脳でメタバースを操作?BMI(ブレインマシンインターフェース)とは
2021年末のFacebookからの社名変更やメタバースへの年間1兆円の投資の発表により世界中から注目を集めるMeta社。
そんななか、開発者向けカンファレンス「Meta Connect 2022」にて、Metaが脳波によるアプリケーションの操作を可能にするシステムであるブレインマシンインターフェース(BMI)の開発に取り組んでいることを発表しました。
一方で、「ブレインマシンインターフェース(BMI)って聞いたことあるような気もするけどどんなものか分からない」という方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、ブレインマシンインターフェース(BMI)の概要や企業の取り組みについてわかりやすく解説します。
本記事を読めば、将来的にメタバースにおいて重要や役割を果たし得る技術BMIについて理解を深められると思いますので、ぜひ最後までご一読ください。
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目次
ブレインマシンインターフェース(BMI)とは
ブレインマシンインターフェースとは、その名の通り脳と機械を繋ぐシステムのことで、脳波を利用して機械を操作したり、逆にカメラ映像などを脳への直接刺激によって目や耳を介さずに入力することを可能にする技術のことです。
大人気SF映画「マトリックス」ではこのBMIが前提となった世界が描かれており、多くの人がBMIの概念を知るきっかけとなりました。
研究の段階としてはいまだ研究開発の域にあるものの、近年イーロンマスク氏が率いるニューラリンク社やMeta社が積極的に実証実験や臨床試験を行っており、注目が集まっています。
ブレインマシンインターフェース(BMI)とメタバースの関係性とは
BMIは、今後人とメタバースを繋ぐインターフェースとしての役割を担う可能性があると考えられています。
メタバース普及に向けた最大の課題の1つが、VRデバイス・ARグラスによる負担です。いくらメタバースの世界に魅力があったとしても、重さのある大きなデバイスを長時間装着し続ける形でのメタバースの利用はかなりハードルが高いといえます。そこで、ビックテックやスタートアップが小型軽量のVRデバイス・ARグラスやスマート・コンタクトレンズ、さらにはBMIの研究開発に挑んでいるのです。
メタバースと人間を繋ぐインターフェイスはスマホやPCのディスプレイ→VRヘッドセット・ARグラス→スマート・コンタクトレンズ→BMIの順で進化していくと考えられており、今後数年以内にというのは難しそうですが、BMIを活用しメタバース空間で暮らす時代が到来するかもしれません。
ブレインマシンインターフェース(BMI)の開発に取り組む企業
Meta:脳波によるアプリ操作やコミュニケーションの実現に挑む
メタバース市場を牽引する存在であり、年間1兆円の投資を行い技術開発を行うMeta社は、同社の開発者向けカンファレンス「Meta Connect 2022」にて、BMIの実現に向けた研究開発を進めていると発表しました。
同カンファレンスでは、時計型デバイスを装着したユーザーが、発した脳波を基に、ゲーム内のキャラクターを左右に操作するデモ映像が公開されました。また、各ユーザーの脳波と利用データをもとにマシンラーニングを活用することで、脳波による操作を最適化するシステムの開発を行っていることも言及しました。
さらに、Meta社は2022年9月に、脳に電極を刺すことなく、頭の外部に装着したデバイスから取得した脳の活動データを解析することで、被験者の聞いていた単語を推測できるAIモデルを開発したことを発表しました。
AIモデルを用いた実験では、3秒間の脳波データから793種類の単語のうち、どの単語を聞いていたかの判定が行われ、最大73%の精度で正解の単語を選ぶことができたとのことです。
ニューラリンク:BMIの実現に向け埋め込み型デバイスを開発
ニューラリンク(Neuralink)社は、イーロンマスク氏がCEOを務める、ブレインマシンインターフェイスの研究開発に取り組む企業です。
ニューラリンクは、ブレインマシンインターフェイスの実現により、記憶障害やうつ、不眠症等の様々な神経疾患を解決することを目指しています。脳と感覚器の間でやりとりされる電気信号を計測・修正することで神経疾患の改善に役立つのではと考えています。
イーロンマスク氏は、研究開発の成果として頭蓋骨に埋め込むことで脳波をリアルタイムで測定することのできるデバイス「The LINK」と、そのデバイスを埋め込むための手術ロボットの開発に成功したと発表しました。
また、イーロンマスク氏は「今後ブレインマシンインターフェイスにより、記憶を保存し、新しい身体やロボットの身体にダウンロードできるようになるかもしれない」という壮大なビジョンも語っています。
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