DXにデザイン思考が必要な3つの理由|5つの実践プロセスも紹介
デザイン思考とは、ユーザーのニーズを深く理解し、それに基づいて問題を解決するための創造的なアプローチやプロセスのことを指します。デザイナーが製品やサービスを設計するときの思考方法を、ビジネスに応用する考え方です。
デザイン思考がDXの取り組みにおいて注目されている理由として、ITツールのUI改善に役立つこと、顧客体験の向上に資すること、チーム全員の結束に繋がることなどが挙げられます。
本記事では、DXにおけるデザイン思考の基本、DXとデザイン思考の関係、デザイン思考の進め方、成功事例などをわかりやすく解説していきます。
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目次
そもそもDXとは?
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用して、業務やサービス、ビジネスモデルを変革し、企業の競争優位性を高める取り組みのことです。
単なるデジタル化・IT化ではなく、デジタル活用により、業務やサービス、ビジネスモデルを大きく変革していく取り組みであるという点が大きなポイントです。
経済産業省は、2018年に発表した「DX推進ガイドライン」において、DXを以下のように定義しています。
“企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること”
ー出典:経済産業省 デジタルガバナンス・コード2.0
例えば、動画配信大手のNetflixが、宅配型のDVDレンタル事業からサブスクリプション型のオンライン動画配信サービスへとビジネスモデルを変革したのは、DXの代表的な事例といえるでしょう。
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DX実現の鍵となる「デザイン思考」とは?
デザイン思考の意味・定義
デザイン思考とは、ユーザーのニーズを深く理解し、それに基づいて問題を解決するための創造的なアプローチやプロセスのことを指します。デザイナーが製品やサービスを設計するときの思考方法を、ビジネスに応用する考え方です。
デザイン思考の一番大きな特徴は、徹底的なユーザー目線に立つことです。ユーザーの視点に立ち、ユーザーの悩みや求めているものを徹底的に理解することで、真に価値のあるプロダクトを開発することを目指します。
デザイン思考は、単にデザインに関することだけでなく、複雑な問題解決や新しいアイデアの創出に有効な手法として、ビジネスや教育、医療など様々な分野で活用されています。
デザイン思考が注目されている背景
ビジネスの現場でデザイン思考が注目されている背景として、製品のコモディティ化という点が挙げられます。技術の成熟やグローバル化による競争の激化により、多くの企業が似たような製品を市場に投入するようになり、技術力や性能の高さにより差別化をすることが困難となっています。
例えば、2007年にAppleが初めてiPhoneを発売した当初は、他に例のない画期的な製品とされていましたが、現在ではGoogleやシャープ、中国の企業など、多くの企業がスマホの提供に乗り出しています。これにより、スマホという製品はコモディティ化し、今では価格戦略やブランド力が売上を上げるための肝となっています。
製品のコモディティ化が進む中で、他社よりも優れた製品を開発して市場シェアを握るためには、ユーザーに寄り添った製品、すなわちUIやUXが高い製品を提供することが重要となっています。徹底的なユーザー目線に立って製品を設計するデザイン思考は、これを実現する非常に有効な手段となります。
デザイン思考の2つのパターン
漸進型
漸進型のデザイン思考とは、前の製品からいきなり大きく変えるのではなく、目の前の課題を解決するために、地道な改善を積み重ねていく考え方のことです。
例えば、iPhoneなどのスマートフォンや、MicrosoftのWordやExcelなどのオフィスソフトウェアは、定期的にバージョンがアップデートされ、機能が追加されたり、改変されたりします。これらの施策は、ユーザーのフィードバック等に応じて、小さな改善を行い、より使いやすい製品へと改良していく漸進型のアプローチの典型例です。
不連続型
不連続型のデザイン思考とは、斬新なアイデアを取り入れて既存の製品を大きく変更し、全く新しい製品やビジネスモデルを構築する考え方のことです。市場環境の変化や技術の進歩などの外部環境を踏まえて、既存の製品では生き残ることが難しい場合に採られることが多いアプローチです。
例えば、動画配信大手のNetflixは、もともとは宅配型のDVDレンタル事業を行っていましたが、インターネットの普及を受けて、オンライン上での動画配信ストリーミングへとビジネスモデルを大きく転換しました。時代の変化に合わせた不連続型のデザイン思考の典型的な成功例といえます。
アート思考との違い
アート思考とは、芸術家が自由な発想で作品を創作するように、既存のルールや固定観念にとらわれず、自由な発想で新しいビジネスアイデアを生み出すアプローチのことです。
デザイン思考がユーザーの目線に立ってより良い問題解決方法を考えるのに対し、アート思考はユーザー目線や問題解決などの特定のゴールにとらわれず、新しい視点や概念を生み出すことを目的としています。
デザイン思考はユーザー重視、アート思考は自分の個性・発想重視のアプローチと言えるでしょう。
DX実現にデザイン思考が必要である3つの理由
DX実現にデザイン思考が必要である理由として、主に以下の3つが挙げられます。
- ①ITツール/システムのUI/UXの改善に役立つから
- ②顧客体験の向上に資するから
- ③チーム全員の知見の結集と結束力の強化につながるから
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
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①ITツール/システムのUI/UXの改善に役立つから
DX推進の一環として、業務効率化やプロセスの最適化のために、新しいITツールやシステムを導入する取り組みが行われます。しかし、ツールを導入したものの、現場で実際に利用する従業員が使い方を理解できず、結局使われないまま終わってしまうという事態も少なくありません。
デザイン思考は、「ユーザーがより使いやすい設計やインターフェースはどのようなものか」という課題と徹底的に向き合います。ITツールやシステムの導入においても、デザイン思考的な考え方を取り入れることで、従業員にとって使いやすい設計となっているツールを意識的に選択したり、自らUIやUXを改善できるようになるでしょう。
これにより、導入したITツールやシステムが従業員にしっかりと活用され、DXの効果を確実なものとすることができます。
②顧客体験の向上に資するから
デザイン思考では、徹底的な顧客理解に基づき、ユーザーにとってベストなデザインの製品を提案します。
DXによる成果の一つとして、ユーザーごとに個別最適化された商品やサービスの提案が可能になるという点が挙げられます。AIを用いた顧客データの分析により、各ユーザーが本当に求めているものは何なのかを洗い出し、ユーザーごとにパーソナライズされた製品を提供できるようになるのです。
このようなパーソナライズされた製品を提供するためには、徹底したユーザー視点に立つというデザイン思考のアプローチが極めて重要となります。
③チーム全員の知見の結集と結束力の強化につながるから
デザイン思考では、ユーザーの求めているものに対する解像度を極限まで高めるために、多くの人の知見・意見を取り入れるというプロセスを経ることが一般的です。
このようなデザイン思考のアプローチをDXに応用することで、チーム全員が意見を出し合い、より良いアイデアを生み出すことが可能となります。
DXはチーム一丸となって推進すべき横断的な取り組みであることから、チーム全員の意見を集約して結束力を高めることが非常に重要となります。
DXにおけるデザイン思考の5つのプロセス
デザイン思考を進める前提として、ユーザーのペルソナを設定する必要があります。自社の製品を購入してくれるユーザーはどのような属性の人物なのかをできるだけ具体的にイメージすることで、より深い顧客理解に繋がります。
ペルソナが固まったら、以下の5つのプロセスに基づいてデザイン思考を進めていくことになります。
- ①観察・共感
- ②定義
- ③創造
- ④プロトタイプ・テスト
- ⑤本開発
それぞれのプロセスについて分かりやすく解説していきます。
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①観察・共感
製品を購入したユーザーが実際にその製品をどのように利用するのかを観察したり、アンケートの実施や口コミの確認などを行うことで、ユーザーの感情や満足度をできるだけ深く理解します。
ユーザーの表面的な発言ではなく、その背後にある本音やフラストレーション、潜在的なニーズをいかに上手く探り出せるかが重要なポイントとなります。
そのためにも、実際に製品を購入したユーザーの一人になりきり、共感していく努力をすることが有効なアプローチとなるでしょう。ユーザーの観察と共感は、デザイン思考を行う重要な第一歩となるので、ある程度時間をかけてでも丁寧に行う必要があります。
②定義
ユーザーへの共感を深めると、ユーザーがどこに不便さ・フラストレーションを感じているのかが次第に見え始め、ユーザーが抱えている問題を明確化できるようになります。
これにより、次に解決すべき課題を定義付けし、改善の方向性を検討することが可能となります。
③創造
解決すべき課題が明確になったら、その課題を解決するための施策をできるだけ多く考え出していきます。その際には、できるだけ多くのチームメンバーを集め、多様な意見を募ることが不可欠です。
可能な限り多くのアイデアを洗い出すことで、常識や固定観念に縛られない斬新な視点やアプローチが生み出され、創造的な課題解決につながる可能性が見えてきます。
クリエイティブなアイデアを考案するためには、どのようなアイデアでも否定せず、前向きにとらえていく組織文化・雰囲気を構築することが重要です。
④プロトタイプ・テスト
チームで洗い出したアイデアの中から、実現性・実効性の高そうなものを選択し、モックアップと呼ばれる簡単なプロトタイプを開発します。
プロトタイプを制作することで、机上のアイデアが形になり、具体的な問題点や効果を可視化することができます。また、実際に一部のユーザーにプロトタイプを利用してもらうことで、ユーザーにとって使いやすい設計となっているか、ユーザーのニーズを満たすものかを確認することも必要です。
プロトタイプの制作により明らかとなった新たな問題点を改善することで本開発につなげていきます。
⑤本開発
プロトタイプで得たフィードバックをもとに、実際に製品を本開発していきます。本開発に入ると、相応のリソースや人員を投下することになるため、失敗のリスクは極限まで減らす必要があります。
失敗のリスクを減らすための有効な対策として、本開発をする直前に、改めて今までのプロセスを振り返り、当初の目的やユーザーに対する理解をチーム全員で再度共有するのがおすすめです。
DXにおいてデザイン思考を採用する際の3つの注意点
DXにおいてデザイン思考を採用する際の注意点として、以下の3つが挙げられます。
- ①ゼロベースでの開発には向いていない
- ②チーム内で意見がまとまらない可能性がある
- ③ユーザーに過度に依存してしまう
それぞれについてわかりやすく解説していきます。
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①ゼロベースでの開発には向いていない
デザイン思考は、既存の製品をユーザー目線から改良していくアプローチです。そのため、全く新しい製品をゼロベースで開発する場面では、想定するユーザーがまだ存在しないため、デザイン思考のアプローチをとることはできません。
また、ゼロベースでの製品開発は、既存の枠組みにとらわれず、常識を打ち破るような新たな発想が必要となることが多いため、ユーザー視点から既存の製品を地道に改良していくことを基本とするデザイン思考にはなじまないといえます。
ゼロベースで開発する場合には、自由な発想を重視するアート思考など、異なる思考法からのアプローチが必要となります。
②チーム内で意見がまとまらない可能性がある
デザイン思考におけるユーザー像(ペルソナ)は、開発者の想像により設定されることも多いため、人によって異なることも珍しくありません。
そのため、チームのメンバー同士でペルソナ像について意見が対立する可能性があります。ペルソナ像が曖昧だと、ユーザーのニーズに対する理解もバラバラになり、開発の方向性について統一した意思決定を取ることが難しくなります。
そのため、ペルソナの設定、ユーザーのニーズ理解に当たっては、過去の購買履歴やユーザーに対するアンケート結果など、可能な限り客観的な根拠に基づいて検討することが重要となります。
また、意見がまとまらない場合に備えて、最終的に意思決定を行う責任者を決めておくことも必要です。
③ユーザーに過度に依存してしまう
デザイン思考はユーザー視点から既存の製品を改善していくアプローチですが、ユーザーの意見を鵜呑みにし過ぎることによるリスクもあります。
一部のユーザーの偏った意見だけを取り入れてしまったり、ユーザー自身も自分たちが何を求めているかをわかっていないこともあります。例えば、口コミは、ユーザーの考えを知る重要なチャネルとなりますが、ネット上に口コミを書くようなユーザーは全ユーザーのごく一部に過ぎないことも多く、かつ、偏った意見が書き込まれる可能性が高いです。
そのため、できるだけ多くのユーザーに対してアンケートを実施する、口コミではなく購買数などの客観的なデータを重視するなどして、バイアスを最小限に抑えることが重要です。
デザイン思考でDXを成功させる5つのポイント
デザイン思考でDXを成功させるためのポイントとして、以下の5つが挙げられます。
- ①リーダーのコミットメントにより社内を巻き込む
- ②自社ならではのDX戦略を策定する
- ③十分なDX人材を確保する
- ④スモールスタートクイックウィンを実現する
- ⑤ゴールへの最短かつ低コストなアプローチを設計する
それぞれのポイントについて分かりやすく紹介していきます。
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①リーダーのコミットメントにより社内を巻き込む
DXは、個別業務のデジタル化だけでなく、全社規模の業務やビジネスモデル、組織文化の変革など、会社のコアとなる部分を大きく変えていく取り組みです。
そのため、経営陣や事業部のリーダーが起点となり、DXのビジョン・方針を明確に示し、社内全体を強力に動かしていく必要があります。
具体的には、「どのような中長期的なDXのビジョンを描くのか」、「業務や顧客体験、ビジネスモデルをどのように変えていくのか」、そのために「どの程度人材や予算を割り当てていくのか」などに対して、大きな権限を持って意思決定をしていくことが求められます。
一方で、経営陣やリーダー陣がDXに対する危機意識が低い場合などは、DX推進部門や経営企画部門などが主導し、リーダー陣を含め、DXに関する社内向けの勉強会/ワークショップを実施することも有効です。
②自社ならではのDX戦略を策定する
あらゆる人・モノ・コトがインターネットと繋がる現代で、人々の生活や業務、ビジネスの主戦場は、リアルの世界からデジタルの世界に加速度的にシフトし続けています。
その変化を踏まえ、いかにデジタルを活用し競争優位性を築いていくかは、全ての企業の経営戦略を考える上で必須のテーマとなっており、DX戦略を考えること=経営戦略を考えること、と言っても過言ではありません。
そのため、DX戦略を策定する際は、特定の事業部/部門×個別の業務×デジタル化という範囲で考えたり、同業他社が進めている取り組みをベースにして考えるといった、個別具体的なアプローチではなく、より中長期や全体のアプローチから、全社のビジョンや経営戦略、テクノロジートレンドや業界への影響などと連動させて考える必要があります。
③十分なDX人材を確保する
DXの成功に向けては、テクノロジーと経営戦略に対して深い知見を持つプロジェクトマネージャーや、専門的なスキルを有するエンジニア、デザイナーなどのDX人材を十分に確保することが必須となります。
本来であれば、既にDX人材が社内にいればよいのですが、ほとんどの日本企業で人材が不足しているという現状があります。
また、市場全体として人手不足で、DX人材の争奪戦となっており、採用も思うようには進められないというケースも多く見られます。
そのため、足元のDX推進にむけては、経営課題とデジタルの両方に精通した外部のエキスパートを活用しながら、中長期目線では実践や研修を通じた人材育成をしていくといったアプローチが有効です。
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④スモールスタートクイックウィンを実現する
DXがなかなか進まない理由として、業務や組織を大胆に変えていくことが必要な一方で、全社規模の大きな成果が上がるまでには5年程度を有するという点があります。
そのため、取り組みの方向性が正しくても、短期間では成果が見えにくいことから、部門間の軋轢や現場からの反発が生まれ、変革のスピードが落ちてしまうケースが少なくありません。
そこで、全社単位でのインパクトは小さくとも、比較的短期で成果が出る取り組みを進め、その成果を社内外に発信し巻き込んでいくことは非常に有効です。
取り組みの例としては、アナログデータのデジタル化や各種データの一元管理化、業務自動化ツールの導入などが挙げられます。
これらの取り組みにより小さな成功を積み重ね、他部門のリーダー陣や現場の社員のマインドが徐々に変わっていくことで、連鎖的に大規模なDXを推進しやすい状況を実現できます。
⑤ゴールへの最短かつ低コストなアプローチを設計する
業務の現状や課題を踏まえて設定したゴールに向けて、最適かつ低コストなアプローチ設計をすることは、DXの投資対効果を飛躍的に高めます。
そもそものDXの目的は、業務を効率化することや顧客により良い製品/サービスを届けることです。
一方で、「DXプロジェクトをやるぞ!」となると、本来目的であるはずのデジタル化自体が目的になってしまい、競合が取り組んでいるからといった理由で、自社にマッチしない大掛かりなデジタル化をすすめてしまうケースが少なくありません。
もし大規模なシステム開発をせずに効率化を実現できるのならそれがベストであり、そもそも業務は必要か、効率化のインパクトは大きいか、SaaSの導入で解決できないか、アジャイルな進め方で小規模なPoCで仮説を検証する余地はないか、などより幅広い視点で検討をするようにしましょう。
DXの実行フェーズになっても、デジタルへの知見はもちろんですが、全社単位での経営の視点や戦略思考が必要になります。
デザイン思考でDXに成功した事例5選
ユーザーの視点に立った優れたデザイン思考でDXに成功した事例として、以下の5つが挙げられます。
- ①【東急リバブル】多様化する不動産顧客のニーズに応えるAIサービスを続々リリース
- ②【JINS】ユーザーが試着したメガネの似合い度をAIが判定
- ③【LIXIL】接客等のDXを進め業務効率化と顧客体験向上を同時に実現
- ④【りそな銀行】ToC向けワンストップ金融サービスアプリの提供
- ⑤【アシックス】デジタル上の顧客接点を強化しEC/D2C売上比率を大幅に向上
それぞれの事例について分かりやすく解説していきます。
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①【東急リバブル】多様化する不動産顧客のニーズに応えるAIサービスを続々リリース
土地から建物まであらゆる不動産の情報を提供する東急リバブルは、DXの一環として、AIを活用した様々な新規サービスの創出を行っています。
【課題・背景】
- 「急な転勤等に備えて売却価格を知りたい」「自分に合った物件をすぐに見つけ出したい」といった顧客の様々なニーズに応えたい
【具体的な取り組み】
- AIにより所有不動産の価格を簡単査定する「スピードAI査定」のリリース
- AIを活用することで相性ぴったりの物件を探すことができる「AI相性診断」のリリース
- AIが投資用区分マンションのおすすめ度を顧客ごとに分析してレコメンドする「投資用区分マンションAIマッチングシステム」を 開発・運用
【得られた成果】
- スピードAI査定は、所有する不動産を登録するだけでAIが瞬時に価格を査定する利便性が評価され、登録者が1万人を突破
- AI相性診断は、パーソナライズされた物件情報をスピーディに提供、マッチ度95%を達成
- 投資用区分マンションAIマッチングシステムは、営業経験5年以上の担当者と同等レベルの物件選定・提案力を実現
②【JINS】ユーザーが試着したメガネの似合い度をAIが判定
メガネを中心としたアイウェアを提供するJINSは、ユーザーが試着したメガネの似合い度をAIが判定する「JINS BRAIN」というサービスを提供しています。
【課題・背景】
- 顧客の「自分に似合うメガネが分からない」「探しているメガネがなかなか見つからない」という問題を解決したい
【具体的な取り組み】
- ユーザーが画面上で試着したメガネの似合い度をAIが判定する「JINS BRAIN」をJINSのオンラインショップで提供
- AIがユーザーの顔の形や髪型をもとに、そのメガネが似合っているかどうかを判定
- ランキング形式で各ユーザーに似合うメガネをレコメンドする機能も搭載
【得られた成果】
- メガネがより選びやすく、スムーズに購入できる体験を実現
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③【LIXIL】接客等のDXを進め業務効率化と顧客体験向上を同時に実現
LIXILは、建築材料や住宅設備機器などを製造・販売する日本を代表するメーカーの一つです。同社は、製品設計から接客まであらゆる販売プロセスにAIやIoTなどのデジタル技術を取り入れて、業務効率化と顧客体験(CX)の向上を同時に実現しました。
【課題・背景】
- コロナをきっかけとするECの普及に伴い、オンラインでの顧客接点・販売チャネルの確保の必要性に迫られていた
【具体的な取り組み】
- LIXILの製品を購入したい企業に対して、自宅から接客を受けられるサービス「LIXILオンラインショールーム」の提供
- AIが顧客の希望に寄り添った見積りプランを提示する「かんたんプラン選び」の提供
【得られた成果】
- 忙しい人でも気軽に製品購入に関する相談や見積りの取得が可能となり、累計相談数15万組突破、顧客満足度93%を達成
- 時間を選ばず利用できるサービスとして「日本子育て支援大賞2023」を受賞
④【りそな銀行】ToC向けワンストップ金融サービスアプリの提供
【課題・背景】
- 銀行の預貸金の利ザヤ減少により、アプリなどのサービス提供による手数料など、新たな収益確保の必要性に迫られていた
【具体的な取り組み】
- 個人顧客向けに、残高確認、振込、公共料金支払い、海外送金、投資運用、ローン、保険申込などがすべて行える「りそなグループアプリ」の提供
- 提携企業に対し、りそなグループアプリ提携基盤の提供
- APIエコノミーで地銀連合形成
【得られた成果】
- 普通預金や定期預金、資産運用やローンなど、口座状況をいつでもワンタップで確認可能に
- お金を貯めたい目的と金額に応じた積み立て方の提案や、レポートであなたの支払いを自動で見える化など資産形成をアプリがサポート
- AIが口座状況や銀行取引を分析し、ムダな出費や貯金についてパーソナライズされたアドバイスを提供し、顧客満足度が向上
- 過去1か月で25,000件以上クリックされ、App Storeは4.6、Google Playは4.3の評価を獲得
⑤【アシックス】デジタル上の顧客接点を強化しEC/D2C売上比率を大幅に向上
アシックスは、スポーツ用のシューズやウェアなどを製造・販売する日本を代表するスポーツ用品メーカーです。同社は、ランナー向けのスマホアプリなどを通じてデジタル上での顧客との直接の繋がり強化を進めることで、販売に占めるEC/D2C比率を高め、収益率の向上を実現しています。
【課題・背景】
- コロナをきっかけとする買い物のオンラインシフトに伴い、ECやD2Cでの販売比率を向上させ、売上げ拡大を図る必要に迫られていた
- アシックスの売上のうちECでの比率はわずか数%であり、EC比率拡大に向けた施策が喫緊の課題となっていた
【具体的な取り組み】
- ECサイトと連動し、限定クーポン等が貰えるロイヤリティプログラム「OneASICS」を展開し顧客接点を強化
- ランニングの記録と仲間とのシェアができるスマホアプリ「アシックスランキーパー」を提供し購入後の顧客との接点も獲得
- 購入後を含めた顧客データを活用し、各顧客の身体にフィットした商品を提案
【得られた成果】
- 卸売中心で顧客接点が限定的だったが、デジタル顧客基盤が1,000万人超へ
- 購入後も含めた多様な顧客接点の獲得により、ファン化を促進しLTVも向上
- 課題としていたEC売上比率が5%から18%へ、D2C比率が17%から33%へ向上
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- 自社がデジタルを活用してどんなことができるか知りたい
- DXをどのように進めれば良いか分からない
- 自社にデジタル活用の経験や知識のある人がおらず困っている