ARアプリ作成におススメのツール5選|作成の手順も紹介
大人気ゲームシリーズ「モンスターハンター」がスマホ用ARゲームアプリ「Monster Hunter Now」を2023年9月にリリースすると発表し、ARアプリはますます注目を高めています。ゲームに限らずエンタメ、教育、小売など幅広い業界で活用が進んでおり、自社でもARアプリの活用を検討している方は多いかもしれません。
一方で、「ARアプリの作成の進め方や、作成に必要な技術・ツールを知りたい」「具体的な企業のARアプリの活用事例を知りたい」という方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、ARアプリを作成するステップと必要なツールを、企業のARアプリの活用事例とともに分かりやすくご紹介します。
本記事は、以下のような方におすすめの記事となっています。
- ARアプリの作成を検討している
- ARアプリの作成の進め方、必要な技術・ツールを知りたい
- 企業のARアプリの活用事例を知りたい
本記事を読めば、自社でARアプリを活用・作成する方法を一気にキャッチアップできる内容となっておりますので、ぜひ最後までご一読ください。
また、メタバース総研では、1000社以上のご担当者様からご好評をいただいている、国内外の最新のメタバース/XR活用事例101選をまとめたレポートを無料で配布しております。
ご興味のある方は、以下リンクからダウンロードしてご活用ください。
⇒【担当者必見】メタバース/XR活用事例101選の資料ダウンロードはこちら(無料)
目次
そもそもARアプリとは
ARアプリとは、スマホやARグラスなどのデバイスを使用するユーザーに対し、AR体験を提供するアプリケーションのことです。
代表的なARアプリとして、リアルの街にポケモンが存在するかのようなゲームを楽しむことのできるARゲームアプリ「Pokemon Go」やリアルの街に道順を示す矢印などの情報が表示され、スムーズに目的地にたどり着くことができるARナビアプリ「Google Map」などが挙げられます。
ARアプリは幅広い業界で活用が進んでおり、ゲームや映画などのエンターテインメント系のARアプリ、教育系のARアプリ、インテリアシミュレーション系のARアプリなどが存在します。
ARアプリを作成するための3つのステップ
ARアプリを作成するためのステップとして以下の3ステップが挙げられます。
- ①開発環境・ツールの選定
- ②ARアプリの体験設計・開発
- ③ARアプリのテスト・公開
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
⇒関連サービス:メタバース総研の開発・運用サービスはこちら
①開発環境・ツールの選定
1つ目のステップは、開発環境・ツールの選定です。ARアプリを開発する目的・ターゲットとする顧客を明確にした上で、目的に沿った開発環境・ツールを選定しましょう。代表的な開発環境としては「Xcode」「Android Studio」「Unity」、開発ツールとしては「ARKit」「ARCore」などが挙げられます。
例えば、iOS/Androidアプリのどちらを開発するのかによって、利用する開発環境・ツールは異なります。また、ARグラス向けのARコンテンツを開発したいのであれば、そのARグラス専用の開発ツールが存在する場合もあります。
②ARアプリの体験設計・開発
2つ目のステップは、ARアプリの体験設計・開発です。実現したいユーザー体験の設計とアプリのデザインを行った後、プログラミングで実際の開発を行います。
ARアプリの中には、プログラミングを使わずに開発できる簡易なアプリもありますが、ある程度クオリティの高いユーザー体験の実現を目指すのであれば、プログラミングが必須になります。
③ARアプリのテスト・公開
3つ目のステップは、ARアプリのテスト・公開です。スマホ、タブレット、ARグラスなど対象とするデバイスにおいて、バグがないか、表示速度に問題がないかなどをテストします。
動作に問題がなければ、デバイスごとにアプリストアに申請を行い、審査が通ればリリースとなります。
ARアプリの作成に必要な開発環境3選
ARアプリの作成に必要な開発環境として以下の3つが挙げられます。
- ①Xcode:iOSアプリの開発に必要な開発環境
- ②Android Studio:Androidアプリの開発に必要な開発環境
- ③Unity:ARゲームの開発に必要な開発環境
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
①Xcode:iOSアプリの開発に必要な開発環境
1つ目は、Apple社が提供する開発者向けの開発環境である「Xcode」です。iOSやmacOS向けのアプリ開発に利用され、Xcode上でObjective-CやSwiftというプログラミング言語を利用したアプリ開発が可能です。Apple Developer ProgramのIDがあれば無料でダウンロードできます。
②Android Studio:Androidアプリの開発に必要な開発環境
2つ目は、Googleが提供する開発者向けの開発環境である「Android Studio」です。Android向けのアプリ開発に利用され、Android Studio上でKotlinやJavaというプログラミング言語を利用したアプリ開発が可能です。Windows、Macの両OSで無料で利用可能です。
③Unity:ARゲームの開発に必要な開発環境
3つ目は、ユニティ・テクノロジー社により開発された、世界で最も普及しているゲームエンジンである「Unity」です。C#やJavaというプログラミング言語を利用し、3DCGコンテンツを開発できます。
3DCGコンテンツを開発するゲームエンジンとしてのコア機能はもちろん、ゲームらしい振る舞いをする実行環境や、開発に活用できる充実したアセット(イラスト、パーツ、背景、音声など)などの機能を備えています。
ARアプリの作成に必要なツール5選
ARアプリの作成には、開発環境のほかに汎用的に使うプログラムをまとめた「ライブラリ」と呼ばれるツールを利用することになります。ARアプリの開発に必要なツールとして以下の5つが挙げられます。
- ①ARKit:Appleが提供するiOS専用のARアプリ開発ツール
- ②ARCore:Googleが提供するARアプリ開発ツール
- ③Meta Spark:Facebook/Instragram向けARフィルター開発ツール
- ④Magic Leap Toolkit:ARヘッドセット「Magic Leap」向けARコンテンツ開発ツール
- ⑤Mixed Reality Toolkit:AR/MRヘッドセット「HoloLens」向けARコンテンツ開発ツール
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
①ARKit:Appleが提供するiOS専用のARアプリ開発ツール
1つ目は、Apple社が提供するiOS専用のARアプリ開発ツールである「ARKit」です。Xcode上でARKitを利用することで、iPhoneやiPadなどのiOS端末を対象にしたARアプリを開発できます。
ARkitは、床・壁・天井から空間の奥行きを認識するほか、自動で人の動きを感知するキャプチャ機能も備えています。最新技術では、特定の都市で人気スポットにAR体験を配置する機能や、顔認識のAR機能も備えています。
②ARCore:Googleが提供するARアプリ開発ツール
2つ目は、Googleが提供するARアプリ開発ツールである「ARCore」です。幅広いデバイスに対応しているのが特徴で、Androidデバイスだけでなく、iPhoneのARアプリ開発にも対応しています。
特別なデバイスを使用することなく、スマホのカメラやモーションセンサーだけでARコンテンツを作成することができます。
③Meta Spark:Facebook/Instragram向けARフィルター開発ツール
3つ目は、Metaが提供するFacebook/Instragram向けARフィルター開発ツールである「Meta Spark(旧Spark AR)」です。Facebook、Instagramのカメラ・写真機能にAR機能を付加することが可能なツールで、作成したフィルター・エフェクトはFacebook、Instagram上で公開できます。
プログラミングを必要としないため、直感的な操作でARを作ることができます。表記は英語ですがチュートリアル動画やテンプレートが豊富なため、専門的な知識がなくてもAR制作のハードルが低く、SNSを活用した手軽な販促に活用できます。
④Magic Leap Toolkit:ARヘッドセット「Magic Leap」向けARコンテンツ開発ツール
4つ目は、Magic Leap社が提供する、ARヘッドセット「Magic Leap」向けARコンテンツ開発ツールである「Magic Leap Toolkit」です。Magic Leap向けのARコンテンツ開発に特化しており、開発に必要なテンプレートやコードがまとめられています。
Magic Leap Toolkitは、UnityでのARコンテンツ開発で利用することができます。
⑤Mixed Reality Toolkit:AR/MRヘッドセット「HoloLens」向けARコンテンツ開発ツール
5つ目は、Microsoft社が提供する、ARヘッドセット「HoloLens」向けARコンテンツ開発ツールである「Mixed Reality Toolkit(MRTK)」です。2023年8月時点ではHoloLens向けのARコンテンツ開発に特化していますが、今後Meta Questシリーズなど他XRデバイスのサポートも予定しています。
Mixed Reality Toolkitは、UnityでのARコンテンツ開発で利用することができます。
企業によるARアプリの活用事例10選
企業の代表的なARアプリの活用事例として以下の10事例が挙げられます。
- ①ポケモンGO:ポケモンの世界観を現実の街中で体験できる
- ②SnapChat:ARを活用した自撮り写真を友人にシェア
- ③ピクミン ブルーム:ピクミンの世界観を現実の街中で体験できる
- ④ドラゴンクエストウォーク:ドラクエの世界観を現実の街中で体験できる
- ⑤らくがきAR:自分の落書きをスマホで撮影すると簡単に動き出す
- ⑥SNOW:面白いエフェクトを自撮りを簡単に撮影できる
- ⑦Locatone:街や施設を巡りながら音声を楽しめる
- ⑧GoogleMap:ARを活用し簡単に目的地にたどり着ける
- ⑨IKEA Place:自宅の部屋でIKEAの家具をシミュレーション
- ⑩Measure:あらゆるものの長さをスマホ1つで瞬時に計測
それぞれの事例を分かりやすく紹介していきます。
※700社以上のご担当者様にお読みいただいている、国内外の最新メタバース活用事例50選をまとめた資料をダウンロード頂けます
⇒メタバース活用事例50選の資料ダウンロードはこちら(無料)
①ポケモンGO:ポケモンの世界観を現実の街中で体験
ポケモンGOは、大人気ゲーム「ポケモン」の世界観を現実世界で楽しむことのできる位置情報を活用したスマホ向けARアプリです。
ユーザーは現実世界の街を歩き周りながらポケモンを探し、ポケモンと遭遇するとまるで目の前に存在するかのようにARで表示されます。
また、ポケモンを見つけて捕まえるだけでなく、捕まえたポケモンを育てたり、ポケモンのタマゴを孵化したり、他のトレーナーとポケモンを交換したりするなど様々な楽しみ方ができます。
②SnapChat:ARを活用した自撮り写真を友人にシェア
Snap Chatとは、登録した友人やグループに向けてARを活用した画像や動画などを投稿するSNSアプリです。
SnapChatには、「Lens(レンズ)」と呼ばれるARフィルターが多数存在しており、フィルターを使って自分の顔や街の風景などに様々な加工を施すことができます。
「Lens(レンズ)」はユーザーが自作することも可能で、ユーザーのクリエイティビティを刺激するつくりとなっています。
Snapchatは欧米を中心とする若者層から絶大な支持を集めており、全世界で3.6億人以上のMAUを記録するほどの人気を誇っています。
③ピクミン ブルーム:ピクミンの世界観を現実の街中で体験
ピクミン ブルームは、大人気ゲーム「ピクミン」の世界観を現実世界で楽しむことのできる位置情報を活用したスマホ向けARアプリです。
ユーザーは様々な場所を歩き回ることで、ピクミンを集めたり、育てたりしながら出かけた場所を記録していくライフログのような楽しみ方ができます。
④ドラゴンクエストウォーク:ドラクエの世界観を現実の街中で体験
ドラゴンクエストウォークは、大人気ゲーム「ドラゴンクエスト」の世界観を現実世界で楽しむことのできる位置情報を活用したスマホ向けARアプリです。
近くのスポットから目的地を決め、フィールドを歩きます。道中で日本各地のランドマークが登場し、クエストが発生します。原作の同様、クエストのなかで成長し装備を揃え、更なる強敵に挑むことができます。
⑤らくがきAR:自分の落書きをスマホで撮影すると簡単に動き出す
らくがきARは、ノートやホワイトボードなどに描いたらくがきをスキャンすることで、らくがきが動きだすARスマホアプリです。
このアプリは「自分の描いたものに命が吹き込まれたら…」という想いを基に開発されました。
大人はもちろん、特に小さいお子さんに非常に人気のARアプリとなっています。
⑥SNOW:面白いエフェクトを自撮りを簡単に撮影
SNOWとは、うさぎや犬の耳などの面白いエフェクトをつけたり、瞬時に様々なメイクを楽しむことのできるAR自撮りカメラアプリです。
元々はインスタグラムやスナップチャットのように、撮影した写真を友達に共有できるアプリでしたが、現在はコミュニケーション機能は終了しており、おもしろい・かわいい自撮りを撮影できる機能に特化しています。
⇒関連サービス:メタバース総研の新規事業創出支援サービスはこちら
⑦Locatone:街や施設を巡りながら音声を楽しめる
Locatoneとは、街中や施設内などのマップ上の特定のスポットを訪れると、臨場感のある音声やARコンテンツを楽しむことのできるARスマホアプリです。
数十分程度のツアー形式で音を聞きながら街や施設を巡ることで、新しい魅力や楽しみ方を発見することができます。
Locatoneには、ソニー独自の立体音響技術や身体の動作と連動して音を鳴らせるモーションサウンド技術などが活用されています。
⑧GoogleMap:ARを活用し簡単に目的地にたどり着ける
GoogleMapは、「LIve View」と呼ばれるARを活用した道案内機能をリリースしました。
ユーザーは、目的地までの徒歩での道案内を選択すると、スマホの画面越しに進むべき方向がARで表示され、より直観的に目的地までの道のりを理解し、迷うことなく移動することができます。
⑨IKEA Place:自宅の部屋でIKEAの家具をシミュレーション
IKEA Placeは自宅の部屋にIKEAの家具をレイアウトしコーディネートのシミュレーションができるARアプリです。
アプリのデータベースにはテーブルやソファーなどIKEAの家具が2,000点以上登録されており、気になる商品をタップし、設置したい場所をスマホでかざすだけで、家具が部屋にフィットするのか瞬時にシミュレーションすることができます。
ユーザーは、このアプリを利用することで、ECで家具を購入する際のサイズ間違いやイメージギャップを防止することができます。
⇒関連サービス:メタバース総研のマーケティング向けメタバース活用支援サービスはこちら
⑩Measure:あらゆるものの長さをスマホ1つで瞬時に計測
MeasureはiPhoneのカメラ機能を使用し、あらゆるモノの長さを測ることのできるARアプリです。
ユーザーは、自宅の家具置き場のサイズや外出先の視察の際など、サイズを測定し記録しておきたい際に、瞬時にサイズを計測することができます。
Appleが開発しているアプリのため、測定のスピードと精度が非常に高い点も魅力です。
費用対効果・実現性が高いメタバース活用方法
メタバースの知見が不足しており、メタバース活用の企画や開発に課題を抱えていませんか?
そのような課題はメタバース総研のコンサルティング・開発支援サービスで解決することができます。
是非メタバース総研にお問い合わせください。
豊富な経験・ナレッジを活かした戦略・企画策定
数多くの企業様に対するコンサルティングや国内最大級のビジネス特化型メタバースメディアの運営で培った豊富な知見を活用し、成果につながる戦略・企画を策定します。
強力なパートナーシップによる最適なアプローチ設計
各領域の業界を代表するソリューション提供企業とのパートナーシップを構築。案件毎に中立的な立場から、費用対効果の高いアプローチを設計します。
経験豊富なクリエイター・エンジニア・コンサルタントによる並走支援
業界トップクラスの経験/スキルを有するクリエイター・エンジニア・コンサルタントから、最適なメンバーをアサイン。戦略立案から実行まで並走し、社内のリソース不足を解決します。
「課題や依頼内容が明確になっていない」、「社内で合意が取れていない」場合でも問題ございません。メタバース総研へのお問い合わせをお待ちしております。
メタバース/XR活用の個別無料相談会実施中
メタバース総研では、メタバース/XR活用の個別無料相談会を実施しています。
各社様のメタバース/XR活用に関する課題解決に向け、最新の市場動向や具体的な活用アイデアなどを、個別のオンラインMTGにて、無料でご紹介させていただきます。
以下のようなお悩みをお持ちのご担当者様は、この機会にぜひお申込みください。
- 興味はあるが、そもそも活用するかどうか迷っている
- 自社に合った活用方法へのアドバイスが欲しい
- 自社の企画の参考になる活用事例を知りたい
- どのように活用を進めていけば良いか分からず困っている