克服し、よりリアルなコミュニケーションが可能となります。

③実物とデジタルコンテンツを組み合わせたプレゼンの実施

Webex Hologramにより現実空間に表示されたデジタルコンテンツと実物を組み合わせることで、より分かりやすいプレゼンを実施することができます。

 

例えば、新しい機械の開発プレゼンでは、実際に制作する予定の機械をARにより表示させることで、聴衆により鮮明なイメージを与えることが可能となります。

 

このように、Webex HologramのAR技術により、リアルでは実現できないより精度の高いプレゼンを行うことができます。

おススメのXR会議サービス7選

おススメのXR会議サービスとして、以下の7つが挙げられます。

 

  • ①Horizon Workrooms:Meta社の提供するバーチャル会議室サービス
  • ②Mesh for Microsoft Teams:マイクロソフト社の提供するアバター会議ツール
  • oVice:自由に動いて話しかけられるバーチャル空間
  • ④Gather:ドット絵RPG風の2Dのマップオフィス
  • ⑤MetaLife:オフィスや教室として利用できるコミュニケーションツール
  • ⑥remo:会議に活用できる総合プラットフォーム
  • ⑦WHITEROOM:VRとMRに対応したメタバースプラットフォーム

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①Horizon Workrooms:Meta社の提供するバーチャル会議室サービス

Horizon Workrooms:Meta社の提供するバーチャル会議室サービス
(画像:Meta)

Horizon WorkroomsとはMeta社が提供しているバーチャル会議室サービスです。どこにいても、同僚とより良く一緒に仕事をすることを目的としており、アバターとしてVR空間で会議に参加したり、パソコンのビデオ通話でバーチャルルームにダイヤルインしたりすることができます。

 

また、参加者のアイデアをまとめるために大きなバーチャルホワイトボードを使用したり、自分のコンピューターやキーボードをVR空間に持ち込んだりすることができます。

料金プランは無償であり、Oculus Quest 2の利用可能な全ての国でHorizon Workroomsをダウンロードすることができます。

 

Horizon Workroomsの特徴としては大きく2点あり、1点目がデスク、パソコン、キーボードも一緒にVR空間へ持っていける点、2点目が同僚と一緒にいるような感覚になる点です。

 

1点目のデスク、パソコン、キーボードも一緒にVR空間へ持っていける点に関しては、「Horizon Workrooms」は、複合現実であり、物理的なデスクやキーボードをバーチャルルームに持ち込み、バーチャル会議室の机の上に置くことができますです。

 

2点目の同僚と一緒にいるような感覚になる点に関しては、高品質かつ低遅延の空間オーディオにより、着席している位置によって声の聞こえ方が変わるため、まるで実際に同じ部屋で仕事をしているかのように感じることができます。

 

Horizon WorkroomsはMeta社が提供しているため、今後ユーザー数が大きく伸びると予想されるメタバースのオフィスの一つです。

②Mesh for Microsoft Teams:マイクロソフト社の提供するアバター会議ツール

Mesh for Microsoft Teams:マイクロソフト社の提供するアバター会議ツール
(画像:マイクロソフト)

Mesh for Microsoft Teamsとはマイクロソフトが提供しているアバター会議ツールです。会議へ参加する人のコミュニケーション活性化を目的としており、Microsoft Meshの複合現実機能(アバターなど)とTeams の生産性向上ツール(チャット、会話)などを融合させています。

 

正式リリースがされていないため、料金プランは未定だがTeamsの月額費用(¥0〜¥1,360* プランによって異なる)に含まれることが予想される。

 

Mesh for Microsoft Teamsの特徴としては大きく2点あり、1点目がOfficeアプリケーションとの統合ができる点、2点目がドロップインスペース(雑談ができる空間)がある点です。

 

1点目のOfficeアプリケーションとの統合ができるに関しては、Officeアプリケーションとの統合によって、PowerPointのプレゼンテーションなどを会議中に表示することができます。

 

2点目のドロップインスペース(雑談ができる空間)がある点に関しては、新しいアイディアやビジネスチャンスを生み出すことを目的として、メンバー同士の自然で自発的なやりとりが発生するスペースを常に設けています。

 

Mesh for Microsoft Teamsはマイクロソフト社が提供しているサービスであるため、今後はマイクロソフトのユーザーアセットを活用して、ユーザー数が大きく伸びると予想されるメタバースのオフィスの一つです。

③oVice:自由に動いて話しかけられるバーチャル空間

oVice:自由に動いて話しかけられるバーチャル空間
(画像:oVice)

oViceとはoVice株式会社が提供している自由に動いて話しかけられるバーチャル空間サービスです。「オンラインでのコミュニケーションを最大化」することを目指して開発されたバーチャル空間で、アバターを使ってオンライン画面上を自由に動いて自由に話しかけることができます。

 

料金プランはオフィス利用におすすめの継続利用とイベントにおすすめの単発利用があり、継続利用は月額¥5,500〜、単発利用は週額¥2,750〜利用することができます。また、データダッシュボードもオプションとして月額¥5,500で追加することができます。

 

oViceの特徴としては大きく2点あり、1点目がアバター間の距離に応じて声の大きさが変化する点、2点目がひと目でバーチャル空間全体を把握できる点です。1点目のアバター間の距離に応じて声の大きさが変化する点に関しては、アバターを使ってオンライン画面上を自由に動いて自由に話しかけることができ、自分のアバターに近い声は大きく、遠くの声は小さく聞こえる仕組みが導入されています。2点目のひと目でバーチャル空間全体を把握できる点に関しては、上記の写真のようにバーチャル空間全体をひと目で見渡して、誰がどこにいるかを確認することができます。

 

これらの特徴が多くのユーザーに刺さり、利用企業数は2,034社以上、60,000人以上がoVice(オヴィス)を利用しています。

 

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④Gather:ドット絵RPG風の2Dのマップオフィス

Gather:ドット絵RPG風の2Dのマップオフィス
(画像:Gather)

GatherとはGather Presence社が提供しているリモートワーク向けのメタバースオフィスサービスです。ドット絵RPG風の2DのマップとWeb通話システムを組み合わせて作成されており、各ユーザーは各々のアバターの姿でマップ上を歩き回ることができ、マップ自体もカスタマイズ可能です。

 

また、通話はマップ上の距離が近いユーザー同士が自動で接続され、距離が離れるごとに音量が小さくなっていく仕様となっており、実際にリアルなオフィスで話しているような体験をすることが可能です。

料金プランは1チーム10人までは無料で利用することができ、それ以降はいくつかのプランから選んで課金することで、ユーザー1人当たりの使用時間や参加人数の上限を開放することができます。

 

Gatherの特徴としては大きく2点あり、1点目がカジュアルな雑談のきっかけが生まれる点、2点目が程よいプライベート空間が確保できる点です。

 

1点目のカジュアルな雑談のきっかけが生まれる点に関しては、他のSlackやZOOM、Discordなどのリモートワークツールに比べ、わざわざ機会を作らずとも、たまたま近くにいた同僚と話すことができるという特徴があります。そのため、リアルなオフィスで働いているのに近い環境を再現することができます。

 

2点目の程よいプライベート空間が確保できる点に関しては、GatherにはMapmakerという機能が搭載されており、その機能を使うと他のユーザーに話しかけられないプライベート空間を設定することができます。そのため、作業に集中したい時間はそのエリアに移動し集中するということが可能です。

 

これらの特徴が多くのユーザーに刺さり、Gatherは2020年のサービス提供開始以来、世界のユーザー数が累計1,500万人を突破するなど、コロナ禍でのリモートワークへの移行をきっかけに多くのユーザーに利用されています。

⑤MetaLife:オフィスや教室として利用できるコミュニケーションツール

MetaLife:オフィスや教室として利用できるコミュニケーションツール
(画像:MetaLife)

MetaLifeとは株式会社ベンドが提供しているオフィスやイベントスペースや教室として利用できるコミュニケーションツールです。「みんなと集まる」という現実世界の感覚をオンライン上で再現できるメタバース空間であり、様々な用途に利用できるサービスです。

 

料金プランは1チーム25人までは無料で利用することができ、それ以降は継続利用は月額¥22,000〜、単発利用は週額¥2,750〜利用することができます。

 

MetaLifeの特徴としては大きく2点あり、1点目がリアルに近いコミュニケーションが出来る点、2点目がメタバース空間の種類が豊富な点です。

 

1点目のリアルに近いコミュニケーションが出来る点に関しては、チームの全員がアバターとなってひとつのスペースに参加して、話しかけたいときはアバターを近づけるだけという特徴があります。

 

2点目のメタバース空間の種類が豊富な点に関しては、MetaLifeにはオフィス、学校の教室、豪邸、ビーチ、宇宙といった何百種類ものデザインが用意されており、必要に応じて使い分けることができます。ユーザー数が他のサービスと比較すると少ないですが、大企業から個人まで累計10,000人以上に利用されています。

⑥remo:会議に活用できる総合プラットフォーム

remo:会議に活用できる総合プラットフォーム
(画像:remo)

remoとはWebイベント会場やバーチャルオフィス、教室等でのイベント開催の総合プラットフォームです。 用途に合わせて2D、3Dのテンプレートが豊富に用意されています。プレゼンテーション登壇者にリアルタイムでリアクションができたり、投票やクイズ等の参加型イベントの実施ができたりと、Remoならではの双方向コミュニケーションが特徴です。

 

ビジネス向けクラウドサービスのレビューサイトITreviewにおいて開催された「I Treview Grid Award 2023 Winterにて、認知度、満足度が高いツールとして評価され、ウェビナー、仮想オフィスを含む3部門で受賞しています。国内ではSONYや京都大学など幅広い分野で活用されています。

 

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⑦WHITEROOM:VRとMRに対応したメタバースプラットフォーム

WHITEROOM:VRとMRに対応したメタバースプラットフォーム
(画像:大和ハウス)

大和ハウスグループの南国アールスタジオ株式会社が展開するリモートワーク向けメタバースプラットフォーム「WHITEROOM」はVRとMRの両方に対応した新型ヘッドセット「Meta Quest Pro」に対応しています。ネットワーク環境があれば、どこからでもVR/MRに対応したデバイスを使って複数人で同じ空間に集まりコミュニケーションできます。自宅で会議やプレゼンを行う際にはVR、現場でのトレーニングやオフィスの会議室で利用する際にはMRと使い分けすることができます。

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

株式会社メタバース総研(現・CREX)代表取締役社長。
慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却後、日本企業の海外展開/マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を創業・社長就任を経て、現職に。メタバースのビジネス活用に特化した国内最大級の読者数を誇るメディア「メタバース総研」の運営やメタバースに関するコンサルティング及び開発サービスの提供を行っている。著書に『はじめてのメタバースビジネス活用図鑑』(中央経済社)

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