医療DXとは?5大メリットとデメリット、成功事例7選も紹介

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用し、業務やサービス、ビジネスモデルを変革し、企業の競争優位性を高める取り組みのことです。

 

医療業界においてもDX化の動きは進んでおり、病院、製薬会社、医療研究所などあらゆる機関で、カルテ等のペーパーレス化、診療のオンライン化、治療へのAI活用などの取り組みが進められています。

 

そんな中、厚生労働省は、2022年に「医療DX令和ビジョン2030」を公表。医療のDX化・医療情報の有効利用を推進することを提言しました。これをもとに、マイナンバーカードを健康保険証として利用するオンライン資格承認制度の新設や電子カルテ・電子処方箋の導入検討など、様々なDX推進の取り組みを開始しています。

 

本記事では、DXに取り組もうと考えている医療業界の方に向けて、医療におけるDXの取り組み内容、メリット・デメリット、成功事例、進め方、成功のポイントなどをわかりやすく解説していきます。


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目次

医療業界が抱える3つの課題

医療業界が抱える3つの課題

医療業界が抱える課題として、以下の3つが挙げられます。

 

  • ①医療従事者の不足
  • ②アナログ文化の浸透
  • ③病院の経営状態の悪化

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

①医療従事者の不足

医療従事者の不足
(出典:厚生労働省「令和5年版厚生労働白書 日本の人口の推移」)

医療業界が抱える課題の中でも最も深刻なものの一つが、医師や看護師などの医療従事者の不足です。高齢化により、医療サービスを必要とする高齢者が増加しているのに対して、医療従事者の数が足りていないというアンバランスな事態が生じています。

 

令和5年版厚生労働白書」によると、2025年には、第一次ベビーブーム期に生まれた「団塊の世代」の全ての人々が75歳以上の後期高齢者となります。さらに、2040年には第二次ベビーブーム期に生まれた「団塊ジュニア世代」の全ての人々が65歳以上になります。2070年には65歳以上の人口の割合が38.7%となると見込まれており、高齢化はますます進行していきます。

 

これに対し、医療従事者の数は、年々増えてはいるものの、高齢者の増加数には及ばず、将来的に医師不足がさらに悪化すると考えられます。特に、人口当たりの医師数(医師の絶対数)については、諸外国と比べても、日本は低い値となっています。経済協力開発機構(OECD)の調査によると、2019年における人口1,000人当たりの医師数は、OECDの平均が3.6人なのに対し、日本では2.5人にとどまっているとのことです。

 

このような、将来にわたり深刻化するとされている医療従事者不足の問題を解消するためには、医療従事者の業務を効率化し、負担を減らすことが重要です。

 

②アナログ文化の浸透

医療分野では、カルテや診断書、問診表等の各種書面について、いまだに紙でのやりとりが行われています。

 

2023年に情報処理推進機構(IPA)が発表した「DX白書」によると、2021年3月時点で、医療福祉業界の企業・組織の8割近くがDXの取り組みを実施しておらず、今後もする予定はないと回答しています。これは他の産業と比べても最も高い割合です。

 

このように、医療分野は特にDXの取り組みが遅れている業界であり、アナログ文化が常態化していることが深刻な課題となっています。

 

③病院の経営状態の悪化

医療サービスを必要としている高齢者が増えているにもかかわらず、近年、経営状態が悪化している病院が増えています。

 

2023年11月に日本病院会等が発表した「病院経営定期調査」によると、2022年度の全国の病院の利益は、前年度比では100床あたり平均-2億円となり、赤字額の拡大が見られています。

 

その原因として、新型コロナウィルスの流行下で受け入れ患者数を制限したり、感染対策に多くの費用を要したこと、医療従事者確保のために人件費・採用費が増加したこと、などが挙げられます。

 

医療業界の課題を解決する医療DXとは?

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用し、業務やサービス、ビジネスモデルを変革し、企業の競争優位性を高める取り組みのことです。

 

医療DXとは、医療分野におけるDXの取り組みのことです。厚生労働省は、医療DXを以下のように定義しています。

 

医療DXとは、保健・医療・介護の各段階(疾病の発症予防、受診、診察・治療・薬剤処方、診断書等の作成、診療報酬の請求、医療介護の連携によるケア、地域医療連携、研究開発など)において発生する情報やデータを、全体最適された基盤(クラウドなど)を通して、保健・医療や介護関係者の業務やシステム、データ保存の外部化・共通化・標準化を図り、国民自身の予防を促進し、より良質な医療やケアを受けられるように、社会や生活の形を変えることです。

ー出典:厚生労働省「医療DXについて

 

すなわち、医療活動を通じて取得できる患者情報などのデータを、デジタル技術を用いて一元管理し、必要な情報に迅速にアクセスできるようにすることで、最適な医療サービスを提供することを目指す取り組みのことを指します。

 

医療DXを推進することで、医療業務の効率化や医療サービスの質の向上を図り、国民のさらなる健康増進を実現することができると期待されています。

 

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医療DXの具体的な取り組み6選

医療DXの具体的な取り組み6選

医療DXの具体的な取り組みとして、以下の6つが挙げられます。

 

  • ①オンライン予約/問診
  • ②オンライン診療
  • ③事務作業のペーパーレス化
  • ④患者情報のデータベース化
  • ⑤AIによる医療画像の診断
  • ⑥ロボットによる手術サポート

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①オンライン予約/問診

DXの中でも最も取り組みやすいアクションとして、病院の予約や患者の事前問診をオンライン化することが挙げられます。

 

近年では、AIが各患者のデータをもとにパーソナライズされた問診を行い、結果を医師にフィードバックするサービスも登場しています。

 

従来は医療スタッフが対応していた予約受付や問診をオンラインで自動化することで、スタッフの負担軽減や業務効率化に繋がります。

 

②オンライン診療

オンライン診療
(出典:厚生労働省「オンライン診療について」)

オンラインでの遠隔診療を実施する取り組みも徐々に増えています。特に、新型コロナウィルスの流行時には、感染拡大防止の観点からオンライン診療への注目が高まりました。

 

これにより、医師や病院が不足しているいわゆる「医療過疎地域」に住む患者に対しても、移動することなく医療サービスを届けることができるようになります。

 

一方で、オンライン診療の場合、医師が患者から得られる情報が限定されるため、対面での診療と比べて誤った診断に繋がるリスクが高いというデメリットがあります。そのため、厚生労働省は、オンライン診療に関するルールや注意点をまとめた指針やガイドラインを制定しています。

 

※参考:厚生労働省「オンライン診療について

 

③事務作業のペーパーレス化

診断書や処方箋など、医療分野では様々な書類の作成業務があり、これらの書類は基本的には紙でやり取りされています。

 

DXにより、これらの書類をオンライン化することで、印刷や保管にかかるコストの削減や、紛失・情報漏洩の防止といったメリットが得られます。

 

例えば、厚生労働省は医療DXの施策の一つとして、処方箋の電子化を掲げており、電子処方箋の手順書・マニュアルを策定しています。

 

また、厚生労働省は予防接種事務のデジタル化も推進しており、オンラインでの接種対象者の確認や費用請求により、予防接種事務を効率化することを目指しています。

 

④患者情報のデータベース化

患者の年齢、生年月日、病歴、診断記録などの情報管理は、患者ごとに最適な医療サービスを提供する上で欠かせない要素です。

 

患者情報をクラウド上でデータベースとして保存し、医療従事者がいつでもアクセスできるようにすることで、ある患者を担当する医師が変わっても、スムーズに引継ぎができるようになります。

 

現在、厚生労働省所管のワーキンググループにおいて、患者の電子カルテ情報を医療機関や薬局との間で共有・交換できる「電子カルテ情報共有サービス」という仕組みの開発が進められています。

 

⑤AIによる医療画像の診断

AIによる医療画像の診断
(画像:国立がん研究センター)

近年、AIの画像認識・識別能力を医療画像の診断に活用する動きが見られており、多くの医療機関で取り入れられています。

 

例えば、国立がん研究センターでは、内視鏡画像の診断にAIを活用して、大腸がんの早期発見につなげる取り組みが行われており、98%の病変発見率を達成するなど、診断の正確性向上を実現しています。

 

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⑥ロボットによる手術サポート

ロボットによる手術サポート
(画像:Intuitive Surgical)

ロボットを手術に活用する試みは、DXという言葉が流行り出す前から多くの医療機関や研究機関で実施されています。

 

人間の医師と異なり、ミスをせず、疲弊することもないロボットによる手術は、手術の成功率を高める有効な手段として、注目を集めてきました。

 

特に、アメリカの手術ロボットメーカーが開発した「ダビンチ」という手術ロボット(上の画像)は、全国の病院に取り入れられており、症例数は全世界で約100万例に達しています。

 

医療DXを推進する5つのメリット

医療DXを推進する5つのメリット

医療DXを推進するメリットとして、主に以下の5つが挙げられます。

 

  • ①事務作業の自動化・効率化による負担軽減
  • ②患者ごとに個別化された医療サービスの提供
  • ③患者の健康状態の継続的なモニタリングの実現
  • ④データ活用による疾病予測/診断精度の向上
  • ⑤設備停止のリスク回避・BCPの強化

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①事務作業の自動化・効率化による負担軽減

DXにより、問診や受付のオンライン化や処方箋の電子化などを行うことにより、事務作業を大幅に自動化・効率化することができます。

 

これにより、医療従事者の負担を軽減することができ、業務時間の短縮による働き方改革の推進にも繋がります。

 

②患者ごとに個別化された医療サービスの提供

患者の年齢、性別、生年月日、生活習慣、病歴、心拍数等の様々なデータを分析することで、その患者に合った個別化された医療サービスを提供することができます。

 

AIの登場により、ビッグデータと呼ばれる大量のデータを分析・処理することが可能となり、極めて精緻かつ正確な分析ができるようになりました。

 

今後、一人一人の患者に合わせたパーソナライズされた診断は、ますます当たり前のものになっていくでしょう。

 

③患者の健康状態の継続的なモニタリングの実現

患者の健康状態の継続的なモニタリングの実現
(画像:東京エレクトロン)

近年、患者の脈拍、呼吸・発汗、心拍数などの生理情報を絶えず取得し、健康状態をモニタリングするウェアラブルデバイスが注目されています。指輪型のものやブレスレット型のものなど様々なタイプがあり、手軽に取り付けられることから、一般の人が健康状態を把握するのに使われる場合も多いです。

 

モノにセンサーを取り付けてデータを取得するIoTの技術を用いることで、ウェアラブルデバイスから取得した患者の情報を一元管理し、健康改善のためのアドバイスや疾病リスクの予測を行うことが可能となります。

 

ウェアラブルデバイスは、病気の兆候の早期発見・予防に繋がり、患者の健康増進に貢献します。

 

④データ活用による疾病予測/診断精度の向上

データ活用による疾病予測/診断精度の向上
(画像:東芝デジタルソリューションズ)

AIによるデータ分析は、疾病リスクの予測や診断精度の向上にも活用することができます。

 

例えば、患者の生活習慣や健康状態をデータ分析することで、将来の疾病リスクの正確な予測が可能となります。

 

また、大量の医療画像データをAIに学習させることで、人間よりもはるかに高精度で医療画像の診断をすることができるようになります。

 

⑤設備停止のリスク回避・BCPの強化

地震などの災害により設備の稼働が停止したり、病院への出勤が困難となった場合には、患者に必要な医療サービスを届けることができなくなるというリスクがあります。

 

そのような場合でも、各種書類をオンライン化しておけば、自宅からでも端末から医療情報にアクセスしたり、事務作業を行うことが可能になります。

 

このように、いざという時に備えて、医療関連業務のデジタル化を進めておくことで、BCP(Business Continuity Plan)を強化することができます。

 

医療DXを推進する5つのデメリット・注意点

医療DXを推進する5つのデメリット・注意点

医療DXを推進するデメリットや注意点として、以下の5つが挙げられます。

 

  • ①初期費用やランニングコストがかかる
  • ②デジタル人材の確保が難しい
  • ③患者の個人情報漏洩のリスクがある
  • ④既存システムからの移行が難しい
  • ⑤全ての部門との協力・連携が必要となる

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①初期費用やランニングコストがかかる

DX 初期投資やランニングコストがかかる

医療DXの推進にはツールの導入や新たなシステム開発などが必要となり、数百万円〜数千万円の費用が必要になることも少なくありません。

 

また、DXは、従来の個別改善型のデジタル化と比べ、生産プロセスや作業フロー全体の大規模な変革に取り組むことになるため、比較的高額な初期費用が必要になります。

  

一方で、数年スパンで見ると大きな成果が期待できるため、中長期でのコスト削減や売上向上の効果を試算した上で、適切な範囲内で予算を確保し投資を行うことが重要です。

 

②デジタル人材の確保が難しい

医療DXを推進するには、最新のテクノロジーを使いこなせるエンジニアはもちろん、ビジネス戦略とデジタル活用の両方に知見をもつリーダーが必要となります。

 

もっとも、多くの医療機関は、このようなデジタル人材の獲得に苦労しています。経済産業省の調査によると、国内のIT人材の需要は拡大し続けるのに対し、供給は2019年をピークに減少しており、2030年にかけて40〜80万人規模で不足すると予想されています。希望通りにDX人材の採用が進むことは非常に稀という状況なのです。

 

そのため、短期的には外部のコンサルティング会社の支援を受けて体制を強化しつつ、中長期的には人材育成や採用の仕組みを強化していく必要があります。

 

③患者の個人情報漏洩のリスクがある

医療DXを進めるにあたり、あらゆる情報を一つのシステムに一元化して効率的にアクセスできるようにするという取り組みが必要となります。

 

病院の場合、そのような情報には、患者の個人情報、病歴、診断記録などセンシティブな情報が含まれるため、これらが流出すると深刻なトラブルに繋がります。

 

このようなリスクを最小限にするためにも、セキュリティ対策は万全に整えておく必要があります。

 

④既存システムからの移行が難しい

DXには、既存システムから新システムへの移行作業が伴います。システムの移行そのものに加え、データのフォーマット変換や新たな作業プロセスの設計、利用する従業員への研修など、様々な取り組みが必要となります。

  

特に、複雑化・ブラックボックス化が進みレガシー化してしまったシステムからの移行に取り組む場合、その技術的・工数的なハードルはかなり高く、現場が難色を示すということは少なくありません。

 

一方で、移行の難易度が高くなっていることは、そのシステムを利用し続けるための運用コストやリスクが大きくなっていることを意味する場合が多いため、移行に取り組む意義はより大きいと言えます。

 

⑤全ての部門との協力・連携が必要となる

DXの推進には、部門を横断する業務プロセスやシステムの見直し、加えて組織やビジネスモデルの再構築などが必要となります。

 

それらの取り組みを進める際には、組織内の幅広い関係部門間の協力・連携が必要不可欠です。一方で、各部門や現場のメンバーは、目の前の通常業務を抱えているため、プロジェクトが円滑に進まないというケースが多く存在します。

 

そのため、全社としてのDXの必要性やビジョンを周知し、現場の声も吸い上げた上で、協力を得ながらDXを推進することが求められます。

 

医療DXの成功事例7選

医療DXの成功事例として、以下の7事例が挙げられます。

 

  • ①【日本赤十字】AI事前問診ツールを導入し、1回の診察時間を3分短縮
  • ②【国立がん研究センター】内視鏡画像をAIに解析・診断させ、がんの早期発見につなげる
  • ③【第一三共】AIやビッグデータを活用して創薬プロセスを刷新
  • ④【東北大学病院】日本語大規模言語モデルで医療文書の作成時間を47%削減
  • ⑤【東京ミッドタウンクリニック】疾病リスク予測AIで疾病リスクを正確に予測
  • ⑥【アステラス製薬】「オンラインMR」を専任し、非対面で医薬品情報を提供
  • ⑦【comatsuna】VR/メタバースを活用した社員のメンタル支援サービス「メンサポドクター」をリリース

 

それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。

 

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①【日本赤十字】AI事前問診ツールを導入し、1回の診察時間を3分短縮

【日本赤十字】AI事前問診ツールを導入し、1回の診察時間を3分短縮
(画像:Ubie)

日本赤十字社の石巻赤十字病院では、診察時間を短縮するために、AIを搭載した事前問診ツール「Ubie」を導入しました。Ubieは、AIによる患者への事前問診の実施、電子カルテの記入の自動化、参考となる病名の提案などを行うことができる医療機関向けのDX支援ツールです。

 

【課題・背景】

  • 患者への事前問診やカルテの記入といった事務作業の工数を減らし、医師や看護師の負担を減らしたい

 

【具体的な取り組み】

  • AI搭載の事前問診ツール「Ubie」を導入し、カルテの記入作業や患者への問診などに活用
  • 問診結果をもとに参考病名を提案する機能を研修医向けに活用

 

【得られた成果】

  • カルテの記入や患者への問診の自動化により医師や看護師の負担軽減、患者の待ち時間の解消
  • 1回の診察当たりの作業時間を3分短縮、導入2か月半で合計44時間分の作業時間短縮に成功
  • 参考病名の提案機能が研修医のインプットに貢献

 

②【国立がん研究センター】内視鏡画像をAIに解析・診断させ、がんの早期発見につなげる

【国立がん研究センター】内視鏡画像をAIに解析・診断させ、がんの早期発見につなげる
(画像:国立がん研究センター)

国立がん研究センターは、内視鏡画像をAIに解析・診断させ、消化器系のがんの早期発見につなげる取り組みを実施しています。これまで、内視鏡検査は医師が肉眼で行っており、医師によって診断内容にばらつきがあったり、がんの兆候の見逃しがあるなどの課題がありました。

 

【課題・背景】

  • 大腸内視鏡検査を受けていたにもかかわらず、内視鏡検査時の見逃しによりその後大腸がんになるケースが約3%に達している現状
  • 早期発見が重要である大腸がん治療において見逃しを防ぐことが喫緊の課題に

 
【具体的な取り組み】

  • NECと共同で、AIが早期大腸がんや前がん病変を内視鏡検査時にリアルタイムに発見するソフトウェアを開発
  • AIに約 5,000 例の大腸癌と前癌病変の内視鏡画像を学習、診断させる

 

【得られた成果】

  • 偽陽性率を1%に抑えたまま、98%の病変発見率を達成するなど、正確性が向上
  • 解析時間もわずか0.1秒以内に短縮

 

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③【第一三共】AIやビッグデータを活用して創薬プロセスを刷新

【第一三共】AIやビッグデータを活用して創薬プロセスを刷新
(画像:第一三共)

第一三共は、ビッグデータやAIなどの技術を組み合わせて活用することで創薬を革新させています。同社は多様なデータや先進技術を活用し一人ひとりに寄り添った最適な健康・医療サービスを提供する ”HaaS(Healthcare as aService)”の実現を目指してDXに取り組んでいます。

 

【課題・背景】

  • 2万分の1以下の成功確率といわれる新薬開発において、良質な薬をいち早く患者に届けるために、AIやビッグデータを活用して創薬に革新をもたらす必要性に迫られていた

  

【具体的な取り組み】

  • 約60億種類もの化合物群の中から、病気に効果のある最適な化合物を見つけるためのAIスクリーニングを実施
  • バイオ医薬品の生産工程にAIや機械学習技術を応用

 

【得られた成果】

  • AIとビッグデータにより、約2か月という短期間で大量の良質な新薬候補化合物の創出に成功
  • AIや機械学習技術の応用により、バイオ医薬品の生産工程の効率と安定性の向上を実現

 

④【東北大学病院】日本語大規模言語モデルで医療文書の作成時間を47%削減

【東北大学病院】日本語大規模言語モデルで医療文書の作成時間を47%削減
(画像:東北大学病院)

東北大学病院は、生成AIにおける日本語大規模言語モデル(Large Language Model、LLM)を活用し、電子カルテなどの情報をもとに医療文書を自動作成する実証実験を行いました。

 

【課題・背景】

  • 生成AIを医療文書作成に活用して業務を効率化することで、医師の働き方改革を推進することを目指していた

 

【具体的な取り組み】

  • NECが開発した医療テキスト分析用のAIモデルで、電子カルテに記録された患者の症状、検査結果、経過、処方などの情報を時系列に整理
  • NECのLLMを用いて治療経過の要約文を自動生成

 

【得られた成果】

  • 医療文書の作成時間を平均47%削減
  • 医師の記録・報告書作成にかかる業務負担を減らし、時間外労働を軽減
  • 文章の表現や正確性において医師から高い評価を受ける

 

⑤【東京ミッドタウンクリニック】疾病リスク予測AIで疾病リスクを正確に予測

【東京ミッドタウンクリニック】疾病リスク予測AIで疾病リスクを正確に予測
(画像:東芝デジタルソリューションズ)

東京ミッドタウンクリニックは、人間ドックを受診した患者に対して疾病リスクの予測結果を報告する際に、疾病リスク予測AIサービスというツールを活用しています。

 

疾病リスク予測AIサービスとは、東芝デジタルソリューションズが提供するソリューションで、1年分の健康診断データをもとにAIが6年先までの6疾病(糖尿病・高血圧症・脂質異常症・腎機能障害・肝機能障害・肥満症)のリスクを予測するサービスです。

 

【課題・背景】

  • 近年、個々人が自身の生活習慣の改善や健康増進を図り生活習慣病を予防することを目的に、発症リスクの把握に対するニーズが高まっている

 

【具体的な取り組み】

  • 東芝デジタルソリューションズが提供するソリューション「疾病リスク予測AIサービス」を活用
  • 生活習慣病の個別化予測データを健康診断レポートに反映

 

【得られた成果】

  • より正確な疾病リスク予測を患者に届けることに成功
  • 疾病リスクの予測にかかる医師の工数を削減し業務効率化を達成

 

⑥【アステラス製薬】「オンラインMR」を専任し、非対面で医薬品情報を提供

【アステラス製薬】「オンラインMR」を専任し、非対面で医薬品情報を提供
(画像:アステラスメディカルネット)

アステラス製薬は、医療関係者への医薬品に関する情報提供の顧客接点強化を目的に「アステラス オンラインMR」を任命し、オンラインによる情報提供・収集サービスを開始しました。

 

情報提供できる情報は、承認された「効能又は効果」、「用法及び用量」の範囲内に限定されており、オンラインMRが情報提供活動を行うほか、製品説明会などを担い、全国の医療従事者に広く同社製品の情報を発信しています。

 

【課題・背景】

  • 新型コロナウイルスの感染拡大やそれに伴うリモートワークの普及に伴い医療関係者への情報提供・収集活動のあり方を見直す必要があった

 

【具体的な取り組み】

  • オンライン面談ツール等を用いて自社の製品情報を提供するオンライン専任MR「アステラス オンラインMR」を30人配置
  • 現時点では前立腺癌治療剤(イクスタンジ錠)、抗悪性腫瘍剤(ゾスパタ錠)、腎性貧血治療薬(エベレンゾ錠)、関節リウマチ治療剤であるJAK阻害剤(スマイラフ錠)・TNF-α阻害薬(シムジア皮下注)の5製品の情報提供・収集を行う

  

【得られた成果】

  • オンラインで行うことにより、MR・医療関係者それぞれの移動にかかる負担を軽減
  • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴う医療関係者への情報提供・収集活動のあり方の変化に対応

 

⑦【comatsuna】VR/メタバースを活用した社員のメンタル支援サービス「メンサポドクター」をリリース

【comatsuna】VR/メタバースを活用した社員のメンタル支援サービス「メンサポドクター」をリリース
(画像:comatsuna)

デジタルヘルスケア・産業保健事業を手がけるcomatsuna社は、VR/メタバースを活用した法人向け社員メンタル支援サービス「メンサポドクター」をリリースしました。メンズサポートドクターは、アバターを介したオンラインでのコミュニケーションによりメンタルヘルスの改善を図るサービスです。

 

【課題・背景】

  • 人見知りや対面でのコミュニケーションに抵抗のある方にも、気軽に利用できるメンタルヘルスケアサービスの需要が高まっていた

 

【具体的な取り組み】

  • アバターを介したオンラインでのコミュニケーションによりメンタルヘルスの改善を図るサービス「メンサポドクター」を開発
  • メタバース空間でアバターを介した産業カウンセラーやキャリアコンサルタントとの面談やメンタル予防セミナーの受講が可能に

 

【得られた成果】

  • 利用した企業は社員の潜在的な不満や不安・問題点をいち早く検出できるようになり、社員のメンタル不調予防、離職予防に貢献
  • アバターを介したコミュニケーションが心理的障壁を低くし、悩みを相談しやすい環境を構築

 

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医療DXを進めるための6つのステップ

DXの進め方|具体的な6つのステップ

医療DXの進め方は大きく6つのステップに分けられます。

それぞれのステップについてわかりやすく解説していきます。

 

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ステップ1:DXの目的・ビジョンを明確化する

ステップ1:DXの目的・ビジョンを明確化する
(出典:経済産業省「DXレポート2.1」

DX推進の最初のステップとして、DXの目的・ビジョンを明確化しましょう。

 

「DX推進後の理想の自社の姿」を明確に設定することで、その後の取り組み内容や優先度、進め方などを決定する軸とすることができ、ブレることなくプロジェクトを推進できます。

 

本ステップの検討には経済産業省の「DXレポート2.1」のフレームワークが役に立ちます。

自社の業務、製品/サービス、ビジネスモデルのそれぞれが、どの程度までデジタル化された状態を理想とするかを、市場環境や自社の特性を踏まえ、検討しましょう。

 

例えば、業務のデジタル化すら進んでいない企業であれば、3年後までにまずは業務のデジタライゼーションを目指す。一方で、業務のデジタル化が進んでいる企業であれば、3年後までに製品/サービスやビジネスモデルのデジタルトランスフォーメーションを目指す。といったビジョンの設定が考えられます。

 

ステップ2:自社の現状と課題を把握する

DX ステップ2:自社の現状と課題を把握する
(出典:独立行政法人情報処理推進機構「「DX 推進指標」とそのガイダンス」

続いて、自社が現状どの程度DXを推進できているのか、ビジョンの実現に向け何が課題なのかを把握しましょう。

 

本ステップの検討には、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)のDX推進指標」を活用することで、企業文化、推進体制、人材育成など、多角的な観点から評価を行うことができます。

 

それぞれの観点における自社の成熟度のレベルを把握することで、特にDX推進が遅れているポイントを明確にすることができ、その後の戦略や計画の策定に活かすことが可能です。

 

ステップ3:DXに関する戦略と計画を策定する

ステップ3:DXに関する戦略と計画を策定する
(出典:独立行政法人情報処理推進機構「「DX 推進指標」とそのガイダンス」

前ステップで策定したビジョンと自社の現状・課題に基づき、DXに関する戦略・計画を策定しましょう。

 

検討すべき項目は上記画像のように多岐に渡りますが、特に重要なのは、「戦略=デジタル化の優先度付け」です。

 

デジタル化の対象や取り組み内容の候補は極めて幅広いため、バラバラと取り組みを進めてしまうことでリソースが分散し、思うような成果が上がらないというケースは少なくありません。

 

そのため、取り組みの候補を幅出し・整理した上で、DXを推進しやすくインパクトも期待できる取り組みから着手し、その後難易度が高くよりインパクトの期待できる取り組みにシフトしていくといった進め方が有効となります。

 

例えば、受発注のやりとりに関する膨大な作業の効率化を重点課題とした企業であれば、まずは資料のペーパーレス化や判子の電子印化を進めた上で、その後一連の受発注プロセスをデジタル活用により自動化するといった進め方が考えられます。

 

ステップ4:DX推進チームを構築する

ステップ4:DX推進チームを構築する

DXを推進するには、ビジョンや戦略を社員に周知し、現場からの課題を吸い上げながら、各部門と連携・調整し、実行支援も行う、DX推進専門のチームが必要になります。

 

そのため、DX推進チームのメンバーには特に、デジタルへの知見、コミュニケーション能力、業務の知見などのスキルが求められます。

 

また、DX人材の具体的な職種の例は以下の通りです。

  • プロジェクトマネージャー:DXやデジタルビジネス構築を主導するリーダー
  • テックリード:システム設計や要件定義を担当し、開発を主導
  • UI/UXデザイナー:DXやデジタルビジネスのユーザー向けのデザインを担当
  • エンジニア:デジタルシステムの実装・インフラ構築を担当
  • データサイエンティスト:事業・業務に精通しデータの収集・分析を担当

 

これらのDX人材の確保には、外部ベンダー等の人材を活用する方法と、社員に対するDX人材育成を実施する方法があります。

 

DX推進のスケジュールや、社員のDXスキルの有無、既存業務を含めたリソースの有無などを考慮し、自社に最適な方法を選択しましょう。

 

ステップ5:デジタル化により業務効率を向上させる

これまでに策定したビジョン・戦略・計画に基づき、実際に業務効率化に向けたデジタル化を推進していきましょう。

 

ここで、いきなり全社単位や部門横断の大規模なDXに着手してしまうと、デジタル化の難易度が高く、成果が出るまで長期間を要し、コストも膨大になってしまいます。

 

そこで、デジタイゼーション(書類で管理していたデータをクラウド上で一元管理する等)やデジタライゼーション(RPAの導入によりデスクワークの一部を自動化する等)など着実に成果の上がる取り組みを、特定の事業部や部門単位から進めるのがおすすめです。

 

前のステップまでは比較的トップダウン的な取り組みですが、本ステップからはいかに現場の各社員と深く対話し、小さな成功を積み重ねるというボトムアップ的な取り組みが重要です。

 

これにより、多くの人材から共感と信頼を勝ち取り、DX推進に巻き込んでいくことで、より大規模なDXの推進が可能になります。

 

ステップ6:PDCAを回し、ビジネスモデル変革まで繋げる

DX ステップ6:PDCAを回し、ビジネスモデル変革まで繋げる

業務のデジタル化を進めることで、企業は今まで見えていなかった業務や顧客に関する様々なデータを収集・蓄積・可視化できるようになります。

 

これらのデータを分析し、新たな業務の課題やビジネスチャンスを発見し、取り組みを改善するというPDCAサイクルを、数ヶ月単位で何度も回すことで、大きな成果を上げることが可能です。

 

さらに、PDCAサイクルを回し続けることで、自社独自の詳細な顧客データやより効率的なオペレーション、先端技術活用のノウハウなどの強みが蓄積されていきます。この強み蓄積こそが、他社には真似できない、ユニークな新サービスやビジネスモデルの創出の源泉となります。

 

医療DXを成功させるための5つのポイント

DXを成功させるための5つのポイント

医療DXを成功させるためのポイントとして、以下の5つが挙げられます。

 

  • ①リーダーのコミットメントにより社内を巻き込む
  • ②自社ならではのDX戦略を策定する
  • ③十分なDX人材を確保する
  • ④スモールスタートクイックウィンを実現する
  • ⑤ゴールへの最短かつ低コストなアプローチを設計する

 

それぞれのポイントについて分かりやすく紹介していきます。

 

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①リーダーのコミットメントにより社内を巻き込む

DXは、個別業務のデジタル化だけでなく、全社規模の業務やビジネスモデル、組織文化の変革など、会社のコアとなる部分を大きく変えていく取り組みです。

 

そのため、経営陣や事業部のリーダーが起点となり、DXのビジョン・方針を明確に示し、社内全体を強力に動かしていく必要があります。 

 

具体的には、「どのような中長期的なDXのビジョンを描くのか」、「業務や顧客体験、ビジネスモデルをどのように変えていくのか」、そのために「どの程度人材や予算を割り当てていくのか」などに対して、大きな権限を持って意思決定をしていくことが求められます。

 

一方で、経営陣やリーダー陣がDXに対する危機意識が低い場合などは、DX推進部門や経営企画部門などが主導し、リーダー陣を含め、DXに関する社内向けの勉強会/ワークショップを実施することも有効です。

 

②自社ならではのDX戦略を策定する

自社ならではのDX戦略を策定する

あらゆる人・モノ・コトがインターネットと繋がる現代で、人々の生活や業務、ビジネスの主戦場は、リアルの世界からデジタルの世界に加速度的にシフトし続けています。

 

その変化を踏まえ、いかにデジタルを活用し競争優位性を築いていくかは、全ての企業の経営戦略を考える上で必須のテーマとなっており、DX戦略を考えること=経営戦略を考えること、と言っても過言ではありません。

 

そのため、DX戦略を策定する際は、特定の事業部/部門×個別の業務×デジタル化という範囲で考えたり、同業他社が進めている取り組みをベースにして考えるといった、個別具体的なアプローチではなく、より中長期や全体のアプローチから、全社のビジョンや経営戦略、テクノロジートレンドや業界への影響などと連動させて考える必要があります。

 

③十分なDX人材を確保する

DXの成功に向けては、テクノロジーと経営戦略に対して深い知見を持つプロジェクトマネージャーや、専門的なスキルを有するエンジニア、デザイナーなどのDX人材を十分に確保することが必須となります。

 

本来であれば、既にDX人材が社内にいればよいのですが、ほとんどの日本企業で人材が不足しているという現状があります。

 

また、市場全体として人手不足で、DX人材の争奪戦となっており、採用も思うようには進められないというケースも多く見られます。

 

そのため、足元のDX推進にむけては、経営課題とデジタルの両方に精通した外部のエキスパートを活用しながら、中長期目線では実践や研修を通じた人材育成をしていくといったアプローチが有効です。

 

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④スモールスタートクイックウィンを実現する

DX スモールスタートクイックウィンを実現する

DXがなかなか進まない理由として、業務や組織を大胆に変えていくことが必要な一方で、全社規模の大きな成果が上がるまでには5年程度を有するという点があります。

 

そのため、取り組みの方向性が正しくても、短期間では成果が見えにくいことから、部門間の軋轢や現場からの反発が生まれ、変革のスピードが落ちてしまうケースが少なくありません。

 

そこで、全社単位でのインパクトは小さくとも、比較的短期で成果が出る取り組みを進め、その成果を社内外に発信し巻き込んでいくことは非常に有効です。

 

取り組みの例としては、アナログデータのデジタル化や各種データの一元管理化、業務自動化ツールの導入などが挙げられます。

 

これらの取り組みにより小さな成功を積み重ね、他部門のリーダー陣や現場の社員のマインドが徐々に変わっていくことで、連鎖的に大規模なDXを推進しやすい状況を実現できます。

 

⑤ゴールへの最短かつ低コストなアプローチを設計する

DX ゴールへの最短かつ低コストなアプローチを設計する

業務の現状や課題を踏まえて設定したゴールに向けて、最適かつ低コストなアプローチ設計をすることは、DXの投資対効果を飛躍的に高めます。 

 

そもそものDXの目的は、業務を効率化することや顧客により良い製品/サービスを届けることです。

 

一方で、「DXプロジェクトをやるぞ!」となると、本来目的であるはずのデジタル化自体が目的になってしまい、競合が取り組んでいるからといった理由で、自社にマッチしない大掛かりなデジタル化をすすめてしまうケースが少なくありません。

 

もし大規模なシステム開発をせずに効率化を実現できるのならそれがベストであり、そもそも業務は必要か、効率化のインパクトは大きいか、SaaSの導入で解決できないか、アジャイルな進め方で小規模なPoCで仮説を検証する余地はないか、などより幅広い視点で検討をするようにしましょう。

 

DXの実行フェーズになっても、デジタルへの知見はもちろんですが、全社単位での経営の視点や戦略思考が必要になります。

 

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