メタバースオフィス「oVice」とは?リモートワークへのメリットも紹介

コロナウイルス感染拡大の影響を受け多くの企業がリモートワーク体制への移行を進めています。

そんななか、リモートワーク環境でのコミュニケーションにメタバースを活用しようという動きが始まっており、そのなかでも「oVice(オヴィス)」というメタバースオフィスサービスが、MetaやMicrosoftのサービスを押しのけ利用者数を伸ばしています。

 

一方で、「oViceって聞いたことはあるけどどんなサービスかは分からない」、「メタバースオフィスサービスを利用するメリットをしりたい」という方も多いのではないでしょうか?

 

そこで今回は、急成長を遂げるメタバースオフィスサービス「oVice」の概要や特徴、導入のメリットをわかりやすくご紹介します。

本記事を読めば、oViceやメタバースオフィスサービスの概要を効率良くキャッチアップできると思いますので、ぜひ最後までご一読ください。


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リモートワーク向けメタバースオフィス「oVice」とは?

リモートワーク向けメタバースオフィス「oVice」とは?
(画像:oVice)

oViceとはバーチャル空間上での相手との距離に応じて音量の変わる会話を通じて、まるで同じ空間で働いているかのような体験ができるリモートワーク向けのバーチャルオフィスサービスです。

 

コロナによるリモートワークの普及により、利用企業数は2300社を超え、毎日約7万人以上がoViceのバーチャルオフィスを訪れています。

価格は月額5,500円~と比較的安価であることも、利用企業数を伸ばしている理由の1つです。

 

oViceのバーチャルオフィスとしての特徴として以下の3点が挙げられます。

 

  • ①アバター間の距離に応じて声の大きさが変化する
  • ②自然発生的なコミュニケーションが生まれやすい
  • ③通信が安定しており、3G回線下でも問題なく利用できる

 

それぞれの特徴についてわかりやすく紹介していきます。

①アバター間の距離に応じて声の大きさが変化する

oViceのユーザーは、ウェブ上で自分のアバターを自由に動かし、相手に近づけることで簡単に話しかけることができます。この機能によって、まるで同じ空間で会話をしているような体験をすることができます。

②自然発生的なコミュニケーションが生まれやすい

oViceでは、同僚と話したい際に新しいルームやグループを作成する必要が無く、相手に近づくという簡単な操作で会話をすることができます。

そのため、他のメタバースオフィスサービスと比べ、ふと浮かんだアイデアをシェアしたり、雑談をしたりといった現実世界で起こるような自然発生的なコミュニケーションが生まれやすいのです。

③通信が安定しており、3G回線下でも問題なく利用できる

oViceは声の届かない人とは通信が切断されデータ量が節約されるといった工夫により通信

が安定しており、3G回線下でも問題なく利用できます。

メタバースオフィスを活用する3つのメリット

メタバースオフィスを活用する3つのメリット

メタバースオフィスをリモートワークに活用するメリットとして以下の3つが挙げられます。

 

  • ①生産性の向上
  • ②コミュニケーションの円滑化
  • ③自然発生的なコミュニケ―ションの創出

 

それぞれのメリットについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①生産性の向上

リモートワーク環境において、ディスカッションをしながら会議を進めるなど複数人での仕事に関して、ホワイトボートを用いてイメージを共有することができないなど、オフィスでの作業と比べて生産性が落ちてしまう場面が存在します。そこでメタバースオフィスを活用することで、ホワイトボード上への書き込み機能など実際のオフィスに近い環境をバーチャル上に再現し生産性を高めることができます。

②コミュニケーションの円滑化

SlackなどのチャットツールやZOOMなどのビデオ通話の活用により、以前よりはコミュニケーションが活発に行われるようになったものの、相手の細かい表情やボディーランゲージなどから相手の心理状況や伝えたいニュアンスを読み取ることは難しいのが現状です。そこでメタバースオフィスを導入することで、それらの課題を解決し、よりコミュニケーションを円滑化することができます。

③自然発生的なコミュニケ―ションの創出

リモートワーク環境下では、SlackなどのチャットツールやZOOMなどのビデオ通話の活用により、明確な目的がある際のコミュニケーションは行えるものの、オフィスでたまたま近くにいる同僚と雑談するといった自然発生的なコミュニケーションの機会が限られているのが現状です。そのため、メタバースオフィスを導入することで、自然発生的なコミュニケーションの機会を創出し、社員同士での心理的な繋がりや新たな取り組みへのきっかけを提供することができます。

メタバースオフィスサービス5選

メタバースオフィスサービス5選

oVice以外のメタバースオフィスサービスとして以下の5つが挙げられます。

 

  • ①Horizon Workrooms:Meta社の提供するバーチャル会議室サービス
  • ②Mesh for Microsoft Teams:マイクロソフト社の提供するアバター会議ツール
  • ③Gather:ドット絵RPG風の2Dのマップオフィス
  • ④MetaLife:オフィスや教室として利用できるメタバース空間
  • ⑤RISA:アバターを軸としたメタバースオフィス
  • ⑥Tandem:スピーディーな業務を可能にするバーチャルオフィス
  • ⑦roundz:シンプルな声だけのバーチャルオフィス

 

それぞれのサービスについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①Horizon Workrooms:Meta社の提供するバーチャル会議室サービス

Horizon Workrooms:Meta社の提供するバーチャル会議室サービス
(画像:Meta)

Horizon WorkroomsとはMeta社が提供しているバーチャル会議室サービスです。どこにいても、同僚とより良く一緒に仕事をすることを目的としており、アバターとしてVR空間で会議に参加したり、パソコンのビデオ通話でバーチャルルームにダイヤルインしたりすることができます。

 

また、参加者のアイデアをまとめるために大きなバーチャルホワイトボードを使用したり、自分のコンピューターやキーボードをVR空間に持ち込んだりすることができます。

料金プランは無償であり、Oculus Quest 2の利用可能な全ての国でHorizon Workroomsをダウンロードすることができます。

 

Horizon Workroomsの特徴としては大きく2点あり、1点目がデスク、パソコン、キーボードも一緒にVR空間へ持っていける点、2点目が同僚と一緒にいるような感覚になる点です。

 

1点目のデスク、パソコン、キーボードも一緒にVR空間へ持っていける点に関しては、「Horizon Workrooms」は、複合現実であり、物理的なデスクやキーボードをバーチャルルームに持ち込み、バーチャル会議室の机の上に置くことができますです。

 

2点目の同僚と一緒にいるような感覚になる点に関しては、高品質かつ低遅延の空間オーディオにより、着席している位置によって声の聞こえ方が変わるため、まるで実際に同じ部屋で仕事をしているかのように感じることができます。

 

Horizon WorkroomsはMeta社が提供しているため、今後ユーザー数が大きく伸びると予想されるメタバースのオフィスの一つです。

②Mesh for Microsoft Teams:マイクロソフト社の提供するアバター会議ツール

Mesh for Microsoft Teams:マイクロソフト社の提供するアバター会議ツール
(画像:マイクロソフト)

Mesh for Microsoft Teamsとはマイクロソフトが提供しているアバター会議ツールです。会議へ参加する人のコミュニケーション活性化を目的としており、Microsoft Meshの複合現実機能(アバターなど)とTeams の生産性向上ツール(チャット、会話)などを融合させています。

 

正式リリースがされていないため、料金プランは未定だがTeamsの月額費用(¥0〜¥1,360* プランによって異なる)に含まれることが予想される。

 

Mesh for Microsoft Teamsの特徴としては大きく2点あり、1点目がOfficeアプリケーションとの統合ができる点、2点目がドロップインスペース(雑談ができる空間)がある点です。

 

1点目のOfficeアプリケーションとの統合ができるに関しては、Officeアプリケーションとの統合によって、PowerPointのプレゼンテーションなどを会議中に表示することができます。

 

2点目のドロップインスペース(雑談ができる空間)がある点に関しては、新しいアイディアやビジネスチャンスを生み出すことを目的として、メンバー同士の自然で自発的なやりとりが発生するスペースを常に設けています。

 

Mesh for Microsoft Teamsはマイクロソフト社が提供しているサービスであるため、今後はマイクロソフトのユーザーアセットを活用して、ユーザー数が大きく伸びると予想されるメタバースのオフィスの一つです。

③Gather:ドット絵RPG風の2Dのマップオフィス

Gather:ドット絵RPG風の2Dのマップオフィス
(画像:Gather)

GatherとはGather Presence社が提供しているリモートワーク向けのメタバースオフィスサービスです。ドット絵RPG風の2DのマップとWeb通話システムを組み合わせて作成されており、各ユーザーは各々のアバターの姿でマップ上を歩き回ることができ、マップ自体もカスタマイズ可能です。

 

また、通話はマップ上の距離が近いユーザー同士が自動で接続され、距離が離れるごとに音量が小さくなっていく仕様となっており、実際にリアルなオフィスで話しているような体験をすることが可能です。

 

料金プランは1チーム25人までは無料で利用することができ、それ以降はいくつかのプランから選んで課金することで、ユーザー1人当たりの使用時間や参加人数の上限を開放することができます。

 

Gatherの特徴としては大きく2点あり、1点目がカジュアルな雑談のきっかけが生まれる点、2点目が程よいプライベート空間が確保できる点です。

 

1点目のカジュアルな雑談のきっかけが生まれる点に関しては、他のSlackやZOOM、Discordなどのリモートワークツールに比べ、わざわざ機会を作らずとも、たまたま近くにいた同僚と話すことができるという特徴があります。そのため、リアルなオフィスで働いているのに近い環境を再現することができます。

 

2点目の程よいプライベート空間が確保できる点に関しては、GatherにはMapmakerという機能が搭載されており、その機能を使うと他のユーザーに話しかけられないプライベート空間を設定することができます。そのため、作業に集中したい時間はそのエリアに移動し集中するということが可能です。

 

これらの特徴が多くのユーザーに刺さり、Gatherは2020年のサービス提供開始以来、ユーザー数が280万人を突破するなど、コロナ禍でのリモートワークへの移行をきっかけに多くのユーザーに利用されています。

④MetaLife:オフィスや教室として利用できるコミュニケーションツール

MetaLife:オフィスや教室として利用できるコミュニケーションツール
(画像:MetaLife)

MetaLifeとは株式会社ベンドが提供しているオフィスやイベントスペースや教室として利用できるコミュニケーションツールです。「みんなと集まる」という現実世界の感覚をオンライン上で再現できるメタバース空間であり、様々な用途に利用できるサービスです。

 

料金プランは1チーム25人までは無料で利用することができ、それ以降は継続利用は月額¥22,000〜、単発利用は週額¥2,750〜利用することができます。

 

MetaLifeの特徴としては大きく2点あり、1点目がリアルに近いコミュニケーションが出来る点、2点目がメタバース空間の種類が豊富な点です。

 

1点目のリアルに近いコミュニケーションが出来る点に関しては、チームの全員がアバターとなってひとつのスペースに参加して、話しかけたいときはアバターを近づけるだけという特徴があります。

 

2点目のメタバース空間の種類が豊富な点に関しては、MetaLifeにはオフィス、学校の教室、豪邸、ビーチ、宇宙といった何百種類ものデザインが用意されており、必要に応じて使い分けることができます。ユーザー数が他のサービスと比較すると少ないですが、大企業から個人まで累計10,000人以上に利用されています。

⑤RISA:アバターを軸としたメタバースオフィス

RISA:アバターを軸としたメタバースオフィス
(画像:RISA)

RISAとは株式会社OPSIONが提供しているアバターを軸としたメタバースオフィスです。オフィスだけでなく、社内外イベントやフリーランス事務所としても活用することができます。他のサービスと比較して同時接続可能数が少ないため、チーム規模やイベント規模が小さい方に適しているメタバースオフィスです。

 

料金プランはスモールプラン(同時接続数:5人)が4,000円 / 月、ベーシックプラン(同時接続数:30人)が10,000円 / 月、スタンダードプラン(同時接続数:50人)が30,000円 / 月となっております。

 

RISAの特徴としては大きく2点あり、1点目がステータス機能でメンバーの状況を把握できる点、2点目がセキュリティ対策がされている点です。

 

1点目のステータス機能でメンバーの状況を把握できる点に関しては、アバターに「休憩中」や「電話中」や「作業中」などステータスを表示できるという特徴があります。

 

2点目のセキュリティ対策がされている点に関しては、2022年3月よりISMS(ISO27001認証)を取得しており、安心・安全にRISAを利用できます。

 

ユーザー数は他のサービスと比較すると少ないですが、大企業から個人まで累計5,000人以上に利用されています。

⑥Tandem:スピーディーな業務を可能にするバーチャルオフィス

Tandem:スピーディーな業務を可能にするバーチャルオフィス
(画像:Tandem)

Tandemとは米Tandemが提供しているメタバースオフィスで、Netflixやspotifyなど大手企業でも導入されている世界中で人気のサービスです。

 

料金プランは、4人までは無料で利用可能で、小規模チームプラン(利用人数:10人まで)が49ドル/月、中規模チームプラン(利用人数:50人まで)が99ドル/月、大規模チームプラン(利用人数:無制限)が399ドル/月です。

 

Tandemの特徴としては大きく2点あり、1点目がシンプルでスピーディーな利用が可能な点、2点目がリアルタイムでメンバーの稼働状況が把握できる点です。

 

1点目のシンプルでスピーディーな利用が可能な点に関しては、ワンクリックでの通話やビデオ会議ができることや、急用がある際メンバーを強制的にルームに入室させることができることなどが挙げられます。

 

2点目のリアルタイムでメンバーの稼働状況が把握できる点に関しては、チームメンバーの勤務状況や使っているアプリを確認することができます。

⑦roundz:シンプルな声だけのバーチャルオフィス

roundz:シンプルな声だけのバーチャルオフィス
(画像:roundz)

roundzとはラウンズ株式会社が提供しているバーチャルオフィスです。

料金プランはStartプラン(最大利用人数:20名)が5,500円/月、Teamプラン(最大利用人数:50名)が22,000円/月、Organizationプランが55,000円/月です。

 

roundzの最も大きな特徴として音声に特化している点、続いてシンプルな操作性が特徴として挙げられます。

 

音声に特化している点について、roundzにはカメラ機能がついていません。背景としてはカメラ機能があることで気軽な声かけができなくなってしまうためとのことです。また、アイコンを確認することで相手が今話せる状況にあるか一目で確認することができます。

シンプルな操作性に関しては、roundz のボタンは「マイク」「画面共有」の2つだけであることなど、余計な機能が省略されています。

 

これらのシンプルかつ機能的なUXの訴求に成功したことで、roundzは2019年のサービス提供開始以来、累計導入実績は 400社を突破するなど、コロナ禍でのリモートワークへの移行をきっかけに多くのユーザーに利用されています。

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このナレッジの著者

メタバース総研 代表取締役社長

今泉 響介

株式会社メタバース総研(現・CREX)代表取締役社長。
慶應義塾大学経済学部卒業。学生起業した事業を売却後、日本企業の海外展開/マーケティングを支援する株式会社Rec Loc を創業・社長就任を経て、現職に。メタバースのビジネス活用に特化した国内最大級の読者数を誇るメディア「メタバース総研」の運営やメタバースに関するコンサルティング及び開発サービスの提供を行っている。著書に『はじめてのメタバースビジネス活用図鑑』(中央経済社)

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