ChatGPTの深津式プロンプトとは?テンプレートやコツも紹介
ChatGPTに対する指示・命令文であるプロンプトにはいくつかの種類があり、代表的なものとして、深津式プロンプトがあります。
深津式プロンプトとは、最初にChatGPTに対して役割を指定し、その後条件を明確に伝えることで、自分が求める形式と内容の回答を確実に引き出すためのプロンプトです。
本記事では、ChatGPTの深津式プロンプトの基本からテンプレ、コツまでわかりやすくご紹介します。
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目次
ChatGPTの深津式プロンプトとは?
深津式プロンプトとは、Note株式会社のCXOである深津貴之氏が考案したプロンプトの型です。
ChatGPTに対する指示/質問において、最初にChatGPTに対して役割を指定し、その後条件を明確に伝えることで、自分が求める形式と内容の回答を確実に引き出すためのプロンプトです。
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ChatGPTの深津式プロンプトの3つのポイント
ChatGPTの深津式プロンプトで重要なポイントとして、以下の3つが挙げられます。
- ①ChatGPTの立場を明確にする
- ②条件を具体的に明示する
- ③出力形式を詳細に設定する
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
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①ChatGPTの立場を明確にする
ChatGPTの立場を明確にすることで、その立場に即したレベルの高い回答が出力される可能性が高まります。
例えば、リサーチを依頼する場合は、「戦略コンサルタントになったつもりで回答してください」などと指示することで、レベルの高いリサーチ結果を得ることができるようになります。
②条件を具体的に明示する
ChatGPTにやってほしいタスクや進め方などの条件を明確にすることで、自分が求める回答を得られる可能性が高まります。
条件は、シンプルかつ具体的に記載し、曖昧な表現は避けましょう。
③出力形式を詳細に設定する
ChatGPTに回答の形式を指定することで、自分が求める形式の回答文を得ることができます。
文体、文量、書式などを詳細に設定することで、そのままコピペして業務に利用できるレベルの回答を得ることも可能になります。
ChatGPTの深津式プロンプトのテンプレート7選
ChatGPTの深津式プロンプトのテンプレートとして、場面ごとに以下が挙げられます。
- ①ブログの執筆
- ②文章の要約
- ③文章の校正
- ④議事録の作成
- ⑤企画書の作成
- ⑥キャッチコピーの作成
- ⑦Excel関数の作成
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
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①ブログの執筆
ChatGPTの深津式プロンプトを上手に利用すれば、記事やブログなどの文章を作成することができます。
文量や文体、含める内容、ターゲットとなる読者などを具体的に設定することで、自分の目的に合致した文章を生成することができ、一から自分で文章を作成するよりはるかに効率的になります。
【プロンプト例】
あなたはブログのライターです。
以下の条件に基づき、XXについて解説するブログ記事の文章を作成してください。
###条件:”””
・400文字程度
・「です」「ます」調
・2~3行ごとに改行をする
・メリットとデメリットを併記
・XXX
“””
【実際の回答例】
※上記は、生成AIを解説するブログ記事の文章を作成させた結果です。正確で自然な日本語で書かれており、このままコピペしても問題ないくらい質の高い回答となっています。
②文章の要約
文章の要約は自力で行うとかなりの時間がかかります。ChatGPTを使えば主要なポイントを押さえたわかりやすい要約を一瞬で作成することができ、業務時間を大幅に短縮することができます。
【プロンプト例】
あなたは有名な雑誌のライターです。
以下の文章を、以下の条件に基づき、要約してください。
###文章:”””
XXX
“””
###条件:”””
・200文字程度
・「です」「ます」調
“””
【実際の回答例】
※上記は、人工知能に関するWikipediaの文章の一部を200字程度で要約させた結果です。主要なポイントをおさえつつ、わかりやすくまとまった内容の要約を瞬時に作成することができます。
③文章の校正
作成した文章をChatGPTに校正してもらうことで、誤字脱字チェックの時間を短縮するとともに、人間が見逃すようなミスもカバーして、適切な文章に修正することができます。
【プロンプト例】
あなたは国語の教師です。
以下の文章から、誤字・脱字を見つけて、修正すべき箇所をすべて挙げてください。その上で、修正した後の文章案を作成してください。
###校正してほしい文章:”””
XXX
“””
【実際の質問と回答例】
※上記は、食事に誘ってもらったことへのお礼の文章を校正してもらった結果です。文法や漢字の誤りも正確に指摘し、正しい文章に修正されています。
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④議事録の作成
ChatGPTに会議の内容メモを読み込ませれば、これをベースに議事録を作成することができます。長時間の会議の場合、メモの量も膨大になるので、自力で議事録にまとめるのにかなり時間がかかります。
ChatGPTにより議事録作成を自動化すれば、人間よりも早く正確に議事録を作成でき、業務効率化に繋がります。
【プロンプト例】
あなたは、会議の議事録の作成担当です。以下の「発言メモ」をもとに、会議の議事録を作成してください。
###発言メモ:”””
・XX:XXXXXXXXXXXXXXXX
・XX:XXXXXXXXXXXXXXXX
・XX:XXXXXXXXXXXXXXXX
“””
###条件:”””
・期日、決定事項の要旨、ToDoを冒頭に記載する
・箇条書き
“””
【実際の回答例】
※上記は、社員が生き生きと働けるようにオフィス環境を改善する策を話し合う会議の議事録を作成してもらった結果です。冒頭に期日や決定事項・ToDoが記載され、会議の内容もわかりやすくまとめられています。
⑤企画書の作成
ChatGPTを活用することで新しい施策やプロジェクトなどの企画書を作成することができます。
プロンプトを上手に設定することで、具体的でクオリティの高い企画書を瞬時に作成することができます。
【プロンプト例】
あなたはXX業界の大手企業に勤める新サービスの企画担当です。
XXを活用した新しいサービスの企画書を作成してください。
###制約条件:”””
・XXを対象とした、XXを実現するサービス
・ユーザーが繰り返し利用したくなるようなUI/UX設計が施されている
“””
###企画書に含める項目:”””
・企画の概要
・必要となるコストと人材
・他社と差別化できるポイント
“””
【実際の回答例】
※上記は、一般消費者を対象とし、AIを活用して家事をより便利にする新サービスの企画書を作成してもらった結果の一部です。上手にプロンプトを設定することで、かなり精度の高い企画の概要に加え、必要となるコストや人材、差別化ポイントなども具体的に検討してくれます。
⑥キャッチコピーの作成
ChatGPTに、自社の商品やサービスを宣伝する魅力的なキャッチコピーやセールスコピーの案を作成してもらうことができます。
自分では思いつかない表現や売り文句を考えてくれるため、より良いコピーの作成が可能となります。
【プロンプト例】
あなたはプロのマーケターです。以下の条件に基づき、XXという商品・サービスのキャッチコピーを5個作成してください。
###条件:”””
・15文字以内
・XXのXXという特徴を強調
・消費者が思わずほしくなるような魅力的な内容
”””
【実際の回答例】
※上記は、消費者をひきつける化粧水製品のキャッチコピーを作成してもらった結果です。いずれも実際の広告にありそうな魅力的でキャッチーなコピーとなっています。
⑦Excel関数の作成
Excelでやりたいことがあるが、どのような関数を使えばわからない場合でも、ChatGPTに指示すればExcel関数を教えてもらうことができます。
Excelでどのような目的を達成したいのかを丁寧に説明することが重要です。
【プロンプト例】
あなたは、Excelの扱いに長けたエンジニアです。
以下の目的を達成するためのExcelの関数式を出力してください。
###目的:”””
XX列にXXを出力したい。
“””
###条件:”””
・XX以上の場合はXXと出力
・XX未満の場合はXXと出力
“””
【実際の回答例】
※上記は、生徒の点数表をもとに、生徒への評価を自動で出力するためのExcel関数を作成してもらった結果です。プロンプトを丁寧に入力することで、目的を達成するための関数式が瞬時に生成されます。
OpenAI社が推奨するプロンプトを上手く書く8つのコツ【実例有】
OpenAI社が公式ページで推奨するプロンプトを書くコツとして以下の8つが挙げられます。
- コツ①最新モデルのChatGPTを使用する
- コツ②指示/命令と補足情報を書き分ける
- コツ③できるだけ具体的に書く
- コツ④参考になる回答例を書く
- コツ⑤最初はシンプルに書き、その後修正していく
- コツ⑥あいまいな説明や表現を避ける
- コツ⑦何をしないべきかよりも何をすべきかを書く
- コツ⑧コード作成時は書き始めで適切な回答に誘導する
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
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コツ①最新モデルのChatGPTを使用する
最新モデルのChatGPTを使用することで、より精度の高い回答を得ることができます。
現在ChatGPTの最新モデルはGPT-4であり、月額20ドルの有料プランである「ChatGPT Plus」を契約することで利用が可能です。
GPT-4は無料プランで利用できるGPT-3.5に比べ、最新のデータを学習していたり、日本語での入出力性能が向上していたりと、性能が大幅に向上しています。
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コツ②指示/命令と補足情報を書き分ける
プロンプトの構成要素は、大きく①指示/命令②文脈の補足情報③出力形式の指示の3つに分けられますが、最初に①指示/命令を書くことが重要です。
また、これらの構成要素を、「###」や「”””」といった区切り記号を使い、書き分けることで、ChatGPTはそれぞれのテキストが何を意味しているのかを高精度で理解してくれます。
×悪いプロンプト例
※ある程度正しい回答が得られていますが、基礎知識がない人には、やや理解が難しい専門用語や表現が使用されています。
◯良いプロンプト例
※冒頭の指示に加えて、文脈や出力形式を書き分けて入力することで、自分の目的にマッチする回答を引き出すことができています。
コツ③できるだけ具体的に書く
自分が期待する回答を得るためには、5W1Hを示したり、文字数や文章構成を指定するなど、プロンプトをできるだけ具体的に書くことが重要です。
また、複雑な指示をする場合には、複数のステップに分けて指示を出すなどの工夫をすることで、精度の高い回答が得られる可能性が高まります。
×悪いプロンプト例
※内容はある程度正しいですが、回答が冗長で、やや理解が難しい専門用語や表現も使用されています。
◯良いプロンプト例
※説明する対象や文量を具体的に指定することで、自分の目的にマッチしたわかりやすい回答を引き出すことができています。
コツ④参考になる回答例を書く
プロンプトに、自分が期待する回答の例を含めることで、自分が求める回答が出力される確率を高めることができます。
例えば、ある会社について説明してほしい場合には、回答に含めてほしい内容の例(CEOの名前、設立年、所在地、代表的なサービスなど)をプロンプトに含めることで、自分が求める情報が得られる可能性が高まります。
×悪いプロンプト例
※内容はある程度正しいですが、質問が漠然としているため、自分が求めていない情報も多く含まれています。
◯良いプロンプト例
※回答に含めてほしい内容の例や回答の形式を示すことで、自分が求めている情報を含んだ回答を引き出すことができています。
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コツ⑤最初はシンプルに書き、その後修正していく
プロンプトを書く際は、最初は具体例や形式の指示などを入れずにシンプルに書き、その後、具体例を示したり文章構成を指定したりして修正していくことがコツです。
特に複雑な指示を出す場合には、一回の指示で自分の望む回答を得ようとするのではなく、シンプルな指示から得られた回答をもとに、地道にプロンプトを修正していくと、うまくいく可能性が高まります。
シンプルなプロンプトの例
例えば、ChatGPTについてあまり知らない人が、ChatGPTを利用するメリットを知りたい場合、まずは、以下のように、シンプルに質問を入力します。
ChatGPTのメリットを様々な角度から説明してくれていますが、今回はデスクワークの場面で利用するメリットに絞って知りたかったため、期待する回答は得られませんでした。
修正のためのプロンプトの例
次に、上記のプロンプトを修正し、デスクワークで利用するメリットをシーンごとに説明するように依頼し直しました。
これにより、期待していた通り、デスクワークを効率化するヒントを得ることができました。
コツ⑥あいまいな説明や表現を避ける
プロンプトにあいまいな説明や表現を含めると、自分が意図しない回答が出力される可能性があります。このような記載は避け、できるだけ明確に指示を出すことが重要です。
×悪いプロンプト例
※「環境問題について」「できるだけわかりやすく」というあいまいで抽象的な表現を用いたため、様々な話題が散在してしまい、脈絡のない回答になっています。
〇良いプロンプト例
※環境問題の中でも特に何が知りたいのかを、文量や文体とともに条件として示すことで、自分が求めている回答をうまく引き出せています。
コツ⑦何をしないべきかよりも何をすべきかを書く
プロンプトには、「何をしないべきか」よりも「何をすべきか」をしっかりと書いた方が回答の精度が高まります。
×悪いプロンプト例
※「専門用語を使わない」「文量が多くなりすぎない」という「してはいけないこと」を指示しました。確かに専門用語は使われていませんが、「まるで物語を作る作家のように」「友達のようなもの」といった余計な表現が含まれ、簡潔さやわかりやすさの点ではいまひとつです。
〇良いプロンプト例
※「初心者にも理解できるように」「200文字以内」という「すべきこと」を指示したため、初心者でも理解できるような簡潔でわかりやすい回答を得られています。
コツ⑧コード作成時は書き始めで適切な回答に誘導する
ChatGPT でコードを作成する場合には、最初にリーディングワード(コード生成時にモデルを特定のプログラムに誘導する言葉)を使うことで、適切なコード生成が行われやすくなります。
例えば、ChatGPTでPythonのコードを作成したい場合には、以下のように「import」というPythonのリーディングワードを追加することで、ChatGPTにPythonでコーディングすべきであることを認識させることができます。
ChatGPTを利用する際の3つの注意点
ChatGPTを利用する際に注意すべき点として以下の3つが挙げられます。
- ①個人情報や機密情報を入力しない
- ②専門性やリアルタイム性が求められる情報の精度は比較的低い
- ③回答や生成されたコンテンツを業務等に活用する場合はダブルチェックをする
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
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①個人情報や機密情報を入力しない
ChatGPTに入力した情報は、ChatGPTが学習するために、基本的にはクラウド上で保管されます。
そのため、会社内部の機密情報や顧客の個人情報などを入力してしまうと、サービス提供者や他のユーザーに機密情報が流出してしまうリスクが存在します。
ChatGPTに機密情報を入力しなければならない場合には、ChatGPTに入力したデータを学習させないようにするオプトアウト機能をオンにすることで、情報漏洩リスクを回避することができます。
ChatGPTのオプトアウト機能の設定方法や注意点については、以下の記事でわかりやすく紹介しています。
⇒ChatGPTのオプトアウト機能とは?情報漏洩を防ぐ設定方法を紹介
②専門性やリアルタイム性が求められる情報の精度は比較的低い
ChatGPTも全知全能の万能ツールではないので、あまりにも高度に専門的な質問には応えられない場合があります。また、プラグイン等を利用しない限り、最新の情報を反映した回答はできないため、リアルタイム性が求められる情報の精度は比較的低いです。
③回答や生成されたコンテンツを業務等に活用する場合はダブルチェックをする
ChatGPTによる回答や生成されたコンテンツは、基本的には正確なものですが、誤りや不適切な表現が含まれている場合もあります。そのため、ChatGPTの生成物を業務等に活用する場合には、事前に人の目でダブルチェックをすることが重要です。
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