ARでできること10選|ビジネスへの活用事例12選も紹介
関連技術の進歩などを背景とし、今後急速に人々の生活や仕事に普及していくと考えられるAR。
その注目度の高さから、AppleやMetaなどの海外ビックテックが多額の投資を行いARグラスの開発を進めていると言われています。
一方で、「ARグラスって結局何ができるのか知らない」、「ARグラスの普及によってビジネスにどんな影響があるのか知りたい」という方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、ARグラスでできること10選とビジネスへの活用事例10選を分かりやすくご紹介します。
本記事を読めば、ARを様々な用途・業界で活用するヒントが得られると思いますので、ぜひ最後までご一読ください。
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目次
そもそもAR(Augumented Reality:拡張現実)とは
ARとはAugumeted Realityの略称で、拡張現実とも呼ばれます。リアルの世界にデジタルの情報/コンテンツを視覚的に重ね合わせることで、リアルの世界を拡張する技術のことを指します。
ARを活用することで、「Pokemon Go」のように、リアルの街にポケモンが存在するかのようなゲームを楽しんだり、「GoogleMap」のARナビのように、リアルの街に道順を示す矢印などの情報が表示され、スムーズに目的地にたどり着くことができたりと、私たちの暮らしをより豊かに・便利にすることができます。
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ARでできること10選
個人がARでできること5選
個人がARでできることとして以下の5つが挙げられます。
- ①ARゲームを楽しむ
- ②ARスポーツを楽しむ
- ③家具や家電のシュミレーションをする
- ④アパレルアイテム・コスメのバーチャル試着をする
- ⑤AR道案内サービスを利用する
それぞれについて分かりやすく紹介していきます。
①ARゲームを楽しむ
ARと位置情報を組み合わせたARゲームでは、まるで現実世界とゲームの世界が融合しているような新たなゲーム体験を楽しむことができます。
ARゲームの代表例としてポケモンGOが挙げられます。ポケモンGOとは株式会社ポケモンが提供するスマートフォン向け位置情報ゲームアプリです。現実世界でポケモンを探して捕まえることができます。また、ポケモンを見つけて捕まえるだけでなく、捕まえたポケモンを育てたり、ポケモンのタマゴを孵化したり、他のトレーナーとポケモンを交換したり、など様々な楽しみ方ができます
②ARスポーツを楽しむ
ARを活用することで、全身を使いまるでゲームの世界に入り込んだかのような新たなスポーツ体験を楽しむことができます。
ARスポーツの代表例として、HADOが挙げられます。HADOは頭にヘッドマウントディスプレイ、腕にアームセンサーを装着して対戦するARスポーツです。自らの手でエナジーボールやシールドを発動させ、フィールドを自由に移動し、仲間と連携しながら最大3対3で対戦を楽しむことができます。HADOは専用施設で遊ぶことができ、既に世界39カ国109店舗に展開されています。
③家具や家電のシュミレーションをする
ARを活用することで、購入を検討している家具や家電を自分の部屋に配置するシミュレーションを行い、サイズやデザインを詳細に検討することができます。
既にIKEAやニトリなど大手の家具企業がARを活用したシミュレーションサービスをリリースしています。
④アパレルアイテム・コスメのバーチャル試着をする
ARを活用することで自宅に居ながらアパレルアイテムやコスメをバーチャルに試し、サイズや質感を詳細に検討することができます。
消費者にとっては、ECなどで商品を購入する際にイメージと違ったと返品しないといけない自体を防ぐことができ、一方企業にとってもECでの購買促進や返品対応のためのコスト削減ができるといったように双方にメリットが存在します。
⑤AR道案内サービスを利用する
ARマップサービスを利用することで、目的地への道順をより視覚的に理解することができます。
既にマップサービス大手のグーグルマップはiPhoneのAR機能を活用することで利用可能な「LiveView」機能をリリースしており、通常のグーグルマップよりも直観的に目的地にたどり着くことが可能になりました。
企業がARでできること5選
企業がARでできることとして以下の5つが挙げられます。
- ⑥マーケティング・プロモーションへの活用
- ⑦設計・デザインでの業務効率化
- ⑧建設業界での業務効率化
- ⑨物流業界での業務効率化
- ⑩製造業界での業務効率化
それぞれについて分かりやすく紹介していきます。
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⑥マーケティング・プロモーションへの活用
ARをマーケティングやプロモーションに活用することで、ARならではのユニークな体験を通じて商品やサービスの魅力を訴求することができます。
事例としてドミノピザ社による、AR上で世界のチーズをめぐる旅を体験してもらいながら、チーズピザの購買に繋げるというプロモーションが挙げられます。
チラシや特設サイトからARカメラ起動ページにアクセスすると、目の前に地球儀が登場し、世界中のチーズの名産地が表示されます。ユーザーは各産地のチーズの特徴や楽しみ方を確認することができました。
⑦設計・デザインでの業務効率化
ARを設計・デザインに活用することで、机の上など好きな位置に3Dの設計イメージを表示させ、それを用いながら議論やイメージのすり合わせを行うことができます。
この活用により、社内や顧客と早い段階から完成イメージをすり合わせることで、顧客の要望通りの設計やデザインを行うことが可能になります。
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⑧建設業界での業務効率化
ARを建設業界の設計イメージのすり合わせに活用することで、建設現場や会議室など好きな位置に3Dの設計イメージを表示させ、それを用いながら議論やイメージのすり合わせを行うことができます。
この活用により、社内や顧客と早い段階から完成イメージをすり合わせることで、顧客の満足度向上や施工ミスの防止などに繋がります。
⑨物流業界での業務効率化
ARを物流業界のピッキングなどの業務に活用することで、現場の作業員が適宜必要な情報を確認することができます。両手で荷物を持ったまま視線を移動させる必要がないため、作業の精度と効率の向上に繋がります。
⑩製造業界での業務効率化
ARを製造業の作業現場に活用することで、現場の作業員が適宜必要な情報を確認することができます。製造業界の現場では立体的な作業が求められるため、設計図や作業指示を紙やタブレットなどの2Dの媒体で理解するのが難しいという課題が存在します。そこでARを活用することで、作業の効率化や施工ミスの防止に繋げることができます。
企業のARの活用事例12選
ARのビジネスへの活用事例の代表的なものとして以下の12事例が挙げられます。
- 家具業界:IKEA、ニトリ
- 不動産業界:東急住宅リース、不動産SHOPナカジツ
- 食品業界:ジャックダニエル、ドミノピザ
- アパレル業界:NIKE、Warbyparker
- 化粧品業界:資生堂、ZOZOCOSME
- 日用品業界:花王
- 物流業界:DHL
それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。
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家具業界:IKEA、ニトリ
①IKEA:自宅の部屋にIKEAの家具を自由にレイアウト
IKEAは自宅の部屋にIKEAの家具をレイアウトしコーディネートできるアプリ「IKEA Studio」を発表しました。IKEA Studioは、LiDARを搭載したiPhone 12 Proおよび12 Pro Max向けのアプリケーションで、部屋の形状を測定し、窓やドアを認識し、必要に応じて家具やオブジェクトを配置し、床に転がっているおもちゃなどのオブジェクトを消したり、白く塗ったりすることも可能です。
また、壁紙の色を変えたり、様々なIKEAの家具を置いたりして、実際にどのように見えるかを確認することができます。また、オブジェクトを重ねることができるのも特徴です。例えば、ARで表示されるイスの上に、ランプや植木鉢のオブジェを置くことができるのです。IKEA Studioはβ版のみのリリースとなっており、スペインとスウェーデン、韓国のみで利用可能となっています。
②ニトリ:家具や設置場所を測定しサイズ違いの不安を解消
ニトリは公式アプリ上で、家具やそれらの設置場所のサイズをスマホのAR機能を使って計測できるサービスを提供しています。顧客はこのサービスを活用することで、家具や家電を選ぶ際に重要なサイズの計測が簡単にできるようになり、サイズ違いの心配をすることなく家具をECで購入できるようになりました。
顧客は公式アプリを起動した状態でスマホカメラで家具や設置場所を撮影すると、大きさなどが記載された画像が生成され、その画像は編集・保存ができメモとしても活用できます。
不動産業界:東急住宅リース、不動産SHOPナカジツ
③東急住宅リース:内見にARを活用
東急住宅リースは、同社が管理する賃貸マンションにおいて、ARを活用した内見サービス「AR内見」の実証実験を開始しました。同社では、内見客に本サービスを利用してもらい、成約が増えれば本格的な導入に踏み切る考えです。x garden社のメガネ型デバイス「AR glasses」を使い、家具などのバーチャル映像を内見する部屋に重ね合わせることで、家具のレイアウトや入居後の生活スタイルがイメージしやすくなります。
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④不動産SHOPナカジツ:これから建つ家をARで確認
愛知県岡崎市で戸建住宅を販売する株式会社不動産SHOPショップナカジツは、お客様が検討している住宅が建設後にどのようになるかをイメージしやすいように、ASATEC株式会社の「build+」サービスを採用しました。販売前の未開発の土地に、現在の分譲地の様子をイメージした画像を重ねることで、着工前のお客様に新しい住まいのイメージをより鮮明にお伝えすることができます。広さや間取りのイメージを着工前にお客様にシェアすることが可能なため、購買意欲の促進が期待されています。
食品業界:ジャックダニエル、ドミノピザ
⑤ジャックダニエル:歴史や製造方法を学べるAR絵本
ウイスキーメーカーであるジャックダニエルは、自社の歴史やウイスキーの製法を学べるARアプリをリリースしました。
アプリにてウイスキーボトルを読み取ると、ボトル上に飛び出す絵本のような立体的なコンテンツが表示され、楽しみながらジャックダニエルの歴史やウイスキーの製法を学ぶことができます。
このARアプリの提供は、短期的な売上だけでなく、中長期的なブランドへのロイヤリティ向上に向けた効果がある取り組みと言えます。
⑥ドミノピザ:AR上で世界中のチーズをめぐる旅を体験
ドミノピザ社は、AR上で世界のチーズをめぐる旅を体験してもらいながら、チーズピザの購買に繋げるというプロモーションを行いました。
チラシや特設サイトからARカメラ起動ページにアクセスすると、目の前に地球儀が登場し、世界中のチーズの名産地が表示されます。ユーザーは各産地のチーズの特徴や楽しみ方を確認することができました。
アパレル業界:NIKE、Warbyparker
⑦NIKE:計測された足のサイズから靴をレコメンド
Nikeは公式アプリ上で足のサイズを測ることのできる機能である「Nike Fit」を提供しています。Nike Fitは最新のAR技術を使って、わずか数秒で両足の13カ所からデータを収集し、足のサイズや幅などの計測を行うことができます。
計測結果をもとに、ユーザーに最適なシューズがレコメンドされ、サイズ違いで返品しなければならなくなる事態を防ぐことができます。また、このデータはアプリに保存されるので、ナイキの実店舗に行ったときや、オンラインで次のキックを注文するときにも、QRコードを使ってすぐに店員にサイズを伝えることができます。
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⑧Warbyparker:ARでいつでもどこでもメガネを試着
アメリカのメガネブランドであるWarbyparkerは、いつでもどこでもARを活用して眼鏡を試着できるサービスを提供しています。
こちらのサービスでは、iPhoneのFace ID等に活用されるカメラ機能を用いて、自分の顔にメガネをかけるとどうなるかをリアルにシミュレーションすることができます。
化粧品業界:資生堂、ZOZOCOSME
⑨資生堂:ARメイクで複数のアイシャドウを試せる
資生堂は、自社の総合美容サイト「ワタシプラス」内でARを活用したメイクのシミュレーション機能を導入しました。
様々なブランドのアイシャドウを組み合わせてシミュレーションすることができ、手持ちの商品との相性なども、店舗を訪れずに手軽に確認できます。
⑩ZOZOCOSME:ARメイクで自分の顔で化粧品を試せる
ZOZOTOWNはZOZOTOWN上のコスメ専門モール「ZOZOCOSME」でバーチャルにメイクアップアイテムを試せる新機能「ARメイク」を提供しています。
ZOZOTOWNの「ARメイク」機能は、商品詳細ページからワンタップで起動し、簡単な操作で顔にメイクを施すシミュレーションを行うことができます。
「ARメイク」機能では、メイクの濃淡を調整したり、メイクのオンオフを切り替えることができ、実際にコスメアイテムを使用した際の色や質感を容易に想像することができます。また、「ARメイク」画面下部の「カートに入れる」ボタンから直接商品の購入に進むことができます。
日用品業界:花王
⑪花王:ヘアカラー剤の色選びサポートにARを活用
花王は、ヘアカラー材の色選びのサポートにARを活用する取り組みを進めています。
この取り組みにより、従来のリアルな毛束見本を用いたサポートと比較し、いつでもどこでもイメージを確認できたり、毛束見本に使われるプラスチックが削減できたりするなどの成果を上げました。
物流業界:DHL
⑫DHL:倉庫でのピッキング作業の効率化
ドイツの大手物流企業のDHL社はグーグルのスマートグラス「Glass Enterprise Edition 2」を倉庫での配送業務に導入しています。従業員はピッキング作業の現場でグラス型デバイスを着用することで、適宜必要な情報を確認することができます。荷物を持ったまま視線を移動させる必要がないため、作業の精度と効率の向上に繋がります。
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