「ChatGPTに役割を与える」とは?メリット・やり方・実例も紹介
2022年11月のリリース以降、2ヶ月で1億ユーザーを突破するなど、驚異的なペースで普及が進むChatGPT。
ChatGPTを利用している人の中には、「ChatGPTからより精度の高い回答を引き出したい」「ChatGPTから思い通りの回答を得られず困っている」などと考えている方も多いのではないでしょうか。
実は、ChatGPTから精度の高い回答を引き出すために有効な方法として、「ChatGPTに役割を与える」というものがあります。
本記事では、ChatGPTに役割を与えて回答させるメリットや実例について、画像付きでわかりやすくご紹介します。
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目次
ChatGPTに役割を与えて回答させる2つのメリット
ChatGPTに役割を与えて回答させるメリットとして、以下の2つが挙げられます。
- ①役割に応じた専門的な回答が得られる
- ②文脈や背景に沿った適切な回答が得られる
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
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①役割に応じた専門的な回答が得られる
ChatGPTに役割を与えると、その役割に応じた専門的な回答が得られる可能性が高まります。
例えば、新規事業の企画書を考案させる場合には戦略コンサルタント、文章の校正をさせる場合には日本語の教授、キャッチコピーを作成させる場合にはマーケターなど、指示内容に応じた適切な役割を与えることで精度の高い回答が得られるようになります。
②文脈や背景に沿った適切な回答が得られる
ChatGPTに役割を与えることで、ChatGPTが質問・指示の背景や文脈を理解し、それに沿った回答をすることができるようになります。
これにより、意に反した的外れな回答が出力されるのを防ぎ、思い通りの回答を得られる可能性を高めることができます。
【画像あり】ChatGPTに役割を与えて回答させた実例5選
ChatGPTに役割を与えて回答させた実例として、以下の5つが挙げられます。
- ①ブログ記事の作成:SEOに強いライターとして回答させる
- ②企画書の作成:新規事業の企画担当者として回答させる
- ③文章の校正:国語の教師として回答させる
- ④文章の翻訳:プロの翻訳者として回答させる
- ⑤Webサイトの要約:戦略コンサルタントとして回答させる
それぞれについて、プロンプトや実際の回答例とともにわかりやすく紹介していきます。
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①ブログ記事の作成:SEOに強いライターとして回答させる
ChatGPTにブログ記事を作成させる場合には、「SEOに強いライター」などの役割を与えることが有効です。
【プロンプト例】
あなたは大手Webメディアを運営するSEOに強いライターです。
以下の条件に基づき、XXについて解説するメディア記事の文章を作成してください。
###条件:”””
・400文字程度
・「です」「ます」調
・2~3行ごとに改行をする
・メリットとデメリットを併記
・XXX
“””
【実際の回答例】
※上記は、生成AIを解説するメディア記事の文章を作成させた結果です。正確で自然な日本語で書かれており、このままコピペしても問題ないくらい質の高い回答となっています。
②企画書の作成:新規事業の企画担当者として回答させる
新規サービスや事業の企画書を作成させる場合には、「企画担当者」という役割を与えるのが有効です。
【プロンプト例】
あなたはXX業界の大手企業に勤める新サービスの企画担当です。
XXを活用した新しいサービスの企画書を作成してください。
###制約条件:”””
・XXを対象とした、XXを実現するサービス
・ユーザーが繰り返し利用したくなるようなUI/UX設計が施されている
“””
###企画書に含める項目:”””
・企画の概要
・必要となるコストと人材
・他社と差別化できるポイント
“””
【実際の回答例】
※上記は、一般消費者を対象とし、AIを活用して家事をより便利にする新サービスの企画書を作成してもらった結果の一部です。上手にプロンプトを設定することで、かなり精度の高い企画の概要に加え、必要となるコストや人材、差別化ポイントなども具体的に検討してくれます。
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③文章の校正:国語の教師として回答させる
文章の誤字脱字や日本語表現の訂正といった校正をさせる場合には、国語の教師や日本語の教授などの役割を与えるのが有効です。
【プロンプト例】
あなたは国語の教師です。
以下の文章から、誤字・脱字を見つけて、修正すべき箇所をすべて挙げてください。その上で、修正した後の文章案を作成してください。
###校正してほしい文章:”””
XXX
“””
【実際の質問と回答例】
※上記は、食事に誘ってもらったことへのお礼の文章を校正してもらった結果です。文法や漢字の誤りも正確に指摘し、正しい文章に修正されています。
④文章の翻訳:プロの翻訳者として回答させる
ChatGPTに翻訳をしてもらう場合には、プロの翻訳家などの役割を与えるのが有効です。
【プロンプトの例】
あなたはプロの翻訳家です。
以下の英文を日本語に翻訳してください。
###英文:”””
XXX
”””
【実際の質問と回答例】
※上記は、OpenAIの英語版Wikipediaに掲載されていた一文を日本語に翻訳したものです。短時間で、元の英文を忠実に翻訳しています。
⑤WebサイトやPDF資料の要約:戦略コンサルタントとして回答させる
リサーチのために、WebサイトやPDF資料の要約をさせる場合には、戦略コンサルタント等の役割を与えることが有効です。
なお、WebサイトやPDFのURLを要約させるためには、ChatGPTの有料版に登録し、WebPilotというプラグインを利用しなければならない点に留意が必要です。
【プロンプト例】
あなたは戦略コンサルタントです。以下の資料の内容を要約してください。
(WebサイトやPDF資料のURL)
【実際の回答例】
※上記は総務省のAIガイドラインのPDF資料を要約してもらった結果となっています。資料を一から読むよりも、はるかに効率的に全体像や要点を理解することができます。
OpenAI社が推奨するプロンプトを上手く書く8つのコツ【実例有】
OpenAI社が公式ページで推奨するプロンプトを書くコツとして以下の8つが挙げられます。
- コツ①最新モデルのChatGPTを使用する
- コツ②指示/命令と補足情報を書き分ける
- コツ③できるだけ具体的に書く
- コツ④参考になる回答例を書く
- コツ⑤最初はシンプルに書き、その後修正していく
- コツ⑥あいまいな説明や表現を避ける
- コツ⑦何をしないべきかよりも何をすべきかを書く
- コツ⑧コード作成時は書き始めで適切な回答に誘導する
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
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コツ①最新モデルのChatGPTを使用する
最新モデルのChatGPTを使用することで、より精度の高い回答を得ることができます。
現在ChatGPTの最新モデルはGPT-4であり、月額20ドルの有料プランである「ChatGPT Plus」を契約することで利用が可能です。
GPT-4は無料プランで利用できるGPT-3.5に比べ、最新のデータを学習していたり、日本語での入出力性能が向上していたりと、性能が大幅に向上しています。
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コツ②指示/命令と補足情報を書き分ける
プロンプトの構成要素は、大きく①指示/命令②文脈の補足情報③出力形式の指示の3つに分けられますが、最初に①指示/命令を書くことが重要です。
また、これらの構成要素を、「###」や「”””」といった区切り記号を使い、書き分けることで、ChatGPTはそれぞれのテキストが何を意味しているのかを高精度で理解してくれます。
×悪いプロンプト例
※ある程度正しい回答が得られていますが、基礎知識がない人には、やや理解が難しい専門用語や表現が使用されています。
◯良いプロンプト例
※冒頭の指示に加えて、文脈や出力形式を書き分けて入力することで、自分の目的にマッチする回答を引き出すことができています。
コツ③できるだけ具体的に書く
自分が期待する回答を得るためには、5W1Hを示したり、文字数や文章構成を指定するなど、プロンプトをできるだけ具体的に書くことが重要です。
また、複雑な指示をする場合には、複数のステップに分けて指示を出すなどの工夫をすることで、精度の高い回答が得られる可能性が高まります。
×悪いプロンプト例
※内容はある程度正しいですが、回答が冗長で、やや理解が難しい専門用語や表現も使用されています。
◯良いプロンプト例
※説明する対象や文量を具体的に指定することで、自分の目的にマッチしたわかりやすい回答を引き出すことができています。
コツ④参考になる回答例を書く
プロンプトに、自分が期待する回答の例を含めることで、自分が求める回答が出力される確率を高めることができます。
例えば、ある会社について説明してほしい場合には、回答に含めてほしい内容の例(CEOの名前、設立年、所在地、代表的なサービスなど)をプロンプトに含めることで、自分が求める情報が得られる可能性が高まります。
×悪いプロンプト例
※内容はある程度正しいですが、質問が漠然としているため、自分が求めていない情報も多く含まれています。
◯良いプロンプト例
※回答に含めてほしい内容の例や回答の形式を示すことで、自分が求めている情報を含んだ回答を引き出すことができています。
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コツ⑤最初はシンプルに書き、その後修正していく
プロンプトを書く際は、最初は具体例や形式の指示などを入れずにシンプルに書き、その後、具体例を示したり文章構成を指定したりして修正していくことがコツです。
特に複雑な指示を出す場合には、一回の指示で自分の望む回答を得ようとするのではなく、シンプルな指示から得られた回答をもとに、地道にプロンプトを修正していくと、うまくいく可能性が高まります。
シンプルなプロンプトの例
例えば、ChatGPTについてあまり知らない人が、ChatGPTを利用するメリットを知りたい場合、まずは、以下のように、シンプルに質問を入力します。
ChatGPTのメリットを様々な角度から説明してくれていますが、今回はデスクワークの場面で利用するメリットに絞って知りたかったため、期待する回答は得られませんでした。
修正のためのプロンプトの例
次に、上記のプロンプトを修正し、デスクワークで利用するメリットをシーンごとに説明するように依頼し直しました。
これにより、期待していた通り、デスクワークを効率化するヒントを得ることができました。
コツ⑥あいまいな説明や表現を避ける
プロンプトにあいまいな説明や表現を含めると、自分が意図しない回答が出力される可能性があります。このような記載は避け、できるだけ明確に指示を出すことが重要です。
×悪いプロンプト例
※「環境問題について」「できるだけわかりやすく」というあいまいで抽象的な表現を用いたため、様々な話題が散在してしまい、脈絡のない回答になっています。
〇良いプロンプト例
※環境問題の中でも特に何が知りたいのかを、文量や文体とともに条件として示すことで、自分が求めている回答をうまく引き出せています。
コツ⑦何をしないべきかよりも何をすべきかを書く
プロンプトには、「何をしないべきか」よりも「何をすべきか」をしっかりと書いた方が回答の精度が高まります。
×悪いプロンプト例
※「専門用語を使わない」「文量が多くなりすぎない」という「してはいけないこと」を指示しました。確かに専門用語は使われていませんが、「まるで物語を作る作家のように」「友達のようなもの」といった余計な表現が含まれ、簡潔さやわかりやすさの点ではいまひとつです。
〇良いプロンプト例
※「初心者にも理解できるように」「200文字以内」という「すべきこと」を指示したため、初心者でも理解できるような簡潔でわかりやすい回答を得られています。
コツ⑧コード作成時は書き始めで適切な回答に誘導する
ChatGPT でコードを作成する場合には、最初にリーディングワード(コード生成時にモデルを特定のプログラムに誘導する言葉)を使うことで、適切なコード生成が行われやすくなります。
例えば、ChatGPTでPythonのコードを作成したい場合には、以下のように「import」というPythonのリーディングワードを追加することで、ChatGPTにPythonでコーディングすべきであることを認識させることができます。
ChatGPTを利用する際の3つの注意点
ChatGPTを利用する際に注意すべき点として以下の3つが挙げられます。
- ①個人情報や機密情報を入力しない
- ②専門性やリアルタイム性が求められる情報の精度は比較的低い
- ③回答や生成されたコンテンツを業務等に活用する場合はダブルチェックをする
それぞれについてわかりやすく紹介していきます。
※AI/ChatGPTを導入する前に必ず押さえておきたい、基礎知識や導入方法3パターンの比較、リスクと対策などをまとめた資料をダウンロード頂けます。
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①個人情報や機密情報を入力しない
ChatGPTに入力した情報は、ChatGPTが学習するために、基本的にはクラウド上で保管されます。
そのため、会社内部の機密情報や顧客の個人情報などを入力してしまうと、サービス提供者や他のユーザーに機密情報が流出してしまうリスクが存在します。
ChatGPTに機密情報を入力しなければならない場合には、ChatGPTに入力したデータを学習させないようにするオプトアウト機能をオンにすることで、情報漏洩リスクを回避することができます。
ChatGPTのオプトアウト機能の設定方法や注意点については、以下の記事でわかりやすく紹介しています。
⇒ChatGPTのオプトアウト機能とは?情報漏洩を防ぐ設定方法を紹介
②専門性やリアルタイム性が求められる情報の精度は比較的低い
ChatGPTも全知全能の万能ツールではないので、あまりにも高度に専門的な質問には応えられない場合があります。また、プラグイン等を利用しない限り、最新の情報を反映した回答はできないため、リアルタイム性が求められる情報の精度は比較的低いです。
③回答や生成されたコンテンツを業務等に活用する場合はダブルチェックをする
ChatGPTによる回答や生成されたコンテンツは、基本的には正確なものですが、誤りや不適切な表現が含まれている場合もあります。そのため、ChatGPTの生成物を業務等に活用する場合には、事前に人の目でダブルチェックをすることが重要です。
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