ChatGPTのプロンプトとは?OpenAI社推奨の8つのコツも紹介

ChatGPTは、アメリカの売上上位企業500社のうち、既に80%以上が導入を決定するなど、多くの企業が業務への活用を進めています。

 

ChatGPTから期待する回答を得るためには、「プロンプト」という指示/命令文をうまく入力することが重要です。

本記事では、ChatGPTのプロンプトについて学びたい方向けに、プロンプトの基本から上手く書くコツ、サンプル例をまとめてご紹介します。


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目次

ChatGPTのプロンプトとは

ChatGPTのプロンプトとは

ChatGPTのプロンプトとは、ChatGPTに与える指示/命令文のことです。

 

例えば、「以下の文章を要約して」「以下のメールに対する返信文を作成して」などがプロンプトです。

 

ChatGPTを使いこなし、期待する回答を得るには、このプロンプトを上手に書く必要があり、プロンプトの質によって回答の精度は大きく左右されます

 

そのため、目的や状況に応じたプロンプトを書く技術や方法は「プロンプトエンジニアリング」とも呼ばれ、効率的に働きたい現代人に必須のスキルとなっています。

 

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OpenAI社が推奨するプロンプトを書く8つのコツ【実例有】

OpenAI社が推奨するプロンプトを書く8つのコツ【実例有】

OpenAI社が公式ページで推奨するプロンプトを書くコツとして以下の8つが挙げられます。

 

  • コツ①最新モデルのChatGPTを使用する
  • コツ②指示/命令と補足情報を書き分ける
  • コツ③できるだけ具体的に書く
  • コツ④参考になる回答例を書く
  • コツ⑤最初はシンプルに書き、その後修正していく
  • コツ⑥あいまいな説明や表現を避ける
  • コツ⑦何をしないべきかよりも何をすべきかを書く
  • コツ⑧コード作成時は書き始めで適切な回答に誘導する

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

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コツ①最新モデルのChatGPTを使用する

最新モデルのChatGPTを使用する

最新モデルのChatGPTを使用することで、より精度の高い回答を得ることができます。

 

現在ChatGPTの最新モデルはGPT-4であり、月額20ドルの有料プランである「ChatGPT Plus」を契約することで利用が可能です。

 

GPT-4は無料プランで利用できるGPT-3.5に比べ、最新のデータを学習していたり、日本語での入出力性能が向上していたりと、性能が大幅に向上しています。

コツ②指示/命令と補足情報を書き分ける

プロンプトの構成要素は、大きく①指示/命令②文脈の補足情報③出力形式の指示の3つに分けられますが、最初に①指示/命令を書くことが重要です。

 

また、これらの構成要素を、「###」や「”””」といった区切り記号を使い、書き分けることで、ChatGPTはそれぞれのテキストが何を意味しているのかを高精度で理解してくれます。

×悪いプロンプト例

ChatGPT 悪いプロンプト例

※ある程度正しい回答が得られていますが、基礎知識がない人には、やや理解が難しい専門用語や表現が使用されています。

◯良いプロンプト例

ChatGPT 良いプロンプト例

※冒頭の指示に加えて、文脈や出力形式を書き分けて入力することで、自分の目的にマッチする回答を引き出すことができています。

コツ③できるだけ具体的に書く

自分が期待する回答を得るためには、5W1Hを示したり、文字数や文章構成を指定するなど、プロンプトをできるだけ具体的に書くことが重要です。

 

また、複雑な指示をする場合には、複数のステップに分けて指示を出すなどの工夫をすることで、精度の高い回答が得られる可能性が高まります。

×悪いプロンプト例

ChatGPT 悪いプロンプト例

※内容はある程度正しいですが、回答が冗長で、やや理解が難しい専門用語や表現も使用されています。

◯良いプロンプト例

ChatGPT 良いプロンプト例

※説明する対象や文量を具体的に指定することで、自分の目的にマッチしたわかりやすい回答を引き出すことができています。

コツ④参考になる回答例を書く

プロンプトに、自分が期待する回答の例を含めることで、自分が求める回答が出力される確率を高めることができます。

 

例えば、ある会社について説明してほしい場合には、回答に含めてほしい内容の例(CEOの名前、設立年、所在地、代表的なサービスなど)をプロンプトに含めることで、自分が求める情報が得られる可能性が高まります。

×悪いプロンプト例

ChatGPT 悪いプロンプト例

※内容はある程度正しいですが、質問が漠然としているため、自分が求めていない情報も多く含まれています。

◯良いプロンプト例

ChatGPT 良いプロンプト例

※回答に含めてほしい内容の例や回答の形式を示すことで、自分が求めている情報を含んだ回答を引き出すことができています。

 

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コツ⑤最初はシンプルに書き、その後修正していく

プロンプトを書く際は、最初は具体例や形式の指示などを入れずにシンプルに書き、その後、具体例を示したり文章構成を指定したりして修正していくことがコツです。

 

特に複雑な指示を出す場合には、一回の指示で自分の望む回答を得ようとするのではなく、シンプルな指示から得られた回答をもとに、地道にプロンプトを修正していくと、うまくいく可能性が高まります。

シンプルなプロンプトの例 

例えば、ChatGPTについてあまり知らない人が、ChatGPTを利用するメリットを知りたい場合、まずは、以下のように、シンプルに質問を入力します。

ChatGPT シンプルなプロンプトの例 

ChatGPTのメリットを様々な角度から説明してくれていますが、今回はデスクワークの場面で利用するメリットに絞って知りたかったため、期待する回答は得られませんでした。

修正のためのプロンプトの例

ChatGPT 修正のためのプロンプトの例

次に、上記のプロンプトを修正し、デスクワークで利用するメリットをシーンごとに説明するように依頼し直しました。

これにより、期待していた通り、デスクワークを効率化するヒントを得ることができました。

コツ⑥あいまいな説明や表現を避ける

プロンプトにあいまいな説明や表現を含めると、自分が意図しない回答が出力される可能性があります。このような記載は避け、できるだけ明確に指示を出すことが重要です。

×悪いプロンプト例

ChatGPT 悪いプロンプト例

※「環境問題について」「できるだけわかりやすく」というあいまいで抽象的な表現を用いたため、様々な話題が散在してしまい、脈絡のない回答になっています。

〇良いプロンプト例

ChatGPT 良いプロンプト例

※環境問題の中でも特に何が知りたいのかを、文量や文体とともに条件として示すことで、自分が求めている回答をうまく引き出せています。

コツ⑦何をしないべきかよりも何をすべきかを書く

プロンプトには、「何をしないべきか」よりも「何をすべきか」をしっかりと書いた方が回答の精度が高まります

×悪いプロンプト例

ChatGPT 悪いプロンプト例

※「専門用語を使わない」「文量が多くなりすぎない」という「してはいけないこと」を指示しました。確かに専門用語は使われていませんが、「まるで物語を作る作家のように」「友達のようなもの」といった余計な表現が含まれ、簡潔さやわかりやすさの点ではいまひとつです。

〇良いプロンプト例

ChatGPT 良いプロンプト例

※「初心者にも理解できるように」「200文字以内」という「すべきこと」を指示したため、初心者でも理解できるような簡潔でわかりやすい回答を得られています。

コツ⑧コード作成時は書き始めで適切な回答に誘導する

ChatGPT でコードを作成する場合には、最初にリーディングワード(コード生成時にモデルを特定のプログラムに誘導する言葉)を使うことで、適切なコード生成が行われやすくなります。

 

例えば、ChatGPTでPythonのコードを作成したい場合には、以下のように「import」というPythonのリーディングワードを追加することで、ChatGPTにPythonでコーディングすべきであることを認識させることができます。

ChatGPT コード作成

【コピペ可】今日から仕事で使えるプロンプト例5選

【コピペ可】今日から仕事で使えるプロンプト例5選

日々の業務で活用できる以下シーンでの5つのプロンプトをご紹介します。

 

  • ①返信メールを作成してもらう
  • ②WebサイトやPDF資料の内容を要約してもらう
  • ③新規事業のアイデアを出してもらう
  • ④企画書を作成してもらう
  • ⑤最適なExcel関数を教えてもらう

 

ぜひプロンプトをコピペしてカスタマイズし、日々の業務を効率化してみてください。

 

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①返信メールを作成してもらう

顧客からクレームのメールが来てどのように返信したらよいのかわからない場合など、メール返信に困ったときには、ChatGPTに返信メールの文案作成を依頼することがおすすめです。

プロンプト例

以下の「顧客からのメール」への返信内容を書いてください。

###:顧客からのメール”””

平素よりお世話になっております。

XXX

どうぞよろしくお願い申し上げます。

“””

実際の回答例

ChatGPT 実際の回答例

※上記は、取引先の顧客から担当者へのクレームのメールに対する返信メールの文案を作成してもらった結果です。回答をそのままコピペして返信しても違和感ないほど、自然な文章が出力されています。

②WebサイトやPDF資料の内容を要約してもらう

ChatGPT上でWebPilotというプラグインを使用することで、特定のWebサイトやPDF資料の内容を参照した回答を引き出すことが可能になります。

 

WebPilotを活用することで、ChatGPTでできる業務効率化の幅は大きく広がるため、非常におすすめの活用方法です。

プロンプト例

あなたは戦略コンサルタントです。###インプットの資料の内容を要約してください。

###目的:”””

・資料の全体像と要点を短時間で理解したい

“””

###出力形式:”””

・X00~X00文字

・箇条書き

・だ、である調

“””

###インプット:”””

・(WebサイトやPDF資料のURL)

“””

実際の回答例

ChatGPT 実際の回答例

※上記は総務省のAIガイドラインのPDF資料を要約してもらった結果となっています。資料を一から読むよりも、はるかに効率的に全体像や要点を理解することができます。

③新規事業のアイデアを出してもらう

ChatGPTは、膨大な学習データと無尽蔵の思考体力から、アイデア出しタスクを非常に得意としています。

 

プロンプトを上手に設定することで、数人で1時間ほどブレストした結果と同等またはそれ以上のアイデア案のリストを得ることができます。

プロンプト例

あなたは新規事業立案に強みを持つ戦略コンサルタントです。

XX業界でXXXを活用した新規事業のアイデアを10個企画してください。

###背景・目的:”””

・私は新規事業立案プロジェクトの責任者

・明日に自社がとり得る新規事業案をMECEにリストアップする必要がある

“””

###各アイデアに関する出力項目:”””

・アイデアの概要

・インパクト:どの程度売上・利益増加に貢献しそうかを10段階で評価しその理由も記載

・フィージビリティ:どの程度実現できる可能性が高いかを10段階で評価しその理由も記載

・必要なアセット:新規事業の成功に向けどのような事業基盤、強みを有している企業とマッチするか

“””

###出力形式:”””

・各アイデアについてX00文字以内で

・箇条書き

・だ、である調

”””

実際の回答例

ChatGPT 実際の回答例

※上記は小売業界での生成AIを活用した新規事業のアイデアを企画してもらった結果の一部です。上手にプロンプトを設定することで、かなり精度の高いアイデア出しに加え、評価や自社とのマッチ度合いなども瞬時に検討してくれます。

 

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④企画書を作成してもらう

ChatGPTを活用することで新しい施策やプロジェクトなどの企画書を作成することができます。

 

プロンプトを上手に設定することで、具体的でクオリティの高い企画書を瞬時に作成することができます。

プロンプト例

あなたはXX業界の大手企業に勤める新サービスの企画担当です。

XXを活用した新しいサービスの企画書を作成してください。

###制約条件:”””

・XXを対象とした、XXを実現するサービス

・ユーザーが繰り返し利用したくなるようなUI/UX設計が施されている

“””

###企画書に含める項目:”””

・企画の概要

・必要となるコストと人材

・他社と差別化できるポイント

“””

実際の回答例

ChatGPT 実際の回答例

※上記は、③の新規事業のアイデアにおいて、ChatGPTに提案してもらった「AIカスタマイズ商品の提案」をするサービスについて、実際に企画書を作成してもらった結果の一部です。上手にプロンプトを設定することで、かなり精度の高い企画の概要に加え、サービスの特徴や必要となるコストなども具体的に記載しています。

⑤最適なExcel関数を教えてもらう

Excelでやりたいことがあるが、どのような関数を使えばわからない場合でも、ChatGPTに指示すればExcel関数を教えてもらうことができます。

 

Excelでどのような目的を達成したいのかを丁寧に説明することが重要です。

プロンプト例

以下の目的を達成するためのExcelの関数式を出力してください。

###目的:”””

XX列にXXを出力したい。

“””

###条件:”””

・XX以上の場合はXXと出力

・XX未満の場合はXXと出力

“””

実際の回答例

ChatGPT 実際の回答例

※上記は、生徒の点数表をもとに、生徒への評価を自動で出力するためのExcel関数を作成してもらった結果です。プロンプトを丁寧に入力することで、目的を達成するための関数式が瞬時に生成されます。

ChatGPTを業務に活用する7つの方法

ChatGPTを業務に活用する7つの方法

ChatGPTを業務に活用する方法として以下の7つが挙げられます。

 

  • ①リサーチ・翻訳・要約・分析
  • ②企画立案・フィードバック
  • ③メール・企画書等の文書作成
  • ④ソフトウェア開発・デバッグ
  • ⑤チャットボット等による社内知見の検索・業務支援
  • ⑥チャットボット等による顧客対応自動化
  • ⑦サービス機能・顧客体験の進化

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①リサーチ・翻訳・要約・分析

リサーチ・翻訳・要約・分析 ChatGPT

ChatGPTを活用することで、webサイトでのリサーチやリサーチ結果の翻訳・要約、分析の大部分を自動化し、大幅に効率化することが可能です。

 

ChatGPTなどの生成AIサービスは、近年脅威的なスピードで進化を遂げており、最新のwebサイトからの情報の取得や、従来Excelで行っていたような定量分析も、チャット形式の操作で行うことができます。

 

そのため、リサーチ・分析業務におけるChatGPT活用は、活用すると効率的というフェーズから、活用しないと非効率というフェーズに移行し始めています。

②企画立案・フィードバック

企画立案・フィードバック ChatGPT

ChatGPTを活用することで、多様なバリエーションの企画案の幅出しの自動化や、壁打ち相手として自分の企画に対するフィードバックを受けることが可能です。

  

ChatGPTの強みは、思考体力が無限にあることであり、人間では不可能な、15分で300通りの企画案を立案するといった活用が可能で、特に幅出しのプロセスで強みを発揮します。

 

今後多くの業界での企画立案業務が、幅出しはAI、評価・ブラッシュアップは人間という役割分担にシフトしていくと考えられます。

③メール・企画書等の文書作成

メール・企画書等の文書作成 ChatGPT
メール・企画書等の文書作成 ChatGPT

メール・企画書などの文章作成は、ChatGPTが最も得意とするユースケースの1つです。

 

活用の際は、背景や目的、出力項目などをしっかりと指示することで、スピードはもちろん、人間以上のクオリティの文章を作成することが可能になります。

 

また、社内稟議用の文章など定型的な文書作成であれば、一度設定してしまえば、作成をほぼ完全に自動化することができます。

④ソフトウェア開発・デバッグ

ソフトウェア開発・デバッグ ChatGPT
(画像:github)

ChatGPTの活用により、一部のシステム設計とコーディングの自動化が実現され、開発工数とリソースの節約につながります。

 

これにより、非エンジニアが開発業務の一部を担当したり、エンジニアがより重要な業務にフォーカスすることが可能となります。

⑤チャットボット等による社内知見の検索・業務支援

チャットボット等による社内知見の検索・業務支援 ConnectAI
(画像:パナソニックコネクト)

独自のデータを学習させたChatGPTを使ったチャットボットの導入等により、各社員に最適な社内の専門知識をリアルタイムで共有することが可能です。

 

この取り組みにより、従業員は必要な情報を即座に取得し、業務の質とスピードを向上させます。

⑥チャットボット等による顧客対応自動化

チャットボット等による顧客対応自動化 MILII TALK
(画像:MILIZE)

ChatGPTを活用したチャットボット等の導入により、顧客からの問い合わせへの対応の一部が自動化され、24時間365日の迅速なサービス提供が可能になります。

 

これにより、顧客満足度が向上し、同時にオペレーター等の業務負担も大幅に軽減されます。

⑦サービス機能・顧客体験の進化

サービス機能・顧客体験の進化 メルカリ
(画像:メルカリ)

ChatGPTを活用することで、既存サービスの機能や顧客体験をよりユーザー中心のものに進化させることが可能です。

  

例えば、専属のコンシェルジュのように最適な商品を最適な文脈/文面で提案したり、顧客のサービス利用にあたってのデータ入力の手間を、候補の提案により省略するなどの活用が進んでいます。

  

この活用により、業務効率化という領域を超え、競合のサービス/事業に対する差別化を図り、競争優位性を構築することが可能です。

ChatGPTの業務への活用事例7選

ChatGPTの業務への活用事例7選

ChatGPTの業務への活用事例7選は以下の通りです。

 

  • ①七十七銀行:商品の販売状況の分析・可視化にChatGPTを活用
  • ②サントリー:ChatGPTからのアドバイスを活用しユニークなCMを企画
  • ③三菱UFJ銀行:ChatGPTの導入で月22万時間の労働時間の削減へ
  • ④LINE:エンジニアがChatGPTを活用し1日2時間の業務効率化
  • ⑤アサヒビール:ChatGPTを活用し従業員の社内情報検索を効率化
  • ⑥学研:ChatGPTを活用した個別アドバイスを提供
  • ⑦ビズリーチ:ChatGPTを活用した職務経歴書の作成でスカウト率40%UP

 

それぞれの事例についてわかりやすく紹介していきます。

 

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①七十七銀行:商品の販売状況の分析・可視化にChatGPTを活用

七十七銀行:商品の販売状況の分析・可視化にChatGPTを活用
(画像:AI inside)

七十七銀行はChatGPTを活用して、商品販売状況をチャネル別に分析・可視化するプロジェクトを開始しました。

 

プログラミングコードの自動生成や表・グラフの可視化、分析結果のレビュー文書生成などが主な活用領域です。

 

すでに、PDFやHTMLなどの非構造化データをアップロードすると、AIが記載内容を認識・抽出し、大規模言語モデル(LLM)がこれらを構造化して指定したフォーマットに自動で転記するシステムを構築済みとのことです。

②サントリー:ChatGPTからのアドバイスを活用しユニークなCMを企画

サントリー:ChatGPTからのアドバイスを活用しユニークなCMを企画
(画像:サントリー)

サントリー食品インターナショナルは、ChatGPTを企画に活用したwebCM、「GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶」を公開しました。

 

キャストとして誰を起用するかや、実際にどのような企画のCMにするかも、ChatGPTからのアドバイスを参考に決定されているとのことです。

 

キャストがバレエダンサーとなり高速回転したり、周りでボウリングのピンが踊る中、ダブルピースで「やさしい麦茶」を飲んだりと予想外な展開で、人間には難しい奇想天外な内容が話題を呼んでいます。

③三菱UFJ銀行:ChatGPTの導入で月22万時間の労働時間の削減へ

三菱UFJ銀行:ChatGPTの導入で月22万時間の労働時間の削減へ
(画像:三菱UFJ銀行)

三菱UFJ銀行が生成AI「ChatGPT」の導入により、業務プロセスを革新し、月22万時間分の労働時間が削減可能との試算を発表しました。

 

ChatGPTの導入により、社内文書のドラフト作成や稟議書の作成が効率化され、顧客との対話やサービス提供の質の向上に時間を割くことができるようになります。

 

さらに、ウェルスマネジメント業務においてもAIの活用が検討されており、顧客の詳細なニーズに基づいたパーソナライズされた提案が可能になると検討しているとのことです。

 

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④LINE:エンジニアがChatGPTを活用し1日2時間の業務効率化

LINE:エンジニアがChatGPTを活用し1日2時間の業務効率化
(画像:github)

LINEヤフーは、ChatGPTを全面的にソフトウェア開発に導入し、エンジニアの作業時間を1日当たり約2時間削減しています。

 

具体的には、米マイクロソフトの子会社であるギットハブの「GitHub Copilot」を利用し、エンジニアが実装したい機能や動作に必要なコードを自動生成し、開発時間を短縮しています。

 

これにより、約7000人のエンジニアが新サービスの考案など高付加価値の業務に集中できるようになり、企業の競争力向上への寄与が期待されます。

⑤アサヒビール:ChatGPTを活用し従業員の社内情報検索を効率化

アサヒビール:ChatGPTを活用し従業員の社内情報検索を効率化
(画像:丹青社)

アサヒビールは、研究開発部門を中心にChatGPTを活用した社内情報検索システムの開発に取り組んでいます。

 

このシステムは、ビール醸造技術や商品開発に関連する技術情報の要約と検索を効率化することを目的としています。

  

開発者は、このシステムにより、従業員が必要な情報に素早くアクセスできるようになり、研究開発のスピードと効率が向上することを期待しています。

⑥学研:ChatGPTを活用した個別アドバイスを提供

学研:ChatGPTを活用した個別アドバイスを提供
(画像:学研)

学研ホールディングスは、オリジナル学習システム「GDLS」でChatGPTを活用し、個別に最適な学習アドバイスを提供するベータ版を開始しました。

 

このシステムは、生徒の学習履歴や理解度の変化に基づいて各生徒に対して適切な学習アドバイスを提供し、学習効果を最大化します。

 

学研オリジナル学習システム(GDLS)は、生徒が毎日ログインする習慣を促し、学習への意欲を高めます。さらに、学研メソッドはこれまでもAIを活用し、正答率に合わせた問題出題などを行っており、GDLSはその発展形となっています。

⑦ビズリーチ:ChatGPTを活用した職務経歴書の作成でスカウト率40%UP

ビズリーチ:ChatGPTを活用した職務経歴書の作成でスカウト率40%UP
(画像:ビズリーチ)

ビズリーチは、転職活動をサポートするための新機能「職務経歴書の自動作成」を発表しました。

 

ユーザーはChatGPTを活用し、職種やポジションなどの簡単な入力だけで、最短30秒でプロフェッショナルな職務経歴書を作成できるようになります。

 

この新機能は、転職希望者が自己のスキルや経験を効果的にアピールできるように設計されており、転職活動のハードルを大きく下げることを目指しています。

また、効果検証の結果、本機能を活用して職務経歴書を作成したユーザーは、スカウトの受信率が40%向上したという成果も上がっているとのことです。

企業がChatGPTの活用を成功させるための5つのポイント

企業がChatGPT活用を成功させるための5つのポイント

企業がChatGPTの活用を成功させるために抑えるべきポイントは以下の5つです。

 

  • ①業務内容の棚卸しと活用インパクトの試算
  • ②投資対効果の高い課題/目的と活用方法の選定
  • ③アジャイルアプローチでの開発・導入
  • ④システムとルールの両面からのリスク管理
  • ⑤研修等での社員のAI活用リテラシーの向上

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

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①業務内容の棚卸しと活用インパクトの試算

ChatGPT活用の成否を分ける最大のポイントは、ChatGPTを活用する意義の大きな業務に対して活用することに尽きます。 

 

活用の方針や戦略がないまま活用を進めるのではなく、自社の業務内容・フローをしっかりと棚卸しした上で、どの程度業務効率やアウトプット向上に繋がるかを試算することが重要となります。

②投資対効果の高い課題/目的と活用方法の選定

ChatGPTは全ての業務に対して万能という訳ではなく、膨大なデータに基づいたコンテンツ制作は得意だが、複雑な問いに対して正確な答えを出すのは苦手といった、明確な得意不得意が存在します。

 

そのため、自社の業務の現状やChatGPTの特徴を踏まえた上で、どのような課題/目的に対して、どのようなアプローチ/範囲/ツールで活用を進めるかを、検討・選定するステップがプロジェクトの投資対効果を左右する、極めて重要なプロセスとなります。

③アジャイルアプローチでの開発・導入

ChatGPTは、一度開発・導入して終わりという進め方ではなく、何度もモデル・学習データ・利用方法等を細かくカスタマイズしなおすことで、より理想とする活用を実現することができます。

 

具体的には、初期仮説に基づいた簡易的なプロトタイプを構築し実際に利用してみる、というサイクルを、1サイクル数週間の期間で何度も繰り返し、ブラッシュアップしていくという、アジャイル開発のアプローチを取ることが適しています。

④システムとルールの両面からのリスク管理

企業がChatGPTの活用に踏み切れない最大の理由として、機密情報漏洩や著作権侵害などのリスクへの懸念が挙げられます。

 

確かに、社員に特段ルールを設けず、一般に公開されているChatGPTを活用させた場合、様々な問題が発生する可能性は存在します。

 

一方で、入力するデータが学習されないようなシステム構築や使用範囲・機密情報の取扱等の運用ルールの策定により、リスクをマネジメントし最小化することが可能です。

⑤研修等での社員のAI活用リテラシーの向上

ChatGPTの特徴として、AIとの対話によってアウトプットを引き出すことが求められるため、使い手のリテラシーによって成果が大きく左右されることが挙げられます。

 

そのため、ChatGPTのポテンシャルを最大限に活用するためには、従業員のAIに対する理解とスキル、すなわちAIリテラシーを向上させることが不可欠です。

 

研修プログラムや実践的なトレーニングを通じて、従業員がChatGPTの基本的な知識、適切な使用方法、関連するリスクを理解してもらい、効率的かつ責任ある方法で使用できる環境の構築が必要となります。

企業がChatGPTを活用するための4つのステップ

企業がChatGPTを活用するための4つのステップ

企業がChatGPTの活用を進めるための流れとして、以下の4つのステップがあげられます。

 

<Step1:活用方針の検討>

  • 最新の市場動向のキャッチアップ
  • 自社の活用可能性の整理
  • ChatGPTの活用目的・ゴールの設定

 

<Step2:利用環境構築>

  • セキュリティ・データ管理体制の強化
  • ガイドライン・マニュアルの策定
  • 社員向けのAIリテラシー研修
  • 社内業務での試験運用

 

<Step3:試験開発・運用(PoC)>

  • PoCを行うユースケースの検討
  • 要件定義・プロトタイプ開発
  • 運用と評価

 

<Step4:本開発>

  • 本開発を行うユースケースの検討
  • 要件定義・本開発
  • 運用と評価
  • 活用方針・内容の継続的なカイゼン

 

それぞれについてわかりやすく紹介していきます。

 

※AI/ChatGPTを導入する前に必ず押さえておきたい、基礎知識や導入方法3パターンの比較、リスクと対策などをまとめた資料をダウンロード頂けます。
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Step1:活用方針の検討

1つ目のステップは、自社としてChatGPTをどのように活用していくかの大方針の検討です。

 

ChatGPTは社内業務効率化や顧客体験の向上、新規事業創出など様々な目的で活用が可能だからこそ、自社の課題にマッチした目的とユースケースで活用することが、投資対効果を大きく左右します。

 

最新の技術や競合の動向をキャッチアップした上で、自社の活用可能性の幅出し・整理を行います。その上で、ChatGPTをどのような領域で、どの程度ダイナミックに活用していくかの目的やゴールを初期的に設定しましょう。

Step2:利用環境構築

2つ目のステップは、ChatGPTを安全かつ効率的に活用できる、社内のシステムやルールなどの利用環境の構築です。

 

企業がChatGPT活用に踏み切れない理由として、機密情報漏洩などのセキュリティリスクの懸念が挙げられますが、適切なシステム設計・データ管理やガイドラインの策定などを行うことで、それらのリスクに対処しながら、業務効率化に繋げることが可能です。

  

社員に対し、ChatGPTをリサーチや文書作成などの日常的な業務に安心して活用できる環境を提供することで、自社のどのような業務とChatGPTの相性が良いのかという現場からの示唆を得ることができ、プロトタイプ・本開発の企画への重要なインプットとなります。

Step3:試験開発・運用(PoC)

3つ目のステップは、自社にマッチするユースケースの検証に向けた、プロトタイプの開発と運用です。

 

顧客対応支援や社内のナレッジ検索、新機能・サービスの実装などのChatGPTの幅広いユースケースの中から、自社の経営課題解決にマッチするいくつかのユースケースに絞り込み、プロトタイプを開発し、実際の業務で運用します。

  

PoCを実施することで、コストを抑えながらChatGPT活用のインパクトを検証しつつ、見えてきた改善点から本開発の精度を高めることが可能です。

Step4:本開発と運用

4つ目のステップは、本格的なChatGPTを活用したシステムの開発と運用、継続的なカイゼンです。

 

自社独自のデータ基盤の構築・連携や活用シーンに特化したアウトプット精度の改善などを実施し、自社の目的達成に特化したChatGPTシステムを開発します。

 

PoCの結果を踏まえ、本開発を行うユースケースや活用範囲を決定することで、ChatGPT活用の費用対効果を最大化することが可能です。

 

また、開発しっぱなしで終わるのではなく、本開発したシステムを運用し上がった成果や改善点、技術進化などを踏まえて、活用方法や内容を継続的にカイゼンしていくことが重要です。

 

このプロセスを通じ、ChatGPT活用のポテンシャルを最大限に発揮することで、業務生産性や顧客への提供価値の観点から、大きな競争優位性を構築することに繋がります。

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