ChatGPTに独自情報を学習させる方法5選|選び方や注意点も紹介

ChatGPTは、アメリカの売上上位企業500社のうち、既に80%以上が導入を決定するなど、多くの企業が業務への活用を進めています。リサーチ、要約/翻訳、文章作成など様々なタスクを大幅に効率化できるため、日本でも多くの企業が導入を開始しています。

 

さらに、自社のデータベースや特定の業界の専門用語等の独自情報をChatGPTに読み込ませることで、ChatGPTを自社専用にカスタマイズしたり、特定の業界に特化させることが可能となります。

 

これにより、自社の膨大なマニュアルをChatGPTに学習させて社員向けの検索システムを構築したり、法律や医学などの専門的な質問に答えられる高性能なチャットボットを制作することもできるようになります。

 

本記事では、ChatGPTに独自情報を学習させる6つの方法、独自情報を学習させるメリット・注意点と対策までわかりやすくご紹介します。


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ChatGPTに独自情報を学習させる5つの方法

ChatGPTに独自情報を学習させる5つの方法

ChatGPTに独自情報を学習させる方法として、以下の5つが挙げられます。

 

  • ①プロンプトにデータを入力する
  • ②プラグインを利用する
  • ③独自のツールを活用する
  • ④RAGを活用する
  • ⑤ファインチューニングを行う

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①プロンプトにデータを入力する

最も簡単に独自情報を学習させる方法は、プロンプトに独自情報を入力することです。プロンプトとは、ChatGPTに対して与える指示や質問文のことをいいます。

 

ChatGPTに学習させたい情報をプロンプトに含めることで、その情報に基づいた回答を引き出すことができます。

 

ChatGPT プロンプトにデータを入力する

例えば、上の画像では、経済産業省のAI事業者ガイドラインの冒頭の文章をChatGPTに学習させ、その要点を箇条書きでまとめるように指示をしました。

 

ChatGPT プロンプトにデータを入力する 実際の回答例

すると、ガイドラインの内容を踏まえて、上の画像のように要点をしっかりと押さえて箇条書きでまとめてくれました。

 

もっとも、一回のプロンプトに含められる文字数には制限があるため、大量のデータや情報を読み込ませることは困難です。ChatGPTの文字数制限は、無料版で約2,000文字、有料版で約2万5,000文字となっています。

 

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②プラグインを利用する

WebPilot 実際の回答例

ChatGPTの有料版では、プラグインという追加機能を利用することができます。このプラグインを利用することで、ChatGPTに独自の情報を学習させることが可能となります。

 

例えば、WebPilotというプラグインは、URLやPDF等のファイルを読み込んで、そこにある情報に基づいた回答をすることができます。

 

上の画像では、WebPilotに、総務省のAI利活用ガイドラインのPDFを読み込ませ、内容を要約させたものです。ガイドラインの内容を学習し、的確な要約文を作成しています。

 

もっとも、プラグインであっても学習させることができるデータ量には限界があり、会社の膨大なマニュアルやデータベースをすべて学習させることは困難です。

③独自のツールを活用する

開発やプログラミングのスキルがなくても、専用のツールを活用することで、ChatGPTに独自情報を学習させることができます

 

例えば、anybot for ChatGPTは、自社の情報を投入するだけで自社専用のChatGPTを簡単に作成することができます。また、OfficeBotというツールは、企業の情報をアップロードするだけで、その情報に基づいた対話が可能となるチャットボットを構築することができます。

 

自社に合ったツールを選定するためには、そのツールが自社の目的を達成するのに必要な機能を有しているか、費用対効果が見合うか、カスタマーサポートは充実しているかといった視点から、慎重に判断することが重要です。

④RAGを活用する

RAGとは

RAG(Retrieval-Augmented Generation)とは、ChatGPTが質問に回答する際に、ChatGPTのデータベースに加え、膨大な自社のデータベースから情報を検索し、回答させるように自社データを組み込む手法のことを指します。

 

ChatGPTにカンニングペーパーを持たせるようなイメージと考えるとわかりやすいでしょう。

 

膨大なデータを一度に学習させることができることに加え、ファインチューニングよりも低コストで実施することができます。しかし、導入には一定の開発スキルが必要であり、初心者にはややハードルが高い手法となっています。

 

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⑤ファインチューニングを行う

ChatGPTのファインチューニングとは
(画像:OpenAI) 

大量のマニュアルやデータベースを一括してChatGPTに学習させるためには、ファインチューニングという方法が有効です。

 

ファインチューニングを使えば、ChatGPTに大量の自社データや業界の専門知識など特別な情報を学習させ、特定の業界や目的に専門特化したオリジナルなChatGPTを作成することができます。

 

もっとも、ファインチューニングを行うには高度な開発スキルが必要となるため、社内に詳しい人材がいない会社にとっては、ハードルが高いという問題があります。

 

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ChatGPTに独自情報を学習させる3つのメリット

ChatGPTに独自情報を学習させる3つのメリット

ChatGPTに独自情報を学習させるメリットとして、以下の3つが挙げられます。

 

  • ①特定の業界に専門特化した高精度な回答を得られる
  • ②自社の業態/業務にマッチした回答を得られる
  • ③誤った回答や不適切な回答が生成されるリスクが減少する

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①特定の業界に専門特化した高精度な回答を得られる

ChatGPTに特定の業界の専門用語や知識を学習させることで、その業界に専門特化した高精度なChatGPTを構築することができます。医学、法律、金融など高度に専門性を有する事項を、ChatGPTがわかりやすく回答してくれるようになれば、リサーチ等の業務を大幅に効率化できるようになるでしょう。

 

例えば、法律ポータルサイトを運営する弁護士ドットコムは、法律に関する知識を学習させた生成AIモデルを構築するプロジェクトを実施しています。難解な法律用語や法的な概念を生成AIがわかりやすく回答してくれるサービスの構築を目指しています。

②自社の業態/業務にマッチした回答を得られる

ChatGPTに、自社のマニュアルや独自のノウハウなどを学習させることで、自社の業態や業務にマッチした回答をするChatGPTを構築することが可能となります。

 

従業員向けのマニュアル検索用のチャットボットや、顧客からの製品・サービスに関する質問に自動で応答できるチャットボットなどの構築が可能となり、業務の効率化やサービスの質の向上が期待できます。

③誤った回答や不適切な回答が生成されるリスクが減少する

ChatGPTの回答は基本的には正しいですが、まれに誤った回答が生成されたり、倫理的に不適切な内容が含まれることがあります。ChatGPTが誤った回答を生成する事象はハルシネーションと呼ばれ、ChatGPTや生成AIが抱える問題点の一つとなっています。

 

一方、ChatGPTに独自の情報を学習させると、その情報に基づいて回答を出力するようになります。これにより、誤った回答や倫理的に不適切な回答が生成されるリスクが減少し、ChatGPTを安全に利用することが可能となります。

ChatGPTに独自情報を学習させる際の3つのリスク・注意点

ChatGPTに独自情報を学習させる際の3つのリスク・注意点

ChatGPTに独自情報を学習させる際のリスク・注意点として、以下の3つの方法が挙げられます。

 

  • ①データの質と正確性を担保する
  • ②回答スピードが遅くなる可能性がある
  • ③実行のためにコストがかかる場合がある

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①データの質と正確性を担保する

ChatGPTに学習させる情報の内容の質が低く、正確性が担保されていないと、ChatGPTの回答も誤りが含まれたり、精度の低いものになってしまいます。

 

そのため、ChatGPTに学習させるデータの内容の質や正確性をしっかりと確認した上で、学習させることが重要です。

②回答スピードが遅くなる可能性がある

ChatGPTにあまりにも多くの情報を学習させてしまうと、処理に過剰な負荷がかかり、回答スピードが遅くなる可能性があります。

 

ChatGPTに学習させる情報は、多ければ多いほど良いというわけではなく、本当に必要な情報だけを厳選して学習させることが重要です。

③実行のためにコストがかかる場合がある

ChatGPTに独自情報を学習させる方法によっては、実行のためにコストがかかる場合があります。

 

特に、ファインチューニングは、膨大なデータを学習させる過程でChatGPTのAPIに対して多額の支払をすることとなります。また、学習に用いるデータセットを収集・整理するのにもコストがかかる場合があります。

 

そのため、ChatGPTに独自情報を学習させる方法を検討するにあたっては、費用対効果を踏まえた検討が重要となります。

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