DXコンサルティングとは?6つの支援内容〜会社の選び方まで紹介
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用し、業務やサービス、ビジネスモデルを変革し、企業の競争優位性を高める取り組みのことです。
社内にDXを推進するための人材や知見がない場合には、外部のコンサルティング会社に依頼するのも有効です。
本記事では、DXコンサルティングの依頼を検討している方に向けて、DXコンサルティングを依頼してできること、依頼する際の注意点、コンサル会社選びで失敗しないポイント、おすすめコンサル会社、DXの進め方や成功させるポイントをわかりやすく解説していきます。
またDX総研では、DXを検討・推進する上で必ず押さえておきたい、DX成功事例50選の取り組みや成果をまとめたレポートを無料で配布しています。ご興味のある方は、以下リンクからダウンロードしてご活用ください。
目次
そもそもDXとは?

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用して、業務やサービス、ビジネスモデルを変革し、企業の競争優位性を高める取り組みのことです。
単なるデジタル化・IT化ではなく、デジタル活用により、業務やサービス、ビジネスモデルを大きく変革していく取り組みであるという点が大きなポイントです。
経済産業省は、2018年に発表した「DX推進ガイドライン」において、DXを以下のように定義しています。
“企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること”
ー出典:経済産業省 デジタルガバナンス・コード2.0
例えば、動画配信大手のNetflixが、宅配型のDVDレンタル事業からサブスクリプション型のオンライン動画配信サービスへとビジネスモデルを変革したのは、DXの代表的な事例といえるでしょう。
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DXコンサルティングとは?
DXコンサルティングとは、DXを推進したいクライアント企業に対して、DXで成果を上げるための様々な支援を行うサービスです。
DXを推進しようとする多くの企業は、「社内にDXに詳しい人材がいないため、DXの進め方がわからない」という課題に直面します。
デジタル人材が不足していると言われる中、DXを推進できる人材を新たに採用することは難しく、せっかくDXの推進計画を立てたものの、実行されないまま終わってしまうということも珍しくありません。
DXコンサルティングを利用することで、DXの戦略・計画の立案からツールの選定・導入、導入後の運用・メンテナンスまで、一貫して支援を受けることができます。これにより、社内に詳しい人材がいなくても、成果に繋がるDXを実現することが可能となります。
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DXコンサルティングを利用してできる6つのこと

DXコンサルティングを利用してできることとして、主に以下の6つが挙げられます。
- ①業務課題の洗い出しとDX戦略の立案
- ②戦略に基づくDXプロジェクトの推進
- ③最適なDXツールの選定・導入
- ④システム・アプリケーションの開発
- ⑤DX推進体制の構築・カルチャーづくり
- ⑥DX人材の育成
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
※DX総研では経験豊富なコンサルタントによる、DXに関する個別無料相談会を実施しております。自社に合った推進方法や検討の進め方などでお困りの方は、お気軽にご相談ください。
①業務課題の洗い出しとDX戦略の立案
DXを推進するにあたっては、自社の業務における課題を洗い出した上で、どの課題に対してDXを推進し、どのように解決していくかの戦略を立てる必要があります。
DXコンサルタントは、担当者へのヒアリング等を通じて、クライアント企業の業務課題を洗い出した上で、DXにより解決できる課題を特定し、具体的な解決策を立案することができます。
ターゲットとする課題と解決のための手段が明確になることで、効率的にDXを進めることが可能となります。
②戦略に基づくDXプロジェクトの推進
DXコンサルタントは、立案したDX戦略に基づいて実際にプロジェクトを推進する手助けをすることができます。
ゴールから逆算した現実的なスケジュールの策定、プロジェクトに必要なチーム体制の構築とリソースの確保、定期的な進捗状況の確認・マネジメントなど、プロジェクトの推進に当たって必要となるあらゆるアクションをサポートします。
③最適なDXツールの選定・導入
DXを実現するためには、自社の課題を解決するために必要なツールを導入する必要があります。もっとも、DXツールには様々な種類があり、目的にマッチした最適なツールを選ぶことは困難です。
DXコンサルタントは、クライアント企業の課題の解像度を高めた上で、その課題を解決するのに最適なツールを選定し、導入をサポートします。
なお、自らツールの開発・提供を行っていないコンサルタントであれば、客観的で公平な立場から、クライアント企業に最も適したツールを選定してくれると期待できます。
④システム・アプリケーションの開発
DXコンサルタントの中には、システムやアプリケーションの開発まで手掛けている人もいます。
自社に合った既存のツールがどうしても見つからない場合には、オーダーメイドのシステムやアプリケーションの開発を依頼することが可能です。
また、コンサルタントによっては、信頼できるエンジニアやプログラマーに開発を委託してくれる場合もあります。
⑤DX推進体制の構築・カルチャーづくり
DXを推進するためには、社内において率先してプロジェクトを遂行するチーム体制の構築が必要となります。
また、DXは部門横断的に業務プロセスを改革したり、ビジネスモデルの変革を伴う取り組みであるため、会社全体がDXを推進するカルチャーを醸成することが重要です。
DXコンサルタントは、DXを推進するために適切なチーム体制を構築するための助言や、担当者が他の部門からDX推進の協力を得るための支援を行うことができます。
⑥DX人材の育成
DXコンサルタントは、クライアント企業の従業員のデジタルリテラシーを高め、DX人材を育成するための支援を行います。
DXの基本や進め方、ITツールの使い方を講義するDX研修/勉強会の実施、従業員向けのガイドライン・マニュアルの作成など、様々な形で社内のDX人材の育成に貢献します。
DXコンサルティングを依頼する際の3つの注意点

DXコンサルティングを依頼する際の注意点として、以下の3つが挙げられます。
- ①依頼する目的を明確にする
- ②社内のチーム体制を整える
- ③コンサルタントと密に連携する
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
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①依頼する目的を明確にする
DXコンサルティングを依頼する際には、依頼する目的を明確にすることが重要です。ここでは、2つの観点で自社の目的を整理する必要があります。
1つ目は、DXによって何を実現したいのかという点です。DXによって既存の業務プロセスを刷新したいのか、新たな製品やサービスを創出したいのか、ビジネスモデルそのものを変革したいのか、によって依頼する内容は大きく変わります。
2つ目は、DXコンサルティングに何を依頼したいのかという点です。自社のリソースも勘案した上で、戦略立案から依頼したいのか、開発だけを依頼したいのか、ツールの選定から導入・メンテナンスまで一気通貫でサポートを受けたいのか、などコンサルタントに何を依頼したいのかを明確にしておきましょう。
②社内のチーム体制を整える
DXを推進するためには、プロジェクトを主導するチーム体制を整えておく必要があります。
プロジェクト全体を統括するプロジェクトマネージャー、開発やシステム統合を担当するエンジニア、製品やサービスの設計を担当するデザイナーなどDX推進には様々な役割を持つ人材が必要です。
また、チーム体制を整える過程で、自社に足りないリソースがわかり、コンサルタントに何を依頼するべきかが明確になるでしょう。
③コンサルタントと密に連携する
DXコンサルタントに業務を依頼した後も、そのまま放置しておくのではなく、定期的にミーティングなどを行うことで進捗状況を確認することが重要です。
コミュニケーションの行き違いから自社の求めていない成果物が出てきたり、当初の想定以上にコストが膨らんでいたりと、予期していない事態が発生している可能性もあります。
コンサルタントと密に連携をとることで、当初の計画通りにプロジェクトが進んでいるかを確認し、計画倒れによる失敗を防ぐことができます。
DXコンサルティング会社選びで失敗しない3つのポイント

DXコンサルティング会社選びで失敗しないためのポイントとして、以下の3つが挙げられます。
- ①自社の目的にマッチした支援を行えるコンサル会社を選ぶ
- ②各顧客に合ったオーダーメイドの支援を提供してくれるコンサル会社を選ぶ
- ③迅速かつ丁寧なコミュニケーションをとってくれるコンサル会社を選ぶ
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
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①自社の目的にマッチした支援を行えるコンサル会社を選ぶ
コンサル会社に依頼する前に、その会社が自社の目的を達成するために必要な支援を行えるかどうかを確認しましょう。
DXコンサル会社には、戦略立案に特化している会社、開発に特化した会社、戦略立案から開発・運用まで一気通貫で支援している会社など、様々なタイプがあります。
コンサル会社にどのような支援を依頼したいのかを明確にしたうえで、自社の目的を達成できる会社を選ぶことを意識しましょう。
②各顧客に合ったオーダーメイドの支援を提供してくれるコンサル会社を選ぶ
DXの推進方法は、各社の業務・業態や目的に応じて千差万別であり、型通りの方法や既存のツールだけでは目的を達成できないことも多いです。
コンサル会社によっては、各クライアントの要望に応じてオーダーメイドの支援を提供してくれる会社もあります。
そのような会社を選ぶことで、DX推進による成果を最大限まで高めることが可能となります。
③迅速かつ丁寧なコミュニケーションをとってくれるコンサル会社を選ぶ
デジタル技術やITツールは日々目まぐるしく進化しています。DXを推進するにあたっては、最新の技術や絶え間なく変化する競争環境に応じて、柔軟にプロジェクトの方向性を修正していくことが重要となります。
そのため、コンサルタントに依頼した後も、継続的にコミュニケーションをとり、最新の知見のキャッチアップや方向性のすり合わせを行うことが極めて重要となります。
レスポンスが早く、丁寧なコミュニケーションをとってくれるコンサル会社であれば、このような変化に対しても即時に対応することができ、時代にマッチしたDXの取り組みを推進することができるようになるでしょう。
おすすめのDXコンサルティング会社5選
おすすめのDXコンサルティング会社として、以下の5社が挙げられます。
- ①【DX総研】成果につながるオーダーメイドのDX推進を企画~開発まで一気通貫で支援
- ②【クニエ】NTTの知見を活かしたデジタル技術の活用コンサルに強み
- ③【ユナイテッド】「DX注目企業2021」に選定され、DXプラットフォーム事業も運営
- ④【アクセンチュア】グローバルなネットワークを活かし、幅広い領域でDXを支援
- ⑤【日立コンサルティング】IoTデバイスなど自社プロダクト開発も行う
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
①【DX総研】成果につながるオーダーメイドのDX推進を企画~開発まで一気通貫で支援

DX総研は、企業の成果につながるDX推進の実現に向け、オーダーメイドの開発・コンサルティングを行っている企業です。
DXの推進が成果に繋がらないパターンとして、「他社の動向などに基づき、自社に最適ではない推進方法を選択してしまう」、「ベンダー都合での提案を受け、特定のツールなど打ち手ありきの推進を進めてしまう」などが挙げられます。
DX総研は、幅広い業界での支援経験や、国内最大級の法人向けDXメディア運営で培った豊富な知見に基づき、各社の課題解決・目的達成にこだわった、オーダーメイドでの戦略/企画の策定と開発・導入支援を強みとしています。
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②【クニエ】NTTの知見を活かしたデジタル技術の活用コンサルに強み
クニエは、経営戦略や企業変革を実現するためのコンサルティングサービスを提供しているNTTグループのコンサル会社です。
クニエのDXコンサルティングサービスの特徴は以下の通りです。
- NTTグループの知見を活かし、デジタル技術を活用した達成可能な企画構想の立案
- 上流から下流までクライアントに寄り添い、一気通貫で支援
クニエは、コンサルティングに加えて、DX関連ビジネスの調査レポートやDXに関する書籍の出版も行っています。
③【ユナイテッド】「DX注目企業2021」に選定され、DXプラットフォーム事業も運営
ユナイテッドは、DXコンサルティングおよびDXプラットフォーム事業に取り組む日本企業です。「DX注目企業2021」にも選定されています。
ユナイテッドのDXコンサルティングサービスの特徴は以下の通りです。
- アプリ開発専門会社などの関連会社と協業し、社内一貫で支援
- コア事業である投資事業で得た知見を活かしたコンサルティング
ユナイテッドは他にも、コア事業である教育事業、人材マッチング事業、投資事業を通じてDXに取り組んでいます。
④【アクセンチュア】グローバルなネットワークを活かし、幅広い領域でDXを支援
アクセンチュアは、ストラテジー、テクノロジー、オペレーションズなどの各領域でコンサルティングサービスを提供しているグローバル企業です。
アクセンチュアのDXコンサルティングサービスの特徴は以下の通りです。
- 120か国以上のグローバルなネットワークを活用し、幅広い実績を持つ
- AI、ライフサイエンス、教育、消費財など多様な業界に渡る支援
アクセンチュアは、コンサルティング部門に加えて、DX等に取り組むスタートアップ企業への投資を行うベンチャーキャピタル部門も有しています。
⑤【日立コンサルティング】IoTデバイスなど自社プロダクト開発も行う
日立コンサルティングは、経営戦略やITソリューションを提供する、日立製作所のグループ会社です。
日立コンサルティングのDXコンサルティングサービスの特徴は以下の通りです。
- IoT、アナリティクス、サステナビリティなど幅広い事業領域を持つ
- ビジネス課題に対して、戦略立案から実行支援まで一貫したサービスを提供
日立コンサルティングは、コンサルティングに加えて、イノベーションラボでの研究開発や、IoTデバイスなどの自社プロダクト開発も行っています。
DXを成功させるための5つのポイント

DXを成功させるためのポイントとして、以下の5つが挙げられます。
- ①リーダーのコミットメントにより社内を巻き込む
- ②自社ならではのDX戦略を策定する
- ③十分なDX人材を確保する
- ④スモールスタートクイックウィンを実現する
- ⑤ゴールへの最短かつ低コストなアプローチを設計する
それぞれのポイントについて分かりやすく紹介していきます。
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①リーダーのコミットメントにより社内を巻き込む
DXは、個別業務のデジタル化だけでなく、全社規模の業務やビジネスモデル、組織文化の変革など、会社のコアとなる部分を大きく変えていく取り組みです。
そのため、経営陣や事業部のリーダーが起点となり、DXのビジョン・方針を明確に示し、社内全体を強力に動かしていく必要があります。
具体的には、「どのような中長期的なDXのビジョンを描くのか」、「業務や顧客体験、ビジネスモデルをどのように変えていくのか」、そのために「どの程度人材や予算を割り当てていくのか」などに対して、大きな権限を持って意思決定をしていくことが求められます。
一方で、経営陣やリーダー陣がDXに対する危機意識が低い場合などは、DX推進部門や経営企画部門などが主導し、リーダー陣を含め、DXに関する社内向けの勉強会/ワークショップを実施することも有効です。
②自社ならではのDX戦略を策定する

あらゆる人・モノ・コトがインターネットと繋がる現代で、人々の生活や業務、ビジネスの主戦場は、リアルの世界からデジタルの世界に加速度的にシフトし続けています。
その変化を踏まえ、いかにデジタルを活用し競争優位性を築いていくかは、全ての企業の経営戦略を考える上で必須のテーマとなっており、DX戦略を考えること=経営戦略を考えること、と言っても過言ではありません。
そのため、DX戦略を策定する際は、特定の事業部/部門×個別の業務×デジタル化という範囲で考えたり、同業他社が進めている取り組みをベースにして考えるといった、個別具体的なアプローチではなく、より中長期や全体のアプローチから、全社のビジョンや経営戦略、テクノロジートレンドや業界への影響などと連動させて考える必要があります。
③十分なDX人材を確保する
DXの成功に向けては、テクノロジーと経営戦略に対して深い知見を持つプロジェクトマネージャーや、専門的なスキルを有するエンジニア、デザイナーなどのDX人材を十分に確保することが必須となります。
本来であれば、既にDX人材が社内にいればよいのですが、ほとんどの日本企業で人材が不足しているという現状があります。
また、市場全体として人手不足で、DX人材の争奪戦となっており、採用も思うようには進められないというケースも多く見られます。
そのため、足元のDX推進にむけては、経営課題とデジタルの両方に精通した外部のエキスパートを活用しながら、中長期目線では実践や研修を通じた人材育成をしていくといったアプローチが有効です。
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④スモールスタートクイックウィンを実現する

DXがなかなか進まない理由として、業務や組織を大胆に変えていくことが必要な一方で、全社規模の大きな成果が上がるまでには5年程度を有するという点があります。
そのため、取り組みの方向性が正しくても、短期間では成果が見えにくいことから、部門間の軋轢や現場からの反発が生まれ、変革のスピードが落ちてしまうケースが少なくありません。
そこで、全社単位でのインパクトは小さくとも、比較的短期で成果が出る取り組みを進め、その成果を社内外に発信し巻き込んでいくことは非常に有効です。
取り組みの例としては、アナログデータのデジタル化や各種データの一元管理化、業務自動化ツールの導入などが挙げられます。
これらの取り組みにより小さな成功を積み重ね、他部門のリーダー陣や現場の社員のマインドが徐々に変わっていくことで、連鎖的に大規模なDXを推進しやすい状況を実現できます。
⑤ゴールへの最短かつ低コストなアプローチを設計する

業務の現状や課題を踏まえて設定したゴールに向けて、最適かつ低コストなアプローチ設計をすることは、DXの投資対効果を飛躍的に高めます。
そもそものDXの目的は、業務を効率化することや顧客により良い製品/サービスを届けることです。
一方で、「DXプロジェクトをやるぞ!」となると、本来目的であるはずのデジタル化自体が目的になってしまい、競合が取り組んでいるからといった理由で、自社にマッチしない大掛かりなデジタル化をすすめてしまうケースが少なくありません。
もし大規模なシステム開発をせずに効率化を実現できるのならそれがベストであり、そもそも業務は必要か、効率化のインパクトは大きいか、SaaSの導入で解決できないか、アジャイルな進め方で小規模なPoCで仮説を検証する余地はないか、などより幅広い視点で検討をするようにしましょう。
DXの実行フェーズになっても、デジタルへの知見はもちろんですが、全社単位での経営の視点や戦略思考が必要になります。
DXの進め方|具体的な6つのステップ

DXの進め方は大きく6つのステップに分けられます。
それぞれのステップについてわかりやすく解説していきます。
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ステップ1:DXの目的・ビジョンを明確化する

DX推進の最初のステップとして、DXの目的・ビジョンを明確化しましょう。
「DX推進後の理想の自社の姿」を明確に設定することで、その後の取り組み内容や優先度、進め方などを決定する軸とすることができ、ブレることなくプロジェクトを推進できます。
本ステップの検討には経済産業省の「DXレポート2.1」のフレームワークが役に立ちます。
自社の業務、製品/サービス、ビジネスモデルのそれぞれが、どの程度までデジタル化された状態を理想とするかを、市場環境や自社の特性を踏まえ、検討しましょう。
例えば、業務のデジタル化すら進んでいない企業であれば、3年後までにまずは業務のデジタライゼーションを目指す。一方で、業務のデジタル化が進んでいる企業であれば、3年後までに製品/サービスやビジネスモデルのデジタルトランスフォーメーションを目指す。といったビジョンの設定が考えられます。
ステップ2:自社の現状と課題を把握する

続いて、自社が現状どの程度DXを推進できているのか、ビジョンの実現に向け何が課題なのかを把握しましょう。
本ステップの検討には、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の「DX推進指標」を活用することで、企業文化、推進体制、人材育成など、多角的な観点から評価を行うことができます。
それぞれの観点における自社の成熟度のレベルを把握することで、特にDX推進が遅れているポイントを明確にすることができ、その後の戦略や計画の策定に活かすことが可能です。
ステップ3:DXに関する戦略と計画を策定する

前ステップで策定したビジョンと自社の現状・課題に基づき、DXに関する戦略・計画を策定しましょう。
検討すべき項目は上記画像のように多岐に渡りますが、特に重要なのは、「戦略=デジタル化の優先度付け」です。
デジタル化の対象や取り組み内容の候補は極めて幅広いため、バラバラと取り組みを進めてしまうことでリソースが分散し、思うような成果が上がらないというケースは少なくありません。
そのため、取り組みの候補を幅出し・整理した上で、DXを推進しやすくインパクトも期待できる取り組みから着手し、その後難易度が高くよりインパクトの期待できる取り組みにシフトしていくといった進め方が有効となります。
例えば、受発注のやりとりに関する膨大な作業の効率化を重点課題とした企業であれば、まずは資料のペーパーレス化や判子の電子印化を進めた上で、その後一連の受発注プロセスをデジタル活用により自動化するといった進め方が考えられます。
ステップ4:DX推進チームを構築する

DXを推進するには、ビジョンや戦略を社員に周知し、現場からの課題を吸い上げながら、各部門と連携・調整し、実行支援も行う、DX推進専門のチームが必要になります。
そのため、DX推進チームのメンバーには特に、デジタルへの知見、コミュニケーション能力、業務の知見などのスキルが求められます。
また、DX人材の具体的な職種の例は以下の通りです。
- プロジェクトマネージャー:DXやデジタルビジネス構築を主導するリーダー
- テックリード:システム設計や要件定義を担当し、開発を主導
- UI/UXデザイナー:DXやデジタルビジネスのユーザー向けのデザインを担当
- エンジニア:デジタルシステムの実装・インフラ構築を担当
- データサイエンティスト:事業・業務に精通しデータの収集・分析を担当
これらのDX人材の確保には、外部ベンダー等の人材を活用する方法と、社員に対するDX人材育成を実施する方法があります。
DX推進のスケジュールや、社員のDXスキルの有無、既存業務を含めたリソースの有無などを考慮し、自社に最適な方法を選択しましょう。
ステップ5:デジタル化により業務効率を向上させる
これまでに策定したビジョン・戦略・計画に基づき、実際に業務効率化に向けたデジタル化を推進していきましょう。
ここで、いきなり全社単位や部門横断の大規模なDXに着手してしまうと、デジタル化の難易度が高く、成果が出るまで長期間を要し、コストも膨大になってしまいます。
そこで、デジタイゼーション(書類で管理していたデータをクラウド上で一元管理する等)やデジタライゼーション(RPAの導入によりデスクワークの一部を自動化する等)など着実に成果の上がる取り組みを、特定の事業部や部門単位から進めるのがおすすめです。
前のステップまでは比較的トップダウン的な取り組みですが、本ステップからはいかに現場の各社員と深く対話し、小さな成功を積み重ねるというボトムアップ的な取り組みが重要です。
これにより、多くの人材から共感と信頼を勝ち取り、DX推進に巻き込んでいくことで、より大規模なDXの推進が可能になります。
ステップ6:PDCAを回し、ビジネスモデル変革まで繋げる

業務のデジタル化を進めることで、企業は今まで見えていなかった業務や顧客に関する様々なデータを収集・蓄積・可視化できるようになります。
これらのデータを分析し、新たな業務の課題やビジネスチャンスを発見し、取り組みを改善するというPDCAサイクルを、数ヶ月単位で何度も回すことで、大きな成果を上げることが可能です。
さらに、PDCAサイクルを回し続けることで、自社独自の詳細な顧客データやより効率的なオペレーション、先端技術活用のノウハウなどの強みが蓄積されていきます。この強み蓄積こそが、他社には真似できない、ユニークな新サービスやビジネスモデルの創出の源泉となります。
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各社様のご要望に合わせ、最新の市場動向や具体的な活用アイデアなどを、個別のオンラインMTGにて、無料でご紹介させていただきます。
以下のようなお悩みをお持ちのご担当者様は、この機会にぜひお申込みください。
- 自社がデジタルを活用してどんなことができるか知りたい
- DXをどのように進めれば良いか分からない
- 自社にデジタル活用の経験や知識のある人がおらず困っている