DXはなぜ必要?5大メリット・推進時の課題・成功事例7選も紹介

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用し、業務やサービス、ビジネスモデルを変革し、企業の競争優位性を高める取り組みのことです。

 

コロナをきっかけにデジタル化がますます加速している現代社会において、DXによる変革は全ての企業が推進すべき重要な取り組みと位置付けられています。

 

本記事では、企業にとってDXが必要とされる3つの理由、DXを推進するメリット、推進時に企業が直面する5つの課題、成功のポイントなどをわかりやすく解説していきます。


またDX総研では、DXを検討・推進する上で必ず押さえておきたい、DX成功事例50選の取り組みや成果をまとめたレポートを無料で配布しています。ご興味のある方は、以下リンクからダウンロードしてご活用ください。

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目次

そもそもDXとは?

DXとは

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用して、業務やサービス、ビジネスモデルを変革し、企業の競争優位性を高める取り組みのことです。

 

単なるデジタル化・IT化ではなく、デジタル活用により、業務やサービス、ビジネスモデルを大きく変革していく取り組みであるという点が大きなポイントです。

 

経済産業省は、2018年に発表した「DX推進ガイドライン」において、DXを以下のように定義しています。

 

“企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること”

 ー出典:経済産業省 デジタルガバナンス・コード2.0

 

例えば、動画配信大手のNetflixが、宅配型のDVDレンタル事業からサブスクリプション型のオンライン動画配信サービスへとビジネスモデルを変革したのは、DXの代表的な事例といえるでしょう。

 

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DXが必要である3つの理由

DXが必要である3つの理由

多くの企業や組織にとって、DXが必要とされている理由として、以下の3つが挙げられます。

  

  • ①企業間の競争激化への対応
  • ②レガシーシステムの老朽化対策【2025年の崖】
  • ③労働人口減少への対応

 

それぞれについて分かりやすく解説していきます。

 

①企業間の競争激化への対応

2010年以降、誰もがスマートフォンやPCを通じてインターネットと繋がる時代となり、ビジネスの主戦場はリアルの世界からデジタルの世界にシフトしてきました。

 

そこで、各業界において、他社に先んじて、デジタルを活用した業務効率化/コスト削減や顧客体験の向上などを進めてきた企業が、市場シェアを拡大しています。

また、デジタルを活用し急成長を遂げるGAFAのようなテクノロジー企業は、国境や業界を問わず、それまでの勢力図を一変させるような動き(ディスラプション)を見せています。

 

そのため、ITやサービス業などはもちろん、小売や金融、製造業など比較的、リアルアセットの重要性や人手による仕事の割合が高かった業界でも、他業界や海外の新興企業から一気にシェアを奪われかねないという状況に置かれています。

 

このような状況に対応していくためには、これまで培った強みを活かしながら、DXを強力に推進し、競争優位性を高めていくことが求められます。

 

②レガシーシステムの老朽化対策【2025年の崖】

DX レガシーシステムの老朽化対策【2025年の崖】
(出典:経済産業省「DXレポート(サマリー)」

経済産業省によると、日本企業の約8割が、レガシーシステムと呼ばれる老朽化したITシステムを利用しています。

  

そのレガシーシステムの多くが、長年の継ぎ足しによって大きく複雑化しており、また開発担当の社員がいなくなっており中身が分からないブラックボックスになっています。 

 

その結果、長期的に保守費や運用費が高くなってしまい、企業のIT関連予算の約8割が既存ビジネスの維持・運用にあてられているという問題があります。

 

経済産業省のレポートでは、このままDXが推進されない場合、2025年以降に国内全体で最大年間12兆円の経済損失が生じる可能性があると警鐘を鳴らしており、このリスクは「2025年の崖」と呼ばれています。

 

③労働人口減少への対応

DX 労働人口減少への対応
(出典:国土交通白書2021「デジタルトランスフォーメーション(DX)の遅れと成長の停滞」

日本は今後少子高齢化が加速していき、それに伴う経済成長の低迷が危惧されています。日本の生産活動を担う労働人口は、2008年をピークに減少に転じており、企業の人手不足は深刻化しています。

 

また、諸国と比べた現状の労働者一人当たりの生産性も、20位以下で低迷している傾向にあります。 

 

そんななか、経済成長を実現していくためには生産性向上が必要不可欠となり、その実現のためには、デジタルを活用した高付加価値のビジネスの創出や業務効率化などのDX推進が重要となります。

 

DXを推進する5つのメリット

DXを推進する5つのメリット

DXを推進する代表的なメリットとして以下の5つが挙げられます。

 

  • ①業務効率化やコスト削減を実現できる
  • ②データ活用により企業の競争力を高められる
  • ③新たなサービスやビジネスモデルを創出できる
  • ④働き方改革を推進できる
  • ⑤事業停止のリスクを回避できる(BCPの充実)

 

それぞれについて分かりやすく解説していきます。

 

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①業務効率化やコスト削減を実現できる

DXを推進し、手作業で行っていた各業務のデジタル化を進めることで、業務効率化やコスト削減を実現できます。

 

例えば、書類で管理していたデータをクラウド上で一元管理したり、RPAの導入によりデスクワークの一部を自動化したりといった取り組みが挙げられます。

 

これらの取り組みにより、作業時間の短縮やヒューマンエラーの防止、作業人員の縮小などの成果が期待できます。

 

また、個別作業のデジタル化だけでなく、デジタル活用を前提とした、既存の業務プロセス全体の見直し・カイゼンを行うことで、より大きな成果を上げることが可能です。

 

②データ活用により企業の競争力を高められる

DX推進により、より多くのデータを収集したり、蓄積しているデータを有効活用することで、企業の競争力を高めることができます。

 

例えば、購入前〜購入後までの一連の顧客接点のデジタル化を進めることで、より広範囲な顧客情報や消費行動データを収集したり、これまで社内の各チームでバラバラに管理していたデータを、一元管理できるシステムを構築するなどの取り組みが挙げられます。

 

これらの取り組みにより、よりパーソナライズされた商品提案やプロモーション施策を実施したり、より詳細なデータを活用し、精度の高い戦略や企画の立案を行ったりすることが可能になり、競合との差別化を図ることができます。

 

③新たなサービスやビジネスモデルを創出できる

DXを推進し、既存業務のデジタル化を進めることは、新たなサービスやビジネスモデルの創出に繋がります。

 

既存業務のデジタル化に取り組む過程で、詳細な顧客データやより効率的なオペレーション、先端技術活用のノウハウなどを得ることができます。

 

それらを、新たなサービスの企画や構築に活用することで、既存事業の延長線上にはない、新たな顧客体験・提供価値を実現することに繋がります。

 

デジタルをベースとした新規性の高いサービスやビジネスモデルの創出により、競合との差別化や収益性の向上を図ることができます。

 

④働き方改革を推進できる

DXを推進し、デジタル活用により業務効率化を進めることで、働き方改革を推進することができます。

 

DXによる業務効率化は、従業員の長時間労働の削減に直結します。また、業務プロセスのデジタル化やコミュニケーションツールの導入などにより、リモートワークがしやすい環境を整備することで、柔軟な働き方を実現することにも繋がります。

 

これらの取り組みにより、より働きやすい環境を整え、従業員の負担/ストレスの軽減、モチベーションの向上が期待できます。また、捻出した時間をより付加価値の高い事業や業務に集中させ生産性を向上させることも可能です。

 

⑤事業停止のリスクを回避できる(BCPの充実)

DXに取り組むことで、BCP(Business Continuity Plan=事業継続計画)の充実に繋がり、緊急時の事業停止のリスクを回避できるというメリットもあります。BCPとは、災害や感染症の流行、システム障害などの緊急事態が発生した際の対策の計画のことを指します。

 

例えば、リモートワークを推進することで災害や感染症の流行時にも大きな支障なく業務を進められるレガシーシステムを脱却することでシステム障害が発生し復旧にも時間がかかるといったリスクを避けられるといったメリットがあります。

 

このようなBCPの充実は、取引先や株主からの信頼性の向上や企業価値向上にも繋がります

 

DX推進における5つの課題

DX推進における5つの課題

DXを推進する際に多くの企業が直面し得る課題として以下の5つが挙げられます。

 

  • ①初期投資やランニングコストがかかる
  • ②デジタル人材の確保が難しい
  • ③すぐには成果が出ない場合もある
  • ④社内の関係部署と協力・連携しなければならない
  • ⑤既存システムからの移行が難しい

 

それぞれについて分かりやすく解説していきます。

 

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①初期投資やランニングコストがかかる

DX 初期投資やランニングコストがかかる

DXの推進にはツールの導入や新たなシステム開発などが必要となり、数百万円〜数千万円の費用が必要になることも少なくありません。

 

また、DXは、従来の個別改善型のデジタル化と比べ、業務プロセスやビジネス全体の大規模な変革に取り組むことになるため、比較的高額な初期費用が必要になります。

  

一方で、数年スパンで見ると大きな成果が期待できるため、中長期でのコスト削減や売上向上の効果を試算した上で、適切な範囲内で予算を確保し投資を行うことが重要です。

 

②すぐには成果が出ない場合もある

業務プロセスの根本的な変革/効率化や新規事業の創出など、DXで大きな成果を上げるには、3〜5年ほどの期間が必要となるのが一般的です。

 

一方で、DX推進を始めてもすぐには期待する成果が上がらず、プロジェクトを打ち切りにしてしまうという企業も少なくありません。 

 

そのため、「DXで大きな成果を上げるには中長期で取り組む必要がある」という認識を社内ですりあわせることや、最終ゴールに向けたマイルストーンを引き、初期フェーズでも進捗の評価を正しく行えるようにすること、比較的早期に成果の出やすい小規模なプロジェクトを走らせることなどが有効です。

 

③DX人材の確保が難しい

DX人材の確保が難しい
(出典:経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課

全社的なDXを推進する場合、最新のテクノロジーを使いこなせるエンジニアはもちろん、ビジネス戦略とデジタル活用の両方に知見をもつリーダーが各部門に必要となります。

 

経済産業省の調査によると、国内のIT人材の需要は拡大し続けるのに対し、供給は2019年をピークに減少しており、2030年にかけて40〜80万人規模で不足すると予想されています。このように、DX人材は新卒・中途問わず争奪戦が続いており、希望通りに採用が進むことは稀という状況です。

 

そのため、短期的には、外部ベンダーの起用などで体制を強化しつつも、中長期的には人材育成や採用の仕組みを強化していく必要があります。

 

④社内の関係部署の協力・連携が必要になる

DXの推進には、部門を横断する業務プロセスやシステムの見直し、加えて組織やビジネスモデルの再構築などが必要となります。

 

それらの取り組みを進める際には、社内の幅広い関係部署間の協力・連携が必要不可欠です。一方で、各部署や現場のメンバーは、目の前の通常業務を抱えているため、プロジェクトが円滑に進まないというケースが多く存在します。

 

そのため、全社としてのDXの必要性やビジョンを周知し、現場の声も吸い上げた上で、協力を得ながらDXを推進することが求められます。

 

⑤既存システムからの移行が難しい

既存システムから新たなシステムへの移行は、システムの移行そのものに加え、データのフォーマット変換や新たな業務プロセスの設計、利用する社員への研修など、様々な取り組みが必要となります。

  

特に、複雑化・ブラックボックス化が進みレガシー化してしまったシステムからの移行に取り組む場合、その技術的・工数的なハードルはかなり高く、現場が難色を示すということは少なくありません。

 

一方で、移行の難易度が高くなっていることは、そのシステムを利用し続けるための運用コストやリスクが大きくなっていることを意味する場合が多いため、移行に取り組む意義はより大きいと言えます。

 

DX推進を成功させるための5つのポイント

DXを成功させるための5つのポイント

DXを成功させるためのポイントとして、以下の5つが挙げられます。

 

  • ①リーダーのコミットメントにより社内を巻き込む
  • ②自社ならではのDX戦略を策定する
  • ③十分なDX人材を確保する
  • ④スモールスタートクイックウィンを実現する
  • ⑤ゴールへの最短かつ低コストなアプローチを設計する

 

それぞれのポイントについて分かりやすく紹介していきます。

 

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①リーダーのコミットメントにより社内を巻き込む

DXは、個別業務のデジタル化だけでなく、全社規模の業務やビジネスモデル、組織文化の変革など、会社のコアとなる部分を大きく変えていく取り組みです。

 

そのため、経営陣や事業部のリーダーが起点となり、DXのビジョン・方針を明確に示し、社内全体を強力に動かしていく必要があります。 

 

具体的には、「どのような中長期的なDXのビジョンを描くのか」、「業務や顧客体験、ビジネスモデルをどのように変えていくのか」、そのために「どの程度人材や予算を割り当てていくのか」などに対して、大きな権限を持って意思決定をしていくことが求められます。

 

一方で、経営陣やリーダー陣がDXに対する危機意識が低い場合などは、DX推進部門や経営企画部門などが主導し、リーダー陣を含め、DXに関する社内向けの勉強会/ワークショップを実施することも有効です。

 

②自社ならではのDX戦略を策定する

自社ならではのDX戦略を策定する

あらゆる人・モノ・コトがインターネットと繋がる現代で、人々の生活や業務、ビジネスの主戦場は、リアルの世界からデジタルの世界に加速度的にシフトし続けています。

 

その変化を踏まえ、いかにデジタルを活用し競争優位性を築いていくかは、全ての企業の経営戦略を考える上で必須のテーマとなっており、DX戦略を考えること=経営戦略を考えること、と言っても過言ではありません。

 

そのため、DX戦略を策定する際は、特定の事業部/部門×個別の業務×デジタル化という範囲で考えたり、同業他社が進めている取り組みをベースにして考えるといった、個別具体的なアプローチではなく、より中長期や全体のアプローチから、全社のビジョンや経営戦略、テクノロジートレンドや業界への影響などと連動させて考える必要があります。

 

③十分なDX人材を確保する

DXの成功に向けては、テクノロジーと経営戦略に対して深い知見を持つプロジェクトマネージャーや、専門的なスキルを有するエンジニア、デザイナーなどのDX人材を十分に確保することが必須となります。

 

本来であれば、既にDX人材が社内にいればよいのですが、ほとんどの日本企業で人材が不足しているという現状があります。

 

また、市場全体として人手不足で、DX人材の争奪戦となっており、採用も思うようには進められないというケースも多く見られます。

 

そのため、足元のDX推進にむけては、経営課題とデジタルの両方に精通した外部のエキスパートを活用しながら、中長期目線では実践や研修を通じた人材育成をしていくといったアプローチが有効です。

 

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④スモールスタートクイックウィンを実現する

DX スモールスタートクイックウィンを実現する

DXがなかなか進まない理由として、業務や組織を大胆に変えていくことが必要な一方で、全社規模の大きな成果が上がるまでには5年程度を有するという点があります。

 

そのため、取り組みの方向性が正しくても、短期間では成果が見えにくいことから、部門間の軋轢や現場からの反発が生まれ、変革のスピードが落ちてしまうケースが少なくありません。

 

そこで、全社単位でのインパクトは小さくとも、比較的短期で成果が出る取り組みを進め、その成果を社内外に発信し巻き込んでいくことは非常に有効です。

 

取り組みの例としては、アナログデータのデジタル化や各種データの一元管理化、業務自動化ツールの導入などが挙げられます。

 

これらの取り組みにより小さな成功を積み重ね、他部門のリーダー陣や現場の社員のマインドが徐々に変わっていくことで、連鎖的に大規模なDXを推進しやすい状況を実現できます。

 

日本企業におけるDX成功事例7選

大手日本企業によるDXの成功事例の中から、特に注目すべき7社の取り組みをご紹介します。

  

  • ①【ダイキン】空調機の効率的な稼働を実現するIoTシステムの構築
  • ②【アシックス】デジタル上の顧客接点を強化しEC/D2C売上比率を大幅に向上
  • ③【LIXIL】接客等のDXを進め業務効率化と顧客体験向上を同時に実現
  • ④【コマツ】IoT・AIを搭載したスマート建機ソリューションの提供
  • ⑤【丸井グループ】百貨店×フィンテックにより売上の多角化を実現
  • ⑥【SMBCフィナンシャルグループ】契約件数200万件以上のモバイル総合金融サービス「Olive」を提供
  • ⑦【三井不動産】ロボットが稼働しやすいオフィス環境の構築

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①【ダイキン】空調機の効率的な稼働を実現するIoTシステムの構築

【ダイキン】空調機の効率的な稼働を実現するIoTシステムの構築
(画像:ダイキン)

ダイキン工業は、空調機や化学製品の製造を手掛ける大阪に本拠を置く世界的なメーカーです。同社は、2021年より「オールコネクテッド戦略」というプロジェクトを開始し、IoTにより空調機をクラウド環境に接続して一括管理を可能にし、業務やエネルギー消費の効率化を実現しています。

 

【課題・背景】

  • オフィス空調設備のエネルギー消費量を最適化し、コスト削減と環境負荷の低減を目指す顧客企業のニーズが増加していた
  • 多くの顧客企業が、設備管理者の人手不足に伴い、オフィス空調設備の運用・制御を効率化する必要性に迫られていた

 

【具体的な取り組み】

  • 空調設備をインターネットでつなぐ「オールコネクテッド戦略」というプロジェクトを開始
  • 各拠点の空調設備をつなぐクラウド型の空調コントロールシステム「DK-CONNECT」の構築

 

【得られた成果】

  • 100万台以上のエアコンの接続と分単位のデータ取集・リアルタイム制御を実現
  • スマホやタブレットから空調設備の監視・運用が可能となり、オフィスを巡回する手間をカット、業務時間の短縮を実現
  • 部屋単位で空調を制御したり、人数に応じて自動で設定温度を調整するなど、空調設備の運用最適化によるエネルギー消費量の削減

 

②【アシックス】デジタル上の顧客接点を強化しEC/D2C売上比率を大幅に向上

【アシックス】デジタル上の顧客接点を強化しEC/D2C売上比率を大幅に向上
(画像:アシックス)

アシックスは、スポーツ用のシューズやウェアなどを製造・販売する日本を代表するスポーツ用品メーカーです。同社は、ランナー向けのスマホアプリなどを通じてデジタル上での顧客との直接の繋がり強化を進めることで、販売に占めるEC/D2C比率を高め、収益率の向上を実現しています。

 

【課題・背景】

  • コロナをきっかけとする買い物のオンラインシフトに伴い、ECやD2Cでの販売比率を向上させ、売上げ拡大を図る必要に迫られていた
  • アシックスの売上のうちECでの比率はわずか数%であり、EC比率拡大に向けた施策が喫緊の課題となっていた

 

【具体的な取り組み】

  • ECサイトと連動し、限定クーポン等が貰えるロイヤリティプログラム「OneASICS」を展開し顧客接点を強化
  • ランニングの記録と仲間とのシェアができるスマホアプリ「アシックスランキーパー」を提供し購入後の顧客との接点も獲得
  • 購入後を含めた顧客データを活用し、各顧客の身体にフィットした商品を提案

 

【得られた成果】

  • 卸売中心で顧客接点が限定的だったが、デジタル顧客基盤が1,000万人超へ
  • 購入後も含めた多様な顧客接点の獲得により、ファン化を促進しLTVも向上
  • 課題としていたEC売上比率が5%から18%へ、D2C比率が17%から33%へ向上

 

③【LIXIL】接客等のDXを進め業務効率化と顧客体験向上を同時に実現

【LIXIL】接客等のDXを進め業務効率化と顧客体験向上を同時に実現
(画像:LIXIL)

LIXILは、建築材料や住宅設備機器などを製造・販売する日本を代表するメーカーの一つです。同社は、製品設計から接客まであらゆる販売プロセスにAIやIoTなどのデジタル技術を取り入れて、業務効率化と顧客体験(CX)の向上を同時に実現しました。

 

【課題・背景】

  • コロナをきっかけとするECの普及に伴い、オンラインでの顧客接点・販売チャネルの確保の必要性に迫られていた

 

【具体的な取り組み】

  • LIXILの製品を購入したい企業に対して、自宅から接客を受けられるサービス「LIXILオンラインショールーム」の提供
  • AIが顧客の希望に寄り添った見積りプランを提示する「かんたんプラン選び」の提供

 

【得られた成果】

  • 忙しい人でも気軽に製品購入に関する相談や見積りの取得が可能となり、累計相談数15万組突破、顧客満足度93%を達成
  • 時間を選ばず利用できるサービスとして「日本子育て支援大賞2023」を受賞

 

④【コマツ】IoT・AIを搭載したスマート建機ソリューションの提供

【コマツ】IoT・AIを搭載したスマート建機ソリューションの提供
(画像:コマツ)

コマツは、ショベルやブルドーザーなどの建設機械や鉱山機械の製造を手掛ける日本の大手建設メーカーです。同社は、IoTやAIなどのデジタル技術を建設機械や産業機械に搭載した新たなソリューションを開発・提供し、製造業界や建設業界におけるモノづくりの現場のDXを支援しています。

 

【課題・背景】

  • 建設業界の人手不足に伴う、現場作業の効率化・省人化のためのソリューションを求める顧客企業がますます増えていた

 

【具体的な取り組み】

  • 建設・製造業界の企業に対して、遠隔地から機械の稼働状況を確認できるIoTを活用した管理システム「Komtrax」の開発・提供
  • 建設・製造業界の企業に対して、AIが部品の劣化状態を把握し、故障前に交換時期を予測する予知保全システムの提供
  • 建設業界の企業に対して、センサーを搭載し、自動制御を可能にしたICT建機の製造・販売

 

【得られた成果】

  • 機械の稼働状況の一元管理が可能となり、稼働率の向上、メンテナンス時期の把握、生産量集計の自動化などによる顧客の現場作業の効率化・生産性向上を実現
  • ある企業は、Komtraxにより、設備の稼働率が向上し、生産性が140%も増加するなど大幅な改善を実現
  • 遠隔地から顧客の機械の稼働状況や部品の劣化状態の把握が可能となり、効率的かつ適切な修理・保全サービスの提案が可能に

 

⑤【丸井グループ】百貨店×フィンテックにより売上の多角化を実現

【丸井グループ】百貨店×フィンテックにより売上の多角化を実現
(画像:丸井グループ)

日本を代表するデパート「丸井」を運営する丸井グループは、DXを推進することで、金融サービスの提供など小売の周辺領域にもビジネスの幅を拡大しています。オンラインとオフラインを上手に統合し、実店舗・EC両方での売上拡大とクレジットカード発行による収益の拡大を同時に実現しています。

 

【課題・背景】

  • ECの加速に対応すべく、販売チャネルを多角化するとともに、フィンテック等の周辺領域にも参入して収益基盤を拡大したい

 

【具体的な取り組み】

  • フィンテック事業に参入。低収入の若年層にも低限度額でクレジットカードを発行
  • ITの活用により独自の与信システムを確立

 

【得られた成果】

  • 5年間でカード会員数が23倍に増加し、2021年3月時点で709万人・取扱高2兆円超に到達
  • 利用と支払を繰り返すことで顧客の信用が創造される仕組みを構築し、会員一人当たりのLTVが2~4倍の増加を達成

 

⑥【SMBCフィナンシャルグループ】契約件数200万件以上のモバイル総合金融サービス「Olive」を提供

【SMBCフィナンシャルグループ】契約件数200万件以上のモバイル総合金融サービス「Olive」を提供
(画像:SMBCフィナンシャルグループ)

SMBCフィナンシャルグループはDXの進展によるビジネスモデルの転換や業界地図の塗り替えを機会・脅威と認識し、プロダクト・サービスの高度化、新たなビジネスモデルの創造に取り組んでいます。

 

同社は新規預金口座開設数はネット銀行が席巻する状況を受け、SMBC・SMCCが中心となり、同社と資本業務提携関係にもあるSBIグループとも連携し、モバイル総合金融サービス「Olive」を開発しました。 

 

【課題・背景】

  • 多くのIT企業が金融サービス事業に参入する中、競争力を保つべくオンラインサービスの提供に乗り出す必要性に迫られていた

 

【具体的な取り組み】

  • モバイル総合金融サービス「Olive」を開発・提供。1つのスマホアプリ・1つのIDで、銀行口座、カード決済、証券、保険という複数のサービスを利用可能に
  • 振込業務がネットで完結する法人向けネットバンキング「Web21ライト」を提供

 

【得られた成果】

  • Oliveは、2023年3月のリリース後、2024年2月までの間で契約件数200万件を突破
  • 店舗網のない地域のお客さまや高齢のお客さまとの取引が拡大し、個人顧客の新規口座開設数は銀行業界トップクラスにまで増加
  • Web21ライトは、低コストで銀行取引を簡単に行えることから、多くの企業の支持を集め、9万社以上が利用

 

⑦【三井不動産】ロボットが稼働しやすいオフィス環境の構築

【三井不動産】ロボットが稼働しやすいオフィス環境の構築
(画像:三井不動産株式会社)

三井不動産は、事業本部とイノベーション部門が連携し、既存事業深化と新規事業探索の「両利き」でDXを推進しています。顧客満足度向上と社会課題解決を目的とし、幅広い既存事業のほぼすべてでDXを同時推進を行います。

 

東京ミッドタウン八重洲では、同社の技術力を集結させ、DXによる利便性向上を図っています。

  

【課題・背景】

  • ロボットがスムーズに動けるオフィス環境を構築することで、オフィス管理にかかる労働力の不足解消や利便性向上を図りたい

 

【具体的な取り組み】

  • 顔認証によるオフィス入退館システムやホログラムなどの非接触技術を導入
  • デリバリー/清掃/運搬の3つのロボットが稼働しやすいオフィス環境を整備
  • インフラシェアリングによる全フロア5G対応

 

【得られた成果】

  • フードデリバリーロボットが部屋まで食事を運べるようになり、利便性が圧倒的に向上
  • 5G導入による通信速度の向上
  • ロボット導入による清掃・運搬作業の自動化・効率化

 

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