「Apple Vision Pro」向け新OS「Vision OS」とは?

Appleが、先日のWWDC(Apple社のカンファレンス)にて発表したApple Vison Pro。

そのVision Proに搭載されるVision OSは、これまでのOSとは全く異なる新しいOSとしてVision Proとともに大きな注目を集めています。

 

一方で、「そもそもVision OSとは何なのかよくわからない」「Vision OSにはどのような機能があるのか知りたい」という方も多いのではないでしょうか?

 

そこで今回は、Vision OSの概要や抑えるべきポイントを分かりやすくご紹介します。

本記事は、以下のような方におすすめの記事となっています。

 

  • Vision Proに使われている「Vision OS」の概要や特徴を抑えたい
  • Vision OSの機能、どのようなことができるのかを知りたい
  • Vision OSを活用したビジネスへの参入を検討している

 

本記事を読めば、Vision OSの概要や機能まで一気にキャッチアップできる内容となっておりますので、ぜひ最後までご一読ください。


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Vision OSとは

Vision OSとは
(画像:Apple)

Vision OSは、Appleが先日のWWDCにて発表したApple Vision Proに搭載されるARヘッドセットに特化したOSです。

 

iOSやmac OSなど従来のOSと大きく異なるのは、空間上にウィンドウやコンテンツを立体的に表示する空間コンピューティングという技術のために設計・開発されている点です。空間コンピューティングにおいては、アプリやブラウザがユーザーの目の前の空間上に立体的に浮かびあがり、まるで自分のいる空間に物理的に存在しているかのような感覚を楽しむことができます。アプリを好きな大きさに調整し、好きな場所に好きな数だけ表示することができるので、これまで以上に生産性を高めることが期待できます。

 

発表によると、Vision OSはこれまでと違った全く新しいリアルタイムエンジンで、リアルタイムレンダリングにより、部屋の照明条件に応じてオブジェクトに影を自然に落とすことなどが可能になるとのことです。

 

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Vision OSが実現する4つのユーザー体験

Vision OSには、iOSなど、従来のOSにはない特徴があります。

 

Vision OSの主な特徴は以下の通りです。

 

  • ①Shared Space:3D空間でのデスクワークの実現
  • ②Window:3D空間に複数のディスプレイを表示
  • ③Volume:3D空間に立体的なコンテンツを表示
  • ④Full Space:サービス・コンテンツへの完全な没入感の実現

 

それぞれの特徴について、わかりやすく紹介していきます。

①Shared Space:3D空間でのデスクワークの実現

Shared Space:3D空間でのデスクワークの実現
(画像:Apple)

Vision OSでは、ユーザーがデバイスを立ち上げると、Shared Spaceと呼ばれる目の前の空間上に、アプリが浮かび上がります。ユーザーは、この空間で、現実世界に画面が物理的に存在するかのような感覚を味わいながら、デスクワークをすることができます。

 

例えば、上の画像では、同じ空間上に、複数のアプリやブラウザが表示されています。このように、複数のアプリが同じ空間(Space)を共有(Shared)するので、ユーザーは、まるで一つの部屋でデスクワークをしているような体験をすることができます。

②Window:3D空間に複数のディスプレイを表示

Window:3D空間に複数のディスプレイを表示
(画像:Apple)

ユーザーは、デスクトップ上ではなく3D空間上に、アプリを開いた時のディスプレイ(Window)が複数表示される様子を目にすることができます。ユーザーは、mac OSウィンドウと同様に、各Windowの大きさや配置を調整することができます。

 

また、ユーザーは、同じWindow内に3Dコンテンツと2Dコンテンツの両方を表示することもできます。

 

これにより、ユーザーは、どこにいてもモニターなしに、複数のWindowを大きく表示して快適に作業をすることが可能となります。

③Volume:3D空間に立体的なコンテンツを表示

Volume:3D空間に立体的なコンテンツを表示
(画像:Apple)

Volumeは、ユーザーが3D空間上に立体的なコンテンツを表示することができる機能です。

Windowとの大きな違いは、空間内を移動でき、コンテンツを様々な角度から表示することが可能である点です。

 

これにより、ユーザーは、例えば、建物など奥行きのある物体を前からだけでなく、後ろや左右からも立体的に見ることができます。

④Full Space:サービス・コンテンツへの完全な没入感の実現

Full Space:サービス・コンテンツへの完全な没入感の実現
(画像:Apple)

Full Spaceは、完全な没入感を実現するための機能です。Full Spaceに切り替えると、アプリやWindow、Volumeだけが表示されるようになり、画面全体に広がります。

 

映画を視聴するときやゲームをプレイするときにこの機能を使えば、まるで自分も映画やゲームの世界にいるかのような感覚を味わうことが可能となります。

Vision OSの構成を理解する上で抑えるべき7つの要素

Vision OSの構成を理解する上で抑えるべき7つの要素
(画像:Apple)

Vision OSを理解する上では、以下の7つの要素を押さえておくことが重要です。

 

  • ①Core OS:Vision OSの基盤となるOS
  • ②Real-Time Subsystem:高度な処理が可能なリアルタイム実行エンジン
  • ③Foveated Renderer:視線に合わせた映像を投影できる技術
  • ④Multi-App 3D Engine:複数のアプリを同時実行するエンジン
  • ⑤iOS Frameworks:アプリ開発を支援するキット
  • ⑥Spatial Frameworks:XRアプリ開発を支援するキット
  • ⑦Spatial Audio Engine:3次元空間に没入できる音響技術

 

以下、それぞれの要素についてわかりやすく紹介します。

 

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①Core OS:Vision OSの基盤となるOS

Core OS:Vision OSの基盤となるOS
(画像:Apple)

Core OSとは、Appleが従来から提供してきたOSであるmac OS、iOS、iPad OSのことで、Vision OSの基盤となっています。このCore OSに様々な新機能を付加することで、空間コンピューティングという新しい技術を実現しました。

②Real-Time Subsystem:高度な処理が可能なリアルタイム実行エンジン

Real-Time Subsystem:高度な処理が可能なリアルタイム実行エンジン
(画像:Apple)

Real-Time Subsystemとは、現実の空間にデジタルのコンテンツを表示する際に生じる遅延を減らすための技術です。

 

WWDCにおけるAppleからの説明では、Real-Time Subsystemは、「インタラクティブな画像を処理するために付加されたもの」と説明されています。

③Foveated Renderer:視線に合わせた映像の投影

Foveated Renderer:視線に合わせた映像の投影
(画像:Apple)

Foveated Rendererとは、VR業界で注目されている技術です。ユーザーの視線の中心部分に高解像度の画像を表示し、その他の部分には低解像度の画像を表示することを可能にするアイトラッキング機能のことです。

 

これにより、ユーザーは現実世界でモノを見るのと同じような感覚を味わうことができます。

④Multi-App 3D Engine:複数のアプリを同時実行するエンジン

Multi-App 3D Engine:複数のアプリを同時実行するエンジン
(画像:Apple)

Multi-App 3D Engineは、空間上に2D及び3Dのアプリを複数同時に表示することを可能にする機能です。現実の世界とは異なり、モニターの数や画面の大きさといった制約を受けずに、好きな数だけアプリを表示することができるので、ユーザーの作業が大幅に効率化されることが期待できます。 

⑤iOS Frameworks:アプリ開発を支援するキット

iOS Frameworks:アプリ開発を支援するキット
(画像:Apple)

iOS FrameworksとはAppleが提供するiOS向けのアプリを開発するためのキットのことです。それぞれのフレームワークは地図、アドレス帳、写真、ビデオなど特定の機能を提供します。これにより、ユーザーは、開発中のアプリに、効率的に自分の好みの機能を組み込むことができるようになります。

 

Vision OSにおいても、引き続きこのフレームワークが活用されています。 

⑥Spatial Frameworks:XRアプリ開発を支援するキット

Spatial Frameworks:XRアプリ開発を支援するキット
(画像:Apple)

Spatial Frameworksとは、Appleが2022年のWWDCで公開した新しいフレームワークです。このフレームワークは、XRアプリの開発を支援するためのもので、iOS16から利用可能となりました。

 

空間内でオブジェクトを表示したり、オブジェクトの動きを制御したりするためのデータタイプやプロトコルを提供します。

⑦Spatial Audio Engine:3次元空間に没入できる音響技術

Spatial Audio Engine:3次元空間に没入できる音響技術
(画像:Apple)

Spatial Audio Engineは、臨場感あふれるオーディオをユーザーに届けることができる技術です。従来のiPhoneやiPadなどでも利用可能な技術ですが、Vision OSのFull Space機能との組み合わせにより、ユーザーの没入体験をより深みのあるものにすることが可能となります。

メタバース市場におけるAppleのエコシステム構築戦略

メタバース市場におけるAppleのエコシステム構築戦略

今後加速度的に普及・発展していくと考えられているメタバースにおいて、Appleは、自社プラットフォーム上でのエコシステム構築を目指し投資を加速させています。エコシステム内で参入企業数・サービス数・ユーザー数が連鎖的に増加することで、市場全体が加速度的に成長していくと考えられます。

 

Appleにとってエコシステムの構築が重要なのは、Appleがスマホ市場においてエコシステムの構築に成功し、高額の手数料を徴収するなど、大きな利益を得ることができたことからも明らかといえます。

 

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(前提)メタバース/XR市場でのエコシステムを構成する5つの要素

前提として、メタバース/XR市場でのエコシステムを構成する要素は以下の5つです。

 

  • ①ハードウェア:Vision ProなどのXRデバイス
  • ②ソフトウェア:Vision OSなどのXRデバイス向けOSや開発ツール
  • ③開発者:XRデバイス向けのサービス/コンテンツを開発する企業やエンジニア
  • ④サービス/コンテンツ:XRデバイスで利用できるアプリケーションやコンテンツ
  • ⑤ユーザー:XRデバイスを通じてサービスやコンテンツを利用する一般ユーザー

今後のメタバース/XR市場でのエコシステムの発展の仕組み

Step1:多くの開発者を惹きつける魅力的なハード・ソフトウェアを提供

Appleは開発者がサービス/コンテンツを提供しやすいハードウェア・ソフトウェアのプラットフォームを提供することで、多くの開発者を惹きつけようとしています。また、Appleが提供するプラットフォームなら、今後多くのユーザーを集めるだろうという期待感もそれに貢献するでしょう。

Step2:多数の開発者が豊富なサービス/コンテンツをリリース

Appleのプラットフォームに魅力を感じた多くの開発者は、Appleのプラットフォーム上で豊富なサービス/コンテンツを開発し、リリースします。

Step3:多くのユーザーがAppleのプラットフォームを利用

ユーザーがどのXRデバイスを購入するかを検討する際に、どれだけ魅力的なサービスやコンテンツを利用できるのかは非常に重要であり、結果として多くの人々がAppleの販売するXRデバイスを購入する流れが生まれると考えられます。

Step4:多くのユーザーを求め、より多数の開発者がサービス/コンテンツをリリース

Step3で多くのユーザーを集めたAppleのプラットフォームは、開発者にとってより魅力的な選択肢となり、より多くの開発社がサービス/コンテンツをリリースするようになります。このように、自社のプラットフォーム上で開発者・サービス/コンテンツ・ユーザーのポジティブスパイラルを生み出し、先行者ならではの競争優位性を築き上げることで、メタバース/XR市場の覇権を握ろうとしているのです。

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

株式会社メタバース総研(現・CREX)代表取締役社長。
慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却後、日本企業の海外展開/マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を創業・社長就任を経て、現職に。メタバースのビジネス活用に特化した国内最大級の読者数を誇るメディア「メタバース総研」の運営やメタバースに関するコンサルティング及び開発サービスの提供を行っている。著書に『はじめてのメタバースビジネス活用図鑑』(中央経済社)

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