【2024年】中小企業のDX成功事例20選|5つのコツや進め方も紹介
DXと聞くと、「大企業が行うもの」というイメージを抱いている方も多いかもしれません。
しかし、ある調査によると、中小企業経営者の約3割は、すでにDXに取り組んでいるか、DXの取り組みを検討している、というデータが得られています。
このように、DXは大企業だけの問題ではなく、中小企業においても重要視されている重要な取り組みになっています。
本記事では、DX推進を検討している中小企業の方に向けて、中小企業におけるDX取組の現状、参考になる成功事例20選、成功のポイント、進め方などについて分かりやすく解説していきます。
またDX総研では、DXを検討・推進する上で必ず押さえておきたい、DX成功事例50選の取り組みや成果をまとめたレポートを無料で配布しています。ご興味のある方は、以下リンクからダウンロードしてご活用ください。
目次
- 中小企業におけるDXの取り組みの現状
- 中小企業においてDXが進まない5つの理由
- 中小企業におけるDXの成功事例20選
- ①【浜松倉庫】倉庫管理システム「SEIJI」で営業利益率4.5%向上
- ②【リノメタル】会社まるごとDXで年間売上12.7億円増大
- ③【トーシンパートナーズホールディングス】DXで年間約8,800時間の工数を削減
- ④【西原商事ホールディングス】廃棄物管理システムを自社開発し、処理工程を見える化
- ⑤【山口産業】社内全体に主体性を持たせたDX推進で生産性向上
- ⑥【高山】コロナ禍での経営危機をきっかけにDXに着手
- ⑦【福島コンピューターシステム】コロナを機に短期間でのデジタル化を実現
- ⑧【永井製作所】伝統の金型づくりでDXを推進
- ⑨【田島石油】DXでの業務効率化により1年間で約5百万円の人件費削減に成功
- ⑩【鶴見製紙】10年間で全ての紙の点検表や伝票の大部分を電子化
- ⑪【疋田産業】DX実施と振り返りを繰り返し、着実に業務効率化を実現
- ⑫【ヤマサ】内製化されたDXでスピーディーかつ安価な改革が実現
- ⑬【協和工業】DXによって作業を効率化することで、課題解決の時間を確保
- ⑭【三共電機】クラウドフローにより間接業務を90%自動化
- ⑮【有限会社ゑびや】ITを経営の軸として経営革新を実践する「経営革新企業」に転換
- ⑯【東邦電気産業】紙媒体資料をデータ化することで作業効率向上を達成
- ⑰【ミヨシテック】顧客情報を一元管理し、分析等データ活用が可能に
- ⑱【エヌエスケー】デジタルツールを活用したことで、2285.5時間の効率化に成功
- ⑲【広島メタルワーク】データドリブン経営で売上高23%、営業利益19%の増加を実現
- ⑳【福岡運輸】DXを通して物流イノベーションを創出
- 中小企業がDXを成功させる5つのポイント
- 中小企業がDXを推進する6つのステップ
中小企業におけるDXの取り組みの現状
中小企業基盤整備機構が2023年10月に公開した「中小企業のDX推進に関する調査」には、全国の中小企業経営者や経営幹部に対してDXに関するアンケートを行った結果が記載されています。
この調査では、DXに関して様々な質問がなされ、その回答結果が集計されました。具体的な結果の概要は以下の通りです。
項目 | 回答結果 |
---|---|
DXの理解度 | DXについて「理解している」「ある程度理解している」と回答した企業は49.1%とほぼ半数に上った |
DXの必要性 | DXについて「理解している」「ある程度理解している」と回答した企業のうち、DXについて「必要だと思う」と回答した企業は71.9%となった |
DXに期待する成果 | DXに期待する効果については、業務効率化が64%、コスト削減が50.5%、データに基づく意思決定が31%となった |
DXの取り組み状況 | 既にDXに取り組んでいる、あるいは取り組みを検討していると回答した企業の割合は31.2%となった |
DXの具体的な取組内容 | DXの取組内容としては、ペーパーレス化が64.4%と最も多く、次いでホームページ作成(47.1%)、営業活動・会議のオンライン化(47.1%)となった |
DXの取り組み成果 | DXの「成果が出ている」「ある程度成果が出ている」と回答した企業は76.7%となった |
このように、中小企業では、DXについて理解している企業ですら50%にとどまり、大企業と比べてもDXについての認知度・普及度は低いことがうかがえます。一方で、DXに取り組んでいる企業の8割近くは何かしらの成果が出ており、一度取り組みを開始すれば、既存業務を高確率で改善できることがうかがえます。
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中小企業においてDXが進まない5つの理由

中小企業においてDXが進まない主な理由として、以下の5つが挙げられます。
- ①DXを推進できる人材の不足
- ②DXの取り組みに必要な予算の不足
- ③紙でのやり取りなどアナログ文化の常態化
- ④レガシーシステムの複雑化
- ⑤社員のITリテラシーの不足
上記のような理由から、多くの日本の中小企業では、DXがなかなか進まない状況にあります。
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中小企業におけるDXの成功事例20選
経済産業省は、他社のモデルケースになるような中小企業による優良なDX取組事例を、「DXセレクション」としてまとめています。以下では、DXセレクションの取り組みのうち、特に参考になる事例を20事例ご紹介します。
- ①【浜松倉庫】倉庫管理システム「SEIJI」で営業利益率4.5%向上
- ②【リノメタル】会社まるごとDXで年間売上12.7億円増大
- ③【トーシンパートナーズホールディングス】DXで年間約8,800時間の工数を削減
- ④【西原商事ホールディングス】廃棄物管理システムを自社開発し、処理工程を見える化
- ⑤【山口産業】社内全体に主体性を持たせたDX推進で生産性向上
- ⑥【高山】コロナ禍での経営危機をきっかけにDXに着手
- ⑦【福島コンピューターシステム】コロナを機に短期間でのデジタル化を実現
- ⑧【永井製作所】伝統の金型づくりでDXを推進
- ⑨【田島石油】DXでの業務効率化により1年間で約5百万円の人件費削減に成功
- ⑩【鶴見製紙】10年間で全ての紙の点検表や伝票の大部分を電子化
- ⑪【疋田産業】DX実施と振り返りを繰り返し、着実に業務効率化を実現
- ⑫【ヤマサ】内製化されたDXでスピーディーかつ安価な改革が実現
- ⑬【協和工業】DXによって作業を効率化することで、課題解決の時間を確保
- ⑭【三共電機】クラウドフローにより間接業務を90%自動化
- ⑮【有限会社ゑびや】ITを経営の軸として経営革新を実践する「経営革新企業」に転換
- ⑯【東邦電気産業】紙媒体資料をデータ化することで作業効率向上を達成
- ⑰【ミヨシテック】顧客情報を一元管理し、分析等データ活用が可能に
- ⑱【エヌエスケー】デジタルツールを活用したことで、2285.5時間の効率化に成功
- ⑲【広島メタルワーク】データドリブン経営で売上高23%、営業利益19%の増加を実現
- ⑳【福岡運輸】DXを通して物流イノベーションを創出
それぞれの事例について、具体的な取り組み内容や成果を分かりやすく解説していきます。
※中小企業を含む、企業による最新のDX成功事例50選の取り組みや成果をまとめた資料をダウンロード頂けます。
①【浜松倉庫】倉庫管理システム「SEIJI」で営業利益率4.5%向上

保管と輸配送基幹業務をベースに総合物流業を扱う浜松倉庫株式会社は、物流において先進的なDXの取り組みを進め、作業効率化、安全性の向上を実現しています。
【課題・背景】
- 生産人口減少による人手不足を補うための業務効率化が必要だった
- 競合他社との差別化による競争力の強化が求められていた
【具体的な取り組み】
- 倉庫管理システム「SEIJI」を開発
- SEIJIにより得られたデータをBI(Business Intelligence)ツールにより現状分析し、AIによる未来予測で戦略立案を実現
- 倉庫管理システムよりデータ化された倉庫指図と、他システムやロボットにより構築されるASRS(自動倉庫)の連携により、安全作業の提供を実現
【得られた成果・今後の展望】
- 生産性向上の実現により営業利益率4.5%向上
- より安全で効率的な作業の実現により、医療等の新分野へ参画
②【リノメタル】会社まるごとDXで年間売上12.7億円増大

金属加工業を手がける株式会社リノメタルは、クラウドサービスを活用し社内全体の業務を効率化しました。
【課題・背景】
- 「既存顧客への柔軟な対応」「新規顧客開拓」実現のために生産管理業務において「ミス・ムダ・属人化」から脱却する必要があった
【具体的な取り組み】
- SlackやAWSなど、5年間で28個のクラウドサービスを導入し、会社をまるごとDX化
- 製造現場においては生産管理システムを導入
【得られた成果・今後の展望】
- 生産管理業務工数が月間268時間削減
- 大手自動車部品メーカーからの大型案件の受注に成功し、年間売上12.7億円増大
- ミス・対応工数が月間358件・月間332時間削減
- 生産管理課の従業員は残業時間が80%減り、月1〜2日あった休日出勤は0日に
③【トーシンパートナーズホールディングス】DXで年間約8,800時間の工数を削減

不動産業を手がけるトーシンパートナーズホールディングスは、DXによるデジタル技術とデータの活用により、データドリブンな組織へと変革しました。
【課題・背景】
- 景気の変動にかかわらず安定的に収益を上げられる事業構造構築の必要性に迫られていた
【具体的な取り組み】
- 2021年11月に情報システム部内にDX推進組織を設置
- AI(モデリングツール)を活用した早期賃貸付けプロジェクトを始動し、賃貸募集時における適正賃料生成モデルを作成
【得られた成果・今後の展望】
- グループ全社の業務効率化によって年間約8,800時間の工数削減を実現
- 独自アプリの開発並びにIoT技術との連携等、顧客サポートの活性化を推進
④【西原商事ホールディングス】廃棄物管理システムを自社開発し、処理工程を見える化

廃棄物処理業を手がける株式会社西原商事ホールディングスは、DXで廃棄物処理におけるトレーサビリティを実現しました。
【課題・背景】
- 廃棄物処理法に基づいた処理工程のトレーサビリティの徹底が求められていた
【具体的な取り組み】
- 2007年に廃棄物管理システムの自社開発を開始
- 廃棄物一元管理システム『bee-net』を普及し、企業担当者による廃棄物情報へのアクセスを簡便化
- 廃棄物処理業者向けのアプリケーション『ビートルアシスト』を開発。ドライバーがスマートフォンからアプリへ入力したデータと『bee-net』を連携させたことにより、ドライバーが持ち帰る伝票を事務員が入力する作業の工程を削減
【得られた成果・今後の展望】
- 小売業を中心に全国7,000事業場の情報管理を経て、全国3,000社を超える同業他社とのネットワークを構築
- 廃棄物削減やリサイクル率向上等の環境負荷低減も実現
- 社内アンケートによると97%のドライバーが働きやすさが向上したと回答
⑤【山口産業】社内全体に主体性を持たせたDX推進で生産性向上

膜構造建築物や繊維などの製造業を手がける山口産業は現場を含む社内全体に主体性を持たせたDXを行うことで生産性の向上を実現しました。
【課題・背景】
- 自然災害やパンデミックなどによる仕入れ状況の変化にスピード感を持って対応する必要があった
- 高い技術力を必要とする膜構造建築のナレッジを承継する難しさや、少子高齢化等による人手不足に悩まされていた
【具体的な取り組み】
- 『DX人材育成』を会社の方針として位置付け社内プロジェクト化
- DX推進の課題はどこなのか月次経営会議で定期議題に挙げ、問題意識情勢とDXへの理解促進を推進
- 部門責任者がシステムや運用ルールを共有・実践することで、各事業部門毎にオーナーシップを醸成
【得られた成果・今後の展望】
- 5年で40種類以上のシステムやツールを導入したことで、全部門の工程が円滑化し、生産性が大幅に向上
- 社内のITリテラシーが高まったことで、『メタバースプロジェクト』などDXを加速させるプロジェクトへの参加希望者が増加
⑥【高山】コロナ禍での経営危機をきっかけにDXに着手

元々は文房具販売を行っており、現在はDX・IT企業として事業を進める株式会社高山は、社内において徹底したDXを推進しています。また、2022年1月の事業継承を機に社内で培ったDXノウハウを支援していくDX支援会社として業態を転換しました。
【課題・背景】
- 旧態ビジネスの文房具業界の衰退やコロナショックを機にDXに取り組む
【具体的な取り組み】
- デジタルマーケティング、CRM・SFA、販売管理から会計・給与系、オフィスEPR、生成AI、サイバーセキュリティ対策、ハイブリッドワークと一気通貫のデータ経営を徹底して実施
- 社員研修、勉強会でDXについて学ぶ環境を構築
- 内定者からテレワークアルバイト体制で早期育成、全ての教育コンテンツは社内SNS&動画にて集約し、各人の学習進捗、スキル状態を見える化
【得られた成果・今後の展望】
- 非生産的な労働をツールにより効率化したことで総労働時間を毎年各人5〜10%削減、生産性約120%上昇
- 2年連続で給与・賞与を増額でき、社員満足度向上
⑦【福島コンピューターシステム】コロナを機に短期間でのデジタル化を実現

ソフトウェア業を手がける福島コンピューターシステムは、コロナ禍で会社存続の危機に陥った際、効率化の必要性から短期間でのDXに成功しました。
【課題・背景】
- コロナ禍で社員が出社できない状況を想定し、仕事のやり方を変える必要があった
【具体的な取り組み】
- 企業間の契約書締結、請求書管理、契約書のAI審査、ファックスなどすべての業務をデジタル化
【得られた成果・今後の展望】
- ハンコは不要となり紙の使用量を46.8%削減、電力の使用量を17.3%削減
- 54.2%の社員がテレワーク可能に
⑧【永井製作所】伝統の金型づくりでDXを推進

金型づくり一筋で60年の歴史を持つ永井製作所は金型づくりという伝統的な領域においてDXを進めています。
【課題・背景】
- 業界の不確実性が高まり、生き残りのために持続可能な事業を実現させる必要があった
【具体的な取り組み】
- デジタルテクノロジーにおいて金型づくりの属人性体質の抜本的改革を実現
- デジタルに精通した地域DXコミュニティメンバーと連携しDX推進を確実化
【得られた成果・今後の展望】
- 未経験者が戦力になるまでの期間を80%短縮
- 年間の金型製作の請負能力を1.5倍向上
⑨【田島石油】DXでの業務効率化により1年間で約5百万円の人件費削減に成功

ガス・エネルギー業を手がける田島石油株式会社は、DXにより大幅な人件費削減に成功しました。
【課題・背景】
- DXで社内業務の効率化を実現し、顧客との対面での時間を増やしたい
- 少子高齢化による働き手不足に備えたい
【具体的な取り組み】
- 社員が各自にスマートフォンを持ち、システムをクラウド化することで情報のリアルタイムの共有を実現
- GoogleのBIツールであるLookerStudioを使用した「見える化経営」の実現
- 業務データは、全てグーグルワークスペースに移行
【得られた成果・今後の展望】
- スマートメーターで実施した業務改革とスプレッドシートを使用した基幹業務の効率化により1年間で約5百万円の人件費削減に成功
⑩【鶴見製紙】10年間で全ての紙の点検表や伝票の大部分を電子化

トイレットペーパーの製造販売を行う鶴見製紙株式会社は、部門横断でのDXを実施し、生産管理効率を向上させました。
【課題・背景】
- 生産工程におけるIoT化を進め、脱炭素化を推進しビジネスモデルの価値を高めたかった
【具体的な取り組み】
- 各部門に1名以上のDX委員会を任命し、DXに関する課題管理を部門横断で実施
- 10年間で全ての紙の点検表や伝票の大部分を電子化
- 収集した電子データはBIツールで分析
【得られた成果・今後の展望】
- 業務プロセス改善により属人化の解消、進捗が可視化され、効率的な生産管理が可能に
- すべての点検データを電子化してすぐ確認することで品質向上を実現
⑪【疋田産業】DX実施と振り返りを繰り返し、着実に業務効率化を実現

機械部品、工場機械を取り扱う疋田産業株式会社は、数多くのシステム・ツールでDXを進め業務効率化を実現しました。
【課題・背景】
- 社内業務の効率化のため、2019年に業務効率化改善チームを発足させ、部署ごとの事務改善への取り組みをスタートした
【具体的な取り組み】
- 組織を横断した人員で構成された「DX推進チーム」を設立
- 社内DXの活動状況をTeamsに掲載し、社内での取り組みを見える化
- office365を活用し、各自の作業をオンプレからクラウド化
- システム・ツールを積極的に導入
- 実施と振り返り、対応策検討を繰り返し地道な取り組みを行う
【得られた成果・今後の展望】
- 定型業務でのRPA稼働台数10%増
- 徹底的な業務効率化・生産性向上により、2023年度の売上が5.98%増
⑫【ヤマサ】内製化されたDXでスピーディーかつ安価な改革が実現

建設関連事業を手がける株式会社ヤマサは、DXを内製化することによって社内で密な連携の取れたデジタル化を進めています。
【課題・背景】
- 社内の生産性を上げ、将来の生産労働人口減少に備える必要性があった
- DXがITベンダー頼りになっており、価格交渉力の低下やスピード低下に悩まされていた
【具体的な取り組み】
- IT人材を採用し、DXの内製化体制を構築
- IT人材の受け皿となるデジタル推進部を新設
- 各事業がデータ化により可視化
【得られた成果・今後の展望】
- DXの内製化によって事業部とIT開発の密な連携が取れるようになり、現場ニーズにあったシステム開発をスピーディーかつ安価に実現
- 建設関連事業や産学官連携の研究開発によって特許を取得
⑬【協和工業】DXによって作業を効率化することで、課題解決の時間を確保

自動車や産業機械等に使用するユニバーサルジョイント、ステアリングジョイントの専門メーカーである協和工業は、DXを通して価値のない仕事を排除し、変革を進めています。
【課題・背景】
- 基幹システムが陳腐化し、システム外で各社員が個別に情報管理をし始めた事で、業務の属人化、情報の非共有化が進み、価値を生まない作業が蔓延していた
【具体的な取り組み】
- データコード統一・データ一元管理
- USPユニケージの導入
- IoT導入によるリアルタイムデータ収集
【得られた成果・今後の展望】
- 時間当たり売上高13.5%増
- 工程内不良金額86.4%減
- 今までは記入や集計等にかけていた時間を課題解決に向けた活動に充てることができるため、よく考えて実践できる人材の育成に成功
⑭【三共電機】クラウドフローにより間接業務を90%自動化

三共電機株式会社はクラウドフローにより業務の効率化を実現しています。
【課題・背景】
- 従業員の年収向上のために、業務効率を抜本的に改革する必要があった
【具体的な取り組み】
- 製造・販売業務はAI、クラウド技術を活用
- 間接業務はローコード・ノーコードアプリを活用
- ローコードアプリ、クラウドフローによる自動化は自社開発
【得られた成果・今後の展望】
- クラウドフローにより間接業務を90%自動化
- 残業時間を月平均19時間削減
⑮【有限会社ゑびや】ITを経営の軸として経営革新を実践する「経営革新企業」に転換

三重県伊勢市で商店や和食堂を営む創業150年の老舗である有限会社ゑびやは、DXによって非効率的な従来の体制をイノベーションしました。
【課題・背景】
- 人員不足や独自性の欠如などから、事業縮小が検討されていた
- そろばんと手書き会計での帳簿など、効率が悪い体制が続いていた
【具体的な取り組み】
- IT知識のないDX担当スタッフは、勤務時間を全て勉強に充ててリテラシー獲得に集中
- 飲食担当スタッフでもITやDXに興味があればジョブチェンジを推奨し、ゼロの知識からでもプロのIT担当へ教育
- 帳簿を紙からエクセルに変更
【得られた成果・今後の展望】
- 業務全体の効率化を達成
- 勘と経験で行っていた来客予想をExcelやAIで予想できるようになり、ロスの少ない仕込みや適切なシフト調整を実現
- 自社開発の来客予測・店舗分析システムである「TOUCH POINT BI」を販売活用や商品開発、マーケティングなどに活用し売上高向上に寄与
⑯【東邦電気産業】紙媒体資料をデータ化することで作業効率向上を達成

建築設備の設計・施工を行う東邦電気産業株式会社は、建築業務で飛び交う多くの紙媒体資料をデータ化することで作業効率向上を達成しています。
【課題・背景】
- 深刻な担い手不足を補うため、業務効率化の必要性があった
【具体的な取り組み】
- 設計・見積もり内容、工事実績をデータベース化
- クラウド上に構築したシステムにおいて、ペーパーレス化、ワークフロー化を推進
- 蓄積したデジタルデータを活用したシステム間連携でさらなる省力化を実現
- 現場作成資料作業を自動化
【得られた成果・今後の展望】
- 顧客の設備情報デジタル化によって顧客への応答速度の短縮と時間外労働の削減
- 生産性向上の結果、工事希望納期の達成率上昇
⑰【ミヨシテック】顧客情報を一元管理し、分析等データ活用が可能に

建築設備工事などを手がける株式会社ミヨシテックは、顧客情報の一元管理を実現し、生産性の向上を実現しています。
【課題・背景】
- 激しい社会情勢・市場変化に伴う、お客様ニーズの変化に柔軟に対応する必要性に迫られていた
【具体的な取り組み】
- SaaS・PaaSの利用により従業員自身が業務システムを作成
- 蓄積した業務データをAIにより分析
- Kintone・RPAの利用によりクラウド上にデータを集約
【得られた成果・今後の展望】
- 複数のシステムやファイルにまたがっていた情報を一元管理でき、分析等データ活用が可能に
- 削減した業務時間を「人」でしか行えない業務に活用できるようになった
⑱【エヌエスケー】デジタルツールを活用したことで、2285.5時間の効率化に成功

情報通信業を扱う株式会社エヌエスケーはデジタルツール導入により大幅な効率化を実現しました。
【課題・背景】
- 既存ビジネスの変革・新たなビジネスモデルの創出により企業価値向上・差別化を目指していた
- より早いDXで市場優位性を確保したかった
【具体的な取り組み】
- 顧客と直接関わるフロント業務はアナログの対応にこだわりながら、バックヤード業務では徹底的なデジタル化とBPOの活用による効率化を実現
- 社内でのコミュニケーションツールとして感謝の気持ちを手書きで送り合う「サンクスカード」をデジタル化。その後サービスとして「サンクスカードアプリ」をリリース
【得られた成果・今後の展望】
- デジタルツールを活用したことで、2285.5時間の効率化に成功
⑲【広島メタルワーク】データドリブン経営で売上高23%、営業利益19%の増加を実現

精密板金加工やステンレス加工を取り扱う株式会社広島メタルワークは、データドリブン経営で利益増加を実現しました。
【課題・背景】
- 機械の性能向上により、誰でも同じモノづくりができるようになった社会を想定し、デジタル活用によるQCD(Quality・Cost・Delivery)の管理力の重要性を認識
【具体的な取り組み】
- 工程設計や製品構成の設定など、あらゆる製造工程をオンラインで管理する総合生産管理システムTEDを活用
- 1人1台の端末導入で、従業員全員がリアルタイムに正確な進捗データを取得することが可能に
【得られた成果・今後の展望】
- 売上高23%、営業利益19%の増加に成功
- 不良率は生産管理システムTED導入により90%以上削減
⑳【福岡運輸】DXを通して物流イノベーションを創出

運輸業を営む福岡運輸株式会社は、物流における課題解決、コスト削減をきめ細かなDXで実現し、物流イノベーションを起こしています。
【課題・背景】
- 人材不足や働き方改革による労働時間短縮によって起こる輸送能力不足問題「物流2024年問題」に対応する必要があった
【具体的な取り組み】
- 全社横断のDX推進プロジェクトを立ち上げ
- AI-OCRを流用した受注入力システムの導入
- 自社開発のバース(積み下ろしスペース)予約・受付システムにより受付・作業状況の可視化と状況に即したバース運用を実現
- 受領書をクラウド型文書管理システムに取込み
【得られた成果・今後の展望】
- 発注書の入力作業での工数・ミスを削減
- 保管状況の可視化や検索の効率化を実現
中小企業がDXを成功させる5つのポイント

中小企業がDXを成功させるためのポイントとして、以下の5つが挙げられます。
- ①リーダーのコミットメントにより社内を巻き込む
- ②自社ならではのDX戦略を策定する
- ③十分なDX人材を確保する
- ④スモールスタートクイックウィンを実現する
- ⑤ゴールへの最短かつ低コストなアプローチを設計する
それぞれのポイントについて分かりやすく紹介していきます。
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①リーダーのコミットメントにより社内を巻き込む
DXは、個別業務のデジタル化だけでなく、全社規模の業務やビジネスモデル、組織文化の変革など、会社のコアとなる部分を大きく変えていく取り組みです。
そのため、経営陣や事業部のリーダーが起点となり、DXのビジョン・方針を明確に示し、社内全体を強力に動かしていく必要があります。
具体的には、「どのような中長期的なDXのビジョンを描くのか」、「業務や顧客体験、ビジネスモデルをどのように変えていくのか」、そのために「どの程度人材や予算を割り当てていくのか」などに対して、大きな権限を持って意思決定をしていくことが求められます。
一方で、経営陣やリーダー陣がDXに対する危機意識が低い場合などは、DX推進部門や経営企画部門などが主導し、リーダー陣を含め、DXに関する社内向けの勉強会/ワークショップを実施することも有効です。
②自社ならではのDX戦略を策定する

あらゆる人・モノ・コトがインターネットと繋がる現代で、人々の生活や業務、ビジネスの主戦場は、リアルの世界からデジタルの世界に加速度的にシフトし続けています。
その変化を踏まえ、いかにデジタルを活用し競争優位性を築いていくかは、全ての企業の経営戦略を考える上で必須のテーマとなっており、DX戦略を考えること=経営戦略を考えること、と言っても過言ではありません。
そのため、DX戦略を策定する際は、特定の事業部/部門×個別の業務×デジタル化という範囲で考えたり、同業他社が進めている取り組みをベースにして考えるといった、個別具体的なアプローチではなく、より中長期や全体のアプローチから、全社のビジョンや経営戦略、テクノロジートレンドや業界への影響などと連動させて考える必要があります。
③十分なDX人材を確保する
DXの成功に向けては、テクノロジーと経営戦略に対して深い知見を持つプロジェクトマネージャーや、専門的なスキルを有するエンジニア、デザイナーなどのDX人材を十分に確保することが必須となります。
本来であれば、既にDX人材が社内にいればよいのですが、ほとんどの日本企業で人材が不足しているという現状があります。
また、市場全体として人手不足で、DX人材の争奪戦となっており、採用も思うようには進められないというケースも多く見られます。
そのため、足元のDX推進にむけては、経営課題とデジタルの両方に精通した外部のエキスパートを活用しながら、中長期目線では実践や研修を通じた人材育成をしていくといったアプローチが有効です。
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④スモールスタートクイックウィンを実現する

DXがなかなか進まない理由として、業務や組織を大胆に変えていくことが必要な一方で、全社規模の大きな成果が上がるまでには5年程度を有するという点があります。
そのため、取り組みの方向性が正しくても、短期間では成果が見えにくいことから、部門間の軋轢や現場からの反発が生まれ、変革のスピードが落ちてしまうケースが少なくありません。
そこで、全社単位でのインパクトは小さくとも、比較的短期で成果が出る取り組みを進め、その成果を社内外に発信し巻き込んでいくことは非常に有効です。
取り組みの例としては、アナログデータのデジタル化や各種データの一元管理化、業務自動化ツールの導入などが挙げられます。
これらの取り組みにより小さな成功を積み重ね、他部門のリーダー陣や現場の社員のマインドが徐々に変わっていくことで、連鎖的に大規模なDXを推進しやすい状況を実現できます。
⑤ゴールへの最短かつ低コストなアプローチを設計する

業務の現状や課題を踏まえて設定したゴールに向けて、最適かつ低コストなアプローチ設計をすることは、DXの投資対効果を飛躍的に高めます。
そもそものDXの目的は、業務を効率化することや顧客により良い製品/サービスを届けることです。
一方で、「DXプロジェクトをやるぞ!」となると、本来目的であるはずのデジタル化自体が目的になってしまい、競合が取り組んでいるからといった理由で、自社にマッチしない大掛かりなデジタル化をすすめてしまうケースが少なくありません。
もし大規模なシステム開発をせずに効率化を実現できるのならそれがベストであり、そもそも業務は必要か、効率化のインパクトは大きいか、SaaSの導入で解決できないか、アジャイルな進め方で小規模なPoCで仮説を検証する余地はないか、などより幅広い視点で検討をするようにしましょう。
DXの実行フェーズになっても、デジタルへの知見はもちろんですが、全社単位での経営の視点や戦略思考が必要になります。
中小企業がDXを推進する6つのステップ

中小企業がDXを推進する手順は大きく6つのステップに分けられます。
それぞれのステップについてわかりやすく解説していきます。
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ステップ1:DXの目的・ビジョンを明確化する

DX推進の最初のステップとして、DXの目的・ビジョンを明確化しましょう。
「DX推進後の理想の自社の姿」を明確に設定することで、その後の取り組み内容や優先度、進め方などを決定する軸とすることができ、ブレることなくプロジェクトを推進できます。
本ステップの検討には経済産業省の「DXレポート2.1」のフレームワークが役に立ちます。
自社の業務、製品/サービス、ビジネスモデルのそれぞれが、どの程度までデジタル化された状態を理想とするかを、市場環境や自社の特性を踏まえ、検討しましょう。
例えば、業務のデジタル化すら進んでいない企業であれば、3年後までにまずは業務のデジタライゼーションを目指す。一方で、業務のデジタル化が進んでいる企業であれば、3年後までに製品/サービスやビジネスモデルのデジタルトランスフォーメーションを目指す。といったビジョンの設定が考えられます。
ステップ2:自社の現状と課題を把握する

続いて、自社が現状どの程度DXを推進できているのか、ビジョンの実現に向け何が課題なのかを把握しましょう。
本ステップの検討には、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の「DX推進指標」を活用することで、企業文化、推進体制、人材育成など、多角的な観点から評価を行うことができます。
それぞれの観点における自社の成熟度のレベルを把握することで、特にDX推進が遅れているポイントを明確にすることができ、その後の戦略や計画の策定に活かすことが可能です。
ステップ3:DXに関する戦略と計画を策定する

前ステップで策定したビジョンと自社の現状・課題に基づき、DXに関する戦略・計画を策定しましょう。
検討すべき項目は上記画像のように多岐に渡りますが、特に重要なのは、「戦略=デジタル化の優先度付け」です。
デジタル化の対象や取り組み内容の候補は極めて幅広いため、バラバラと取り組みを進めてしまうことでリソースが分散し、思うような成果が上がらないというケースは少なくありません。
そのため、取り組みの候補を幅出し・整理した上で、DXを推進しやすくインパクトも期待できる取り組みから着手し、その後難易度が高くよりインパクトの期待できる取り組みにシフトしていくといった進め方が有効となります。
例えば、受発注のやりとりに関する膨大な作業の効率化を重点課題とした企業であれば、まずは資料のペーパーレス化や判子の電子印化を進めた上で、その後一連の受発注プロセスをデジタル活用により自動化するといった進め方が考えられます。
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ステップ4:DX推進チームを構築する

DXを推進するには、ビジョンや戦略を社員に周知し、現場からの課題を吸い上げながら、各部門と連携・調整し、実行支援も行う、DX推進専門のチームが必要になります。
そのため、DX推進チームのメンバーには特に、デジタルへの知見、コミュニケーション能力、業務の知見などのスキルが求められます。
また、DX人材の具体的な職種の例は以下の通りです。
- プロジェクトマネージャー:DXやデジタルビジネス構築を主導するリーダー
- テックリード:システム設計や要件定義を担当し、開発を主導
- UI/UXデザイナー:DXやデジタルビジネスのユーザー向けのデザインを担当
- エンジニア:デジタルシステムの実装・インフラ構築を担当
- データサイエンティスト:事業・業務に精通しデータの収集・分析を担当
これらのDX人材の確保には、外部ベンダー等の人材を活用する方法と、社員に対するDX人材育成を実施する方法があります。
DX推進のスケジュールや、社員のDXスキルの有無、既存業務を含めたリソースの有無などを考慮し、自社に最適な方法を選択しましょう。
ステップ5:デジタル化により業務効率を向上させる
これまでに策定したビジョン・戦略・計画に基づき、実際に業務効率化に向けたデジタル化を推進していきましょう。
ここで、いきなり全社単位や部門横断の大規模なDXに着手してしまうと、デジタル化の難易度が高く、成果が出るまで長期間を要し、コストも膨大になってしまいます。
そこで、デジタイゼーション(書類で管理していたデータをクラウド上で一元管理する等)やデジタライゼーション(RPAの導入によりデスクワークの一部を自動化する等)など着実に成果の上がる取り組みを、特定の事業部や部門単位から進めるのがおすすめです。
前のステップまでは比較的トップダウン的な取り組みですが、本ステップからはいかに現場の各社員と深く対話し、小さな成功を積み重ねるというボトムアップ的な取り組みが重要です。
これにより、多くの人材から共感と信頼を勝ち取り、DX推進に巻き込んでいくことで、より大規模なDXの推進が可能になります。
ステップ6:PDCAを回し、ビジネスモデル変革まで繋げる

業務のデジタル化を進めることで、企業は今まで見えていなかった業務や顧客に関する様々なデータを収集・蓄積・可視化できるようになります。
これらのデータを分析し、新たな業務の課題やビジネスチャンスを発見し、取り組みを改善するというPDCAサイクルを、数ヶ月単位で何度も回すことで、大きな成果を上げることが可能です。
さらに、PDCAサイクルを回し続けることで、自社独自の詳細な顧客データやより効率的なオペレーション、先端技術活用のノウハウなどの強みが蓄積されていきます。この強み蓄積こそが、他社には真似できない、ユニークな新サービスやビジネスモデルの創出の源泉となります。
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